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内製開発組織が挑む「AIとの協業」最前線。「AIを本質的に使いこなす」ためにAIファーストが取り組む、”技術×カルチャー変革”のリアル
この数年で生成AIの技術は私たちの暮らしに広く浸透しつつあります。ChatGPTやGemini、Copilot、Grokなど、活用したサービスの例は枚挙に暇がありません。KINTOテクノロジーズも2022年11月のChatGPTの登場以降、生成AIの利活用に力を注いできました。AIファーストグループは、社内のそうした動きをリードしてきた組織です。
今回は、AIファーストグループで生成AIエンジニアとして働く和田さん、須田さんにインタビューを実施しました。お二人はどのようにして社内リテラシーの向上を目指してきたのでしょうか。生成AIの利活用をめぐる過去、現在、未来について伺います。
▍和田 AIファーストグループ 生成AIエバンジェリスト
大学卒業後、IT系の大企業へと入社し、プロジェクトの進捗管理などに携わる。その後、学生時代に個人的に学んでいたプログラミング言語・Pythonの知識を生かすため、データサイエンティストへとキャリアチェンジ。需要予測などの業務へと従事した。KINTOテクノロジーズにはデータサイエンティストとして入社したが、社内向けAIチャットの開発を機に、生成AIの専門家の道へ。現在は生成AIエバンジェリストとして、AIファーストグループの活動をリードしている。
▍須田 AIファーストグループ 生成AIエンジニア
大学時代のインターンシップを経て、トラベルテックのスタートアップに入社。デザイン×ビジネスの領域でプロダクト開発へと従事する。6年の勤務ののち、アイディアを形にする仕事への憧れからエンジニア職へのキャリアチェンジを志し、KINTOテクノロジーズへとジョインした。入社の決め手となったのは、旅行業界の延長線上でもあるモビリティへの関心と、トヨタグループならではの潤沢なアセットの存在。社内では、築き上げてきた独自のキャリアを武器に、生成AIの利活用を推進している。
生成AIを誰もが当たり前に扱えるツールに。社内のカルチャー変容を目指すAIファーストグループ
――最初に、和田さん・須田さんが所属するAIファーストグループの社内での役割について教えてください。
和田:AIファーストグループは、生成AIに関する認知の拡大から活用方法の提案、そして技術的な実装支援までを一貫して担う組織です。少し大げさに言えば、生成AIをきっかけにした社内カルチャー変革をリードする存在ですね。具体的には、仕組みや可能性を知ってもらうための情報発信、メンバーからの相談対応、さらには生成AIを活用したプロダクトの企画・設計に踏み込むこともあります。社内のリテラシーが高まるにつれて、私たちの関わる領域もどんどん広がってきています。
――そもそも、AIファーストグループはどのような経緯で立ち上がったのでしょうか。
和田:生成AIの登場から数年が経ち、社会全体でその利活用が注目される中、「この領域にフルコミットできる社内組織をつくろう」という機運が高まったことがきっかけです。
実は、その前からKINTOテクノロジーズでは生成AIの活用を模索していました。例えば2023年春には、ChatGPT APIを活用した社内向けAIチャットツールをリリースしています。私はその開発の主担当だったのですが、ChatGPTが2022年11月に公開された直後から取り組んでいたことを考えると、かなり早い段階で動き出していたと言えると思います。この成功事例が、社内の「AIを実務に活かす」機運を一気に高めました。
その流れを受け、2024年1月には業務改善など小規模案件を中心に扱う「生成AI活用プロジェクト」が発足。そして2025年4月、このプロジェクトは正式に組織化され、現在のAIファーストグループとなりました。立ち上げ当初から続く「現場の課題を基点に価値を生み出す」という姿勢は、今も変わらず私たちの活動の核になっています。
