こんにちは。
プロレ株式会社の採用担当です。
当社は2020年1月に立ち上がったweb経営コンサルティング事業を行っているベンチャー企業になります。
今回は創業者の相田龍一さんにお越しいただき、会社設営に対する想いや今後の展望について深くお伺いしてきました。
<Profile>
相田龍一 Ryuichi Aida
代表取締役
――学生時代に行っていたことについて。
相田
NPO法人のアイセックという学生団体の代表をやっていました。入会のきっかけになったのは高校時代の同級生がアイセックの立教大学で代表をやっていたことでした。アルバイトをしながら大学の受験料を貯金していたのですが、どうしても大学の入学金を用意することができなかった私に二つ返事で貸してくれた命の恩人です。高校を卒業してからも定期的に会っており、浪人中はしばしば彼の家や近くのマックに行っていました。そこで私たちのとりまく社会について、徹底的に議論しているうちに朝になってしまったので「帰るか・・・」といったことを繰り返すような生活を送っていました笑
その友人がアイセックで活動している話はよく聞いていたので、大学入学前から興味がある学生団体のうちの一つでした。ひやかし程度に新歓に参加したところ、「自分たちは社会を変えられるんだ」という強い意思を持っているということに加え、学生なのに社会人顔負けのプレゼンを行っており、その時は素直にすごいなと思いました。団体が掲げるビジョンに惹かれて、入会することにしました。
もともと友人が代表になって活躍しているということもあって、「やるんだったら自分もこの伸びさかりの委員会で代表くらいにはならないとダメだ」という気持ちが漠然とありました。ミッションやビジョンに対する想いを心の底から信じながら、組織を大きくしていくことにも興味がありました。
――学生時代の相田社長のお人柄について。
私自身は「キレッキレのナイフ」のような…人物でしたね(笑)
6月になるとアイセックの3泊4日の合宿をやるんですけど、「こんな環境でやってられるか!!」って逃げ出すこともありましたし、「何しに大学来てんの?」「何のために勉強してんの?」ということを周りの友達にも結構言ってしまうようなヤバめの人間でした(笑)
大学3年になり、組織の代表という、「どう考えても自分のせいにしかならない環境」に身を置かれ続けたので、色々な責任を感じながら自分を律し始めたんです。
――「鋭いナイフ」時代の相田社長がなかなか想像できませんね(笑)新卒でリクルートに入ることになったきっかけを教えてください。
相田
当時から自分で起業するか就職するかの2択が常に自分の中にはありました。就職して働いていくことに関しては周りからもあまり向いていないと言われてはいたんです。
最終的に就職しないとな…と思ったのは、今自分が何かを興したところで経験値的に何も成し遂げられないんだろうなと感じたのが理由です。そのきっかけとなったのが先輩に紹介されたリクルートのインターンだったんですよね。
100億円規模になる新規事業を立案せよ!というお題でのインターンで優勝することができまして、リクルートの新規事業立案制度上で提案し、もし審査に通れば事業検証ができるという機会をいただいたので、「これは」と思い事業検討を行っていたのですが、明らかに自分自身が分かっていないことが多すぎて。
アパレルアプリの立案だったんですけど、「どうやってアプリ作るの?実現できるの?」「縫製工場は実際にあるの?」などの実現性が究極的に今の自分では全く分からない。縫製工場に電話をかけてみるも「その手の営業はお断り」と言われてしまう・・・社会の現実、リアリティを知っていく中で、まだまだ全然通用しないなと感じまして。
そこで起業するということを一旦は諦めました。だけど行きたい企業は全然ない。それでいてまともな就活はまるでしていないような自分のことを、広い度量で受け入れてくれたリクルートに入社することを決めました。
――リクルートで2年半働いていた中で感じた想いはありますか?
