育児も、仕事も、キャリアアップも。リテールマネジメント部の第一線で走り続けるリーダーに話を聞きました。 - Member Interview 高津 碧(リテールマネジメント部 リーダー)
大丸松坂屋百貨店やパルコなどを擁するJ.フロントリテイリンググループの一員として、グループ全体のデベロッパー事業を担い、多様な都市生活提案と魅力的なまちづくりを推進するJ.フロント都市開発。
今回は、リテールマネジメント部のリーダーを務める高津さんにインタビューを実施しました。
「商業施設が好き!」という想いを原動力に、リテールマネジメント部でのキャリアを歩み続ける高津さん。3人のお子さんの産休・育休取得などのライフイベントを乗り越えながら、現在も最前線で活躍しています。
高津さんのこれまでのキャリアの軌跡、J.フロント都市開発のリテールマネジメント部の具体的な業務内容やその魅力、そしてライフイベントとキャリアの両立のリアルについて、お話を伺いました。
▶︎Profile 高津 碧(リテールマネジメント部 リーダー)
大学卒業後、電鉄系の百貨店が運営する商業施設にてキャリアをスタート。その後、株式会社パルコに転職し、SCの運営、宣伝部、商業施設の立ち上げを経験。J.フロント都市開発設立に伴い現職へ。3人のお子さんの出産・育休を経て、現在はリテールマネジメント部のリーダーとして、チームを率いながら多数の物件を担当している。
キャリアの原点は、商業施設の立ち上げへの情熱
ーーまずは、高津さんのファーストキャリアについて教えていただけますか?
新卒では、電鉄系の百貨店が運営する商業施設に入社し、5年ほど施設の運営に携わっていました。
ーーそこから転職を考えられたきっかけは何だったのでしょうか?
当時、株式会社パルコがパルコ以外のSC(ショッピングセンター)の立ち上げを横浜で行うというニュースがあったんです。住まいが近かったこと、また何より「商業施設の新しい立ち上げに関わってみたい」という気持ちが強かったことから、チャレンジすることを決めました。新卒時代に商業施設の立ち上げから関わった先輩方の話をよく聞いていて、テナントとの密なコミュニケーションや関係性構築にすごく魅力を感じていたんです。既存の施設では経験できない「開業」というものに携わりたいという思いが、転職の大きな動機になりました。
ーー新しいことへのチャレンジだったのですね。パルコに入社されてからはどのような業務に携わられましたか?
パルコに入社したのが2006年で、まずは港北ニュータウンのSCで現地の運営業務に携わり、主にチラシやセールス広告の制作など、宣伝販促業務を経験しました。その後宣伝部に異動した後に、現在のリテールマネジメント部の前身となるゼロゲート事業部に配属され、そこからもう10年以上になります。
物件運営から新規開発まで。リテールマネジメント部の仕事とは?
ーー現在所属されているJ.フロント都市開発のリテールマネジメント部について、詳しく教えていただけますか?どのようなミッションを担っているのでしょうか。
J.フロント都市開発のリテールマネジメント部は、大丸松坂屋百貨店が運営する百貨店以外の不動産物件、パルコが運営する「ゼロゲート」物件を引継ぎ、既存の30数物件の運営管理を担っています。それら物件の収益を最大化することが大きなミッションです。
ーーチーム体制を教えてください。
部署全体では13名のメンバーがいます。物件は首都圏とそれ以外の地域とで2つのチームに分かれて管理していて、私は首都圏以外の関西エリアと、中部横浜エリアの一部、そして札幌の物件を担当しています。私のチームは私を含めて3名で、約20物件を担当しています。
ーー3名で20物件とは、かなりのボリュームですね!
そうですね(笑)。メンバーは経験豊富なベテラン揃いなので、それぞれの知見を活かしながら進めています。週に1回はチームミーティングを行い、各物件の進捗状況の確認や課題を共有し、チームで連携を図っています。
ーー物件の収益最大化というミッションのため、具体的な業務内容としてはどのようなことをされているのでしょうか?
