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こんにちは。ユームテクノロジージャパンの採用担当です。代表・松田しゅう平へのインタビューを3回にわたってお届けしており、今回はその第2回目です。
生成AIの盛り上がりとともに、多くの企業が「AIビジネス」へ参入しています。しかし流行に乗るだけの取り組みでは、本当の価値は生まれません。流行に流されない、本質的なAI活用を支えるUMUの強みとは何か。松田の言葉を通して、その確かな理由をお届けします。
AIをはじめとしたリスキリングなど「学び」に取り組む企業が増えていますが、その成果に差を生む要因はどこにあるのでしょうか?
多くの経営者が「AI時代は学びやリテラシーが欠かせない」と痛感していると思います。
ただ、その“学び方”については、まだまだ課題があるのが実情です。
たとえば、James G. March の著書『The Ambiguities of Experience(組織における経験の曖昧性)』で紹介されているように、学習には知的な方法とそうでない方法があります。
理解しないまま、ただ闇雲にコピーやトライ&エラーを繰り返すだけでは、時間の浪費につながりやすい。学習は成果につながるスピードが重要であり、無駄な失敗を減らす仕組みが必要なのです。
そこで大切なのが、すでに学術的に実証されているフレームワークや、プロンプトリテラシーといった知見を活用することです。これにより、失敗をある程度回避しながら、成功までの道のりをショートカットできます。
加えて強調したいのは「質」だけでなく「スピード」です。短時間で高い質の学習をいかに積み重ねられるかが、AI時代における企業成長を左右するカギになるのです。
“学び方”の観点でいうと、UMUでは「まずAIリテラシーから」と強調しています。その理由を教えてください。
昨今、AIモデルの進化により、ユーザーはAIと自然対話でアウトプットを出すことが可能です。しかし、私達はAIのアウトプットが正しいかどうかを検証する必要があります。また、そもそもAIに対して、質の高いインプット(プロンプト)ができているかどうかが、AIのアウトプットの質に影響することを理解しておく必要があります。AIのアウトプットを信じ、それをコピー&ペーストするだけでは、価値ある成果を出すことは難しいと言えます。
例えるなら、かつてヒューレット・パッカードが電卓を市場に投入したときのようなものです。電卓が登場する以前、スーパーのレジ係には四則演算を徹底的に教える必要があり、コストもミスも多発していました。
しかし電卓を使うことにより、基本的な計算リテラシーを持つだけで効率と精度が飛躍的に高まる。つまり、 リテラシーとツールの双方が揃って初めて生産性が最大化されるのです。
AIも同じです。チャットボットなどのAIツールをそのまま社員に渡してしまうと、「アバターは使えないのか?」「反応が遅い」といった表面的な不満が出てきます。
しかしAIリテラシーがある人は、アバター導入のデメリットや、遅延の原因がAIモデルの性能にあることを理解できます。だからこそ、AIを正しく理解し、業務フローを根本から設計できる人材を育てることが先決なのです。
では、AIリテラシーの土台があったうえで、学習プラットフォーム「UMU」や「UMU AI Tools」はどのように企業の課題を解決しているのでしょうか?
私自身、これまで10年以上にわたりトレーニング業界や人材開発の現場で「UMU」を提供してきました。その中で痛感したのは、どれだけ優れたトレーニングを行っても、全員が確実に成果を上げられるわけではないという現実です。
突出して成果を出す人もいれば、思うように伸びない人もいる。結果には必ずばらつきがあり、さらに退職などの要因が加わると、企業にとっては対応に多くのリソースを割かざるを得なくなります。
だからこそ、次の打ち手として私たちが用意したのがAIツールによる補完です。
電卓がレジ打ちの作業を飛躍的に効率化したように、AIツールがあれば人のスキルや習熟度に左右されず、一定水準以上の成果を安定的に担保できます。
当社では、新入社員研修から営業活動、マネジメントまで、あらゆるシーンでAIを効果的に活用することで、すべてのワークフローに変革を起こし、生産性の高い学びを実現できるプラットフォームやAIツールを提供しています。
AIを活用する中では、プロンプトの打ち方ひとつを取っても熟練度に差があるのが現状です。
そこで、プロンプト不要であらゆる業務を効率化する「UMU AI Tools」や、あらかじめ組み込まれたシナリオでAIと対話練習ができる「UMU Chatbot」など、まだAIに不慣れな人でも、誰もが短時間で高いアウトプットが得られる、また成果につながる行動ができる仕組みを整えています。
これらのサービスがもたらす価値は、AI時代における企業成長を支える確かな基盤になると考えています。
近年、企業の成長戦略では「人材育成・強化」が一層注目されています。UMUでは、このテーマにどのようなソリューションを提供しているのでしょうか?
