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入社一年を振り返って 宮坂雅春

なんと、もう1年もたちますか...。人生を折り返すと、毎日はますます速い。速すぎる。dotDに入ってからの1年は、あっという間の、しかし非常に濃密な時間でした。広告制作から、事業創造へ。そのチャレンジは、期待と想像を超えて、タフで実り多きものでした。

目次

  1. 作る、から、創るへ。
  2. ペットの家族の一人として、ペットとその家族のために。
  3. ペットは、ますます「家族」になる。
  4. ペットの高齢化に追いつけない、日本の動物医療。
  5. おさんぽする人を、幸せにしたい。

作る、から、創るへ。

広告制作という仕事柄、前職でのプロジェクトは「作る」ことをもってミッション完了ということが多かったように思います。事業を「創る」は、違います。「創り続ける」と言った方が正しいでしょうか。1日先と、1ヶ月先と、1年先を行ったり来たりしながら、考え、試し、戻り、唸り、また試し、『365歩のマーチ』のように歩み続けます。40代半ばにしながら、汗と恥をかきつつ、仲間と会社に支えられて、充実した日々を送っていると実感しています。代表・小野田の「この会社で、人生の代表作を創ってほしい」という言葉には、老いも(笑)若きも心を鼓舞させられます。”代表作”と呼ぶにはおこがましいですが、私も、このdodDで、ペットオーナー向けの新規事業というライフワークに出会うことができました。

ペットの家族の一人として、ペットとその家族のために。

弊社の自社事業である「onedog」をベースとした、KDDI株式会社様との共同事業である「auわんにゃんサポート」というプロジェクトに携わっています。入社から約9ヶ月、事業の立ち上げとプロダクト開発を経て、今年3月にローンチ。現在進行系で「創り続けて」いる事業です。
私自身がペットオーナー(チワワ・6才・男の子)ということもあり、向き合い方もいままで経験したプロジェクトとは、少し違うように思います。家族を想う延長上にプロジェクトがある。そういう意味では、モチベーションもシンプルです。ペット業界に対する見方や知識も深めることができ、それは公私を超えた収穫だと思っています。このnoteでは、この1年の”実り”として得た、ペット業界のいまとこれからについて、少し触れたいと思います。

auわんにゃんサポート(KDDI株式会社 / 株式会社dotD)

ペットは、ますます「家族」になる。

ペットの中でも身近な、犬の頭数は、実は年々、減ってきています。約10年前の2013年871万頭に対し、2023年は684万頭(日本ペットフード協会調査)その原因について掘り下げだすとムズカシイ議論が始まりそうですので、ここでは別のデータに目を向けましょう。国内のペットの市場は、逆に拡大傾向にあります。以下、富士経済発表のデータ(2023年)を引用します。

―2025年市場予測(2022年比)―
■ペット関連商品 6,036億円(8.2%増)
ペットの家族化の進展などを背景に高付加価値商品へのシフトが進む
[注目の成長市場]
■療法食 510億円(12.8%増)
ヘルスケアニーズの増加に加え、自宅でも購入できるシステムが普及し拡大
■デンタルケア用品 19億円(11.8%増)
デンタルケア未実施層に対する啓発活動が進み新規需要を獲得

富士経済 / 2023

単純に考えて、1頭あたりにかける金額が増加している、ということになります。ごはんをはじめとしたモノの購入や、トリミングや旅行などのコトの消費に対して、もっと良くしてあげたいと想う気持ち。もはや真新しい言葉ではありませんが、ペットの「家族化」は確実に進んでいるのです。
onedogやauわんにゃんサポートには、「おさんぽの量に応じて、その日その日の適切なごはんの量を提案する」という機能があります。その日消費したカロリーに応じて、食事の量を調整する。apple watchなどが身近ないま、ヒトが当たり前にやっている健康管理を、わんちゃんにもしてあげたい。そう考えるペットオーナーは増えていますし、これからも増えていくことでしょう。家族化の先にあるのは、”パーソナライズ”。つまり、同じチワワでも、同じアメリカンショートヘアーでも、”一人ひとり”の個性や健康状態に合ったモノやコトに出会えること。その需要はあれど、まだまだ供給は不十分と言えますし、ビジネス観点ではチャンスと言えるのでしょう。

ペットの高齢化に追いつけない、日本の動物医療。

ペットの家族化は、「長寿命化」といううれしい変化をもたらしました。しかし「長寿化」に、医療が追いついていない、という事実もあるようです。犬の寿命は、1980年頃までは3,4年程度だったそうです。ペットフード協会の最新の調査によれば、犬の平均寿命は14.62歳。ここ40年ほどで、寿命が10年、人間の年齢に置き換えると40年ほど延びたくらいの計算になりますから、相当な変化です。寿命が延びれば、人間同様に、患う機会も増え、疾病の種類も多様化をたどります。
高齢化とともにがんや認知症、生活習慣病のリスクも高まっています。そうした重病から軽度な傷病まで、1人の獣医がカバーするには限界が来ているそうです。動物病院で、「内科」や「外科」といった専門科目を看板に掲げていることは少ないですよね。いぬも、ねこも、亀も、トカゲも、風邪も病気もケガも謎の不調も、みな「動物病院」に集まるわけですから、無理もありません。かといって、ヒトの医療とは違い、他の専門医に紹介される、という習慣も仕組みもまだ不十分だそうです。症状によっては高度医療が必要になる場合もありますが、地方格差も問題に。高度な医療機器がそろい、精度の高い二次診療ができる環境は都市に偏っています。そもそも動物病院自体が、全体で12,435軒のうち、上位5都道府県(東京、神奈川、大阪、埼玉、愛知)で全体の半数を占めており、地方では少ないのが現状です。(令和3年飼育動物診療施設の開設届け出状況)実際、3年前に東京から群馬の田舎に移住した際、「動物病院の選択肢の少なさ」は大いに実感しました。
つまり、ペットの医療においては、ペットの品種や症状に応じた、適切な、言い換えれば”パーソナライズ”されたサービスに出会うことが難しいのが、現状です。獣医師さん同士が、もっと自由につながり、ノウハウを共有し、互いに紹介しあい、最適な医療を提供できる世界。ペットの長寿命化(高齢化)が進む中で、医療アクセスにおいては、まだまだ大きな可能性がありそうです。
*出典;『もしものためのペット専門医療』中村泰治(幻冬舎)、『救えない地方のペットたち』川西航太郎(幻冬舎)

おさんぽする人を、幸せにしたい。

ペットの家族化やパーソナライズについて語ってきましたが、その根底にある、僕の想いとして「おさんぽする人を幸せにしたい」というものがあります。わんちゃんのおさんぽは、意外に大変です。暑さに弱い小型犬の場合、夏のおさんぽは夜明け前の早朝4時。もちろん毎朝です。犬種によっては、おしっこは家の中でせずに、おさんぽでするという場合もあります。となると、雨が降ろうが槍が降ろうが、1日数回のおさんぽが必須になります。愛犬と歩く時間は幸せなひとときですが、同時にがんばる時間でもあるわけです。”わが子”のためにがんばる人々のために、おさんぽするほど、幸せになれる世界を創りたい。おさんぽをするほど、さまざまなデータが蓄積されていき、パーソナライズされた、適切なモノやコト、あるいは未病の発見、もしもの場合は最適な医療にアクセスできる、そんな世界。”代表作”といつか誇りたい、創り続けるべきライフワークに出会えた、そんな1年であったと思う、初夏の夜なのでした。

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