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スタッフインタビューvol:5         「つまらない正解より、おもしろい失敗をたくさん見つけられる授業を!」         探究学舎講師:菊池航平インタビュー後編

インタビュー前編では、探究学舎との出会いから講師になるまでの話や、探究学舎の講師・授業の特徴を伺いました。
後編では、いままで届けてきた授業の中で特に印象に残った授業についての話、講師・授業制作に携わるうえで、大切にしている事などを伺います。

▼前編のストーリーはこちら!

スタッフインタビューvol:3         「ありのままの自分を出して、自分らしく生きていく背中を見せていく」探究学舎講師・菊池航平 | 株式会社探究学舎
三鷹での通塾授業「探究ウィークリー」を中心に、講師として毎回子どもたちが夢中になる授業を届けている菊池航平さん。「これが自分のやりたい事だ!」と思って飛び込んだ菊池さんが、どうやって講師になって...
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▼プロフィール
菊池航平(きくち こうへい) 愛称"こーへー/ゴリへー"
教室長・講師・授業制作を担当
自分の『好き』や『得意』は「子どもと関わること」だった。 教育実習を通して教師の仕事にやりがいを感じる。その一方で、子ども達を『管理』しようとする現場に違和感も。 自分なりの答えを探して、留学したり休学したり。 そんな時に出会ったのが探究学舎。 めちゃめちゃ楽しそうに学んでいく子ども達。そこには「自分らしく生きること」を大切にする場があった。 社会じゃ当たり前な事も、「本当にそうなの?」と自分達なりの答えを探す探究学舎の大人達。 そんな文化に心惹かれ、今に到る。

■印象に残っている授業と、大切にしていること

:『講師を目指し、強い想いを胸に 道を切り開いた』とのことですが、これまで子どもたちに届けてきた授業の中で「これは忘れられない!」と、強烈な印象が残る思い出を教えてください。

インターン時代に同期と一緒に制作した授業が、大きな気づきのある授業となり、あの時の感覚は忘れられませんし忘れたくありません。

その時の子どもたちの反応は今でも感動とともに思い出しますね。
当時、僕たちは、授業のねらいを「偉人の人生を追体験する」という点に定め「偉人の人生を追体験する授業とはどういう授業か?」という探究から始めました。

偉人を偉人たらしめたモノとはなんだろうか?と考え抜いた結果、偉人は、誰一人として、自分が立てた問いについて答えを出していくことを「あきらめなかった」ということに気づいたのです。

そこで「あきらめずに試行錯誤しつづけたその姿勢」に的を絞り、その疑似体験ができるアクティビティ中心の授業を作ることにしました。

子どもたちの「疑問を持つ→自ら問いを立てる→仮説をもとに挑戦→失敗→また考える」という試行錯誤を繰り返す体験は、まさに偉人の軌跡を辿る経験になります。

苦心の末に出来上がった授業を子どもたちに届け、そこではじめて気づいたことは、その授業には、学び要素・追体験要素・感動要素が入っている、まさに探究的な学びそのものであるということでした!

アクティビティを実際に体験した子どもたちは・・・・お祭り騒ぎの大熱狂状態!その授業の様子を肌で感じた僕たちにとっても大きな経験となる思い出の授業になりましたね。

:いま聞いているだけでも、子どもたちの興奮が伝わりますね!
それだけ子どもたちが熱狂している場において、場づくりやファシリテーションで意識した事はありましたか?

そもそも、「体験をする」ことには学びが詰まっています。学びが生まれない体験というのは存在しないのです。
つまり、アクティビティに取り組むだけでも、体験による学びが蓄積され続けます。

しかし、「あ!こんな学びがあった!」と自己認識できるためには、意識の中で言語化されるまで何度も繰り返す経験をすることが必要なのです。

これをより早く気づかせてあげる言語化してあげるのがファシリテーションの役割であると思っています。

当時は、僕たち自身もここまで言語化できていませんでした。しかし一方で、子どもたちが気づいた学びにフォーカスし、クラス全体で「こんな学びがあるよね」「こんなことが言えるよね」と共有することは意識しており、それは「より早く気づかせてあげる言語化してあげる」というファシリテーションの一端だったといえます。

:なるほど、言語化できていなかったけども意識して行動していた事があったのですね。今現在、講師をやる上で大事にしていることを言語化するとどんな事でしょうか?

・講師が自分らしくいること
・子どもたちの多様性を愛でること
・その場で起こるプロセスを楽しめること
ですね。
そして失敗を楽しめるということも大事な要素です。

大人は、ついつい子ども達の前に立ちはだかる障害を取り除き、大人の考える「正解」に導きたくなるけれど、子どもたちにとっては、本来その障害にチャレンジすること自体が楽しいはずです。
それは、成長の階段を登っていく楽しさにほかなりません。

だからこそ、授業では子どもたちにどんどん失敗させ、正解と見えるような答えは提示しません。
"つまらない正解"より、"面白い失敗をたくさん見つけられる授業"を目指しています。

授業は生き物です。授業を届けるその場で、その瞬間を大事にしていたら、決して同じ授業にはなりません。
それがわかっているからこそ、同じ内容の授業を別のクラスに届けたとしても、同じ進行にはしないし、ならないのです。

ぼく自身が届ける授業も、事前にしっかりデザインしても、100%その通りにはいかない。そしてその時の、自分も含めたクラスの子どもたちの状態や状況が影響し合い、その時に求める学びや経験も変わる
むしろ、実体験として、授業内容をその場で変えても大丈夫だし、流れに乗って、授業を変える方が面白いということを学んできました。

