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こんにちは。ユームテクノロジージャパンの採用担当です。今回から、当社代表・松田しゅう平への3回にわたるインタビューをお届けします。
第1回目となる今回は、生成AIの登場によって訪れた産業変革や、働く人・企業が直面する歴史的な転換期について語ります。
「AI×学習」で企業と個人の可能性をどう切り拓くのか──松田が見据える未来と、そこにあるリアルなチャンスをぜひ感じてみてください。
AI市場はいま、どのような転換期に差しかかっていると見ていますか?
昨年の段階で社内では「徐々に、、、突然に」というキーワードを共有していました。AIの波は徐々に広がり、ある瞬間にティッピングポイントを迎えるだろうと。それがまさに、今年の4〜6月に現実となった印象です。
各業界のトップ企業が一斉に生成AIの導入を始め、今では、追随しなければ取り残される「待ったなし」の状況が生まれています。競合が動き出したことへの危機感が原動力になっているようです。
AIはあらゆる企業にとって「What’s new」であり、ワークフローの在り方から仕事の進め方、さらには組織のあり方までを一変させる可能性を持っています。そのため、早めに取り組み、早めに失敗し、早めに成功の型を見つけることが極めて重要です。この緊急性については、多くの経営者が認識しているところでしょう。
AI市場の変化が進む中で、実際に働く人への影響はどうでしょうか?「AIに仕事を奪われる」といった議論もさかんです。
コールセンターで大量解雇が起こる、サポート系の仕事はAIに置き換わる──そんな予測は経済紙でも報じられるようになってきました。その結果として、企業はAIによって生産性を高めることで、利益を確保できるというシナリオが現実味を帯びています。AIに適応していない人が市場から排除され、AIに適応している会社が、よりサイズを小さくして生産性を高めていく。これが“普通のシナリオ”です。
一方で、おもしろいインサイトがあります。AI関連の半導体を開発するNVIDIA社のCEOが「AIを使って生産性を高められる人が増えたら、あなたはどうしますか?」との問いに、「私だったら、もっとそういった人を増やして、もっと生産性を高めて、もっともっと利益を出します」と答えました。
つまり、AIに適応した人、いわゆる“AIタレント”はこれからも求められ続ける。生産性が上がったから人を減らすのではなく、生産性の高い人が組織の中でどんどん増えていき、企業の生産性や価値をさらに高め、経済にも貢献していく。そう考えると、AIタレントを増やしていくことは、これから必然の動きになっていくでしょう。
ー働き手にとって、AIスキル必須の時代が到来するのはいつ頃だと思われますか?
もうすでに来ていると思います。現時点ではAIタレントがいないだけで、もしAIタレントがいたら、どの企業もその人を採用するでしょう。採用要件に関するアメリカの調査でも、従来はIQやEQ、チームワーク、リーダーシップといった資質が優先されてきましたが、そこに「生成AIを使ったことがある」「AIで生産性を高めている」といった要件が入り始めています。むしろ、そういったスキルがないと採用されない、あるいは解雇の対象になる企業すら増えてきているんです。
新卒採用の動きも同様です。日本のITサービス大手や金融機関では新卒枠を減らし、通年採用に切り替えて「生成AIを使える人」を優先する動きが出ています。さらに、新卒であってもAIを使える人材は初任給50万円以上という例もあり、まさにタレントの取り合いです。外から採用するにせよ、社内で育成するにせよ、AIタレントを確保するのは早い者勝ちだと強く感じています。
つまり、働く人にとっても「AIで飛躍できる」チャンスと捉えられるのでしょうか?