相田
結局、向いてなかったんですよね(笑)
株式会社で働いていく中で、上司の指示に対して従わないといけないというのは当たり前。その中で裁量を持って自由にできないしがらみがあって、自分としてはもう無理だなと心の底から感じてしまいまして。指示に従えない従業員なんて邪魔でしかないと思うので、辞めるしかない。潔く切腹をした…という感じです(笑)
起業に関しては、以上の通りでものすごく消極的な理由でした。サラリーマンはやっぱり向いてない、周りからもそうだよねと。次の受け入れ先を見つけるのも難しいし、そうなったらもう自分でやるしかないというのが正直なところでした。
自分の場合はとにかくサラリーマンとして収入を得るという立場の方が不安になってしまうタイプだったので、会社をやると決めてからはとても前向きだったと思います。
――今の具体的な事業内容について教えてください。
相田
これから業績を伸ばしていく中小企業に対して、WEBマーケティングの支援をする事業を行っています。
当社はクライアントの成功にフルコミットするという点にこだわっており、従来のWEB代理店と大きく異なるのは、定額の月額の料金をある意味人件費としていただくというところです。
本来経験者にやってもらうとなると少なくとも給料だけで年収600万相当の金額を支払わなければならない。その他の経費など含めると年収の1.5倍はかかる。年間1000万弱のお金を払って広告宣伝費という重要なバジェットを扱う中で、採用に失敗しようもんなら事業は伸びないわ経費は溶けるわで、非常に責任が伴います。
ではプロに依頼するということになると思うのですが、従来の広告代理店の料金モデルは広告費用の20%を手数料としていただくという形になっている。となると、予算が小さい企業はweb代理店にとって採算が合わないんです。受注したとしても初期設定をして後は放置と、相手にしてくれないため、予算規模が小さい会社はみなさんwebの代理店にとてつもない不満を抱いております。
我々は従来の代理店よりは高額になってしまいますが、しっかり最後まで“人”がコミットした見積りで提示しているという点が特徴です。
多少割高だったとしても、黒字になるまで販売ターゲットから価格、CVRまでしっかりサポートし、しっかり売上利益に繋げます。そこの寄り添いに関しては他社と比較しても強いところになるかと思います。
――当初思い描いていたビジョン通りの経営はできていますか?
相田
・・・凄い難しい質問ですね。
目標に対して着実に前に進んでいるとは思っているんですが、なにぶん目指している到達地点が高すぎるせいで、スピード感が世界一周をしている蟻レベルになっています笑
株式会社を支援することで経済成長を下げ止めするというのは国内課題のど真ん中だと思います。そのためには労働生産性を高め続けていくしかない。r > gは変えられませんが、r(資本収益性)が変わらずg(経済成長率)が落ちている場合はα(国民所得)が下がっているという状態なので、常にgをなんとかしないといけない。その意味ではしっかりと「伸びるかつデカいマーケット」×「伸びるかつデカいマーケット」=「めっちゃ伸びるマーケット」に根ざして事業開発をすることができているので、そこに関しては上手くいっているんじゃないかと実感しています。
――プロレが掲げている「お金がなくても豊かになれる社会を創る」というミッションと、相田社長が思う今後の社会について教えてください。
相田
これを聞くとブータンやキューバのような国をいわゆる「幸せな国」と想像される方もいらっしゃるかと思うのですが、そうではありません。テクノロジーがどんどん発展していく中で生産にかかるコストが減っていき、機械、もっと言えば「アセットを持つ人間がアセットを持たない人間の仕事を奪う」のですが、逆に言えば「誰しもがあらゆる生産手段を持つことで働く時間をどんどん減らしていくことができる」という地球規模の大きな時代の流れなんです。今の経済システムを活用すれば、短期的には痛みが伴えど、人々の生活自体は満たされていく社会が徐々に実現できていくんじゃないかと考えているんです。