:その場やその時をよく観察し、みんながどう"感じているか"を"感じ取っていく"のが講師として大切な要素の一つなのですね。

■"講師"と"授業制作"は表裏一体

:ここまで講師についての話を中心に伺ってきたなかで、強く感じたのは"講師と制作の仕事は分けられるものではなく、密接に繋がっている"ということでした。

そうです、コインの表と裏みたいな、表裏一体のものです。
そもそも講師自身も、子どもたちに届ける授業コンテンツの一つであり、学びを体験するための魅力的な素材のひとつだと思っています。

最もシンプルな授業は、スライドも教材もなく、講師1人が居て、その周りを子ども達が囲んでいる状況です。

そのシンプルな授業では伝えきれないものを、より”伝わるもの”にするために、スライドを使用する、アクティビティという体験を組み込む。そして、その流れを80分で収めるように設計したものが、僕たちが授業コンテンツと呼んでいるものです。
授業は講師の存在から始まり、講師はその場で何を巻き起こすかを担う中心になる。それをサポートしてくれるのが授業コンテンツということです。
つまり、講師として子どもたちに授業を届けるということは、伝えたいことを伝えるために授業コンテンツを自分なりにコントロールできているという事が大前提になりますね。

:自分で制作していない授業コンテンツは、自分でコントロールできていないということでしょうか。そのような授業コンテンツを使って、授業を届ける時は違和感があるのでしょうか?

違和感を感じたら、その授業は良い授業にはならないと思います。
ただし、授業制作は様々なスタッフが携わっているので、自分が制作していない授業コンテンツを使用して授業を届けることは多々あります
その場合に、一番重要になるのは、上述の通り、授業コンテンツを自分のコントロールできるものにすること

だからこそ、僕はほかのスタッフが制作した新しい授業コンテンツを手にしたとき、自分らしい表現のアレンジを必ずして自分のものにするようにしています。

また、そのアレンジの過程で学べることも沢山ありますから、それはそれでとても楽しいプロセスとなります。

■講師になるまでのサポート体制

:なるほど、探究学舎の"講師"と"授業制作"はとても密接な繋がりがあることがよくわかりました。では、そのような講師になるまでに現在はどのようなサポートがあるのですか?

現在、探究学舎で採用している講師になるまでのサポート体制として主なものは、道場ダブルマイクという2つの制度です。

道場とは、講師に必要な技術を習得するための練習の場です。
講師として最低限必要とされるスキルがすべて網羅されている授業の一部を使い、ロールプレイを行います。仲間を子どもたちに見立て何度も練習することで、講師として授業を届ける技術が上がるだけでなく、日常会話や、ビジネスプレゼンテーションなどの場面でもより魅力的な発表をすることができる副次的効果もあります!

ダブルマイクとは、講師としてある程度の技術を習得した段階で、教室に通う子どもたちの授業に登壇し、先輩講師と一緒に実際の授業の一部を担当する事です。道場や普段の練習で経験を積み、実戦でどんどん身につけていく、ということですね。

道場においても、ダブルマイクにおいても、先輩講師が常にチェックし、適宜フィードバックを伝えます。
また、先輩だけでなく仲間同士でフィードバックしあい、お互いに高めあう姿も散見されます。
必要に応じて先輩講師が定期的に1on1を設け、講師としての技術面だけではなく、精神面においても最大限配慮しています。

■どういう方に探究学舎の講師として立ってもらいたいか

:講師になってもらいたい方や、探究学舎で働いてほしいなと思う方の人物像はありますか?

正直申し上げると、どのような方でも来てほしいと思っています。
様々な個性を持った子どもたちに授業を届ける為には、講師も限定するのではなく、様々な個性を持った講師がいたほうが良いと考えているからです。

それでもあえて、探究学舎の講師に向いている方として例を挙げるのであれば
・自分を表現するのが苦ではない方
・とにかく子どもが好き
・誰かに「これ」を伝えたいという、自分の情熱を明確に持っている表現者
ですね。

上述のとおり、これらの要素は絶対に必要ということではありません。
実際に挑戦して、はじめてご自身の性質に気づくこともあります。むしろ、一見講師に向いていないと思われる人が届けた授業が、実はとても良い授業だったという場面もあります。

:向いていない人が届けたほうがいい授業になる場面もあるのですか?

例えば、話術に長けている講師ばかりだと、話すことに苦手意識をもつ子にとっては、講師だけでなく、講師を通して届ける授業自体も、自分とは別世界の出来事に見えてしまう可能性もあります。
逆に、話すのが得意ではない講師が授業を届け、話術だけではない授業の良さを届けられたら、一部の子どもたちにとっては、自分たちの先にある憧れとして、親近感を持つことになる。
このように、教育には、表面的な評価という次元ではないところに面白さがあると思います。

講師に限らず、探究学舎で働くならば、自分の内側にあるエネルギーを信じ、自分の足で一歩前につき進んでいく人は働きやすい環境だと思います。

逆に、自分の頭で考えずに正解を誰かに求める人は探究学舎で働くのは難しいかもしれません。
答えを自分たちで探し、創造し、常にモヤモヤ、悩み続けるのが私たちですね。

:この記事を読んでいる方に向けて最後に一言お願いします

やっちゃえ!(笑)やりたいならやろう!みんな待ってます!

:ありがとうございました!

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