「社会的意義や意味があるものを連続的に生み出す孵卵器となる」というミッションを掲げるピクシーダストテクノロジーズ(以下、PxDT)。
今回は数あるPxDTのソリューションの中からメタマテリアルをベースとしたPxDT独自の音響制御技術「iwasemi™」エンジニアの平良、永島、佐々木、金子、生永の5名に、iwasemi事業に関わるやりがいや、エンジニアにとってのPxDTの魅力について聞きました。
スピード感を持って新しい技術に挑戦できる環境
――「iwasemi™」チームのエンジニアの皆さんに集まっていただきました。それぞれ業務内容と入社動機を教えてください。
平良:「iwasemi™」開発リーダーとして、先行研究及び開発、構造設計、基本設計~量産設計、応用方法の検討などを担当しています。
入社前はレンズメーカーで、部品の製造技術開発、量産設計を行っていました。研究開発に特化した環境に身を置きたいという想いから、PxDTに入社しました。
永島:「iwasemi™」の設計や実験を担当しています。
入社前はメカ設計を行っており、主に投光器の設計に携わっておりました。前職でも取り組んでいた流体解析にもっと取り組みたくPxDTに入社しました。
生永:「iwasemi™」の新しい用途の先行開発を担当しています。
入社前は電機メーカーでオーディオ機器の設計に携わっていました。音以外の幅広い分野に携わりながら、もともと興味があった身体拡張技術にアプローチできるのではないかと思い入社しました。
金子:「iwasemi™」の流体解析を担当しています。
入社前は電機メーカーで主にモーターや基板、電波等のシミュレーションを行っておりました。
メカ設計の業務に携わりたいと思っていたところ、これまでの知見やスキルを活かしながら新しい挑戦ができる会社があるということでPxDTへの入社を決めました。
佐々木:「iwasemi™」の設計や実験を担当しています。
入社前は自動車関連会社でカーナビの量産設計を担当していました。PxDTの新しい技術で社会課題を解決する業務や量産設計とは違うスピード感に魅力を感じて入社しました。
メタマテリアルをベースとしたPxDT独自の音響制御技術
――iwasemi™とは何ですか?
平良:メタマテリアルをベースとしたPxDT独自の音響制御技術です。自然界にはない特性を持った人工物質をメタマテリアルと言いますが、今までよりも音の特性にマッチした性能を持つ遮音材や吸音材を作れる為、幅広い分野の音課題/ニーズに対応し、社会全体の音問題の解決に寄与する技術です。
永島:例えば、通気と遮音の両立といった現状のトレードオフを破壊できたり、吸音/遮音周波数帯域の自由設計、素材選択と形状の自由度がiwasemi™の特徴です。
そのため、iwasemi™の適用シーンは、工事、建材、什器、産業機器、家電、自動車など社会の様々な分野にわたります。
建築物からミリ単位の部品まで
――今どんなことに取り組んでいますか?
生永:今は建築物からミリ単位の部品まで幅広い分野で取り組んでいます。このスケールの振り幅はなかなか他の業種ではないと思います。例えば、家電業界であれば家電のスケール感、自動車業界であれば自動車のスケール感の中でしか設計できません。ただ、iwasemi事業部は様々な業界の音課題解決に取り組んでいるので、スケールの振り幅が大きくかなり新鮮です。
平良:頭の切り替えは結構大変ですよね(笑)。数十メートルの構造物と数ミリの組み込み部品を同時並行で取り組んでいるのですが、使う脳みそが全然違います。ただ、なかなか他ではできない経験なので、非常に刺激的ですし面白いです。
ビジネス現場との距離感の近さ
――iwasemi事業部の特徴は?
