インタビュアー:採用担当/回答者:役員弥城さん・SE横井さん
株式会社アビックシステムが今、大きな転換期を迎えています。
これまで企業の基幹システム構築を担い、「社会の裏方」として確かな信頼を築いてきた同社。そんな同社が2025年6月、満を持して自社初となるスマホアプリ”Remotope(リモトープ)”をリリースしました!
今回は、なぜ安定した受託ビジネスを持つ彼らが、あえて荒波の自社プロダクト開発に踏み切ったのか。プロジェクトを牽引するSEの横井さんと、役員の弥城さんに、その裏側にあった葛藤と情熱を詳しく聞きました。
① サービス誕生のきっかけ:パパとして、挑戦者として。「世の中に目に見える形で残るものを」開発に込めた想い
ーー今回、なぜ自社サービスとしてスマホアプリの開発を決めたのでしょうか?
横井: これまで私たちが手がけてきた基幹システムは、社会を支える重要なインフラです。ただ、どうしても「裏方」の仕事なので、一般の方の目に触れる機会はほとんどありません。実は、自分の家族に「どんな価値がある仕事なのか」を説明するのにも苦労していたんです。
そんな経験もあり、数年前から「世の中に目に見える形で残るものを作りたい」という想いが、私の中でずっと芽生えていました。
ーー会社としても、ちょうど新しい挑戦を模索していた時期だったのでしょうか。
弥城: そうですね。会社として「挑戦者を求む」と掲げている以上、自分たちが新しいことにチャレンジしないでどうするんだ、という強い危機感がありました。
それに、エンジニアのキャリアを真剣に考えたとき、受託開発だけでは限界があると感じていたんです。どうしても顧客の要望が優先されますし、新しい技術への挑戦や単価の調整など、自分たちだけではコントロールしきれない部分が出てきてしまう。
ーー「自分たちの意思で動かせる場所」が必要だったのですね。
弥城: その通りです。自社サービスがあれば、自分たちの意思で技術を選び、サービスを自ら育てていくことができます。メンバーが「この会社でずっと働き続けたい」と誇りを持てる場所にするためにも、自社プロダクトの存在は不可欠だと確信しています。
② 実績ゼロからの泥臭い一歩:外部プロジェクトでの「修行」
ーー「自社アプリを作る」と決めたものの、どのようにスタートを切ったのでしょうか。
弥城: 正直に言って、当時の私たちにはBtoC向けスマホアプリの知見は全くありませんでした。そこで取ったのは、驚くほど愚直な方法です。
既にあるスポーツ関連の外部サービスを支援させてもらう形で、「完全無償」でアプリ開発を請け負うことにしたんです。実績を作るための、いわば「修行」ですね。2023年10月から、私は顧客向けの資料作成といった裏方の仕事から現場に入り込み、スマホアプリ開発のノウハウを徹底的に吸収していきました。
ーーあえて「無償」で、現場に飛び込んだのですね。
弥城: はい。もちろんxRのような尖った技術にも魅力は感じますが、汎用性が高く、より多くの人に価値を届けられるのはやはりスマホアプリです。自分たちの手でゼロから形にできることを証明するステップが、どうしても必要でした。
ーーその「修行期間」が、今の開発に繋がっていると。
弥城: その通りです。現場で泥臭くノウハウを積み上げてきた結果、2025年6月、ついに自社プロダクトとしての開発が産声を上げました。あの一歩がなければ、今のスピード感はなかったと思います。
③ 開発の苦闘:未知との遭遇と、見えてきた「確かな兆し」
ーーいざ開発がスタートしてからは、順調だったのでしょうか?
横井: いいえ、もう壁の連続でした(笑)。ビデオ通話機能の実装や、海外企業のAPI連携など、これまでの受託開発では経験したことのない技術的なトラブルが次々と襲いかかってきて。社内に前例がない以上、すべてが手探りの状態でしたね。
弥城: 私は主に契約やマネジメント、セールスを担当していましたが、横井と二人三脚で動く中で、技術面以外でも苦労がありました。実は、最初は「このアプリを誰に届ければいいのか」というターゲットすら曖昧だったんです。
ーーその「迷い」を、どうやって突破したのですか?
