我々が取り組んでいるプロダクト J-Quantsシリーズ。その誕生ストーリーです。
もともとは期間限定の実証実験プロジェクト
J-Quantsは、投資にまつわるデータ・環境を提供し、個人投資家によるデータ利活用の可能性を検証する、日本取引所グループによる期間限定の実証実験プロジェクトでした。
潜在的な投資家層であるデータサイエンティストを投資に誘致したい
データサイエンスを学ぶ学生が金融データに興味を持ち、日本の金融人材を増やしたい
個人投資家と機関投資家が同じレベルでデータ分析を行う、データの民主化を実現したい
この思いで、我々の実験プロジェクトがはじまりました。
コンペティションの開催
ヒストリカルの株価や企業の財務データといった、プロの投資家が利用するような金融データと、その手法を個人投資家に提供し、投資分析に挑戦していただくために、SIGNATEでコンペを開催。
「いい勉強になった」「同様の取り組みを継続してほしい」
というフィードバックをいただき、グローバル向けにデータを拡充してKaggleでもコンペティションを開催。
データ提供サービスのニーズ
コンペティションの開催の中で、参加者向けに用意したデータ提供のシステムが好評で、今後も使いたいという声が聞かれました。
かつて個人投資家がこのようなデータにアクセスするには、様々なベンダーからデータをかき集めてフォーマットを統一・加工して、ようやく分析ができる、というものでした。購入も買い切り型が多く、一度買ったデータはすぐに鮮度が落ち、再度購入作業が必要になっていました。継続的にJPXが統一されたフォーマットでデータを配信するスタイルがハマったわけです。
B to Cサービスの開発
B to Bの取引が多かったJPXにとって、多数少額のサブスク決済をどのようにオペレーションするか/自動化するか、個人情報の取扱はどうするか、など構築する機能それぞれが新しい試みでした。また、ユーザー体験にも気を配りながら使いやすさを追求し、ベータ版を運用する中でユーザーとのコミュニティをDiscordで運営しながら要望を取り込むなど、改善活動の末リリースをしました。
discord上でのアンケートの様子
今後に向けて
個人向けに提供したJ-Quantsを、Proの機関投資家向けに、よりニッチで可用性を高く、配信チャネルも多様化(APIだけでなく、FTPのファイル送受信や、snowflakeによるデータシェアリングなど)させてサービス展開を行っています。
取引所にある膨大なデータから新たなデータを発掘して提供、ユーザーの使いやすい配信チャネルの拡充やデータ管理アプリケーションの構築など やることは盛りだくさんです。
JPX総研では、Digimaの一員として、J-Quantsを開発する仲間を募集しています(もちろんJ-Quants以外も)。少しでも興味を持たれた方は、ぜひ募集ページをチェックしてみてください!