こんにちは、unname代表取締役の宮脇啓輔です。
最近、unname社にマーケティング未経験で転職してきたメンバーがいます。
その彼に限らずですが、未経験で新しい職種や業界に飛び込むと、最初は「仕事がうまくいかない」「指摘されてばかりで辛い」という時期が必ずやってきます。未経験転職は、ハードスキルが追いついていないのだから、当然です。
しかしそんな時、無理に急いでハードスキルを獲得しようと焦るのではなく、「まずはソフトスキルだけで生き抜く」という戦略が非常に重要になります。なぜなら未経験転職というのは、ハードスキルではなくソフトスキルとそのポテンシャルを評価して採用しているからです。
今回は、仕事ができなくて辛い時期の乗り越え方と、心をヘルシーに保つ方法について解説したいと思います。
目次
「指摘を受け続けていて辛い」あなたへ
転職したての中途入社が辛くなる理由
俯瞰すると、辛さは薄れる
①視野と時間軸を極端に広げる(俯瞰する)
2.上司の「もっとヤバい悩み」を知る
辛いことは人生のスパイス
「指摘を受け続けていて辛い」あなたへ
よく私は、周りのメンバーに「若手のうちは、周りから愛されることが大事だ」と言ってきました。愛される人は、周りが放っておかないので、上司や先輩からフィードバックを集めることができるからです。
しかし、マネジメント層の視点から言わせてもらうと、「指摘するかどうかは、相手が可愛いかどうかではなく、指摘する側の責任感やミッションの重さに依存する」と思っています。
育成側の責任感が大きいと、根気強く向き合ってもらいやすい
「この人をなんとしてでも育てなければならない」という使命感を持っている上司であれば、相手が可愛かろうが可愛くなかろうが、素直であろうがなかろうが、なんとか向き合って指摘し続けます。逆に、そういう使命感や上司自身のインセンティブがない環境であれば、どれだけ自分が愛想が良くても放置されてしまうのです。
つまり、前職で全く指摘されなかったのだとしたら、それはあなたが優秀だったからではなく、単に「そういう環境にいなかっただけ」かもしれません。今あなたが「指摘されてばかりで辛い」と感じているなら、それは「あなたを育てようと、本気で向き合ってくれている環境にいる」という証拠でもあります。一生指摘され続けることはないので、逃げずに向き合うことをオススメします。
転職したての中途入社が辛くなる理由
とはいえ、毎日怒られたり指摘されたりするのは、精神的にキツいものです。一番割り切りやすいのは「新卒」のフェーズです。新卒は、「仕事ができない」ということを本人と会社の双方の認識が擦り合っているボーナスタイムです。
新卒時代は、双方怒られることを許容できるボーナスタイム
だから、怒られても「まあ、最初はそんなもんだよな」と受け入れやすい。そして、同じように怒られている同期がいたりするので、「自分が特別できないわけではないんだ」と前向きな気持ちになることができます。自分の現在地点が大きく逸脱していないことを確認できるだけで、安心できるのです。
しかし問題は、「中途採用」の場合です。特に注意が必要なのが、前職で変に自信をつけている状態での転職です。
その場合は、「自分は少しはできるはずだ」というプライドがある状態で、全く通用しない現実を突きつけられることになります。それに加え、中途には同じタイミングで入社して、同じレベル感で悩みを共有できる「本当の意味での同期」がいません。この落差と孤独が、中途の転職者を一番苦しめます。未経験転職の場合は、なおさらこの傾向は強まります。
では、この状況を生き抜くためにはどうすればいいのか。私は、「辛さを相対化する」ことだと考えています。
俯瞰すると、辛さは薄れる
突然ですが皆さんは、かつて世界一幸福な国だったブータンという国をご存知でしょうか?
