こんにちは!株式会社CROSS TOKYO代表の溝橋です。
本日は、グループ会社の株式会社commissureで展開する「ディープテック事業」について、詳しくお話しします。
「大学発のベンチャー企業に興味のある方」や「まだない価値を世の中に広めたい方」はぜひ最後までご覧ください!
CROSS TOKYOの事業一覧
CROSS TOKYOが目指しているのは、「15年でグループ会社100社、時価総額100億ドル」。
現在は、「マーケティングコンサルティング事業」と「スタートアップスタジオ事業」の2つの事業を軸に、スタートアップスタジオ事業では、グループ会社4社が各領域で事業を展開しています。
- マーケティングコンサルティング事業
- スタートアップスタジオ事業
- ディープテック事業「株式会社commissure」
- クラウドファンディングコンサルティング事業「株式会社craco」
- データコーチング事業「株式会社Parkour Japan」
- セールスフォースエンジア育成事業「株式会社Clafit Consulting」
ディープテック事業「株式会社commissure」
ー事業概要
|東大発のディープテック・ベンチャー
commissureは、いわゆる東大発のディープテック・ベンチャーです。
CTOの堀江は、東京大学・稲見研究室の出身で、稲見先生(現在は東京大学・先端技術系の副学長)から学び、東大で博士課程を修了。その後も特任助教として「触覚提示技術」の研究を続けてきました。
その技術を社会実装するために立ち上がったのが、「株式会社commissure」です。
commissureでは、ビジネスサイドとテクノロジーサイドを明確に分け、それぞれが専門性を発揮しながら事業を進めているのが大きな特徴です。
|AI時代に残るのは「身体性」
AIの進化が進み、あらゆる仕事が代替されていくなかで、最後に残るのは「身体性」ではないかと考えています。
例えば、自分の手で何かを生み出したときに感じる「できた感覚」や「達成の喜び」。こうした身体を通して得る経験は、言語や数値では完全に置き換えられない、人間だけの感覚です。
commissureはこの“身体感覚”に着目し、それを保存・再生・生成することで新しい価値を生む「感覚資産」が活用可能な社会を目指してます。
ー創業の背景にある課題
|大学発ベンチャーの、新しいロールモデルを目指して
2024年5月の経済産業省のレポートによると現在、大学発ベンチャーとして登録されている企業は、およそ4,200社ほど存在します。
そのうち、研究開発型のベンチャーに分類されるのは約4分の1程度です。
しかし、その多くが、本来CEOを担うべき人材が不在で、CTOが仕方なくCEOを兼任しているというケースも少なくありません。その結果、経営やビジネスの面が弱く、事業化に失敗してしまう企業をたくさん見てきました。
commissureが目指しているのは、もちろん技術の社会実装ではありますが、同時に、大学発ベンチャーの新しいロールモデルになることでもあります。
具体的には、「Day1からビジネス領域とテクノロジー領域、それぞれの専門家がタッグを組んで事業を推進していく」こと。
これからの時代に必要とされる価値を、テクノロジーとビジネスの両輪で社会実装していくことを目指しています。
ープロジェクト事例
例えば、伝統技術の継承。沖縄の陶芸工房さんにご協力いただき、実際にプロの陶芸家の作業を感覚データとして記録するプロジェクトを行いました。
「見て覚えろ」と言う言葉をよく耳にすると思うのですが、私たちが目指しているのは、それに“手の感覚”や“力加減”といった情報を加えるイメージです。視点映像とセンサーデバイスを組み合わせることで、目線の動きと同時に手元の感覚情報も記録。熟練職人の繊細な動きを“感覚ごと”データとして残すことができるんです。
「国や言語、時差や物理的距離といった壁を超えて、技術共有ができるようになること」を目指しています。
ーcommissureが目指す世界
|「アカデミア発のベンチャー」がもっと正しく増えるべき
個人的な意見ではありますが、日本の経営において、“真のリーダーシップとは何か”改めて問い直す必要があるのではないかと感じています。
というのも、海外を見ると、一流大学の出身者が目覚ましい実績を上げしっかり成果を出しています。
日本にも、もっと東京大学出身のような実業家が増えるべきですし、それが社会にとっても価値のあることだと思っています。その上で、最先端の技術がきちんと社会に実装されていく流れをつくっていく。それがcommissureの根本にあるビジョンのひとつです。
|感覚で、まだこの世にない体験をつくる
私たちが目指しているのは、課題を解決するための技術ではなく、“まだ存在しない体験や価値を生み出すこと”です。
この考え方は、iPhoneが登場したときに似ているかもしれません。
当時、誰もがガラケーに満足していた中で、スティーブ・ジョブズという一人の天才がiPhoneを生み出し、世界は大きく変わりました。
“感覚”も同じように、新しい可能性を切り拓く力があると信じています。
例えば、VRは、視覚的な情報は再現できても、身体感覚までを表現することはまだ難しいのが現状です。
もしそこに、「触れたときの感覚」や「持ち上げたときの重さ」など、“力学そのもの”を伝えられる技術が加われば、新しいビジネスが生まれたり、これまでにない価値を提供できたりする可能性が広がっていくと考えています。
ー今後の事業展望
3年後、5年後といった中期的なスパンで言えば、私たちの技術が社会に実装されていくことがひとつの大きな目標です。
そして10年以降のスパンでは、人類が“感覚”を通じて、ひとつアップデートされるような世界が実現できたら面白いと思っています。
例えば、「職人の技術を習得するのに2年かかる」と言われていたものが、感覚データの活用によって1年で身につくようになる。そうなれば、その空いた1年で他のことに挑戦できるし、あらゆる分野の技術レベルが底上げされるような社会になるはずです。
映像ではすでに、歴史的な人物や技術が記録されていますよね。例えば、マリリン・モンローの映像は残っていますが、彼女の「身体感覚」までは残っていません。
もし、感覚までもがデータとして残せるようになったら、陶芸やピアノ、歌舞伎のような身体的な技術も、未来に継承することができる。
亡くなった人の“技”までもが、リアルな体験としてよみがえる。そんな「感覚資産」が流通する世界を創れたら、とても面白いと思っています。