「地方創生に興味があって」
「まちづくりの仕事を体験してみたい」
「地域の人と交流したい」
人口1万人、宮崎県都農町にあるぼくらの会社イツノマにインターンを応募してくる学生のよくある動機。
もうひとつの軸がキャリア
「就活してたらわからなっちゃって。。。」
「社会に出るのに経験の少なさ痛感。。。」
早稲田大学建築学科を休学中の加統文菜さんは、先週、イツノマのインターンで過去最長となる半年間のインターンを修了しました。
加統さんは、まさに上記の2つが主な動機。
1時間近い彼女の修了プレゼンが、すこぶるよかったんで、これから地方でインターンを考えてる学生さんの参考になればと思い紹介します。
1.売上を稼ぐ難しさ
多くの学生にとって、地方創生やまちづくりにはリアリティーがわかないもの。メディアでとりあげられる事例はキラキラして、なにかよさげな雰囲気を醸し出してますもんね。
現実、特にぼくらの場合は株式会社としてまちづくりに取り組んでいるため、キラキラする前に、まず稼がなければ食べていけません。
人口1万人の過疎地には原則、仕事の需要がありません。
新しい需要を創り出す企画営業が肝。
加統さんがやりたかった仕事のひとつが「廃校活用」。
イツノマで4年ほどかけて都農高校活用の基本計画を作成していました。
期待に胸を膨らませ、初めて役場との打合せに同席した彼女を待っていた担当者のお言葉は、、、
町の方針が変わりました。
今期の契約は減額、来期は白紙で!
町長交代で町の方針が180度変換、インターン早々、仕事の体験以前に、仕事がなくなるという憂き目からのスタートに。
会社はいままで以上に新規営業注力。
結果、半年間のインターン生活において、ほぼずっと
お金がなくなるよ!
稼がなきゃ!!
100万円儲かるプランない?
そんな環境。
でも、結果的に学生にとってはよかったんじゃないかと思ってます(会社にとってはよくないけど 笑)
まちづくりというと、
・住民をどう巻き込むか?
・コミュニティをどう盛り上げる?
・多世代交流できそう?
が仕事になりがち。
もちろん、必要なプロセスなんだけど、経済的裏付けのない表面部分だけみていても本質には近づけないもの。
イツノマで毎週水曜日に、社員・学生問わず、年間で100万円利益が狙える事業プランを提案する「100万円カイギ」を開催
3週連続で提案OKなら採択、具体的な事業計画へ進むことに
加統さんの提案もひとつ採択まで行ったんですが、その後は実行計画や予算化、営業方法などなかなか詰め切らず実現しませんでした。
こんな体験を日常的に重ねて結果につなげていくのがぼくらの仕事。
入口に立てたことはよかったんじゃないかなぁと思ってます。
2.キャリアへの悩み
就活をしている学生の悩みで、ぼくらがよく聞くセリフ
やりたいことがわからない
自分の強みがわからない
どんな会社があるのかわからない
毎週月曜日、社員とインターン全員で、食事をしながら2時間近く、学生を中心に立てた問いを考え話し合う「まちづくりゼミナール」。
滅多にない差し入れのうなぎ満喫の会
おそらく、一番多い問いが、まちづくりというよりは就活に関すること。
社会人、学生を問わず、
「やりたいこと」以前に、「やるべきこと」に夢中になれることを考えた方がいいよね、って話をよくしてます。
地方創生、まちづくりといったところで、何もできない学生や新卒は、指示された「やるべきこと」をやらなければならないのは会社・業種業態問わずおなじ。
この「やるべきこと」にどんな姿勢で取り組むのか?で差がつきます。
「やるべきこと」は取り組み方によって、「できること」を増やせます。
「できること」を増やすことが、「やりたいこと」を見つける一番の近道。
インターンや新卒だと、「できること」は少なく、あっても先輩に勝てるレベルのものは稀。ですが先輩に比べて固定業務が少ない分、いろんな人の雑務や依頼ごとを細切れでも幅広くやっていくうちに、「できること」は広げられます。
「できること」が増えてくれば、話せることも会える人も変わってきます。そうすると、いままで気づかなかったことや、魅力的なものにふれることができ、結果、「やりたいこと」を見つけるきっかけが増えるのではないでしょうか。
新卒や学生のうちから「やりたいこと」を見つけようと、あせって頭でっかちになったり、フワリとした妄想家になるよりは、「やるべきこと」に全力で向き合い、結果的に「できること」を増やしていった先で見つけていくやり方もあるんじゃない?と。
そんな話をインターン生とよくしています。
3.自分との向き合い方
ぼくらのところに来るインターン生の悩みを聞いていると、その原因で多いのが「他者評価軸」
他人の評価を気にしすぎるあまり
・なにかいいことを言おう
・できる風にみせたい
・浅いと思われたくない
・人に聞くのは恥ずかしい
他人からの評価は、所詮は他人が決めること。
自分ではコントロールできません。
自己評価軸を強めて、他者からは「評価」ではなく「共感」を得る、その先に「感謝」をしてもらうことを目指した方が楽しいです。
他者評価軸の強さに悩みを覚えていた加統さん、半年間で、ぼくが見る限りでも、かなーり自己評価軸が芽生えてきたんじゃないかな?と思いました!
とりあえずやってみる。
できなかったら、どうすればできそうか?考えて、わからなかったら人に聞く。すごくシンプルだけど、そのプロセスを最速化すれば、必ず結果はついてきます。
思ってたよりなじめなかった、というまちづくり部の中学生たちとは、半年かけてものすごく親密に。これも大きな成果です。
強みがないと悩んでたのが嘘のように、4月13日のALAガーデンでは、チョークアートの腕を振るって素敵な看板たちを製作。
4.インターン体験記
ありがたいことに、ここ2年半で14人の学生がインターンに来てくれています。これからも、ぼくらが対応できる限り、多くのインターン生と一緒にまちづくりを進めていきたいな、と思っています。
東京で、地方創生やまちづくりのイメージがわかないのは当然だし、学生だからフワリとしているのはおおいに結構。問題ありません!!来たら自然と体感できるはず。
過去のインターン体験記もぜひご参照ください
ぜひ、リアルな現場を体験しに来てもらえると嬉しいです。
興味がある学生さんはぜひ見てみてくださいね!
都農町で待ってます!
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