たとえば営業活動を例にとると、当社では「セールスレディネス(Sales Readiness)」というキーワードを掲げています。レディネスとは「準備が整った状態」のこと。AIを徹底的に活用することで、新製品が市場に出る前から営業組織を最適に整えることが可能になります。
従来、多くの企業では新製品のローンチ後、最初の5〜10回の商談を“練習”にしてしまう傾向がありました。営業担当者はお客様との実際のやり取りを通じてトークを磨き、反応を見ながら改善していく──つまり、本来成果を出すべき場でトライ&エラーを繰り返しているんです。
UMUのソリューションでは、この無駄をAIで徹底的に減らします。
事前にシミュレーションを重ね、想定される反論や質問への対応を準備できるため、営業担当者は最初から実戦として商談に臨むことができる。こうした環境を提供できることが、まさに「セールスレディネス」という考え方の大きな価値だと思っています。
そして、この「レディネス」という考え方は、営業職に限らずあらゆる職種の人材が、はじめから最高のパフォーマンスを発揮するための鍵となると、私たちは考えています。今後は、この概念をさらに発展させた「AIレディネス」の考え方を、すべての企業に広く浸透させていきたいと考えています。
AI学習市場に参入する企業も増える中で、UMUが他社と一線を画す優位性は何だとお考えですか?
当社の優位性の背景には、大きく2つの柱があります。
ひとつは「学習の科学」に基づく知見です。私たちは長年、人材育成・教育業界でビジネスを展開してきました。その過程で、常に学習の科学、認知科学の視点を取り入れてきたことが、今のAI時代にも直結する強みになっています。
もうひとつは、AIへの取り組みそのものです。
流行に乗って参入したわけではなく、創業以来AIに取り組み、技術の向上と実践を重ねてきました。その中で特に誇りに思うのは、日本を代表する大手企業と共にプロダクトを磨いてきたことです。
たとえば、金融や製薬といった先進的な業界のパートナーと一緒にAIエクササイズ(※)を実証し、フィードバックを反映しながら開発してきました。これらの機能は私たちが一方的に作ったものではなく、市場と共に育ててきたサービスだと言えるでしょう。
※「AIエクササイズ」とは、UMUのAIが自動で個人の回答や発言を解析し、フィードバックを行うAIロープレ機能。AIを相手に練習を繰り返すことで即時に改善点を学べる仕組み
さらに重要なのは、その成果を証拠として示せる点です。一般的にトレーニングや人材開発の効果を業績と結びつけて示すのは難しい。しかしUMUでは、お客様と共に実証を重ね、学びがリアルに企業パフォーマンスへとつながることをエビデンスとして提示しています。
エビデンスとして、どのような成果や実例が挙げられますか?
毎年実施している「Performance Learning Award」にご参加いただくとより深くご理解いただけます。このアワードでは、学習の取り組みが実際に企業の業績や経営インパクトにつながった事例を表彰する場で、努力やプロセスではなく“結果が数字として表れていること”が評価の基準になっています。
たとえば、2024年の最優秀賞を受賞したアステラス製薬さまは、UMUのラーニングサークル(※)を活用し、新入社員を「自律型人材」として早期に育成する仕組みを導入しました。
新入社員が自ら考え、行動し、教え合う文化を定着させた結果、現場で即戦力となるスピードが上がり、営業部門全体の活性化やコスト削減につながるという明確な成果を生み出しました。
※「ラーニングサークル」とは、社員や専門家、仲間同士で知識や経験を共有し合い、対話を通じて学びを深めるオンラインコミュニティ機能
このようにUMUのエビデンスは、単なる取り組みの紹介ではなく、実際の数字や経営インパクトで裏付けられていることが強みです。
今後、顧客や社会に対してどのような役割を果たしていきたいと考えていますか?
企業が変革の時代を勝ち抜くためには、「学習」と「テクノロジー」を切り離すことはできません。当社はその両方を持ち合わせており、10年以上にわたって培ってきた知見が今まさに時代の要請と重なり、欠かせない存在になりつつあると感じています。
特に、認知科学をベースにした「学習の科学」と、先端の「AI・テクノロジー」。
この2つを融合させることで、企業は確実に生産性を高めることができます。私たちはその成果を数多くの現場で実証してきましたし、これからも不可欠なパートナーとして伴走していきたいと考えています。
当社の価値は単にサービスを提供することにとどまりません。企業の持続的な成長を支え、社会全体の生産性向上にも貢献していく。その社会的責任と役割を強く自覚しながら、これからも学習とテクノロジーの力を融合させ、より良い未来づくりに向き合っていきたいと思っています。
これからUMUに入ってきてくれる未来のメンバーに向けて、メッセージをお願いします。
人を扱うことは、その人の人生に大きな影響を与えます。また、テクノロジーを扱うことは、使い方次第で社会に大きな責任を伴います。
だからこそ、私たちは常にプロフェッショナルであり続けたい。人や組織の成長に真摯に向き合い、「学習」と「テクノロジー」の力でリーダーシップを発揮できる仲間とともに、経済や社会に貢献していきたいと考えています。
そして、私たちが求めているのは「自分のビジョンを持っている人」です。
UMUのビジョンと重なり合う部分が、あなたが当社で働く意味になり、最大の価値になると信じています。駒のように動くのではなく、自分のミッションを胸に歩める──そんな仲間とぜひ一緒に働けることを心から願っています。