「起業家ってどんなイメージ?」
先週、授業で中学生に聞いたら「お金持ち!」「成功している人!」
自分も起業家の一種と自覚してますが、
中学生たちのイメージとはだいぶ乖離しているような。。
一方で、文部科学省をはじめ、キャリア教育界隈でやたら聞こえてくる起業家精神・アントレプレナーシップ教育。
このあたりの整理をしたくて、今年度からはじめる高鍋町立中学校の総合学習テーマはズバリ「起業家精神とまちづくり」にしました。
1.起業家と起業家精神
ちなみに、ぼくの場合は起業家をこんなふうに表現してみました。
ワクワクすることを自分で実現させて稼ぐ人
起業家の定義は100人いれば100通りかもしれません。
ぼくの場合は、起業家の要素分解をするとこんな感じ
1つめがワクワク
2つめが自分ごとでやること
3つめが自分で稼ぐこと
ぼくのまわりの起業家仲間で共通するのは、「誰からも言われてないこと」
自分ごとでやるってことがマスト。
さて、ワクワクの源泉は人それぞれですよね。
中学生に起業家精神をどうやったら伝えられるか?
シンプルに、起業家から「稼ぐ」を除いてみました。
スタートはぼくも中学生も一緒だと思ってて
「これ、やってみたい!」ってワクワク
だけど、多くの人、多くの場合、やってみたいことは往々にして難しく
「失敗するかも」「どうせ無理」とあきらめかけ。。
そこで起業家(起業家精神)の一つ目の特徴として
どうすればできそうか?
さらに起業家(起業家精神)二つ目の特徴として
「まず、やってみよう!」ってドキドキ
ワクワクではじまり、ドキドキしつつ実現
うまくいかなければ、またワクワクを探す。
うまくいったら、さらなるワクワクを探す。
ぼくなりに、起業家精神をひとことで言うと
「やってみたい!」を「やってみよう!」に変える気持ち
2.起業家精神が必要な理由
なぜ中学生に起業家精神をつたえていくのか?
ぼくなりの理由をまとめました。
中学生が社会に出るのは10年後。
10年後にいまある仕事は???
残りそうな仕事は?
一方で、リクルートワークス研究所さんなどのデータ分析によると、
2040年には1,100万人の労働力不足を招く可能性がある。
そうなると農作物がさらに高騰して買いづらくなったり、荷物が届かなくなったり、介護の手が行き届かなかくなったり、なにかと不便に。
そんな未来を予告してしまうと、中学生たちが希望を持てない。
そこで、いま当たり前に使ってるもので10年前なかったものは?
と思考を切り替えます。
6つを当てるクイズを中学生に出したところ、
すべて出てきました!すごい。
高鍋町にはないから出さなかった「Uber Eats」まで知ってました!
整理をすると。
10年後、どんな仕事が残り、どんな仕事がなくなるのかわからない
確実に言えそうなのは、いまの延長で考えるとハズしそう
ちなみに10年あれば、いまないものもイノベーションで起きている
つまり、
これから必要な力は、いまないものを自分ごとで考えてつくりだすこと
=起業家精神
3.まちづくりを考える
中学生が起業家精神を持って、なにか実践するとしたら。
もちろん、中学生なりにビジネスモデル考えたりアプリ開発したりも理想的ではありますが、まずは全員がすぐできそうなことを考えました。
具体的には
地域の活動=まちづくり
・盆踊りをもっと面白くする方法とか
・自分たちがたまれる居場所をつくってみるとか
・地域マルシェに出店してものを売ってみるとか
アイデアを実践するフィールドとして地域をとらえると結構面白い
で、まちづくりというとバクっとするので要素を9つに分解
さらに、中学生たちがイメージしやすいように、身の回りで見れるもの、起きていることを解説することが大事だと思ってます。
農業なら、同じ町にある高鍋農業高校に通う高校生の生声を
経済は難しいけど、お店と考えれば高校生も企画・販売できている事例
デジタルは、発信と捉えれば面白いリール動画つくれたら世界に!
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防災なら、海抜5M地帯が多い高鍋だからこそ南海トラフを自分ごとに
SDGsは、未来都市にもなった高鍋で、自慢の海の生態系を守るとか
起業家精神を持って、興味あるまちづくり分野で、「やってみたい!」を見つけて、「どうすればできそうか?」考えて、「やってみよう!」に。
いずれ、防災起業家や文化起業家が生まれるかもしれないし、
SDGsや医療福祉を起業家精神で改革する人になるかもしれないし。
そんな未来を、中学生たちと一緒に考えて実践することは、
教育起業家の自分としても、ワクワクすることです。
これから総合学習での授業実践を通して、このカリキュラム「起業家精神とまちづくり」をブラッシュアップしていきたいと思います。