KINTOテクノロジーズは、全国に4つの拠点を持っています。2025年6月、そのうちのひとつである大阪のOsaka Tech Labが梅田にオフィスを移転しました。規模拡大にともない、Osaka Tech Labでは現在、エンジニアの採用をさらに強化しています。今回はその働き方に密着する連載企画として、同拠点でフロントエンドエンジニアとして活躍する谷さん、データエンジニアとして活躍する西さんの対談の模様をお届けします。
理系の大学を卒業して以降、アプリ開発、組込みシステム、機械学習などを経て現在はデータエンジニアリングに従事する西さんは、データエンジニアならではの役割にやりがいを感じていると話します。偶然にも谷さんとの間には、類似する発信をきっかけに志望を決意したという共通項もありました。Osaka Tech Labに所属しながら、エンジニアとして別々の役割を担う2人は、KINTOテクノロジーズのどのような点に魅力を感じているのでしょうか。
▍谷郁弥 (high-g)Osaka Tech Lab所属 KINTO ONE開発部 新車サブスク開発グループ フロントエンドエンジニア
https://x.com/high_g_engineer
専門学校を卒業後、受託で開発を行っているシステム会社へと入社。5年ほどの勤務ののち、Web制作会社へと転職し、フロントエンドエンジニアとして数々のクライアントワークを経験する。その後、自社サービス開発会社でフロントエンドの開発業務や採用活動などに従事。KINTOテクノロジーズを志望した理由は、資金力のある企業で、課題解決に向き合う本質的な開発に従事したかったから。入社から1年ほどとまだ短いキャリアながら、過去の経験を武器に、エンジニアのコミュニティづくりへと邁進している。
▍西功一郎 Osaka Tech Lab所属 データ戦略部 DataOpsグループ データエンジニア
学生時代、プログラミングに触れていた経験からITの道を志望。新卒でSIerへと入社し、さまざまな開発を経験する。その後、データを専門領域とするため、広告系の自社サービス開発のベンチャー企業へ転職。この企業では位置情報に関するデータの整備や分析に従事した。KINTOテクノロジーズへとジョインしたのは、2024年5月のこと。取締役副社長である景山のキャリアや発言が入社を決める理由となった。KINTOテクノロジーズでは、DataOpsグループに所属し、データエンジニアとして活躍する。データの利活用を効率化すべく、アーキテクチャの設計をはじめとした関連するさまざまな業務へと打ち込んでいる。
一度見送ったあと、満を持して入社。志望の決め手となった取締役副社長・景山の記事。
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谷:西さんは2024年5月の入社と伺いました。KINTOテクノロジーズのことはどのようにして知ったのですか?
西:前職への転職を検討していたタイミングで、採用情報を目にしたことがKINTOテクノロジーズを知るきっかけでした。Osaka Tech Labが新設されたばかりの頃だったと思います。
谷:前職への転職を検討していたタイミングということは、KINTOテクノロジーズを認知してはいたけれども、そのときは別の会社への入社を決めたわけですね。なにか理由はあったのでしょうか。
西:当時はまだ時期が早いと判断していました。KINTOテクノロジーズの大阪拠点が立ち上がったばかりのタイミングで初期メンバーのような形でジョインすると、双方にとってミスマッチとなる可能性が高いのではないかと感じたのです。
データ系の役割は大きく、データを整備するデータエンジニアとデータを活用するデータ分析者やデータサイエンティストに分類されると考えています。社内から集めてきたデータを分析できるように整備するデータエンジニア、整備されたデータをもとに消費行動の分析/施策の検討を行うのがデータ分析者やデータサイエンティストですね。私はデータエンジニアの方を専門領域としています。
企業の0→1フェーズにおいては、データエンジニアが扱える十分な情報が社内に集まっていないことも多く、活躍できる場面が限られてしまう印象がありました。そのような考えから、当時の私はKINTOテクノロジーズの志望を見送りました。
谷:一方で、前職を経て、あらためてKINTOテクノロジーズを志望した理由はどのようなものだったのでしょう。
西:ひとつはそれから数年経過し、KINTOテクノロジーズが創業期を脱しつつあったこと、もうひとつはテックブログなどからデータ分析の取り組み事例を知れたこと。特に過去のインタビューで取締役副社長の景山さんの経歴やデータ分析の重要性を語っている記事を読んだことは、大きな決め手になりました。
谷:経営層のものの見方や考え方は、転職先を選ぶときの参考になりますよね。私も取締役社長の小寺さんや景山さんのインタビューでの発言が入社の決め手になりました。特に「やる気だけでは良いプロダクトは作れない。情報をもとに行動するから結果が出せるのだ」という言葉が印象的だったことを覚えています。
西:経営層の言葉に触れることは、転職でミスマッチとならないために必要だと思いますね。最近では、Wantedlyなどの採用媒体で、社員の声や社内カルチャーを発信している企業も増えてきています。当時の私もこれらを参考にしない手はないと考えていました。
谷:そもそも関西エリアにおいて、データ系のエンジニアの募集は多いのですか?
