就活生の選考での頑張りが正しく評価される社会の実現に向け、事業を展開している株式会社ABABA。最終面接まで進んだ学生のみにアプローチできるスカウトサービス『ABABA』を提供しています。人材業界での経験を活かし、新卒採用の新たな潮流を起こそうとしているマーケティング・インサイドセールス職 杉原さんにお話を聞きました。
杉原航輝 / 執行役員
関西外国語大学を卒業し、株式会社アイデムに新卒入社。法人営業としてアルバイト・パートの採用支援や、中途採用領域の人材紹介などに携わる。その後、株式会社ビズリーチで関西支社の立ち上げに従事。ダイレクトリクルーティングなどの採用コンサルティング業務を経て、バヅクリ株式会社に転職。新卒採用向けの内定者フォロー、採用定着を支援するワークショップ・研修の提案や、ナーチャリング部門立ち上げなどを担当した。2023年に株式会社ABABAへ入社。執行役員としてマーケティング、インサイドセールスを兼務している。 人材業界での経験が、社会の役に立つかもしれない ──これまでの経歴について教えてください。 中学生に遡るのですが、経営者である父親への憧れもあり、当時は漠然と「経営者になる」ことをゴールとしていました。高校では、経営者になることと国数英理社の内容が自分の中で直結せず、全く勉強していませんでした。大学は、大好きなバンドメンバーの出身校という理由で関西外大に進学したのですが、高校までと異なり自分の学びたい科目を選択でき、そこで初めて勉強の楽しさが分かりました。
特に自分のキャリアの原点となったのが、「PBL(Project Base Learning)」です。PBLは、大学・企業が連携して取り組む課題解決型学習で、私は中小企業の採用支援プロジェクトに参加。企業に向けて合同企業説明会の提案をしていました。その後「中小企業と新卒入社する学生のミスマッチをなくそう」と、学生団体を立ち上げました。 学生目線から企業の採用活動に尽力していたこの経験を経て、もっと企業側の視点について学びたいと感じ、アイデムへ新卒入社しました。
求人媒体の営業として、尼崎エリアを担当した後、中途採用向けの人材紹介へ異動しました。その後、「世の中の企業全体の採用を変えられるような仕事がしたい」と思い、影響の輪を広げられる環境を求めてビズリーチに転職しました。
ビズリーチでは関西支社の立ち上げに従事。当時はまだ新しかった「ダイレクトリクルーティング」の手法を通じて、採用のあり方を大きく変えていけるのではないかとワクワクしていました。採用コンサルタントとしての経験も積むことができました。 また、組織が20名から80名へと急拡大し、多様な価値観を持った人が入社する一方で、一体感が弱まってきていると感じたため、文化醸成や社内コミュニケーション活性化に向けた活動も主体的に行なってきました。
そうしてキャリアを重ねるうちに「組織開発、心理的安全性についてより深く知りたい」と思うようになり、バヅクリへの転職を決意。バヅクリでは、ナーチャリング部門の立ち上げを担当しました。ナーチャリング部門では、インサイドセールスとフィールドセールスの間をつなぎ、セールス部門の生産性向上を目指してサポートしていました。本業以外では、並行して人材系の副業も進めながら、自分自身の市場価値を高めていました。そんな時に、知人に「ある人を紹介したい」と誘われたんです。そのある人、というのがABABA代表の久保さんでした。
──ABABAを知ったきっかけは知人からの紹介だったのですね? そのとおりです。初めて久保さんと会った時に、会って早々に「いつかあなたと一緒に働きたい」と言われて驚きましたね。ABABAのサービスに関してはバヅクリで働いていた時から知っていました。
後日、改めて会社訪問をしたのですが久保さんから組織課題について相談を受けたんです。「クライアントが増え、スカウト数も増えてきた。返信率を維持するためにも、データベースを見直してマッチング精度を高めたい」といった話でした。
それを聞いて、これまでの私の経験が活かせそうだと率直に感じましたし、目の前にある課題を解決し、ABABAの力になりたいと思いました。それが、ABABAにジョインするきっかけになりました。
世の中の「当たり前」を疑い、流れを変えていく ──ABABAに入社しようと思った決め手は何でしたか? 決め手になったのは、 このサービスは「新しい採用の形」として世の中の常識を大きく変えるかもしれないと思ったことでした。 ABABAでは、最終選考に進めなかった学生に、別の会社への推薦を約束するメッセージを添えてお見送りを伝える「お祈りエール」を導入しています。このサービスも斬新な取り組みだと感じました。
