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社内アワードを活用し、組織をより良い状態へと導いた「価値還元」とは?【組織風土・カルチャー醸成インタビュー】

株式会社Scene Liveでは「価値還元」という考え方を大切にした組織風土・カルチャーづくりを進めています。

2年前からは、クオーターごとに自身の行動を振り返り、「価値還元」につながったと感じる行動を共有する社内アワード「四季王」をスタートさせました。今回は、取締役 副社長の今西さんと、「四季王」で年間1位に表彰された開発部の廣井さんにインタビュー。

Scene Liveのユニークな組織風土・カルチャー醸成の背景について、詳しく聞きました。

Scene Liveが大切にしている「価値還元」

「価値還元」が生まれた背景にあるもの

Scene Liveでは、「価値は循環しており、価値を提供すれば回りまわって返ってくる」という思想を「価値還元」と定義しています。

この考えを大切にしている背景には、会社で働いていると、仕事は会社や上司から与えられ、給与が支給され、昇給するのが当然だと感じてしまうことがあります。しかし、実際には、仕事はユーザーから与えられるものであり、会社はユーザーから得た売上を給与として分配しているに過ぎません。

価値還元を意識できれば、大きな価値を提供するためには【情報を受け取る⇒付加価値を加える⇒渡す】というステップが重要であることが理解できてきます。

例えば、松下幸之助の「企業は社会の公器である」という言葉がありますが、社会において価値還元を意識すると、【社会のニーズを受け取る⇒企業で付加価値を加える⇒ユーザーに価値を渡す】ことが重要であるとわかります。

社員一人ひとりの意識が大きな価値提供に繋がる

では、企業や組織内で価値還元を意識できると、どのような効果が生まれるでしょうか?

Scene Liveでは、セールス、サクセス、開発、管理部門など機能ごとに組織化され、各チームが分業体制で活動しています。そのため、企業として付加価値を加え、ユーザーに価値を提供するためには、異なる部署やチーム間での情報連携が不可欠です。

セールスを起点とした価値還元の例を挙げると、セールスチームは市場の動向や潜在顧客のニーズを受け取り、それを分析・評価して付加価値を加え、開発チームに情報を渡すことができます。開発チームはその情報を活用して製品開発を行い、ユーザーに価値を提供します。結果として、セールスチームは潜在顧客により大きな価値を提供できるようになります。

チーム内でのコミュニケーションにおいても同じことが言えます。例えば、メンバーから課題に関する情報を受け取った場合、自身の経験をもとに付加価値を加えて意見や提案を渡すことで、チーム全体として良い成果を生み出し、結果的に大きな価値を生み出すことができるのです。

価値還元は、自己実現に繋がる

価値還元という思想が根付くことで、外界から受け取った情報に付加価値を加え、それを外界へと渡していくことが、自然と行えるようになります。

行動の結果、価値が回りまわって還元され、社会貢献への繋がり、自己の存在意義、評価や承認、さらには周りの人々との繋がりや幸福を実感させてくれます。それらが自己実現につながり、大きなエネルギーを得て行動できるようになると考えています。

このような理由から、Scene Liveでは「価値還元」を重要な価値観として、カルチャーの醸成に取り組んでいます。

カルチャーを「価値還元」を用いた施策で育てる

社内アワード「四季王」を立ち上げた理由

Scene Liveでは、カルチャーの中で「Efficacy(組織効力感)」を大切にしています。組織効力感とは、「私たちのチームなら目標を達成できる!」という組織全体の自信を指します。

このカルチャーを育むため、2年前から社内アワード「四季王」を実施しており、クオーターごとに「価値還元」をテーマに取り組んだことを共有し合っています。これにより、ユーザーへの貢献やチームへの貢献が共有され、組織効力感が育まれています。

「四季王」の仕組みと選出方法とは?

四季王とは:
社員の投票によって、クオーターごとに表彰者を選出します。上位者には名誉と報酬が得られるように設計され、表彰者はそれぞれ「春王」「夏王」「秋王」「冬王」と名付けられ、「価値還元」を意識した社内への貢献度を見ていきます。

発表の仕方:
各王となった社員が資料を作成し、価値還元に基づく取り組みについてプレゼンテーションを実施します。それを聞いた社員が各自2票を投じ、得票数が最も多い社員が年間1位となり、晴れての「四季王」の勝者となります。

社内全体に業務の取り組みを共有すると、自ずと価値還元に関する考え方が言語化されます。するとその意識は行動に移り、「価値還元につながる行動」へと変化します。こうしたプロセスの理解を全員で深めることができる仕組みとなっています。

2023年「四季王」王者に輝いた廣井さんの「価値還元」

では、2023年の年間王者「四季王」に輝いた開発部 廣井さんに、受賞時の気持ちを伺ってみましょう。

───廣井さん、受賞おめでとうございます。投票に先立ちプレゼンテーションをされたそうですが、実際に、業務内容のどの部分にフォーカスしてアウトプットしたのでしょうか?