物件の運営管理について、テナント対応や建物の維持管理・メンテナンス等のPM・BM業務は外部の会社に委託しています。その委託会社と月に一度定例会議を行い、各テナントの営業状況や建物の不具合等ハード面の状況などを把握していきます。
テナントとの契約業務は私たちが担っており、ご出店いただいているテナントの契約管理はもちろん、契約満了時には継続いただくか、あるいは新しいテナントに入れ替えるかといった交渉や、新規テナントの誘致(リーシング)も私たちが行います。それには、委託先と密に連携し、館全体の営業状況を正しく把握し、課題があれば委託先担当者と一緒に考え、施設全体の魅力向上に努めています。
あとは各物件の予算周りですね。物件ごとの予算立案や実績管理、また賃料や経費の出納業務も私たちが担っています。
ーー他社の商業PM業務と比べて、J.フロント都市開発ならではの面白さや特徴はどのような点にあると感じますか?
扱える物件の多様性とエリアマネジメントへの意識は大きな特徴だと思います。
北は札幌から南は広島まで、首都圏、関西、中部を中心に商業やオフィス、ホテル等、様々な特徴を持つ物件があります。多様な物件だからこそテナントも様々で、 ファッションアパレルもあれば、外資系のグローバルブランド、身近なところではコンビニエンスストアが入っている物件もあります。業種は多岐にわたりますが、契約を結び、良好な関係を築き、共に施設を盛り上げていくという点ではどのテナントも変わりません。多様なテナントへの理解を深めながら関係構築できる点は面白いですね。
母体が大丸松坂屋とパルコという異なる強みを持つ2社であるため、百貨店が持つネットワークとパルコが持つネットワーク、その両方をリーシングに活用できるのは非常に大きな強みです。例えば、パルコだけではアプローチが難しかったようなテナントにも、百貨店の繋がりを活かしてコンタクトを取れるケースもあります。
またこれまで地域に根差してきた百貨店やパルコが母体だからこそ、エリアへの想いはメンバーの中でも強く、「このエリアにはどんなテナントが来たら面白いか」「この土地の特性を活かすにはどんなお店が良いか」といった会話が、社内では活発に行われています。
ーーリテールマネジメント部として、開発案件にはどのように携わるのですか?
具体的には、開業後のスムーズな運営のために、開業前に準備すべきことを多岐にわたって検討・実行します。例えば、入金機や両替機等の設置検討や各テナントの売上報告はどのようなシステムで行うか、必要に応じて開業時の館全体の販促の企画立案や開業後の年間販促計画の策定をすることもあります。既存物件の安定的な運営だけでなく、こうした新しい商業施設をゼロから創り上げていく瞬間に関われるのも、この仕事の大きな魅力の一つですね!
ーー本当に幅広い業務と知識が求められるのですね。大変だと感じることはありますか?
テナントとの契約条件に関する交渉は、常に気を遣いますし、難しい局面もあります。特にコロナ禍の時期は、各テナントの厳しい状況も理解できる一方で、事業としての収益も確保しなければならない。双方の立場を理解しつつ、最善の着地点を見つけるのは非常に骨の折れる仕事ですが、そこを乗り越えて新しいお店がオープンしたり、施設が賑わったりするのを見ると、大きな達成感を感じます。どんなに短くても、お店がオープンするまでには1年くらい前から動き出すことが多いので、その苦労が報われる瞬間は本当に嬉しいですね。
ライフイベントとキャリアを諦めない働き方。3度の産休・育休を乗り越えて。
ーー高津さんは、これまでに3回、産休・育休を取得されたと伺いました。その間、会社のサポート体制や雰囲気はいかがでしたか?