平良:社内外含めビジネスの現場と距離が近いのは、特徴的だなと感じます。
佐々木:たしかにそれは感じます。前職では量産設計を行っていたので、要件が固まった状態での業務ばかりで且つお客さんから距離が遠かったです。ただ、今はお客さんと直接話し、抱えている課題感や要件の整理からbizメンバーとともに行い、解決策を講じていくのでその業務は新鮮ですし、新しいスキルを身についているなと感じています。
永島:メカ系だと実証実験フェーズでエンジニアが現場に行ってお客さんと密にコミュニケーションを取るってあまりないと思うのですが、iwasemi事業部は現場に出ることが多いです。もちろん大変なことも多いですが、社外の方とのコミュニケーションを通じて、関係性を構築したり新たな学びを得ることができるのは面白さとやりがいを感じますね。
平良:技術を評価していただきそれがビジネスにつながり、どれほどの社会価値を創出しているのか手触り感を持って開発できるのはやりがいだし非常に面白いですね。とあるお客様との取り組みで、通気遮音材の試作品が思うような効果が出なかったことがありました。お客さん先で何パターンもトライしたのですが、効果が出ず、お客さんも「おや?」みたいな感じで。かなり行き詰っていたのですが、発想をガラッと変えてこれまでとは全く異なる形状でトライしたところ効果が出たんです。あの時は嬉しかったですね。お客さんも「音消えた!!」と非常に満足してくれて、高く評価していただきました。
技術的な面白さや新しさだけでなく、それがきちんとビジネスとして成立し、社会価値を創出できるのは、iwasemi™の開発で強く感じるやりがいです。
互いを尊重しながら衝突する文化
――PxDTのエンジニアとして働いてみていかがですか?
佐々木:PxDTは様々な分野のプロフェッショナルが集まっています。持っているスキルや知見が多種多様なため、いろんな視点でアドバイスをもらいながら業務を進められるのが面白いところだと思います。
永島:たしかに、各分野のプロフェッショナルが集まっているので、相談はしやすい環境だなと感じます。互いの意見を尊重しつつも衝突することができるから、どんどん新しい挑戦ができますね。
平良:自分の得意分野は教えたり、逆に不得意な分野は教わったりと相互に意見交換ができるから、新しい挑戦はしやすいですよね。そして、その挑戦を通じて新たな学びやスキルが自分の中に蓄積されていくのはPxDTのエンジニアとして働く魅力だと感じます。
――他事業部とのコミュニケーションはいかがですか?
生永:かなり活発だと思います。事業部の垣根を超えたコミュニケーションによって、新たな視点を得られるのはPxDTならではです。PxDTのプロダクトはそれぞれ特徴が全然違うのですが、他プロダクトのエンジニアと話すことで自分の引き出しがどんどん増えていく感覚はあります。
金子:それはありますね。メカ系や電気系、ソフトウェア系等バックグランドの異なるメンバーと仕事をするのは刺激も受けます。
物理現象の音だけでなく人に作用するプロダクトやサービスの開発をしていきたい
――日々の業務の中で大切にしていることを教えてください。
永島:正直でいることです。音響メタマテリアル技術は社会実装事例がそこまで多くないこともあり、見せ方や伝え方によって受け取り手の解釈が変わってくると思っています。音響メタマテリアル技術の量産に成功している数少ない企業として、正しい情報を正しく伝えることを常に意識しています。
金子:我々は社会全体の音問題解決に取り組んでいるという意識を常に持っています。音課題を解決する音問題を解決する手段は既存防音材やアクティブノイズキャンセル等色々あります。それらの既存の手段では解決できない課題にiwasemi™でアプローチしていくわけですが、既存手段と掛け合わせることでさらに音響効果を高めることができると考えています。メタマテリアルの社会実装に向けた取り組みはもちろんのこと、社会価値を最大化させるために必要なことを常に念頭に置きながら業務をしています。
――今後やっていきたいことは何ですか?
平良:今は音という物理現象にシンプルに向き合っているが、人に対して音がどう作用するかをもっと深堀っていきたいです。その先で、メタマテリアルが絡むことでより社会価値を最大化できるとなお嬉しいなと思います。
永島:私がエンタメ業界に身を置いていたということもありますが、嬉しいとか楽しいとか人の感情に作用するプロダクトやサービスに興味があります。PxDTは五感に対してアプローチするプロダクトが多いが、プラスアルファで人の感情に作用するようなプロダクトやサービスを開発したいです。
生永:ソフトウェアとハードウェアの領域に縛られずに動けるのがPxDTの魅力だと思っています。この環境を最大限活かしつつ、物理現象をデジタルで制御してより心地良い環境づくりができるようなプロダクトづくりをしていきたいです。
金子:これまでシミュレーションをずっと行ってきたということもあるが、音の環境をクリエイトする、評価する、測定するシステマティックなシミュレーションソフトを作ってみたいです。
佐々木:自分が取り組んでいるプロジェクトを早く社会実装させたいです。今は実証実験フェーズの取り組みが多いが、これらを社会に届けて新しい価値を生み出していきたいと思っています。
今回のストーリーをお読みいただき、少しでもピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)の開発環境やカルチャーにワクワクしていただけていましたら嬉しいです。ご興味をお持ちいただけるようでしたら、ぜひエントリーをお待ちしております。