廣井:
「価値還元」で取り組んだことをアウトプットするために、まずクオーターの業務を振り返りました。そこで「セールスコミュニケーションテクノロジーのリーディングカンパニーになるための土台作りをしよう」としたことを、取り上げました。

私は以前、社外で実施されたハッカソンイベントに参加しました。その後、そこで得られた経験を自分だけのものにするのではなく、社内の生産性向上に活かせないかと考えました。試しにアプリを2種類ほど開発したのですが、その時の失敗談を「四季王」のプレゼン資料内に盛り込み、共有しました。

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───「失敗」とは、いったい何があったのですか?

廣井:
2種類開発したアプリのうち、アプリAは使ってもらえましたが、アプリBは全然使ってもらえていないという結果になりました。結果を受けてアプリAとBの差を考えた結果、「価値還元」の考え方に繋がったんです。

「価値還元」は本来、「相手の要望を受け取った上で、価値を渡す」という行為が大切になります。しかしアプリBでは「要望を受け取ること」をないがしろにしてしまいました。

「きっとみんなが必要としているだろう」という気持ちが先走り、要望を受け取らずにアプリを開発を行った結果、誰にも活用されないプロダクトが誕生してしまいました。

「ユーザーの声を受け取り、プロダクトに反映させた上で渡す」その繰り返しによって良いプロダクトが生まれることを、身を持って知りました。

同時に、関わっている社員全員が協力して共にプロジェクトを進めることができれば、より良いプロダクトができるはずだと実感しました。この気づきをまとめて、発表しました。

───副社長の今西さんにもお聞きします。どういったポイントが評価されたのでしょうか?

今西:
廣井さんは相手からの要望を受け取る大切さを、実体験を通じて学んでいます。さらにScene Liveをより良くするために開発部から何か発信できないだろうかと考えている点が評価につながりました。

これこそが「価値還元」の源になる想いではないでしょうか。

業務内容を通じて、失敗から学んだ課題や社員へのメッセージも分かりやすく伝えており、非常にポジティブさを感じました。この機会を活かし、自分自身を深く見つめ直すチャンスと捉え、成長できたのではないかと思います。

Scene Liveの今と、これから

「価値還元」が浸透すればするほど、組織は進化していく

───廣井さんにお聞きします。「四季王」にチャレンジしてみて、いかがでしたか?

廣井:
最初は「価値還元とは何か」についてもあまり理解しておらず、「お客様の声を聞いて実装し、形にすれば良いか」と漠然と思っていました。

ところがアプリ開発で失敗した経験を経て、「もしかしたらこれが価値還元なのか」と少しずつ気づかされました。「四季王」にエントリーする上でその気づきを言語化し、今まで以上に強く意識できるようになりました。

例えば日頃から他部署と連携して意見を聞くようになりましたし、一歩踏み込んだ話し合いもできるようになったと思います。今では隔週1回のペースで、有識者や営業部長、CS部などとミーティングを行い、コミュニケーションを取るようにしています。

開発部内だけでプロダクトをつくるのではなく、フィードバックをもらいながら進めて行けるようになった点は、会社にとっても良かったのではないでしょうか。

さらに雑談も増え、人間関係もこれまで以上に良くなったように感じます。業務もよりスムーズに進めやすくなりました。これからも自分の体験談を、積極的に他のメンバーに伝えていきたいです。

───今西さんが今後、目指していきたい「組織の形」とはどのようなものなのでしょうか?

今西:
社内アワードを運用し始めてから2年が経過し、「価値還元」という考え方が社員1人ひとりの行動に反映されるようになってきました。

相手に対して思いやりのある行動や言動をするメンバーが増え、信頼関係も強まっていると感じています。加えて、ユーザーに対する価値提供の意識も高まり、以前にも増して活動的になっています。

私たちのすべての行動が「価値還元」につながれば、より良い方向に進むエネルギーとなります。そうなっていけば、自発的に動く組織になっていくと思っています。

毎回、クオーターごとに「みんながそれぞれの場所で、真剣にニーズと向き合って努力しているんだ」と知るたび、感謝の気持ちが込み上げます。今後も変わらずに、この取り組みを続けていきたいです。


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