スーパーバイザー(SV)として放課後等デイサービスクラップのフランチャイズ展開を支えている佐々木さん。現場の立ち上げから日々の細かな調整まで、多岐にわたるその業務内容について、具体的に伺いました。
SV業務の入り口
【インタビュアー】
現在、フランチャイズの立ち上げ支援を担当されているとのことですが、SV業務って具体的にはどこからスタートするんですか?
【佐々木】
オーナーさんによって入り方が違うんですけど、たとえばWebからのお問い合わせでスタートするケースもあれば、知り合いの紹介でつながることもあります。最初に話をいただいたら、まずは対象エリアのニーズ調査をします。
【インタビュアー】
ニーズ調査って、どんなことを見ているんですか?
【佐々木】
対象エリアに放課後等デイサービスがどれくらいあるのか、競合はどのくらいか、人口分布はどうか、といった基本情報をまとめていきます。その資料をもとに、「ここで事業が成り立つのか」を検討するんです。
出店準備と自治体対応
【インタビュアー】
出店が決まった後は、どう進めていくんですか?
【佐々木】
物件が決まったら、自治体とのやり取りが本格的に始まります。千葉県なら県庁と、東京都なら区役所と、必要な書類の確認を進めます。あと、消防署との確認もあります。施設の面積とか設備の基準をクリアしていないといけないので、実際に現場にも足を運びます。
【インタビュアー】
現場確認までやるんですね。すごい…。
【佐々木】
はい。法定表とか設置基準書も細かくて、数十項目をひとつひとつ潰していく作業になります。オーナーさんとの連携も多いですが、役所とのやり取りや資料作成は基本的に自分が進めることが多いです。
【インタビュアー】
提出期限もありますよね?
【佐々木】
そうなんです。書類の締切までに、必要な資料がそろわないと申請できないんです。でも、自分で用意できないもの、たとえば法人登記や賃貸契約書はオーナーさんに動いてもらわないといけないので、そこはスケジュール管理も含めてこまめに確認します。
現場立ち上げのサポート
【インタビュアー】
申請が通ったら、次は集客や採用のサポートもするんですか?
【佐々木】
はい、そこもサポートに入ります。たとえば、広告をどう出すか、チラシを入れるのか、SNS広告にするのか、デザインはどうするか。オーナーさんと一緒に相談して進めます。費用がかかるので、予算に合わせて提案もします。
【インタビュアー】
チラシのデザインも自分で?
【佐々木】
作ることもあります。オーナーさんがやる場合もありますけど、初めての方だと、こちらでフォーマットを提供して、一緒に内容を確認していきます。
【インタビュアー】
やることが本当に多いですね…。
【佐々木】
そうですね(笑)でも、完全にゼロからじゃなくて、自治体によって必要書類のテンプレートがあるので、そこに情報を当てはめていけばできるんです。
【インタビュアー】
なるほど、完全なオリジナルではなく「仕組み化」されてるんですね。
【佐々木】
そうです。自分の仕事は「再現性を持たせること」だと思ってます。一度成功したやり方を仕組みにして、次も同じように立ち上げられるようにしておく。最初は大変ですけど、2件目、3件目になると「このタイミングでこれをやればいい」という流れが見えてくるんです。
オーナー支援と現場フォロー
【インタビュアー】
現場が動き出したあとは、どんな関わりをしているんですか?
【佐々木】
立ち上げた後も、オーナーさんと定期的にやり取りをして、困っていることがないか確認します。たとえば、採用がうまくいかないとか、保護者対応に悩んでいるとか、現場のトラブルがあれば、間に入ってサポートします。
【インタビュアー】
具体的には、どんな相談が多いんですか?
【佐々木】
多いのは、人手不足と運営ルールの確認ですね。採用が間に合わないときにどう現場を回すかとか、法令上のギリギリのラインでどんな対応ができるか、事前に整理して一緒に考えます。
【インタビュアー】
オーナーさんと距離が近いのがSVの特徴ですね。
【佐々木】
そうですね。SVって、現場の一番近くにいる経営サポーターだと思います。制度の知識と現場の感覚の両方を知っていないと、うまく橋渡しできないので。
SV業務のやりがい
【インタビュアー】
佐々木さんにとって、SV業務の面白さってどんなところですか?
【佐々木】
ゼロから何かを組み立てていく過程が、やっぱり一番面白いですね。あと、オーナーさんから「ありがとう」と言われたときや、一緒に食事しながら世間話ができるようになったときも嬉しいです。人として関われた感覚があります。
【インタビュアー】
すごく人と仕組みの両方を大事にしているんですね。
【佐々木】
自分は「自分で何かを作っている」というより、「必要な仕組みを整理して回している」という感覚に近いです。現場で支援してくれるスタッフがいて、その支えになる仕組みを作るのが、自分の役割だと思ってます。
【インタビュアー】
SVを目指す人に向けて、どんなことが大事だと思いますか?
【佐々木】
自分で考えることを楽しめる人、自分から「これ必要じゃないですか?」って提案できる人は、SV業務にすごく向いてると思います。正解が一つじゃない場面が多いので、「こうやったらどうだろう」と考え続けることが大事ですね。
【インタビュアー】
ありがとうございました!