こんにちは! STANDAGEの足立です。
STANDAGEは、この3月で創業10年になりました。
私自身も、経営者として10年目になります。
10年…
こうして言葉にすると、綺麗に聞こえるかもしれません。
しかし、現実の10年は、全く綺麗なものではありませんでした。
華やかな成功物語なんて、ほとんどありません。
泥臭い失敗、思い通りにいかない現実、信じて進んだのに外れる判断、仲間との衝突、資金の不安、組織の揺らぎ、誰にも見せられない焦り。
そんな連続でした。
正直、何度も「もう無理かもしれない…」と思いました。
このまま終わるかもしれない。
ここで折れたら終わる。
そんな瞬間は、一度や二度ではありません。
それでも、なんとか10年、生き延びてきました。
今日はこの10年を通じて、経営について学んだことを話したいと思います。
もちろん、これがすべての会社に当てはまる正解とは思っていません。
しかし、少なくともこの10年、会社経営の現場で泥だらけになりながらたどり着いた一つの答えです。
目次
- 1. 継続が、何よりも強い
- 2. 会社の資産は、人の前に「文化」だ
- 3. 経営判断のほとんどは、白か黒ではなくグレーだ
- 4. 会社はうまくいっている時に潰れる
- 5. 社長の心が折れなければ、会社はなんとかなる
1. 継続が、何よりも強い
この10年で一番強く思うこと、それは、継続が何よりも強いということです。
STANDAGEのValueの一つに、Never Give Upがあります。
7 Valuesは、ただのきれいなスローガンではありません。
私は、この言葉に何度も何度も救われてきました。
社員に「足立ってどんな社長ですか?」と聞いたら、たぶん….
「カリスマです」とか、
「頭が抜群にいいです」とか、
「処理能力がすごいです」みたいな答えは、出てこないと思います。
私は、誰よりも能力が高いとは思っていません。
でも、多くの人が言うことが一つだけあるとしたら、
それはきっと…
“あの人は、諦めない”
ということではないかと思います。
一度やると決めたら、しつこい。本当にしつこい。
格好悪いくらい、諦めが悪い。
自分の強みが正にこれだと思っています。
洗面器に顔をつけて我慢比べ、みたいな勝負がありますよね。
他の人が先に顔を上げても、まだ顔を水につけ続けている。
苦しい、みっともない、スマートじゃない。
しかし、結局最後に勝つのは、そうやって残った人間だったりする。
経営をしていると、華やかに見えるプレイヤーは沢山います。
自分より速い人も、頭脳が切れる人も、資金力のある会社もあります。
どれだけ速くても、どれだけ派手でも、途中でやめたらそこで終わりです。逆に、3番手でも、4番手でも、走り続けていれば、前が失速した瞬間に抜ける。それは、この10年で何度も目の当たりにしてきました。
「もうダメだ…」と思った瞬間もありました。
本当に、何度もありました。
それでもやめなかった。
最後の最後まで、仲間を信じて走り続けた。
そうすると、不思議なんですけど、最後の最後に、
雲の糸みたいな一手が降りてくることがあるんです。
奇跡みたいな逆転のきっかけが、ゼロからふっと現れる。
その経験は、一度や二度ではありませんでした。
だから私は思います。
結局、継続が一番強い。
格好よさじゃない、才能だけでもない、
諦めなかった人間だけが見られる景色があると信じています。
2. 会社の資産は、人の前に「文化」だ
創業した頃、「会社の財産は人だ」と思っていました。
もちろん今でも、人はすごく大切です。それは間違いありません。
今、それ以上に大切なものがあると気づきました。
それは、文化です。
文化って、目に見えません。 BSにもPLにも載らない。
しかし、会社の命運を決めるのは、文化だと思っています。
どれだけ優秀な人材が集まっても、文化が壊れていたら勝てない。
例えば、能力が素晴らしい選手ばかり集めた野球チームがあったとしても、
練習をサボる、負けても反省しない、遅刻が当たり前、言い訳ばかりする、責任を取りたがらない。
そんな文化のチームが、強くなるわけがない。
会社も同じです。
優秀な人材を採用したら、急に業績が伸びるわけじゃない。
高い給料を払えば、勝てるわけでもない。
文化が壊れていたら、すべて崩れます。
逆に、多少不器用でも、遠回りでも、
良い文化がある会社は強い。
粘るし、立て直せるし、時間が経つほど差が開いていく。
そして、経営をやっていて痛感したのは、
壊れた文化を後から直すのは、本当に難しいということです。
文化と合わない考え方、文化を壊す振る舞い、それがチームに染み込むと、想像以上に深いところまで広がっていく。
後から修正しようとしても、ものすごいエネルギーがかかる。
だから経営者は、数字だけ見ていてはいけない。
むしろ、数字の前に、
この会社は今どんな文化になっているのか
そこを一番見ないといけない。
会社の最大の資産は何か?