世の中は結局「n=1」の集合体です。目の前の人を助けることが、社会に大きな影響を与えるファーストステップになるはず。 その信念を共有するメンバーとであれば、現場で事業開発に携わり、世の中の流れを変えていけると思っています。
──現在の業務内容について教えてください。 現在は複数の業務を兼務中です。リード獲得のためのマーケティング業務や、インサイドセールスとしての商談機会の獲得、ご契約企業様のカスタマーサポートを中心に行っています。他にも代理店営業の対応を担当するパートナーセールス、社内の組織文化の醸成、新規事業開発など多岐にわたります。
最も注力しているのは、商談機会の獲得をする「インサイドセールス」です。例えば「クライアントリストをいかに活用し、アプローチしていくか」を考えて戦略を立案し、メンバーとともに進めています。正直、無駄なテレアポはしたくないと思っています。 適切な相手に適切に情報を届けたいという想いと、マーケティング観点で潜在顧客層の声を聞きたいという目的で行なっています。
あるメンバーは”どんな会社にアプローチをするのが最大限の成果に繋がるか”を様々な角度から数値分析し、営業戦略を考えてくれたりと、高い視座で業務に取り組んでくれています。インサイドセールスに必要な動きを自ら考え、実行できていて素晴らしいですよね。さらに別のメンバーは資料の問い合わせをWeb上で完結できるよう、自動化のワークフローを整備したり。このように個人でできることは積極的にお任せしており、裁量が大きい環境で活躍できています。
──「会社としての面白み」はどのような点にあると感じますか? “手触り感”のある組織づくりが体験できるところでしょうか。スタートアップ企業ならではの「組織体制をもっとこうすれば、もっと良くなりそう」と思える部分が多いと思います。
メンバーにも「ABABAにとって優秀な人である必要はない。それよりも、会社の歴史を語れる人になって、どんな会社からも必要とされる人になって欲しい」と伝えています。
例えば会社として、どのような壁にぶつかり、どう立ち向かったかを語れるか。順調に業績推移を伸ばしていることを褒められた時に「今は好調ですが、当時はこんな苦労がありました」とリアルに語れるか。そういう社員になっていってほしいと思いますし、それが市場価値の高い人材として評価されるのではないかと考えています。
さらにもう一つ加えると、ABABAのカルチャーです。社員全員が「ABABAの目指す会社の方向性」を理解し、全員が同じ思いを持っているんですよね。 会社のバリューである「隣人を助けよ」が浸透しているので、「目の前の人を助けることで社会貢献を実現したい」という思いの強いメンバーが集まっています。 これは、先に述べた「n=1の集合体」と通じる部分でもあります。
目の前のお客様を支えたい気持ちの強い社員が多い反面、経営陣は「ABABAのためになるビジネスモデル」を追求し続けることが求められます。ABABAのカルチャーを大切にしながら、業績と連動していく難しさはありますが、やりがいと面白みは十分です。
「ファーストキャリア」へのプロセスを評価する社会に ──ABABAのサービスの将来性について、教えてください。 やはり、学生にとって「ファーストキャリア」は大切なもの。これからのキャリアを積む最初の一歩目になります。 就職活動で頑張っている学生を、書類だけで判断するのではなく「就職活動を頑張っているプロセス」をすべて含めて評価してもらいたいと願っています。
ABABAはそうしたプロセスの評価ができるサービスだと自負しています。この仕組みを社会に浸透させていくことが、ABABAのミッションです。新卒採用の入社支援に携われれば、今まで当たり前に行っていた「就職活動」を変えていける可能性ももちろんあるでしょう。
学生が入社を決める際に重視するのは、事業内容だけではありません。最終的に、人の心を動かすのは感情的・感覚的な判断です。そうした「人の心」を支え、応援できるサービスを通じてチャレンジできているところに、大きな将来性を感じています。
=================================== ▼ABABAが取り組む「お祈りエール」とは? ===================================