演技性パーソナリティ障害とは何か？：「嘘つき」の人を理解する

こんにちは、ヘルスベイシスの採用担当の小林です。

近年、精神疾患の一種として演技性パーソナリティ障害が注目されています。
本記事では、そんな演技性パーソナリティ障害についてご紹介していきます。

演技性パーソナリティー障害とは？

演技性パーソナリティー障害とは、注目されることを好み、注目されないとうつ症状など他の精神疾患を発症する精神疾患です。演技性パーソナリティー障害の人の言動は演技性と言われるように芝居がかっていることが多く、周囲の人に好かれるように行動、発言する場合が多いです。

演技性パーソナリティー障害の人は特に権威者や自分が好かれたいと考える人の前で芝居がかった言動を取り、自分を印象付けようとする傾向があります。

演技性パーソナリティ障害の具体例は？

演技性パーソナリティ障害の具体的な症状としては以下のようなものがあります。

・自分が話題の中心でないと気が済まない
・性的なアピールが過度
・注目を集めるために泣いたり周囲を非難する
・虚言癖がある
・ミーハーで飽きっぽい
・人間関係が長続きしない
・他人の意見に影響されやすく騙されやすい

演技性パーソナリティ障害の人は上記のような特徴を持つため、周囲の人から面倒に思われる場合が多いでしょう。

演技性人格障害の行動パターンは？

演技性人格障害の行動パターンは、他人に対して誇張表現をして、相手の注意を引こうとします。上でいろいろな具体例を紹介しましたが、行動の目的は注意を引きたいということに集約できるでしょう。

演技性パーソナリティー障害の原因は？

演技性パーソナリティー障害の原因ははっきりしていません。生まれつきの性質と育った環境が影響するとされています。環境としては、両親からの愛情不足や周囲に演技性パーソナリティー障害の人がいると、演技性パーソナリティー障害になる可能性が高いとされます。

演技性パーソナリティ障害の見分け方は？

演技性パーソナリティ障害の診断基準として、DSM-5は以下のように定義しています。

自分が注目の的になっていない状況では楽しくない

他者との交流は、しばしば不適切なほど性的に誘惑的な、または挑発的な行動によって特徴づけられる

浅薄で素早く変化する情動表出を示す

自分への関心を引くために身体的外見を一貫して用いる

過度に印象的だが内容がない話し方をする

自己演劇化、芝居がかった態度、誇張した情動表現を示す

被暗示的（すなわち、他人または環境の影響を受けやすい）

対人関係を実際以上に親密なものと思っている

上記のうち、5つ以上該当する場合は演技性パーソナリティ障害と診断されます。正確な診断基準は上記の通りですが、上記の診断基準を把握しておけば、他人と接した際にある程度演技性パーソナリティ障害の人を見分けられるでしょう。

演技性パーソナリティ障害の治療は？

演技性パーソナリティ障害の治療は、他のパーソナリティ障害同様に精神療法と薬物療法が用いられます。演技性パーソナリティ障害自体の治療方法としては、主に精神療法を用います。カウンセリングなどを通して自分の気持ちに気付くことが重要です。

薬物療法は演技性パーソナリティ障害そのものよりも、併発しているうつ症状などの治療に用いられます。

演技性パーソナリティ障害のチェックリストはありますか？

演技性パーソナリティ障害の診断基準は、上で挙げたDSM-5のものが代表的です。他の診断基準として、ICD-10のものもあります。具体的には以下です。

自己の演劇化、芝居がかった態度、感情の誇張された表出。

他人や周囲から容易に影響を受ける被暗示性。

浅薄で不安定な情緒。

興奮および自分が注目の的になるような行動を持続的に追い求めること。

不適切なほど誘惑的な外見や行動をとること。

身体的魅力に過度に関心を持つこと。

チェックリストというよりは診断基準ですが、簡易的なチェックリストとしてDSM-5の基準やICD-10の基準を用いることが可能です。

演技性パーソナリティ障害のあるあるは？

演技性パーソナリティ障害の人は、人の注意を引くために嘘を付く、飽きっぽい、人をすぐに信用してしまう、といったあるあるがあります。自分自身は嘘を付くものの、他人の嘘には騙されるという客観的に見ると不思議な点があるということです。演技性パーソナリティ障害の人は基本的に悪意を持っているわけではないため、このようなことが起こると考えられます。

嘘をつく病気はパーソナリティ障害ですか？

嘘をつく病気がパーソナリティ障害とは限りませんが、パーソナリティ障害の人は嘘をついてでも注目を集めようとする傾向があります。つまり身近にいる嘘つきの人はパーソナリティ障害の可能性がありますが、他の疾患や性質の可能性もあるということです。

演技性パーソナリティ障害と自己愛性パーソナリティ障害の違いは？

演技性パーソナリティ障害の人は他人からの注目を引くことを目的としています。一方で、自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分の優越感を保つことを目的としています。
その結果、演技性パーソナリティ障害の人が人の注目を引くための嘘などをつきやすいのに対し、自己愛性パーソナリティ障害の人は自分を大きく見せるための嘘や他人を貶めるための嘘をつく場合が多いです。
嘘以外の面でも、演技性パーソナリティ障害と自己愛性パーソナリティ障害では目的が異なるので言動が変わってきます。