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初めて明かす!代表が語る、すららネットの歴史【すららヒストリー Vol.1】

2005年からeラーニング学習教材の開発に着手し、日本におけるEdTech業界のパイオニアとして2017年マザーズ上場(現東証グロース)を果たしたすららネット。今や33万人以上の子どもたちに利用されるまでになったICT教材「すらら」の開発のきっかけと紆余曲折、そして今後の展望を代表が語ります。


飲食中心のFC事業立ち上げのプロフェッショナルが教育分野で惨敗⁈

すららネットの代表取締役である湯野川孝彦は、もともとは飲食店を中心に約40業態、4000店舗のFC事業展開をコンサルティング支援し、8社の株式上場を実現したベンチャー・リンクで、事業開発担当常務として手腕を発揮していました。まさに、FC事業立ち上げのプロフェッショナルというべき経歴の持ち主です。そんな湯野川のもとに個別指導塾からの依頼がありました。飲食店のFC展開とは勝手が異なることから、自ら塾運営を始めることに。そこで目の当たりにしたことは、生徒の “学力が上がらない”ことでした。「勉強ができる子は、有名な進学塾に通っています。知名度のない個別指導塾に来る生徒は、実は学校での授業になかなかついて行けていない子どもたちがほとんどでした。勉強に対する意欲も高くなく、ただ一方的に教えるだけでは学力は向上せず成績にもつながらなかったのです」と湯野川は当時を振り返ります。


いち早くeラーニングに着目も、賛同は得られず。自らの手でその価値を証明

運営の立場で塾の教室に行った時のこと。ある一人の生徒から算数を教えてほしい、と声をかけられた湯野川。プロのコンサルタントとして、教える技術に自負のある湯野川がその生徒に説明したところ、「全然わからない」と衝撃の一言を言われました。その一言にショックを受けた湯野川は気が付きました。「教える側がわかるだろうと思って教えていても一人ひとりつまずいた箇所や理解度が異なる。それを踏まえて教えないと本当にわかるようには教えられない。」そんな子供たちに自分だったらどう教えるか、何をどうしたらすべての子どもたちがわかるようになるのか、後に「すらら」の開発を一緒に行なうようになる創業メンバーの柿内との出会いがあり、学習のつまずきを見つけられる仕組みのヒントが得られました。「問題を間違えたら、間違えた原因となる内容を特定し、戻って学習しなおす。この仕組みならきっと誰でもわかるようになる学習が実現できる。しかも、デジタルでできれば、教える側の技量に左右されずに高品質な学びが届けられる」と可能性を感じた瞬間でした。

しかし問題はまだありました。そもそも勉強に興味がない子どもが、興味を持ち、飽きないで継続できるコンテンツの制作と、システムの構築です。とにかくまず形にすることに試行錯誤を重ね、2007年、中学生版のプロトタイプが完成し、やっと複数名の子ども達によるモニター運用ができるところまでたどり着きました。しっかり集中して学ぶモニターの子ども達の様子に事業化の自信を持ち、本格運用に踏み切ります。

湯野川たちが開発したe-ラーニング教材は「すらすら問題が解けるようになる教材」という思いを込め「すらら」と名付けました。「すらら」の活用ノウハウ開発やショールームの目的で、都内で「すらら」だけで学ぶ学習塾を開校して運用を始めました。


「すらら」での学習は、学力をつけるだけではなかった。生き生きと前向きに変化していく子どもたちを見て確信したこと

「生まれて初めて英語の勉強が楽しいと思った」――。直営塾開業からしばらくたち、塾に通う英語が苦手な中学1年の女子生徒が言った言葉を今でもはっきり覚えていると湯野川は言います。「小学校高学年くらいから中学生になると、運動も勉強も苦手な子どもはなかなか自信をもてないのが見ていてわかりました。話す声は小さい、背中を丸めるような姿勢。それが『すらら』で学習を続けていくうちに、だんだんと背筋が伸びて目の輝きが変わってきました。『自分もできる』という経験を積み重ねていくうちに学力も向上し、自信につながってきたのだとわかりました」と湯野川は「すらら」での学習を通じて、勉強の苦手な子どもたちの学力向上だけでなく、生き方も前向きに変わることを実感したといいます。自分の努力で勉強ができるようになれば自分に自信がつきいろいろなことに対して意欲も沸き、将来の選択肢と未来の可能性が拡げられる。それを「すらら」は実現できると確信したのです。

2009年には「すらら」の高校生版が完成。学習塾だけでなく私立学校などに「すらら」の導入が徐々に広がっていきました。そして、2010年にはベンチャー・リンク社からすららネットとして独立を果たしました。

2011年の東日本大震災の直後には、仙台の仮設住宅で子どもたちの学びの場づくりをしていたNOP法人アスイクに協力し「すらら」の提供を行いました。十分な学びの機会が確保されていない子どもたちに、ごく限られた時間でボランティア学生が勉強を教えている状況では、教え方がバラバラのため、子どもたちの理解度もバラバラになってしまうという問題意識を持ったといいます。「震災で、地域や経済的な違いで勉強の機会の格差があることを目の当たりにしました。安価で誰でもわかる『すらら』があれば、子どもたちの学びの機会は平等になります」と湯野川は語ります。「『すらら』で一人でも多くの子どもに学びの機会を与えたい」との想いから、バンコクでの洪水災害の学習支援や、様々なNPOへの提供を積極的に行っています。


次回、『神風吹く⁉すらら躍進の時来る!!』

【すららヒストリー Vol.2】へ続く。

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