こんにちは、unname代表取締役の宮脇啓輔です。
WカップやWBCなどを見ていると、若い頃無名だったのにどんどん伸びて、最終的には日本代表の選手として大活躍するアスリートがたくさんいます。
それと同じように、ビジネスの世界でも新卒時代は無名だったけど、いつの間にかめちゃくちゃ仕事ができるようになった人がいます。そんな中、「最終的に伸びる人はどんな人なんだろう?」と、よく考えることがあります。その思考の中で最近、私の中で行き着いている結論があります。
それは、「言われたことを、愚直にやり続けられる人が伸びる」です。
「素直な人」とも少し似ていますが、私が強調したいのは「愚直」という言葉です。辞書を引いてみると、愚直とは
「要領よく立ち回ることができず、周囲からバカみたいと思われるほど、ひたすら正直で実直なさま」
と書いてあります。
良い意味でも悪い意味でも使われる愚直という言葉ですが、ビジネスにおいてはこの「賢さを一旦脇に置いておいて、真っ直ぐにやれるかどうか」が、成長スピードを劇的に左右するのです。その理由について今回は解説していきます。
目次
「小利口」は成長の大敵
大谷翔平選手の「ゴミ拾い」と「無知の無知」
どうすれば「愚直」になれるのか?
「まずはやってみる」意味は後からついてくる
「小利口」は成長の大敵
ホリエモンさんもよくYouTubeで「小利口になるな」という話をよくされていますが、これも「愚直にやれ」という言葉に通じています。中途半端に頭が良い(小利口な)人は、先輩や上司からアドバイスを受けた時に、まず頭で考えてしまいます。
「これって、やる意味あるんだっけ?」
「もっと効率的なやり方があるんじゃないか?」
「今の自分にはまだ早そうだな」
そうやって考えた結果、「あんまり意味がなさそうだな」と自己判断して、結局やらないという選択をしてしまうのです。もしくは、「言われた通りにやらずに、自分のやり方に変えてしまう」という人もいますよね。アレンジした方がいいと思っちゃっている人です。
「こうやれって言ったのに、なんで自己流に変えてるの?」「まずは守破離の守を徹底しよう」と、言われている光景は、どこの職場でもよく見ると思います。
この「頭で考えたせいで、立ち止まってしまう一歩目の遅さ」が、積もり積もって成長スピードが人生単位では大きな差になっていきます。
上司や先輩が有能であればあるほど、愚直にやる費用対効果は大きくなります
アドバイスをくれた人が明らかに間違っている場合は別ですが、基本的にまともな人からの助言であれば、「今の自分には意味が分からなくても、とりあえずやってみる」という姿勢が非常に大事なのです。そして、「無駄に自分でやり方を考えずに、言われた通りそのままやる」ことも重要です。
大谷翔平選手の「ゴミ拾い」と「無知の無知」
なぜ、多くの人(体感では95%くらいの人)は、愚直に行動できないのでしょうか。
それは、「無知の無知」状態だからです。つまり、自分が無知であることを知らない状態です。自分が何も知らないということを自覚していないからこそ、「自分の頭で考えて判断した方がいい」と思い込み、「こんなことをやっても意味がない」と切り捨ててしまうのです。
無知であることを知ることは、若手の頃は特に重要です
例えば、大谷翔平選手が高校時代に作ったマンダラチャートに「ゴミ拾い」という項目が入っていたのは有名な話です。
普通に考えたら、「野球が上手くなるために、他人が捨てたゴミを拾うことにどんな意味があるんだろう?」「ゴミ拾っている暇があったら練習したい」と思いますよね。
あくまで推測ですが、当時の大谷選手も、最初から「ゴミを拾うことの真の意義(運を引き寄せる、人間性を高めるなど)」を完全に理解してやっていたわけではないと思います。恩師に言われたことや、教えられたことを「まずは意味を考えずに、愚直にやってみよう」と行動したはずです。つまり自分が無知であることを知っている状態です。
そして、ひたすらゴミを拾い続ける中で、周りから「あいつは野球が上手いだけじゃなくて、人間性も素晴らしい」と応援されるようになり、後になってから「あぁ、こういう意味があったんだな」と気づいたのではないでしょうか。
行動の「意味」や「意義」というのは、最初から分かるものではありません。愚直にやり続けた結果、後になってから「あぁ、あれはこういうことだったのか」と気づくものなのです。その当たり前のプロセスをすっ飛ばして最初から意味を理解しようとする人は、いつまで経ってもその本質に辿り着けません。
これが、愚直にやるやつが強い理由です。
どうすれば「愚直」になれるのか?
では、「自分はつい頭で考えてしまう」という人が、愚直に行動できるようになるにはどうすればいいのか。
私もよく「どうすれば自分の小利口リミッターを外して、愚直になれますか?」と聞かれることがありますが、そもそも「リミッターを外そう」と考えている時点で、すでに頭で考えすぎていて愚直ではないのです。愚直さを意識の問題にするのではなく、仕組みや習慣で解決すると良いのです。
ということで、もし自分が意味を考えすぎてしまうタイプだと自覚しているなら、おすすめの方法が2つあります。
1.「この人の言うことだけは絶対やる」と決める
世の中のすべてのアドバイスを愚直に実行するのは不可能です。全員の言うことを聴いているといくら時間があっても足りないし、言ってることだって相反することだってあります。だからこそ、「この人の言うことだけは、自分の感情や意味を抜きにして100%実行する」というメンターや上司を一人決めてしまうのです。あるいは、「日報だけは絶対に愚直に書く」などと、アドバイスの中の特定の行動に絞るのも有効です。
2. 先に「報告」の予定を入れてしまう
自分で自分を律するのが難しいなら、パーソナルトレーニングと同じ仕組みを使いましょう。パーソナルジムに通う人は、自分が怠惰であることを理解しているからこそ、事前に高いお金を払い、トレーナーと約束をして「逃げられない環境」を作っています。仕事も同じで、「来週の火曜日に、この件について報告します」と先に宣言してしまうのです。そうすれば、「意味があるのかな?」と悩む暇もなく、報告のためにやらざるを得なくなります。
「まずはやってみる」意味は後からついてくる
私たちの会社でも、今年から行動指針の1つに「決まったことは愚直に取り組む。さっさと終わらす」という項目を追加しました。
これは単に「スピードを上げろ」という意味ではありません。「意味なんて分からなくていいから、まずは言われた通りにやりなさい」というメッセージを込めています。それが組織全体の生産性を高めるだけでなく、成長スピードを高めてくれると確信しているからです。
愚直にやれる人は、何事も一歩目が早く、その行動がもたらす「本当の意味」に誰よりも早く辿り着くことができます。「これ、やる意味あるのかな?」と立ち止まりそうになった時は、自分の「無知の無知」を疑い、とりあえず目の前のことに愚直に取り組んでみてください。