生活と教育に寄り添うAI:UX視点で見つけた活用事例まとめ-ジャイロの取り組み紹介 | 株式会社ジャイロ
こんにちは!株式会社ジャイロです!先日、社内で「最近のAI活用事例って、UXや教育とどう絡められそう?」というテーマでブレストを行いました。弊社はAIエンジニアリングを社内で行っているわけではあ...
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こんにちは!株式会社ジャイロです!
前回の記事では社内で最近のAI活用事例がUXや教育とどう絡められそうかというテーマでブレストを行い、その中で出てきた、「これはおもしろいかも」となった既存サービスや事例を、いくつかご紹介しました。
↓前回の記事はコチラ
今回はそのブレストを経て、教育分野や生活にこんな方法でAIを活用できるんじゃないか?と社内で検討・デザインしたサンプルを紹介していくシリーズ(全4回)になります!
第一回はこちら!
XRデバイスのUIデザインサンプル
ブレストの中で、「マナーも教育分野と言えるのではないか」という話題となり、
とくにテーブルマナーは、実際の食事の場面で即座に求められる知識です。
事前に本や動画で見たことがあっても、いざというときに実行できないケースが多くあるのではないでしょうか。
そこでテーブルマナーを学習・サポートするのにAIを活用できるのではないかとデザインのサンプル作りに着手しました。
今回は「ユーザーが装着しているXRデバイスに搭載されているAIが目の前にあるテーブルの様子を認識して、その食事における適切な振る舞いをサポートしてくれる」という案をベースにデザインしています。
テーブルマナーには国ごとに違いがあります。
訪れた国や入ったお店のマナーに合わせられるよう画面左サイドに、どの国のマナーをガイダンスするか切り替えられる要素を配置しています。
お店で食事をする際は、注文・食べる・食べ残し・食べ終わりなど細かく工程を切り分けられます。
どの工程のマナーを知りたいか、選べるようにマナーメニューの要素として画面左上に配置しています。
マナーメニューで選んだ項目から視界の要素をAIが認識して、その状況ではどうするのが適切かの解説パネルを画面右側に表示しています。
今回は食べ終わった後にナイフとフォークをお皿にどう置くかをイメージとテキストで解説しています。
フランス料理ではナイフとフォークは並べられている外側からというマナーがあるなど、使う食器がどれか判断するようなシチュエーションもあるため、それらをAIが視界の食器をハイライトして誘導してくれるような機能を想定しています。
食事と一緒に視界に映るインターフェースの色は、UXの観点から視認性と別に食欲への影響を考慮する必要があります。今回テーマカラーとしては食欲を増幅する暖色系であるオレンジを採用しています。
AIが料理を認識すれば、推定されるカロリーを表示するようなオプション機能も考えられます。その日の摂取カロリーを把握しておきたいユーザー層などにはありがたいでしょうが、人によっては食事があまり進まなくなっちゃうかもしれませんね…。
また画面下部には検索窓を設けてあり、出された料理について調べて一緒に食事をしている相手と話題にすることなどを想定しています。
お店と連携すれば、検索せずとも料理についての解説や情報を提示することも考えられますね。
・海外の旅行先でお店に入った時
・マナー指導教室での使用
など、実践の場においても、学習の場においても使用が考えられます!
このようなツールはユーザビリティを考慮する他に、環境を踏まえたUX設計も重要です。
食事の場において、スマートフォンをいじったり何か他のことをしている素振りは好ましくないと言われることが多いでしょう。
その点、XRデバイスは自分の視界上に現れる情報であるため、注目する分には特段周囲から気にされることはない媒体であるとも考えられます。
ただ一般的なXRデバイスのインターフェースではユーザーをサポートするにしてもその過程におけるユーザー体験はネガティブなものとなってしまいます。
食事中に使用するインターフェースとなると、手はフォークやナイフなど食器を持っているため、これまでのXRデバイスの操作によく見られる大きなハンドジェスチャーを用いて操作することはユースケースに適していません。
(食事の場で手を振り回すのもそもそもマナーとしてよろしくないですし…..)
だからといって音声入力操作をしようにも、誰かと話していたり、咀嚼中だとデバイスに声で指示を出すのはきっと煩わしいでしょう。
ユーザーとしても、「食後のマナーを教えて」と声に出してしまえば周りに自分がマナーを知らないことを周知させてしまうことになってしまいます。
そのため、このようなサービスを実現するために適している技術がないか調査しました。
2024年にMeta社が発表したワイヤレスARグラスOrion
まだ開発中ではありますが、グラスというだけあって従来よりも小型化が進み、日常使用を想定したデザインが特徴的ですが、注目したいのは連携機器である「EMG(筋電図)リストバンド」です。
出典:https://about.fb.com/ja/news/2024/09/orion-ar-glasses-augmented-reality/
EMGリストバンドを装着していれば、腕を身体の横におろした状態でも、スワイプ、クリック、スクロールなどの操作が可能なので、現実世界で周りの人とつながりながらも、充実したデジタルコンテンツを利用できます。
https://about.fb.com/ja/news/2024/09/orion-ar-glasses-augmented-reality/
つまり、細かな指同士を擦るような動きを認識して操作が可能になるということです。このようなデバイスであれば、食事中でもナイフを握っている手で少し指を擦るなどするだけでも操作が可能になり、周囲の人間がその様子に気づくことも稀になると考えられます。
米Googleは先日「Google I/O 2025」にて、「Android XR」の発表と「Gemini」の連携機能を発表しました。こちらのデバイスもかなりコンパクトにデザインされていますね。
AI機能の搭載もすでに実現自体はできているため、これらの技術が組み合わされば今回のようなサンプル案の実現もできるかもしれません!各社の今後の動向にも期待です!
ここまでお読みいただきありがとうございました!
XRデバイスが普及すれば、それに伴い考えなければならないUXデザインも多く生じてくると考えられます。
弊社はこうした教育や日常の体験にAIがどう寄り添うかを想像し、
AIのふるまいや導線設計をどうすれば体験価値が上がるか、企画や構成の段階からご提案していくことを得意としています。
このテーブルマナーの教育支援XRサンプル案について、もし実現化をしたいという方がいらっしゃいましたら、是非ジャイロもUXデザインにおいてご協力できればと思います!
その他にも「これ、AIで何かできるかも?」と思いついた方はぜひ一度お話しましょう!
次回もAI × 教育のサンプル案について紹介予定です!