例えば、戦後は米も満足に食べることができなかった。仕方なく粟や麦を混ぜていたわけですよね。カレーライスは日本一ナウい高級食品。でも今は自分が食べたいものを自由に食べることができる。スマホやPCを使えば自分が得たい情報を好きに閲覧することができるようになっている。学びたければいくらでも教材があり、youtubeには字幕をつけ、2倍速にすることができる。ウォシュレットがあるのは当たり前で、牛丼の大手チェーン店があり、早い・安い・美味いの三拍子が揃っている。。。一昔前までは実現できていなかったことが、今の経済のシステムを活用していくことによって実現することができる。そうしたものを時代差分で考えると私たちは豊かになったことを感じることができるんです。
しかし、グローバル資本主義という経済システムは世界全体で見た時の格差を縮小していくため、戦後日本という巨大な既得権益は縮小対象です。国内の実質賃金はこのままではこれ以上あがりようがありません。法人からはどうやっても税金を回収することができませんから、少子高齢化によって社会保障の財源がなくなれば、消費税や所得税を上げざるを得ない。目を覆いたくなるほど不幸な方々がこれから沢山うまれていく中で自由と民主が脅かされ、外交がいよいよぐらつきます。そうなったら・・・
まさに村上龍のいう「希望だけがない国」です。
所得がこれ以上上がらない、という中でも国内の国民預金はそれなりにありますから、困るヒトとそれなりにやれるヒトで二極化していきます。一世を風靡したメーカーや私の前職のような会社が不動産会社や投資会社になっていくように、すでにある資本を有効活用して生存するという方法をとることができます。
国民所得があがらないとなっても、それを不幸と思うかどうかはその人の主観によるでしょう。ただ、私たちは何も持っていないなりにしばらく生き続けないといけませんし、ヨボヨボになってしまった時に老後資金がないと姥捨山に連れていかれるような時代もさもありなんという世界線ですから、できる限り若いうちに能力をひたすらあげてボコすという修羅の道をとるほかに、長期で生き残る手段がありません。それが「労働生産性、死ぬほどあげようぜ」の根本的な主張となるわけです。
テクノロジーを手足のように活用し、新しいことを学び続ける限り、我々は必要とされ、生き延びることができます。
でもそれだけではきっとだめで、本当に解かなければならないのは、宮台真司さんの言葉を借りるならば、「日本人に巣食う感情の劣化」です。お金がなくても豊かになる、というのは「給与所得はこれ以上上がらなかったとしても、物質的な豊かさは満たされ、働く時間も短くなった、ハッピーじゃん」ということに他ならないのですが、それはある程度実現しつつある中で既に訪れている精神的な格差というものを捉えている表現なんです。
そこについては誰も解いたことがない課題です。既存の経済システムではどうしても相反する事柄でしょうから、それを株式会社として解決するにはどうしたら良いのか。だからこそ、ビジョンとして掲げる価値のあることだと思いました。
――今後のプロレの事業展開について。
相田
あくまで暫定的なものとして、今後景気を回復させていくためにはテクノロジーを活用し、マーケティングでしっかり売上を上げていく必要があって、世の中の流れに沿って事業を拡大させていく。
日本社会においては人材、開発など、経営のアセットごとに支援をしていくことが重要だと我々は考えています。それは創業当初からの初期戦略として実現していきたいです。
それとは別に、会社のスキーム全体で売上利益を上げていくかを考えているわけなんですけど、
株式会社を支援していく過程で培った知識やオペレーションを活用して、自社でもしっかり事業を立ち上げていきたいです。
日本はもしかしたら世界一のクリエイティブ大国になるポテンシャルがあるんじゃないとも思います。民族性といいますか、これだけサブカルに強いというのは、逆にいうと「人々のインナーチャイルドがクリエイティブさを上げている」ということなのかもしれません。そうなったときに「ヨーロッパが発明し、アメリカが効率化し、日本がクリエイティブにする」みたいなことももしかしたらできるのかもしれない。そうなんだとしたら、あらゆる海外サービスを駆使することで無駄な業務を廃し、日本が企画開発生産したものをグローバルに展開していく、ということもできるのかもしれないです。
その上で、若い人たちに機会を再分配していきたいなと思っているので、いかにプロレというスキームの中で再現性の高い形で子会社を創出していくことができるかであったり、新しい事業における生態系をどんどん生み出していきたいというのが今後の展望です。
