2023年4月に社長交代を発表した株式会社NSグループ。今回は現社長の荻野佳奈子に、社長就任後1年間で手掛けた新施策についてインタビューを実施しました。

＜目次＞
1、社長就任から1年
2、苦しいコロナ禍をともに乗り越えた社員のために
3、給与に加え、働きやすさ向上も同時に目指した
4、「サービス業の世直し」、私たちから

社長就任から1年

創業者であり現会長の荻野勝郎(左)と現社長の荻野佳奈子(右)

――社長就任から1年ですね。改めて振り返ってみてどんな1年でしたか？

あっという間でしたね、あっという間で、目まぐるしく、深い1年でした。社長になる前にやろうと思っていたこと、社長になってから見つけたやりたいこと、いろいろなことに取り組むことができた1年でした。

社長になってからの心境としては、就任発表の際に社員に伝えた「大役を仰せつかったことに対して、命をかけてまっとうする」という気持ちが今でも胸の奥にあります。

特にこの1年間強く感じ続けてきたのは「もっと社員に愛着を持ってもらえるように」ということと、「会長が今まで築いてきたこの会社を大切にし、さらに育てていく」ということでした。

目指したのは「社員が愛着を持てる会社」

社長に就任するにあたって、自分はどんな会社を作っていきたいのかと自問した時、真っ先に浮かんできたのが「社員に愛着を持ってもらえる会社にしたい」という思いでした。

NSグループは様々な業態のサービスを展開していますが、店頭でお客様に良いサービスを提供するには、まずは社員が自分の会社とお店を好きであることが必要だと思います。

社長として、まずは社員を幸せにし、社員の先にいるお客様を幸せにする。そういう順番があるべき形なのではないかと考えました。社員が仕事もプライベートも充実させることができて、愛着を持って、ずっと働きたいと思えるような会社を作りたいなと。

これまでを大切にし、育てていく

また、私は社長に就任しましたが、この会社は私が作ってきたものではありません。社長になったからといって、おごることなく、自分の責任に向き合っていきたいです。

創業者であり現会長である父が、社員たちとともに築いてきたこの会社を大切に育てていく。そんな気持ちをもってみんなの先頭に立つことができれば、それぞれの部署で活躍している素晴らしい仲間たちが力を貸してくれると信じ、この1年間まい進してきました。

その中で、「まず何をすべきか」と考え思い至り、実行したのが、今後3年間にわたる社員給与のベースアップでした。

苦しいコロナ禍をともに乗り越えた社員のために

コロナが明け、少しずつ集まる機会が復活してきた1年だった。

――社長としてまずベースアップに取り組んだ理由を教えてください。

さきほど「目指すは社員に愛着を持ってもらえる会社」とお話した通り、社長として何ができるか、何をしたいかを考えた時、最初に浮かんだのは社員の存在でした。

社長交代にあたり、現会長からは「創業以来最も過酷だったコロナ禍も終わりが見えたこのタイミングを創業第二ステージにすべく、社長交代を決定した」とコメントがありました。

コロナ禍はグループにとっても、業界全体にとっても、本当に厳しいものでした。創業以来初の連続赤字を出し、店舗休業や社員の自宅待機も発生しました。働けない期間が生まれ、給与が減少した社員も出るなど、とても苦しい時間が続きました。

コロナがようやく明けた昨年春、これからの3年間はコロナ禍で耐え忍んだ時間を取り戻すための期間になると考えました。だからこそ、まずはコロナ禍をともに乗り越えてくれた社員に対して、形にして報いたいと考え、給与のベースアップ実施を決定しました。

ベースアップの具体的な内容は下記の通りです。

ベースアップの概要

【全社員対象のベースアップ】
対象者　：NSグループすべての事業会社に所属する全社員800人
実施時期：2023年4月より3年間（2025年3月まで）
実施内容：毎月の給与が約2％〜10％の範囲でアップ
※個人の人事評価も併せて実施

【新卒初任給のベースアップ】
対象者　：新卒入社社員
実施時期：2023年4月入社社員より実施
実施内容：5%の年収アップ

コロナ禍で失ったものを取り戻し、社員に還元していく3年間。大切な仲間が今まで以上にいきいきと働き、愛着を持って「これからもこの会社で働き続けていきたい」と思えるように、より強い会社を作っていこうという考えを形にしたのがベースアップでした。