――立ち上げにあたっては、どのようなミッションを掲げたのでしょうか。
和田:組織としてのあり方を考えるうえで、当時よく議論されたのが「R&Dで未来を先取りするのか」「現場の課題を起点に価値を出すのか」という二択でした。私たちは迷わず後者、課題解決型を選びました。理由はシンプルで、KINTOテクノロジーズは事業会社です。生成AIを“技術のための技術”で終わらせず、事業に貢献する実装として位置づけることで、技術の存在感と信頼性を組織のど真ん中に据えたかったからです。
R&Dはもちろん重要ですが、それだけではお客様や現場から少し遠い。私たちにはtoB・toC双方のお客様がいて、日々の業務の文脈で「今この瞬間、何が価値か」が絶えず更新されます。だからこそ、まずは現場の課題と直結したユースケースで手触りのある成果を出し、短いサイクルで検証・改善し続けることを最優先にしました。その積み上げが、生成AIの“地位”を社内で高め、投資や協働を呼び込み、さらに大きな成果へ接続していく最短ルートだと考えたんです。
もう一つ大切にしたのは、「一部の技術者だけが熱狂する技術」にしないこと。社員一人ひとりが当たり前に生成AIを使い、日々の意思決定や作業に組み込める状態――いわば働き方の“基盤技術”にすることを目指しました。そのために、私たちは次の3つを柱に据えています。
- 価値検証の速さを徹底する
小さく作って早く試す。実データや現場プロセスでPoC→本番までの距離を短くし、効果は時間短縮や品質指標などで可視化します。成果が見えると、現場と経営の合意形成も加速します。 - スケールさせる共通基盤とガバナンスを整える
安全に使える環境、プロンプトやテンプレートの共有、モデル選定のガイド、セキュリティ・法務のガードレールを整備し、再現性の高い展開を可能にします。内製と外部サービスの適材適所もこの枠組みで判断します。 - 人を中心に据えたリテラシー醸成
研修、勉強会、ハンズオン、社内コミュニティを通じて「現場の言葉で語れるAI」を広げます。各部門のチャンピオンと連携し、日々の業務に溶け込むCopilot的な使い方を共創します。
こうした課題解決の積み上げは、結果としてR&Dの質も高めます。現場で磨かれた要件や失敗学が、中長期の技術選定や先行研究のテーマ設定にフィードバックされるからです。未来を見据える目線を持ちつつ、足元は徹底して事業に根ざす。この両利きの姿勢が、AIファーストグループのミッションの核になっています。
――須田さんは2024年9月に入社されたそうですね。新メンバーとして、社内のAI利活用の現在地をどのようにとらえていましたか?
須田:入社してすぐ、私はグループ企業のKINTO向けに、社内のアーリーアダプターを対象に中級者を育成する研修を実施しました。「各部に生成AIアンバサダーのような存在を設けることで、生成AIを用いた業務プロセス改革を推進する」という目的でKTCが独自に開発した研修プログラムです。その後、2025年1月に取締役副社長の景山から、2025年の活動スローガン「AIファースト」が宣言されると、生成AIをめぐる社内の雰囲気は大きく変わっていきました。
各部署で検証プロジェクトが立ち上がりはじめたことで、私たちにはそれらに対する技術支援が求められるようになりました。認知や理解を広げるために蒔いてきた種が、少しずつ芽を出しはじめたタイミングですね。この頃になると、私たちが直接働きかけなくても自然に各部署で利活用が広がっていくという好循環が生まれていました。
このように着実に次のフェーズへと移行しつつあったことも、AIファーストグループ設立のきっかけになっていたと思います。現在は、高まる開発スピードに対応するため、セキュリティ・ガバナンスなど、環境の整備を進めています。
AIファーストグループが取り組む、“適材適所”のプロジェクト伴走
――2025年9月現在、AIファーストグループには何人のメンバーが所属していますか?