――プロレの良いところを教えてください。
相田
世間一般で言われている凝り固まった常識がないことや、世間体を全く気にしていないという点ですかね。思想の強い会社ではあると思うのですが、鄧小平理論が今の中国を爆発的に伸ばしていったように、どんな思想も“行きつく先は同じ”という根本が学生時代に書いた卒論テーマとしてずっとあるんです。起業家でもあるわけですから、どの立場に立ったとしても変わらないことがあるとしたら、物凄く"リベラル"であるということかもしれないです。
その考え方を実現する礎としての価値観だと思うのですが、故に私たちは「理解する」ということに死ぬほどうるさいです。理解しようとしないことは弊社では怒られるポイントです笑 「どうしてそういう風に思うの?」と私や松村はメンバーによく尋ねます。
それがあると何がいいのか、をわかりやすく例えるならば、
「インターン生だから」「女性だから」というレッテルを貼ることなく、その人の実力や成果・プロセスに応じてしっかりと評価ができるということになるのかなと思います。その人の価値観やバックグラウンドを徹底的に理解することを心がけていて、クライアントの事業に関しても何でそういう方向性に向かっているのかも根底で理解した上で、フルコミットしています。それが私から見えているプロレのいいところだと思います。
――他の社員がプロレに入社した理由。
相田
これは私に質問することなのでしょうか笑
う〜ん、社会の公理的象徴と捉えているプロレ株式会社を広義の意味で持続可能なインフラにしていきたく、そのためにどうしたら良いかということを相田が一貫して考え抜いて突き通しているというところに共感してくれているメンバーが多かったのかなと勝手に推測しています。
プロレはもともと学生時代に一緒に活動していた松村と二人で立ち上げた会社です。彼のバイタリティは学生時代から尊敬していたし、一緒にやれるとなったときは非常に嬉しかったです。
――最後に、一緒に働きたいと思う人について教えてください。
相田
私たちは根本的に未来に対する漠然とした不安感があって、現状に満足していないという価値観は共通しているのかなと思います。
現実を直視しながら、自分を受け入れて変わり続けることができる人。未来の社会の為に自分がどうしたいかも重要なのですが、そのために“今できることが何か”をしっかり考えられる人と一緒に働きたいなと思いますね。
ところで、よく言われる成長ってなんのことなのでしょう?
結局のところ、その時代その時代の環境の中でも価値が高いとみなされていることを実現できる能力が身に付いているということを指しているのだと思うんですけど、私たちは「採用マーケットで選ばれるスキルが身に付くことを成長とする」という意味合いでは使わないんです。それは前提であって。
大手で企業内で競争するということは、言い方に語弊があるかもしれませんが、ものすごく守られた存在なんです。檻があって、3食ご飯がでて、部屋の掃除もしてくれる・・・というような動物園の中だったら、成長という観点で握るとマネジメントしやすいですよね。
会社を立ち上げて1年半が経ち、改めて思うのですが、オモテとウラが混在するビジネスという野生市場の中では「いつ足元からサソリが這い上がってきて気づかぬうちに刺されて死ぬか、まじでわからない」という状態なんです。「肉食動物には叶わないから、脚めっちゃ速くなったろ!」というように、過酷な環境の中でも生存するために知恵や能力を振り絞って価値を出し続けていかなければいけない。
年功序列×終身雇用がいよいよ崩壊する今、これからの私たちは野生的な市場社会において「社会がこう流れているから、自分はこうポジションを取ろう」というようなメタ認知ができないと生き残れないでしょう。その意味で私たちは成長というよりも、適応・共存というワードの方がしっくりくる気がしていますし、社会も自分自身もメタに捉えた上でどう生きていくのか。その解像度が上がっていくことを成長と呼んでみたい。
そのような考え方に共感してもらえるかどうかはすごく大切にしています。
最後までお読みいただきありがとうございました!少しでも興味を持っていただけるようであれば是非とも一度お話ししてみませんか?
ご応募お待ちしております!