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意外と知らない女性に不利な社会構造?

日本における女性活躍の現状は、多くの方がご存知の通り非常に深刻です。世界経済フォーラムが公表した2022年のジェンダーギャップ指数において、日本の総合順位は146カ国116位と低迷しています。

項目ごとの順位を見ていくと、教育は1位、 健康は63位と比較的高順位ですが、経済が121位、政治が139位と足を引っ張っている状態です。

このように日本では教育・健康の面で男女平等が進んでいるにも関わらず、なぜ経済・政治の分野で女性活躍が進まないのでしょうか。今回はその原因について考察していきます。

根強い男女の役割意識

周知の通り、世界の中でも日本はとりわけ男女の役割意識が根強く残っています。以下に、令和の時代に衝撃的とも思えるデータをご紹介します。こちらは政府による令和3年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査の結果です。

「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」:男性/女性=50.3%/47.1%

「育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきでない」:男性/女性=31.8%/30.7%

「共働きでも男性は家庭よりも仕事を優先するべきだ」:男性/女性=29.8%/23.8%

「家事・育児は女性がするべきだ」:男性/女性=29.5%/22.9%

また、「組織のリーダーは男性の方が向いている」「大きな商談や大事な交渉事は男性がやる方がいい」と回答した女性の割合はともに22.4%でした。

日本人の「アンコンシャスバイアス」

ここからはっきりと見えてくるのが、アンコンシャスバイアスの問題です。アンコンシャスバイアスとは、無意識に持っている偏見の事です。ジェンダーに関しては、主に以下の2つのバイアスが多くの日本人の意識下にあると考えられます。

①男性は仕事、女性は家事・育児を優先すべき

②男性の方が仕事ができる

これにより、男性が沢山働いて多くの仕事を任されることができる一方、女性が働く時間を制限されたり昇進する契機を失うことに繋がります。

実際、総合職に占める女性の割合は約2割です。つまり、多くの女性は時間や勤務地の融通が利く一般職を、結婚・出産する前から自らの手で選んでいるのです。

広がらない男性の育休

上記のような意識も相まって、日本の男性は育休を取得しない傾向にあります。令和3年度の育休取得率は女性が85.1%であったのに対し、男性は13.97%にとどまりました。

また、取得期間も女性は6ヶ月以上の人が95.3%でしたが、男性は2週間未満の人が51.5%と半数以上でした。

政府の調査によると、男性が育休を取らない理由の上位3つは、①収入を減らしたくなかったから、②職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だった会社や上司職場の育児休業取得への理解がなかったから③自分にしかできない仕事や担当している仕事があったから、でした。

この結果から、一家の大黒柱としての役割を課され、仕事に穴を開けられない状況に陥っている日本人男性の姿が読み取れます。

就労スタイルに隠れた問題

日本には、終身雇用年功序列型賃金といった男性中心の就労スタイルが残り続けています。この環境では、結婚・出産などで一旦キャリアが途切れると、昇進が難しくなり、キャリアアップを断念せざるを得なくなるのは必然です。

この就労スタイルは、女性役員の誕生を長年阻止し続けています。2021年時点での日本企業全体における女性役員の割合はたったの12.6%です。これを諸外国と比較すると、例えばフランスでは45.3%、イギリスでは37.8%です。日本の女性役員がいかに少ないかが分かります。

さらに、2021年時点で女性役員が1人もいない東証一部上場企業の割合は33.4%です。つまり、上場企業の3分の1には役員間に女性の意見を取り入れる機会がほぼ用意されていないということになります。

税制の壁

賃上げの要請に伴って近頃話題となっているのが、税制の問題です。俗に103万の壁などと呼ばれている配偶者控除は、夫が働き、妻は扶養に入るのが常識、という考えが基盤となって運用されてきた制度です。

この制度の存在によって、パートや派遣で働いていて稼ぎがそれほど多くない女性の場合は控除を受けた方が得になります。そのため、能力・体力的にもっと働ける・働きたい女性が働き控えをする原因となっているのです。

日本の女性活躍を推し進めるには

日本では男女の役割意識が根強く、特に社会人になってから顕著になります。家庭や会社で自分の性別に沿った振る舞いを求められるのは、男女どちらにとっても可能性を狭める可能性になりかねません。

家事・育児をしたい男性がいれば、仕事を頑張りたい女性もいる。一人一人が男女関係なく家事や育児にも仕事にも取り組めるようにするには、会社・社会の体制個々人の意識を整えていかなくてはならないと考えています。そのために、我々もこれから一層尽力して参ります。

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