和田:現在は8名が在籍しています。グループマネージャー1人、コーポレートITグループとの兼任でサポートをしてくれているマネージャー1人、チームリーダーの私、その他5人の専任メンバーが所属している形ですね。2024年1月の設立当初は、私とグループマネージャー、アシスタントマネージャーの3人で運営していました。その後2024年の9月に須田さんが入社し、少しずつ人員が増え、現在体制が整いつつあるところです。
――それぞれがどのような役割で業務に臨んでいるのでしょうか。
和田:実は、グループマネージャーがマネジメント全般を担当している以外に、メンバーに特別な役割分担は設けていません。それぞれがこれまでの経歴の強みを生かし、業務にあたっています。エージェント制のようなイメージが近いかもしれませんね。案件が発生したタイミングで、都度誰に担当してもらうのがベストかを考え、メンバーをアサインしています。
――これまで社内のさまざまなチームにインタビューしてきましたが、役割分担を設けていない体制は珍しいと感じました。AIファーストグループがその方針を採っている理由を教えてください。
和田:先ほどもお話ししたとおり、私たちの業務領域は、生成AIの認知拡大から活用法の提案、技術的な支援まで幅広くカバーしています。案件によって求められるスキルやアプローチはさまざまで、たとえば実装を伴う高度なエンジニアリングスキルが必要な場合もあれば、プロジェクトマネジメントのように案件全体を推進する力が求められる場合、あるいは相手組織のカルチャー変革に深く入り込むことが重要な場合もあります。
AIファーストグループは横串で全社を支援する組織であるため、こうした多様な性質の案件が同時並行で進みます。そのため、役割を固定してしまうよりも、案件ごとの特性や目的に合わせて最適なメンバーをアサインする方が、成果を最大化できると考えています。役割をあえて決めない方針は、この“適材適所”を柔軟に実現するための仕組みなのです。
――和田さんは、AIファーストグループでの仕事のどんな点に面白さややりがいを感じていますか?
和田:まず面白さを感じるのは、トヨタグループの豊富なアセットを活用しながら、ユーザーに近い距離でAIに取り組めることです。一般的な大企業では、開発組織が多重下請け構造の一部となり、ユーザーとの距離がどうしても遠くなりがちです。しかしKINTOテクノロジーズでは、toC向けサービスなどを通じてユーザーの反応を直接確かめながら開発を進める機会が多く、「作って終わり」ではなく「ユーザーの声を聞き、改善につなげる」ことができます。トヨタグループの一員でありながら、ベンチャー的なスピード感とユーザー視点を両立できるのは、ここならではの魅力ですね。
やりがいの面では、内製開発組織であることが大きいです。社内には第一線で活躍するエンジニアが数多く在籍し、フロントエンド、バックエンド、インフラ、データベース、セキュリティなど、それぞれの領域にプロフェッショナルがいます。そのため、自分の専門外の領域を無理に抱えることは少なく、本来の強みを最大限に発揮できます。ベンチャー経験のある方なら、複数の役割を一手に引き受けて苦労した経験があるかもしれませんが、ここでは専門性を深めながら、同時に優秀な仲間から学び続けられる環境があります。エンジニアとして成長したい方にとって、この環境は非常に魅力的だと感じます。
――須田さんはいかがですか?
須田:和田さんと似たようなところで、私は、生成AIの利活用を通じて現場と伴走する感覚が得られていることにやりがいを感じています。KINTOテクノロジーズは全国のトヨタの販売店向けに、業務効率化ツールを開発し提供しています。こうした案件に携わるとき、私たちは実際に全国にある販売店に赴き、ユーザーの生の声に耳を傾けることを大切にしています。現場とともにエンドユーザーの体験を作り上げる喜びは、事業会社でしか得られないものだと思います。この点にKINTOテクノロジーズならではのやりがいや面白さが詰まっています。
加えて、当社が大企業とベンチャーの良いところを両取りしている組織であることも魅力だと思います。トヨタグループのアセットを活用しつつ、フレキシブルな環境で開発と向き合うことができる。私たちが早い段階から生成AIの利活用に注力できたのも、こうした組織風土があったからこそだと感じます。業務に使うツールの選定も、個々のエンジニアが主体性を持って自由に行えている感覚がありますね。
和田:トヨタグループでは、「現地現物」という言葉を非常に大切にしています。これは、机上の空論ではなく、実際の現場に足を運び、目で見て、肌で感じ、事実をもとに判断するという考え方です。私が先ほどお話しした「ユーザーの反応を直接感じながら進める開発」や、須田さんの言う「販売店に足を運び、ともにユーザー体験を作り上げる開発」は、まさにこの精神を体現したアプローチだと思います。