西:大阪だと製造業関連の募集はよく見かけましたね。ただWEB系企業となると、LINEヤフー株式会社など、超大手の大阪拠点くらいしか選択肢がありませんでした。その意味において、母体は製造業だけれども独立したIT内製開発部隊としてWEB開発やクラウド開発に強みを持つ、KINTOテクノロジーズのような存在は貴重でした。製造業以外にもチャレンジしたいデータ系のエンジニアにとっては、第一の選択肢となり得るのではないでしょうか。
谷:西さんの前職は広告系の自社サービス開発のベンチャー企業でしたよね。
西:はい。前職では機械学習をメインにデータを扱っていました。ただ人手が足りていなかったので、データエンジニアリングやBIレポートの作成というように、データの整備から活用まで広く担当していました。当時、機械学習エンジニアは需要が大きく、高い市場価値を持っていました。しかし、AIの登場によって少しずつ状況が変わりつつあったのですよね。そのため、私はデータを使う側から整備する側であるデータエンジニアの方に専門性を移したいと考えていました。ふたたび転職活動をスタートさせたのも、こうした理由からでした。
データエンジニアとしてのやりがいは、データ利活用をめぐるPDCAの起点として働けること
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谷:先ほど、データ系の役割は大きく、データの整備とデータの活用に分かれるというお話がありました。Web系の場合、組織の立ち上げ期にはフロントエンドとバックエンドの区別がなく、全員がフルスタックエンジニアとして働くケースも多いのですが、データ系ではいかがですか?
西:そのような場合が多いと思います。私も前職では両方の役割を担っていました。
谷:KINTOテクノロジーズでは、データ戦略部の中で、例えばデータエンジニアとデータサイエンティストでグループが分かれていますよね。前者はDataOps グループに、後者はデータサイエンスグループに所属しています。西さんは分業化されている現在の環境をどのようにとらえていますか?
西:働きやすさを感じていますね。分業化にはそれぞれが専門性を生かせるメリットがある一方で、コミュニケーションが煩雑となって生産性が低下してしまうデメリットもあるような気がしています。その点に関して、KINTOテクノロジーズの現状の規模感はちょうどよいのですよね。両グループが同じ部に所属していることもあり、わからないこと、困ったことがあれば、すぐにグループの垣根を越えて質問を投げかけることができます。
谷:確かに、大規模な組織だと、チーム間でのコミュニケーションのハードルは高くなりますよね。場合によっては、ミーティングの場を用意しなくてはならないケースも出てくるはずです。結果として、どんどん開発スピードは遅くなってしまう。
西:デメリットが大きくなるほど分業化の意義は薄まりますが、現状、KINTOテクノロジーズは、メリットを享受しながらデメリットを最小限にできる体制になっていると感じます。また、ここには、Osaka Tech Labのメンバー同士の仲の良さも影響している気がしますね。それぞれが親しい関係にあるからこそ、お互いに協力しながら問題解決へと向かえています。
谷:西さんが所属するデータ戦略部 DataOpsグループは社内でどのような役割を担っていますか?