むしろチャンスの方が大きいと考えています。生成AIが登場した今この瞬間は、横一線、同一のスタートラインに立っているのです。働く人たち、特に今キャリアを積み始め、これから中核を担っていく世代にとって、まさに“ど真ん中のイノベーション”です。自分の人生やビジネスにフィットさせられる、最大のチャンスだと思っています。
私たちはこれまでもテクノロジーの変化期に何度も立ち会ってきました。たとえば、ISDNをはじめとしたインターネットの黎明期には、誰にでもインターネットビジネスをスタートするチャンスが開かれていました。その後、Web制作の波で成功した人たちがいて、モバイルの時代になると、アプリ開発で一気に事業を伸ばした人たちがいて…
これからは宇宙開発など新しい分野の波が訪れるはずです。ただ、私や私と同世代の人間が、そこに完全にフィットするのは年齢的に難しいかもしれません。
今まさに、最大の波が押し寄せているのが生成AIなんです。人生の中でも数少ないビッグウェーブのひとつが、目の前に来ている。これに乗らない手はないと思います。
ーこうした変化を見据えて、UMUはかなり早くからAIに取り組んできました。その背景をお聞かせください。
少し時代を遡ると、2008年のiPhone登場は大きな転換点でした。当時、日本ではまだモバイルがワークフローに入りきっていませんでしたが、アメリカや中国ではすでに「PCを使わずにスマートフォンだけで仕事を回す」流れが始まっていました。
UMUが誕生した2015年は、まさにモバイルとインターネットの進化が交差する時期。3Gから4G、そして5Gへと移行するなかで「モバイルを活用した学習は必ずフィットする」と確信し、変化に備えて取り組んできたおかげで、私達は幸運にもその波に乗ることができました。
AIについても同じように準備を続けてきました。ChatGPT3.5以前のGPT-3の段階から生成AIの可能性を感じ、実際にプロダクトに組み込み始めていました。当時は分析型AIが主流で生成型はほとんど注目されていませんでしたが、市場ニーズや技術の進化、OpenAIなどのスタートアップの動向を見て「これは世の中にマッチする」と判断。「徐々に、、、突然に」を信じて準備を続けてきたんです。
「AI × 学習」で企業を進化させるというUMUのコンセプトには、どんな課題認識があるのでしょうか?
前提として、多くの経営者が社員に期待するのは、「AIを“コラボレーションの相手”として活用し、自らの仕事の生産性を高めてほしい」ということです。
しかし現場を見ると、理想とは大きなギャップがあります。AIに対して「無知」のままでいたり、「エンタメ」として遊びに使うだけだったり、あるいは「検索」の代替ツールと捉えてハルシネーション(もっともらしい誤情報を生成してしまう現象)を気にせずにコピペしてしまうケースも目立っています。AIにメールを生成させ、そのままお客様に送ってしまう──そんなリスキーな使い方も少なくありません。
この状態を放置すれば、AIを正しく活用できる人材と、誤用・未活用にとどまる人材の間に深刻な格差が生まれます。結果的に、AIを扱えない人材は仕事を奪われ、組織としても競争力を失っていく。経営者が思い描く未来とは逆の方向へ進んでしまう危険性が高いのです。
だからこそ今は、「正しく生成AIを業務に組み込み、社員一人ひとりのパフォーマンスを引き上げる仕組み」を急いで整える必要があります。
AI時代に勝つために、企業は何をどのように学び続けるべきでしょうか?
私たちが提唱しているのが“AIリテラシーのASK”です。これは Attitude(態度)・Skill(スキル)・Knowledge(知識) の3つを指します。
まず必要なのは、AIにオープンであり続ける姿勢。最新の情報をキャッチし、実践を重ねながら学んでいく態度です。そこに加えて、プロンプトを工夫し、結果を評価し、自分の意思決定に結びつけるスキルが求められます。さらに、プロンプトエンジニアリングの知識や複数のツールを使い分ける知恵が、AI活用の幅を大きく広げていきます。
AIを学ぶというのは、ASKの3つを同時に磨き続けることに他なりません。企業が本当に強い組織になるには、このAIリテラシーを組織全体で根付かせていく必要があります。
実際、経営者が自らプロンプトを打ったり、アプリを開発したりとAIに触れている企業ほど、社員の浸透度は格段に高い。一方で「やっといて」と丸投げする経営者のもとでは、やはり活用の質に差があると感じますね。
これまでのお話から、プロンプトが大きなポイントだと感じます。リテラシーがあるかどうかで、結果は変わってきますか?