取締役社長の小寺も「会議室で考えたアイデアは役に立たない」とよく口にします。現場での観察や対話を通じて初めて、本当に価値のある解決策が生まれるという意味です。KINTOテクノロジーズ、そしてAIファーストグループで働く面白さややりがいの根底には、この“現地現物”の哲学が息づいていると感じています。トヨタグループの課題解決への姿勢そのものが、私たちの仕事の指針になっているのです。
須田:KINTOテクノロジーズを「トヨタグループに所属するお堅い開発組織」と思っている方は多いかもしれません。けれども、実際にはトヨタグループの良い部分を生かしながら、ベンチャーのような姿勢で開発に向かっているのが私たちなのです。先日行われた当社主催のイベント「名古屋LLM MeetUp #7」では、生成AIを使って制作した会社紹介動画を公開しました。このデモンストレーションに対し、一緒にイベントに参加していた企業の方たちからは、「先進的でとても面白い取り組みだった」「このような動画の制作を実現できる土壌があるとは思っていなかった」といった声が寄せられました。
また、Osaka Tech Labで開催された外部のハッカソンイベントのオープニングでミュージックビデオを公開しました。ピンクの髪をしたアンドロイドが実写のように話したり、歌ったりするというものです。Xでも1万7千ほどのインプレッションを獲得しているので、ぜひご覧いただければと思います。
きっと現在KINTOテクノロジーズで働いているメンバーたちも、入社後のギャップに良い意味で驚いてきたのだと思います。私もそのうちの一人でした。この点こそが、ほかにはないKINTOテクノロジーズの個性かもしれませんね。
さらなる前進に必要なのは、“個性と専門性”を併せ持つエンジニア
――AIファーストグループとして、今後力を入れていきたいことはありますか?
和田:2023年より認知の拡大をテーマに取り組んできて、少しずつ成果が出てきていると感じています。言ってみれば、これまでは利活用に向けての下準備の段階でした。今後はそうした土台のうえで、数字として目に見える結果を出していきたいですね。そのためには、これまで以上に「選択と集中」が必要になると思います。個々の役割を定めていないAIファーストグループだからこそ、生産性を強く意識しながら業務にあたっていきたいです。
また、設立からの約2年でKINTOテクノロジーズ自体の知名度も高まり、優秀な人材が集まってくるようになりました。生産性の向上、さらなる価値の創出のためには、異なる領域で才能を発揮するエンジニアたちと協力し、掛け算で成果を出していくことも求められるでしょう。採用の市場には、現在の環境に満足しておらず、自身の能力をより生かせる別の場を求めているエンジニアが多くいるはずです。そのような方たちも巻き込みながら、活動をスケールさせていきたいですね。
須田:目下の目標は、PowerPointやWord、Excelなどのように、すべてのメンバーが生成AIを当たり前に使えるようにすることです。ただ、これでは事業に対して影響を与えていることにはならないので、新たな価値の設計、事業の創出を目指していかなければなりません。そのために私たちに求められるのは、メンバーへの働きかけや、環境の整備、ステークホルダーとの折衝などです。現状を正しく把握したうえで、適切なロードマップを組み立てながら、定量的に取り組んでいく必要があると感じています。
和田:私の考える理想は、フォワードデプロイドエンジニアのような働き方ですね。自らが設計したプラットフォームをカスタマイズ、展開し、抜本的な課題の解決へと向かっていく。これを実現できれば、自ずと2025年の活動スローガンである「AIファースト」は達成へと向かうはずです。
――KINTOテクノロジーズでは現在、キャリア採用で生成AIエンジニアを募集しています。和田さんはどのような方と一緒に働きたいと考えていますか?
和田:生成AIの知見にプラスして、オリジナルな強みを持ち合わせている方でしょうか。先にもお話したとおり、AIファーストグループでは役割分担を設けず、適材適所で業務にあたっています。そのため、少なくとも生成AIの領域に関しては自力で問題を解決しなければならず、また、それ以外の部分で他のメンバーにはない個性も求められます。「選択と集中」の実現には、それぞれが主体性を発揮していかなければなりません。カルチャーを変容させるということは、それほどに大変なことだと感じています。
KINTOテクノロジーズにおける生成AIの利活用は現在、ビジネスと人の両面において変化が実感できるタイミングに来ています。次のフェーズに移り変わりつつある今だからこそ、そうしたプラスアルファの部分が求められてくるような気がしています。特にエンジニアリングの領域で力を発揮できる方がジョインしてくれたら心強いですね。みなさんのご応募をお待ちしています。