「なぜ、私たちは成長痛を歓迎するのか」~創業期から現在までの軌跡~vol.4
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新たな取り組み。さらなる成長へ。
私たちが「中小企業の活性化が日本経済の成長・発展に繋がる」という理念のもと、ビジネスクラブ運営、親族内外承継・第三者承継事業を手掛けてきたことは前号まででもお話ししてきました。(前回の記事はこちら)
中小企業の発展の有効な手段の一つとして、第三者承継=M&Aという手法は10年ほど前から少しずつ浸透してきました。
ただ、これまでM&Aの先行研究は上場企業を対象とした研究が中心となっています。私たちが支援させていただいている中小企業の多くは非上場であるケースが多く、実際に日本国内で行われているM&Aが厳密に何件あるのか誰もわかりません。
私たちは事業承継に長く携わる中で、M&Aという手法が企業成長の一助になる実感はあるものの、もっと根拠がほしいと、ある新たな取り組みを始めています。
それは2021年より開始した、早稲田大学産業経営研究所と「中小企業におけるM&Aに関する総合的な研究」をテーマにした共同での学術研究です。
中小企業にとってM&Aが成長戦略として有効な手筈であること、また、M&A後のPMI(Post Marger Integration)まで踏み込んだ実態がどうなっているかを、データ、分析により明らかにすることで、中小企業にとってのM&Aの効果性およびM&Aを推進する上での考慮すべきポイントや留意点を社会に還元したいと思っています。
その中で私たちのM&Aの進め方が仲介会社の中でも優位性があるということを差別化し、より中小企業の発展に寄与していきたいと考えています。
定期的に研究内容について報告会を実施しており、2025年9月26日には第3回目となる報告会を実施しました。
ー第3回報告会の内容抜粋ー
第一部では、(主に非上場会社に対して)譲受側及び譲渡側の双方よりアンケート調査を実施し、統計的な分析(基本統計量及び回帰分析)を実施しました。調査結果からは、譲受側では、譲受回数と成功の相関関係については回数が増えるほどポジティブな反応があることが明らかになっている他、譲渡側が譲渡時に最も重視したのは「譲渡先の経営者との信頼関係(73.5%)」「譲渡先の企業文化・経営理念(67.0%)」であることが示されました。
続く第二部では、実際にM&Aを経験した経営者様へのインタビューをもとに定性的な分析を紹介。数字では表れない、意思決定の過程や譲渡後の企業・従業員との関わりといったリアルな事例が共有され、参加者からは「生の声が聞けて良かった」といった声が寄せられました。
全体を通じて、本報告会はアンケート調査に伴う統計的な分析に留まらず、その裏付けとなるM&A前後の実務的なプロセスをより深堀りすることで、学術関係者のみならず、実務者(譲渡及び譲受を検討する企業経営者など)にとっても有意義な内容であったとセミナー後の受講者アンケートにおいても高い評価を得ました。
最後に
社長は、独立後の経営再建期、そして現在の成長期に至るまで、インクグロウを「成長にコミットするプロフェッショナル集団」として牽引してきました。
インクグロウが経営ポリシーに掲げる「たくさんの『ありがとう!』を集める『善い会社』を『超速』で創ろう!」という言葉は、再建期を経て確立された、インクグロウのアイデンティティそのものを表しています。
真の成長には必ず「成長痛」が伴います。組織の拡大、新しい事業への挑戦、予期せぬ困難、そして既存のやり方からの脱却—これらは時に、私たち自身にも大きな負荷をかけます。しかし、私たちは、この痛みを「成長の証」として歓迎します。
なぜなら、お客様の成長という「正しさ」を追求し、「超速」で実行することで生まれる課題や葛藤こそが、組織を硬直化させずに、より強く、より賢い「善い会社」へと進化させるエネルギーになると知っているからです。
私たちがMVV(Mission, Vision, Value)を羅針盤とし、INC Value(インクバリュー)を行動指針として全社員が共有するのは、この「成長痛を歓迎する文化」を組織全体に深く根付かせるためです。
- オーナーシップを持ち、自分の頭で考え、結果にコミットする。
- 他責思考は成長を止めると肝に銘じ、常に新しい自分に出会うために挑戦する。
これらはすべて、承継支援のプロフェッショナルとして、お客様の成長という最も困難なミッションを成し遂げるために、私たち自身が進化し続けるための自己規律なのです。
インクグロウの軌跡は、失われゆく日本のポテンシャルを、戦略的な経営力とコミットメントで蘇らせるという強い意志から始まりました。そして今、私たちは「正しく(Valueに沿って)勝ち(目標達成)、幸せな成長をする組織」として、中小企業成長支援No.1カンパニーを目指し続けます。