はい、3人の子供がおりまして、それぞれ出産時に産休・育休を取得しました。仕事が忙しい時期に妊娠がわかり、お休みをいただくことになった時は、やはり申し訳ない気持ちで上司に報告したのですが、3回とも「ハッピーなことだから全然気にしないで、元気な赤ちゃんを産んできてね!」と温かく送り出してくれました。その言葉には本当に救われましたね。
育休中も人事の方から時々連絡をいただき、コミュニケーションは取っていました。復職の時期や部署についてもヒアリングがあり、いずれも当時は自分の希望する形で戻ることができました。
また実は、J.フロント都市開発が設立されて間もない頃に病気で休職した時期もあったんです。会社がまさにこれからという大切な時期に…本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、その時も周りのメンバーは「会社のことは気にせず、しっかり治療に専念して。」と、とても温かく対応してくださいました。復職時も温かく迎えてくれて、体調面を気遣いフォローしてくれたりと、働きやすい環境だと感じています。
ーー仕事と育児、そしてリーダーとしての役割を両立するのは大変なことも多いかと思いますが、どのようにバランスを取っていらっしゃいますか?
もう、「オンとオフをしっかり切り替える」ことに尽きますね。会社にいる間は仕事に集中し、私用携帯もほとんど見ません。家に帰ったら、もう仕事のことは考えず、家のことに集中する。時間は限られているので、優先順位を考えて効率よく進めることを常に意識しています。
ーーJ.フロント都市開発の働き方の制度について、活用されているものはありますか?
当社はフレックスタイム制なので、労働時間を自分の裁量で調整しています。子供の保育園のお迎えに合わせて退社時間はだいたい決めているので、早く出社できる日は早く来る等、1か月の総労働時間の中で調整していますね。リモートワークの制度も整っていて、在宅勤務はもちろん、外出先でもシェアオフィスを利用して隙間時間に仕事ができます。回数の上限もないので、自分の業務に合わせて柔軟に活用できるのは、非常にありがたいです。
また、スキルアップのためのバックアップ体制もあり、宅地建物取引士など資格取得に関しては、会社から金銭的な補助も受けられます。常に成長を求められる環境でもありますが、それに応えるためのサポートがあるのは心強いですね。
ーーJ.フロント都市開発のリテールマネジメント部には、どのような方が向いていますか?
まず、誰とでも円滑にコミュニケーションが取れる方ですね。テナントはもちろん、社内の法務部や建築推進部など、本当に多くの人と関わりながら仕事を進めるので、話すことが好きだったり、相手に分かりやすく伝えることが得意な方は活躍できると思います。
そして、色々なものに興味を持ち新しいことに対して前向きにチャレンジできる方。私たちの部署は、多様なエリアの様々な物件を担当するため、色々なエリアで色々な物件に関わりたいという思いがある方にはマッチすると思います。
また、会社としても今後は商業だけでなくレジデンスやホテル等、他のアセットも検討を進めているため、既存の枠にとらわれず、色々なことに挑戦したい、新しいことを学ぶのが好きだという方には、とても刺激的で面白い環境だと思います。
ーー最後に、この記事を読んでいる求職者の方々へメッセージをお願いします。
リテールマネジメント部の仕事は、泥臭い交渉や地道な調整も多く、華やかな面ばかりではありませんが、自分が関わった施設が活気づき、街の賑わいにつながっていくのを見届けられるのは、何物にも代えがたいやりがいです。
私はこれまで、出産や病気など、キャリアを一時中断せざるを得ないライフイベントを経験してきました。それでも、今の会社には、きちんとキャリアを継続し、さらに新しいことに挑戦できる環境があります。 特に女性にとっては、ライフステージの変化とキャリアをどう両立していくかというのは大きな課題だと思いますが、J.フロント都市開発には、それをサポートしてくれる制度があり、何よりも温かい理解のある社風です。自分のやりたいことやキャリアを諦めずに、思い描ける。それは本当にありがたいことだと感じています。
ーー高津さん、本日は貴重なお話を本当にありがとうございました!