大きく変わりますね。たとえばAIに「採用記事を書いて」とだけ伝えた場合と、「あなたは20年間、採用広報の文章を書き続けてきたライティングのスペシャリストです。そのあなたに、⚪︎⚪︎をテーマに、制約は⚪︎⚪︎、文脈は⚪︎⚪︎でお願い」と構造的に依頼した場合とでは、採用記事のアウトプットの質はまるで違います。
非常に重要なのは、LLMの特徴を理解して「こういうことを投げると、こういうことが返ってくる」というアルゴリズムを理解することです。ITエンジニアの間ではよく “Garbage In, Garbage Out” と言われますが、ゴミの指示を出してもゴミしか返ってこない。だからこそ、自分が出している指示文はゴミではないか、洗練されているかを常に磨き続ける必要があるわけです。
実際、AIオールインを宣言したDeNAの南場会長は、社員に向けて「企画書ではなくプロンプトを出してほしい。プロンプトを見れば企画の質が分かる」と伝えているほどです。
ユーザーがAIを学ぶ場も増えていますが、その中でUMUだからこそ提供できる価値は何でしょうか?
私たちは特定のトレーニング方法やLLMそれぞれの使い方を解説することはしていません。むしろ、より上位の概念、つまり“AIを使いこなすための作法”を伝えることに注力しています。
歴史を振り返れば、読み書きができる人が社会を動かし、メディアを操れる人が影響力を持ち、IT機器を使いこなす人やDXを成功させた企業がその時代のリーダーになってきました。今まさにその位置にあるのが、AIリテラシー・LLMリテラシー・プロンプトリテラシーです。
私たちの使命は、AIやLLM、プロンプトの原理原則を正しく学び、その作法を身につけてもらうこと。そしてユーザーがさまざまなAIを自在に組み合わせ、自分の業務シナリオをより良く、より生産性の高いものへと進化させていくことこそが、UMUが提供する価値であり、まさに今、全力を注いでいるところです。
「顧客と共にAI時代の変革を先導する」というUMUの決意には、どのような背景があるのでしょうか?
従来のeラーニングやLMS(ラーニングマネジメントシステム)は「受講して終わり」になりがちで、本当の力がつかない──そうした現実が社会に存在することを私たちは強く問題視してきました。そうした無駄な時間をなくすために、私たちはこの10年以上、成果に直結する「パフォーマンスラーニング」を推進してきたんです。
そして今、AIの時代を迎えてその考え方はさらに重要になっています。考えなしにAIをコピペして使うのではなく、意図を持って活用し、自らのプロンプト力やチーム全体の力を高めて成果につなげる。これは多くの経営者の課題意識とも重なっています。
私たちはスタートアップですが、すでに業界のトップリーダーの皆さまとともに取り組みを進めています。その現場で感じているのは、多くの企業が「生成AIでスタッフの力を10倍にし、生産性を大きく引き上げる」ことを現実のテーマとして掲げ、すでに成果を出し始めているという事実です。
こうした動きが結集すれば、日本経済ひいては世界経済が「少子高齢化で下降するのは仕方がない」と長く語られてきたシナリオとは異なる未来が拓ける可能性は非常に高い。ポテンシャルも大きい。だからこそ、私たちはAI時代の変革に真っ向から挑んでいきます。
これからUMUに入ってきてくれる未来のメンバーに向けて、メッセージをお願いします。
インターネット、モバイル、DXの波、そしてこれから訪れる宇宙開発やバイオの進展。そうした数々の潮流の中でも、生成AIによる産業変革は数十年に一度の規模で訪れる、歴史的な「事件」です。その中心に立つチャンスを、皆さんは手にしています。
そして、この歴史的な転換点において、AI・テクノロジー・学習という3つの重要要素を兼ね備えた場こそが、私たちUMUです。ここは、自分の力で歴史に残る何かをつくりたい人にとって、最高の舞台だと断言できます。