＜ベースアップについてのプレスリリース＞

給与に加え、働きやすさ向上も同時に目指した

働きやすさのさらなる向上に加え、バリ島研修旅行の復活や男性育休100％の継続も。

――給与面以外で、手を打った領域があれば教えてください。

NSグループではコロナ禍を通して、社員の働きやすさを大きく向上させました。福利厚生の充実を目指す取り組みはこの1年も継続して注力し、ベースアップに合わせて次の3つも実施しました。

地域限定社員制度の開始

社員がより自分らしく、地域に根ざした働き方を選べるように、地域限定社員制度を昨年春よりスタートしました。対象エリアは自社店舗がある伊豆エリアおよび関西エリアです。2024年4月入社の新卒社員67名のうち、5名が伊豆エリア、8名が関西エリアで地域限定社員として勤務開始しました。

インドネシア バリ島研修旅行の再開

NSグループの店舗はバリをモチーフにした内装や小物、直輸入の調度品によって、お客様に非日常をお届けしています。本場バリのサービス・ムードをお客様に提供できるように、弊社では働く社員自身がバリ島を訪れる研修の機会を設けています。コロナ禍3年間は停止していた研修を2023年から再開し、2024年も実施予定です。

男性育休取得率100%の維持

NSグループは2019年より男性育休の取得推進を開始し、2022年度には取得率100%を達成しました。育休取得者は全員、復帰後も同じポジションで活躍し、出産・育児という大きなライフイベントと仕事を両立しています。2023年度は社内取得率100％を維持するとともに、社員のパートナーが自社グループ所属ではない場合も含め、取得率100%を実現。育休取得に向けたポジティブな流れを社会全体にも波及させました。

今後も福利厚生の面でも、「社員が働き続けたい」、「この会社にいて良かった」と思える制度をどんどん充実させていきます。

「サービス業の世直し」、私たちから

社長の荻野佳奈子と従業員たち

――社員に向けてメッセージをもらえますか。

社長に就任し、1年が経ちましたが、改めて私1人の力では何もできないと実感しています。ベースアップも福利厚生の充実も、現場管理職や管理部門のメンバーに協力してもらい実現したことです。これからもより一層、この会社をより良くしていくために、みなさんの力を貸してください。

NSグループは「日常のハレの日を作る」会社です。日常の中で、大切な人と大切な時間を過ごす日常のハレの日に、「圧倒的に選ばれる強いリアルな店舗」をこれからも作り続けましょう。

常に顧客目線で、顧客満足を超える顧客感動を実現し、その前にあるES（従業員満足）も大切にしたいと考えています。

ただ儲かりそうだからやるではなく、「誰かの困っているを解決する」、「あったらいいなを実現する」ことが、私たちが社会に示す価値です。その価値を追い求め、体現することで、「お客様の神様になる」場所を世の中に生み出し続けましょう。

サービス業という業界はまだまだ大きな課題を抱えています。それはコロナ禍が明けたからといって、自然に解消されるものではありません。ですが、私たちであれば、必ず「サービス業の世直し」を実現できると思います。ともに世直しを実現していきましょう。

私は会長と社員のみんながこれまでに築いてきたものを大切にし、愛着を持って末永く働ける会社を作っていきます。ですので、みなさんは自分の力を存分に発揮し、店舗を、お客様の毎日を「楽しい」であふれさせてください。

これからもどうぞよろしくお願いします。

【編集後記】
「Youtube始めました！」
と、インタビューの冒頭で教えてくれた新社長。

コロナ禍で始めたオンライン配信型の全社員会議を、社内外により発信しやすい形に進化させたそう。直近で特に力を入れて取り組んでいることで、ぜひ多くの人にチャンネルを見てもらえると嬉しいということでした。

今後の取組はYoutubeチャンネルで随時公開していくということですので、この記事を読んでNSグループに興味がわいた方は、Youtubeチャンネルもぜひご覧ください♪

「NSグループハッピーニュース」Youtubeチャンネル

会社・事業への思いをまとめたこれまでの記事です。ぜひお読みください。