弥城: マーケティングのプロ(大手広告代理店出身者)とタッグを組み、必死に戦略を練り直しました。泥臭く動いていくうちに、少しずつターゲットの解像度が上がっていったんです。
ーー特に「手応え」を感じたエピソードがあれば教えてください。
弥城: 新しく会社を立ち上げてコーチング事業を始めるユーザーの方から、非常にポジティブな反応をいただいた時ですね。
「1on1の予約、決済、そしてビデオ通話。これらすべてのバックオフィス業務が、このアプリ一つで完結する」
そこに強い価値を感じていただけた。その瞬間、「これは行ける」という確かな兆しを感じることができました。
④ アビックならではのこだわり:オールインワン、かつ「伴走型」
ーー世の中には、すでに予約システムや決済アプリが溢れています。その中で、アビックシステムが提供する価値はどこにあるとお考えですか?
弥城: 確かに、便利なツールはたくさんあります。私たちのサービスも、予約、決済、チャット、ビデオ通話がアプリ一つで完結する「オールインワン」であることが一つの強みです。ですが、一番の価値はそこではありません。
私たちがこれまで受託開発で何よりも大切にしてきた「お客様に寄り添う姿勢」そのものにあると思っています。
ーー「寄り添う姿勢」を、自社サービスでも体現されているのですね。
弥城: はい。アプリという「箱」を販売して終わりにはしません。例えば、アプリ内のデザインや紹介文の書き方まで、踏み込んでご提案させていただきます。
横井: 「単に使ってもらう」のではなく、「このサービスを使いこなして、お客様に成功してほしい」という想いが根底にあるんです。
弥城: その熱量は、いわゆるITベンダーというよりも、もはや「ビジネスパートナー」に近いものかもしれません。自分たちが培ってきた技術と、お客様のビジネスへの情熱。その二つが合わさることで、初めてこのサービスの本当の価値が生まれるのだと確信しています。
⑤ 未来への展望:20社導入の壁と、その先へ
ーー今後の具体的な目標について教えてください。
弥城: まずは2026年5月末までに「20顧客の導入」を掲げています。受託案件の傍らで進めるプロジェクトとしては、決して低いハードルではありません。ですが、社内の士気は非常に高まっています。
ーー「受託開発」と「自社サービス」、この両輪を回していくことに意味があるのでしょうか。
横井: 大いにあると思っています。今後はAIとの連携など、さらに先進的なチャレンジも予定しています。お客様が必要な機能を自由に選択できる柔軟性を持たせつつ、私たちがこれまでの受託開発で培ってきた高度なノウハウを、この自社サービスにも惜しみなく注ぎ込んでいく。
弥城: 逆に、自社サービスで得た知見を受託開発へ還元することもできるはずです。この「相乗効果」を生むことこそが、私たちの目指す最終形態ですね。
ーーアビックシステムの新しい歴史が、ここから始まっていくのですね。
弥城: はい。単なる「裏方」に留まらず、自らの手で価値を生み出し、お客様と共に成長していく。そんな会社であり続けたいと思っています。
⑥ メッセージ:勇気を持って、言い続けること。
最後に、今の心境を二人に聞きました。
横井さん:
「感謝しかないです。一人のマネージャーの『やりたい』という声を、弥城さんがプロジェクトとして形にし、ルートに乗せてくれた。もし、何かやりたいことがあるなら、勇気を持って言い続けることが大切です。チャンスが来た時に逃さない準備を、今のうちからしていてほしい」
弥城さん:
「今、自分の仕事に誇りを持てていますか?と、メンバー全員に問いかけたいです。辛い時に『辛いよね』と共有できる仲間がいたから、ここまで来られた。今の子供たちが将来、この会社に入りたいと思えるような、誇れる働き方を私たちは体現し続けたいと思っています」
アビックシステムの自社開発ストーリーは、まだ始まったばかりです。
日々の業務に邁進しながらも、仕事への誇りやお客様への想いを決して手放さない。その真っ直ぐな言葉が、新たなサービスを生み、会社全体に新しい風を吹き込みました。
あなたにとっての「誇れる仕事」とは何か。その答えを探し続けることこそが、未来を作る第一歩になるのかもしれません。