100社を超える就職活動、被災地でのボランティア経験、そして資本金1万円からの起業──。社会の課題に向き合い、「人類の可能性を信じる」という理念を胸に走り続けてきたAnStan代表・尾﨑 亮太。
そんな尾﨑が率いるAnStanは今、人材とAIの力を掛け合わせた新たな人的資本経営「HRX」の実現を目指し、大きな変革期を迎えています。
AnStanのこれまでとこれからを、尾﨑が語ります。
ーこれまでのキャリアを教えてください。
新卒で大手人材会社に入社し、主に関西圏の中小企業様に対し求人広告や採用イベントなど先行投資型の中途採用支援を提供してきました。
その後AI開発を手掛けるベンチャー企業に入社、東京拠点の立ち上げというミッションを受け、コロナ禍のなか上京しました。幸いにも誰もが知る企業様との取引も実現し、東京拠点立ち上げは成功を収めました。安定軌道に乗った後は、新規事業開発担当として、物流とAIを組み合わせた新たな事業をゼロから任されるように。
もともと起業したいという想いはありましたが、積み上げてきた成功体験に背中を押され、2022年2月にAnStanを起業しました。
ーそのキャリアを築くきっかけになった出来事はありますか。
就活時代に、自分がもっと社会に貢献できないか、社会に良いインパクトを残せないかと考えた出来事がありました。
就活を始めて思い知ったのは、自分がいかに社会を知らなすぎたかということ。社会をもっと知りたいという一心で、業種問わず100社は受けました。
そしたらだんだんと社会の解像度が上がってきたんです。今の日本が直面している課題、困難、実情…。
今の自分に何かできることは何か考えていた時、岡山県倉敷市で「西日本豪雨」が発生しました。ボランティア募集の記事を見つけた僕は、一目散に自費で大阪から倉敷へ。
流されてしまった木材や床を運んでいるとき、被災したおばあちゃんが僕の手を握りながら「ありがとう」と言ってくれました。
小さなことかもしれないけど、その時に初めて社会貢献を実感できたんです。もっと社会貢献できないか、そのためにはどんな方法があるのか。
就活中だった僕は、「世の中を広く知れる仕事をすれば、社会や周りの人を救える方法がもっと見つかるかもしれない。」と思いました。
そこで、あらゆる業界のクライアントを持つ人材会社への入社を決めました。おかげで色々な企業の社長とのご縁にも恵まれ、貴重なアドバイスや話をたくさん聞くことができました。
そしてその後ベンチャー企業への転職。そこでは立ち上げフェーズから携わることができたので、起業の礎を作れたと思っています。
ーAnStan設立前に抱いていた課題や問題意識を教えてください。
2つあって、ひとつは人材かAIどちらか100%で会社を動かすのは不可能であるということ。
1社目ではヒトを採用して事業を回しましょうと提案していましたが、2社目ではAIを活用してヒトを採用しなくても事業を回しましょうと提案。
まったく逆のことを提案していましたね。(笑)でもおかげで、人材とシステムそれぞれが持つ力や良さを知りました。
どちらか100%で会社を動かせるわけではありません。特に最近はDXやAIという言葉が広く浸透していますが、ヒトにしかできないことだってあります。
2つめは、「一旦求人を出しましょう」というスタイルの人材営業が非常に多いこと。
お客様にとっての本質的な採用とまったく向き合っておらず、ノーロジックだと感じる瞬間が多々ありました。
そもそもなぜ採用するのか、正社員でないとダメなのか、採用手段はそれでいいのか。本質を突き詰めようとすれば、疑問はたくさん生まれてきます。
そんな疑問を無視して、ただやみくもに採用の提案をしている人材業界に問題意識を抱きました。
ー起業してから苦労したことは?