迷わずこう言います。
会社の最大の資産は、文化です。
3. 経営判断のほとんどは、白か黒ではなくグレーだ
経営というと、
「やるか、やらないか」
「進むか、やめるか」
白黒はっきりした意思決定を毎日しているように見えるかもしれません。
しかし、実際の経営はそんなに単純じゃありません。
むしろ、白か黒かで決められることなんて、全体の3割くらいじゃないかと思います。
残りの7割は、全部グレーです。
やめるほどでもない。
でも、全力で踏み込むのも違う。
進めるべきかもしれない。でも、まだ怖い。
アクセルを踏むか、踏まないかではなく、
どれくらい踏むのか
その強弱を決め続ける仕事。それが経営なんだと思います。
白か黒なら楽なんです。
「やる」「やめる」なら、決め切ってしまえばいい。
しかし、実際はそうじゃない。
少し進む。
少し止まる。
一歩踏む。
半歩戻す。
様子を見る。
でも止まりきらない。
その連続です。
経営って、正解を選ぶ仕事というより、
不確実な中で、責任を持って濃淡を決め続ける仕事なんだと思います。
4. 会社はうまくいっている時に潰れる
これも、この10年で強く学んだことです。
会社って、苦しい時に潰れるように見えるじゃないですか。
しかし、実際に会社を見ていると、うまくいっていない時より、うまくいっている時に潰れることの方が多いです。
低成長でも、小さな組織で、バーンレートも低くて、無理をしていない会社は、意外としぶとく生き残ります。
派手ではないけれど、細く、長く、続く。
そういう会社は、実は強い。
危ないのは、むしろ「今だ」と思ってアクセルを踏む時です。
追い風が吹いている。
市場が盛り上がっている。
周りも伸びている。
投資家も前向き。
メディアも騒いでいる。
その時に、踏む。
しかし、その踏み方を間違えると、一気に壊れる。
目の前のブームに踊らされる。
一時的な追い風を、本質的な成長だと錯覚する。
自分たちが本当にやるべきことなのかを見失う。
その状態でアクセルを踏み込むと、会社は簡単に傾きます。
この10年で何度も見てきました。
だから今は、伸びている時ほど怖い。
調子がいい時ほど、自分に問い直します。
これは、本質か。
これは、一時的な熱狂ではないか。
自分たちが命を張ってやるべき事業か。
そして、やると決めたら、中途半端には踏まない。
死ぬ覚悟で踏む。
「おまかせ貿易」の時も、まさにそうでした。
正直に言えば、「おまかせ貿易」にアクセルを踏む時、こう思っていました。
これが事業化するか、STANDAGEが潰れるか。どちらかだ。
そのくらいの覚悟でした。
安全運転で届く場所ではないと思っていました。
だから、怖かった。
でも、怖いからやめる、ではなかった。
怖いからこそ、腹を決めるしかなかった。
5. 社長の心が折れなければ、会社はなんとかなる
この10年で、本当にいろんなことがありました。
・組織の中核を担うメンバーの退職が続く時期があったり…
・メンバーが限界を迎えてしまったこと…
・トラブルも、クレームも、期待外れの結果も….何度もありました。
そのたびに思うんです。
ここで、もう終わりなんじゃないか、と。
ここから立て直せるのか、と。
しかし、今振り返って思うのは、
社長の心が折れていなければ、会社はなんとかなるということです。
逆に、どれだけ優秀な人材がいても、
どれだけ事業の種が残っていても、
トップの心が折れたら、組織は一気に終わりに向かう。
これは理屈じゃなくて、体感としてそう思います。
先日も、あるベンチャー企業のAさんから相談を受けました。
今まで主力だった事業が、業界の変化で急に収益が立たなくなった。
かなり不安だ、ということでした。
その時、まずこう聞きました。
足立:「ちなみに、社長は折れてるんですか?」
Aさん:「いや、社長はむしろ、これは切り替えるチャンスだ、やろうって言っています」と。
足立:「だったら大丈夫だと思います」
社長がまだ立っている。
ファイティングポーズを取れている。
まだ戦う顔をしている。
それなら、組織は立て直せる可能性がある。
結局、最後に会社を支えているのは、
経営者の肩書きでも、ロジックでも、ポジションでもなくて、
折れない心だと思います。
【後編】へ続く…