西:データ分析基盤のアーキテクチャ設計から開発・運用までを幅広く担当しています。データの利活用を通じて、事業拡大のボトルネックを解消することが私の使命ですね。近年では、分析基盤に使われる技術も日進月歩で進化しています。そのような新技術をどのように利用できるのか検証することもまた、私の仕事のうちのひとつです。
現在は、フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニア、UI/UXデザイナーの方たちにも協力してもらい、情報の取得から分析精度を高めていけるような体制づくりも進めていますね。KINTOテクノロジーズがこの先の5年、10年でさらに成長していくために、データの活用は欠かせません。その土台をデータ戦略部一丸で固めているところです。
谷:なるほど。一方で、目標へとたどり着くためには、クリアしなくてはならない課題も多そうですね。例えば、Webの領域では、バックエンド/フロントエンド間の共通言語の多さが開発のスピード感や生産性を支えていますが、このことをデータの領域に当てはめると、データエンジニアとデータサイエンティストの間に共通認識があるのは前提として、施策を実行する事業系の部署もデータ活用に対して一定の理解がないといけないことになりませんか?フロントエンドエンジニアである私からすると、自分たちの仕事を別の部署にも理解してもらわないといけないことが非常に大きなハードルのように感じます。
西:そのとおりですね。その点をクリアするためには、データ分析の役割が社内全体から信頼されている状態を作り出していかなければなりません。また、場合によっては、私たちが最適と考えた施策が思うような結果へとつながらないケースもあるはずです。そのようなとき、「データ分析は当てにならない」という印象を社内のメンバーに持たれてしまうと、データ分析の役割は存在意義を失ってしまいます。私たちは正しい答えを教える役割ではなく、より確率の高い方法を示す役割なのですよね。言ってみれば、AIとも似ているかもしれません。活用を促進するためにはまず、データ分析の仕事について正しく理解してもらうことが大切なのだと感じます。
谷:やはりフロントエンドエンジニアとはまた異なる難しさを抱えているのですね。西さんはデータエンジニアの仕事のどのような部分にやりがいを感じていますか?
西:データにまつわるPDCAの起点がデータエンジニアの仕事である点にやりがいを感じています。私はデータエンジニアとなる以前、機械学習を用いたデータサイエンスを専門としていました。しかし、当時所属していた企業では、両者の分業化がなされていなかったため、データの収集や整備も自身で行わなくてはなりませんでした。
両方の立場を経験して思うのは、データの品質が高ければ、自ずと分析の確度は高くなり、より効果的な施策の検討/実施が可能になるということです。つまり、質の高いデータ活用を行えるかは、データエンジニアの仕事にかかっているのです。このことは、データエンジニアとして働く私の責任感とも直結しています。データ整備の専門職であるからには、プライドを持って業務に取り組んでいきたいですね。
KINTOテクノロジーズだからこそ感じられる開発の面白さがある。求めるのは、経験豊富でクルマ好きな人材
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谷:DataOpsグループの一員として、今後チャレンジしたいことはありますか?
西:先ほどもお話した、収集データの高品質化を推進していきたいです。この部分はデータエンジニアの仕事の根幹です。ブラッシュアップが進めば、データ活用におけるPDCAサイクルの質はさらに高まっていくでしょう。また、運用という観点では、非属人化や再現性も重要になってきます。属人的な業務とならないよう、仕組みづくりにも注力する必要があると感じています。
谷:実現にはメンバーの拡充も必要となりそうですね。
西:データエンジニアについては、データエンジニアリングだけでなく、インフラ領域に詳しい、機械学習経験者、WEB開発経験者など、さまざまなバックボーンを持つメンバーがいると組織としていろんなことができそうですね。
谷:同様の視点で、私は発信力のあるメンバーに加わってほしいと考えています。KINTOテクノロジーズはトヨタグループの一員であることもあり、求職者の方にお堅い企業だと誤解されているような気がするのですよね。私も入社するまでは、そのように想像していました。けれども実際に働いてみると、大企業ならではの安定感はありつつ、ベンチャーのような柔軟性も持ち合わせている組織であるように感じました。開発に使用する技術の選定はもちろん、勉強会の立ち上げ、社外の技術コミュニティへのコミットなども各メンバーが日常的かつ積極的に行っていますよね。
西:そうですね。KINTOテクノロジーズほど、柔らかさと堅さのバランスが取れている企業は、他にあまりないと思います。そのような社風であることを広く発信できれば、魅力的な人材も集まりやすくなるでしょうね。理想的な組織づくり、体制づくりはメンバーの発信からスタートする面もあるかもしれません。
谷:最後に、Osaka Tech Labでは現在、私たちとともに働いてくれるエンジニアをキャリア採用で募集しています。メンバーの一人として、応募を検討している方たちにメッセージがあれば教えてください。
西:KINTOテクノロジーズは、ITを使ってお客様に新しいクルマの買い方を提案する企業です。「購入し、所有する」というこれまでの当たり前を変えるためには、たくさんのハードルがありますが、それらをクリアできたときには何にも代えがたい面白さを感じられると思います。私たちと一緒に、クルマの販売のカタチを変えていきませんか?みなさんのご応募をお待ちしています。