やはり設立当初ですね。
資本金1万円から始めました。最初はキャッシュが足りなくて自分の給与が払えなかったことも。まさにお金は底を尽きていました。
そんな状態だったので1期目は採用以外の仕事もやっていて、新規事業立ち上げの手伝いやラジオ番組制作まで、とにかく頂いた案件はすべて受けていました。
ようやく採用支援事業に注力できるようになったのは、2期目から。
実績も重なってきて、4期目を迎えたいま、今後の展望も具体的に描けるようになってきました。
ー起業家として大切にしていることは?
「原理原則」「本質」
この言葉を大切にしてやってきましたし、僕自身好きな言葉です。人間関係や仕事、何においても物事には原理原則があり、それに基づいて行動したいと常々思っています。
例えば先述したような、採用支援時のお客様への向き合い方。このお客様にとって本質的な採用成功は何なのか、徹底していつも考えています。
ー改めて、AnStanの企業理念やミッションを教えてください。
「人類の可能性を信じる」を企業理念とし、「人類のためのサービスを創造する」をミッションとしています。
僕たちのサービスは採用支援に留めるつもりはなく、今後は組織開発や従業員エンゲージメント、人的経営支援などHR分野にも裾野を広げたいと思っています。そして、更にその先にはITや営業、マーケの支援も。
BtoB支援を極め、より企業の中に入り込みたいですね。
企業理念である「人類の可能性を信じる」というのは、当社執行役員である羽場をはじめ、僕たちAnStanのコミュニケーションの根本です。
例えそのポジションで活躍できていなくても、必ず他のポジションで輝ける。
その人の可能性を誰よりも信じたいという想いがあります。
ー事業内容についても教えてください。
採用計画の立案から媒体の運用代行に至るまで、ブレインから足元の実行に至るまで支援しています。
どの部分を支援させていただくにしても、徹底しているのはクライアントとの目線合わせです。本質的な採用支援を実現するために、その目線合わせに抜かりはありません。
また、発注していただく立場の僕たちではありますが、最後まで一緒に前を向いて頑張ってくださるご担当者様としか取引しません。
そして、取引いただいたからには徹底的にご支援。
以前、「このポジションは採用成功率が低いかもしれないけどAnStanさんとここまでやって無理ならもう諦めましょう、と役員会で言いやすいんですよね(笑)」というお言葉をもらったことも。
ご支援の方法については、完全にクライアントごとにオーダーメイドです。
急ぎの採用を支援する短期的な案件も、新卒採用の説明会資料や台本作成からエージェントとの折衝に至るまでの長期的な案件も様々。
時に、採用広報用の動画制作を手がけることもあります。本当にクライアントに合わせて、あらゆる方法でご支援させていただいておりますね。
おかげさまで既存のお客様からの満足度、継続度はともに90%以上。そして、その高い質を今後も担保し続けられる自信があります。
ー今後の成長戦略を詳しく教えてください。
まずは今期から持続可能な人的資本経営という意味を込めた「HRX」という言葉の商標をとり、組織開発や離職防止施策、エンゲージメント向上に注力します。
既存社員、未来の社員、どちらにも選ばれ続ける組織作りを支援します。労働人口の減少や転職活動の活性化により、人事の在り方は大きく変わりました。
新しい人材を採用するだけでなく、今の社員もグリップし続けなければならない。
採用人数や採用単価を追っていた人事も、今では定着率や従業員の生産性、エンゲージメントまで追わなくてはなりません。
そして、ヒトだけでなくAIの力も借りることでより円滑な経営に繋がります。ヒトとAIが共存した「HRX」の実現に向け、今期以降動き出したいと思います。
ーどのような人材と一緒に働きたいですか?
これまで述べてきたように、僕たちはクライアントと徹底的に向き合い続けてきました。そのスタイルに共感し、実行できる人と一緒に働きたいです。
「これをやったらもっと喜んでもらえる、助けになる」という顧客志向が強い人がうちに合っていますね。
あとは、「将来こういう風に働きたい」など軸がある人も大歓迎!AnStanは互いに尊敬し合うことを大切にしているので、そんな想いを抱く人のことももちろん大切にします。
この価値観に共感してくれる方は、ぜひAnStanへ!社員一同お待ちしています。