南アジアに位置する発展途上国にもかかわらず、情報鎖国のため他国の情報を知る人がほとんどいませんでした。他の人がどんな生活をしているかわからないため、自国を貧しいと感じることもなかったのです。しかしSNSの登場によって自分達が貧しい生活をしていることを知った途端、幸福度は急落したようです。
このように人間は、相対的に幸福度を測る生き物なのです。絶対的な幸福の尺度を持っている人はほとんどいないと思っています。
他者と比較することなく自分だけが不幸だと思い込むと、底なしに辛くなってしまうのです。周りも同じように辛いと思えることが、実は救いになっているのです。
ここからは「辛さ」を相対化して抜け出すための、具体的な方法を2つ紹介します。
①視野と時間軸を極端に広げる(俯瞰する)
人間は、視野が狭くなり「今日・明日・今週」のことばかり考えているとしんどくなります。そんな時は、「風邪を引いた時に葛根湯を飲む」ように、俯瞰してみてください。俯瞰するとは、物理的に日常生活から離れてみて思考を切り離したり、時間軸を人生単位で考えてみることを指します。
例えば、南の島に行ってみる。遠い場所に行って綺麗な景色を眺めていると、「なんで会社の人間関係如きで悩んでるんだろう」と思えることがあります。また、時間軸を広げて、100年の年表を想像してみるのも手です。100年の人生の中で、この数ヶ月が辛いことなんて普通のことです。
個人的なおすすめとしては、「戦争モノの映画」を見ることです。自分より明らかにつらい状況で生きた人たちの人生に触れると、自分が仕事で悩んでいることなんて、なんて平和でちっぽけな悩みなんだろうと痛感できます。むしろ幸せすぎるかもしれないとさえ思えてきます。
物理的に、自分の悩みを紙に書いて、10階建てのビルの上から見下ろしてみるのもいいでしょう。本当にちっぽけに見えるはずです。俯瞰する方法はいろいろあるのです。
いろんな尺度から事象を捉えると、「案外大したことないかも」と前向きになれる
2.上司の「もっとヤバい悩み」を知る
今、あなたは「自分は仕事ができない」という悩みに支配されているかもしれません。でも、あなたの周りにいる「仕事ができる上司や先輩」が悩んでいないかというと、そんなことはありません。
彼らはたいていの場合、「もっと高次元で、もっとしんどい悩み」を抱えているのです。「組織が崩壊しかけている」「経営陣から求められる高い目標に届かず、激詰めされている」「株主からの非難に浴びている」といった、一担当者のレベルでは想像もつかないプレッシャーの中で戦っています。
仕事ができる人は悩みがないのではなく、悩みが「潜在化」していて、見えていないだけなのです。飲み会などで彼らの悩みを聞き出してみてください。「あぁ、この人たちこんなにヤバい状況で戦ってるんだ。私の悩みなんて大したことないな」と、良い意味で相対化できるはずです。
活躍している上司やエース社員も、それ相応の辛さや苦悩がある
辛いことは人生のスパイス
逆に言えば、「仕事の成果が出すぎて悩みが何もない」状態は、コンフォートゾーンにいて成長が止まっている危険信号でもあります。
ポケモンで例えると、ずっとマサラタウンでポッポやコラッタとだけ戦って、レベル30になっても一撃で倒して喜んでいるようなものです。定年が75歳まで延びるかもしれない時代に、70歳になってポッポと戦っているおじさんになりたいですか?いいはずがないですよね。
だから、「今の辛い状況は、コンフォートゾーンの外に挑戦している証拠」だと、合理的に再定義してみてください。
辛いものは辛い。それは事実です。私も辛いです。
でも、その辛さを「悩み」に仕分ける必要はありません。
「この辛さは人生のスパイスであり、これを乗り越えたからこそ、将来尊敬されるカッコいいジジイになれるんだ」
私はいつも、そうやって遠い未来の自分を想像して向き合っています。未経験の壁にぶつかっている皆さん。焦ってハードスキルを詰め込む前に、まずは「自分を客観視し、相対化する」というソフトスキルを武器にして、この時期を生き抜いてください。
若いうちに「辛さに耐える」というより、「辛さと共存する」という生存戦略を身につけていきましょう!