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estieのデザイナージョブディスクリプションを大公開!

こんにちは!不動産テック企業のestieでVP of Designをしている荒井(@rakenarai)です!
引っ越したものの新居にカーテンがなかなか届かず、部屋に差し込む朝日で目が覚める健康的な?生活を送っています。

さて、今日はタイトルの通りestieのデザイナージョブディスクリプションを紹介したいと思います。

ジョブディスクリプションという言葉自体は昨今のジョブ型雇用の盛り上がりもあり、耳にする機会が増えてきたかと思います。Wikipediaによると「被用者の職務を明確化する」役割を持ち、日本語では職務記述書と呼ばれるそうです。

estieでは2021年1月頃にジョブディスクリプションを職種ごとに定めたので、運用開始から1年ちょっと経ちました。その間、デザイナーは1名から4名に増え、活躍の幅も広がっています。変化が速いスタートアップ、その例に漏れずestieのデザインチームも大きく変わった1年でしたので、この変化をデザイナーのジョブディスクリプションを見つめ直す良い機会だと捉え、改訂しました。
改訂後の内容と設計の際に意識したポイントを記すので、estieのデザイナーが目指すものや大事にしているスタンス等を少しでも感じてもらえると嬉しいです。

ジョブディスクリプションという言葉は長い(とはいえ社内的に職務記述書という言い回しには馴染みがない)ので、以下の文中よりJD(Job Descriptionの頭文字)と略して記載します。

背景

職種(部門)にかかわらず、estieのJDは1つの「目的」と3段階のレベルに分けられた「振る舞い」で構成されています。
デザイナーJDのVer.1は私が考えたのですが、評価に使われることはもちろん、採用要件作りやエージェントさんとのコミュニケーションでも役立ち、社内・社外問わずその効果を感じていました。

一方で、メンバーが増えるにつれてJDに寄せられるフィードバックも増え、既存のデザイナーJDの改善点が見え始めました。メンバー増加とともに、前職等の知見が共有されてチームが強化されてく感じ最高ですね…!

ちなみに、デザイナーチームの変遷は以下の記事で紹介しておりますので是非ご一読ください。

前置きが長くなりましたが、以下に改訂後のJDとその設計思想を記していきます。

最新のジョブディスクリプション

アウトプットからお見せすると最新のデザイナーJDは以下の通りです。

目的
カスタマーセントリックにプロダクトを設計し、ユーザーに価値を届ける

振る舞い
Lv3
・【考える力】全社的かつ中長期的な視点でデザインの力で解くべき課題を考える
・【進める力・導】他職種にとっても模範となる卓越した推進力を発揮する
・【進める力・育】後続の育成・人員の拡張を行い、継続的な事業成長を実現するチームを作る
・【創る力】プロダクトのシナジー創出や会社のブランド力向上に資するアウトプットを行う
※ キャリアの志向によって【進める力・導】or【進める力・育】のどちらか1つを選択

Lv2
・【考える力】事業ドメインを深く理解し、自らが中心となって解くべき課題と解法を考える
・【進める力・導】アウトプット中心の議論を生み出し、解法の実現をリードする
・【進める力・育】デザイナーが最大限に力を発揮できる仕組みや環境作りに貢献する
・【創る力】事業の成長を牽引するデザインや実装を行い、ユーザーへの価値提供をリードする
※ キャリアの志向によって【進める力・導】or【進める力・育】のどちらか1つを選択

Lv1
・【考える力】メンバーと協力して業界やユーザーの理解を深め、解くべき課題と解法を考える
・【進める力】解法を実現するために必要な言語化・可視化を行い、メンバーに伝える
・【創る力】必要に応じてメンバーの助けを借りながら、デザインや実装を行う

ちなみに、旧JDは以下の通りです。

目的
あらゆる手段で最高のユーザ体験(UX)を設計・提供する

振る舞い
Lv3
・定量・定性データリサーチを実行し、仮説設計から検証までのループを実行する
・全社的にアナリシス・デザイン・実装等の手段/ノウハウを共有し、後続を育てる
・会社のブランディングに資するアウトプットを行う

Lv2
・事実に基づいて構築した仮説の検証を重ね、事業の成長にコミットする責任感と実行力を持つ
・デザインの力で事業を推進するチーム体制の強化に貢献する
・業界構造を理解して知識を日々進化させ、デザインと調和させて卓越したアウトプットを出す

Lv1
・適切な粒度に切られたタスクについてあるべきユーザーゴールを定義し、デザインに反映する
・自身に期待されるデザインタスクを全うし、メンバーと協業してユーザーに価値を届ける
・デザインのトレンドを日々キャッチアップし、サービスに反映する

改訂方針

新JDでは旧JDが抱える問題を解消し、estieが大切にするデザインの在り方・デザイナーの働き方を体現する必要があります。

まずは旧JDの問題点を整理し、その後estieのデザイナーの目的と振る舞いを考えました。

旧ジョブディスクリプションの問題点を整理する

旧JDについて1on1等で寄せられたフィードバックを整理すると以下3点に集約されました。

  1. 目的で使用している「UX」が指すスコープがよく分からない
  2. 振る舞いのレベルに連続性が見えづらい
  3. 振る舞いの内容が抽象的

新たなJDはこの3点を念頭に置いて作る必要があります。
また、事業や組織のフェーズに合わせて柔軟にJDを更新し続けたいとは思いつつ、せっかく作るなら息の長いものにしたいと考え、本腰を入れて新たなJD作成に取り組みました。

目的の設計意図

旧JDの目的が抱える問題は『「UX」が指すスコープがよく分からない』というものでした。
そもそも私は仕事において「UX」という言葉を使用するのを避けていたので、何故ここに入れてしまったのだ…?という気持ちで、当時の自分にその真意を問い詰めたいくらいです(笑)

UXに限らず、人によって解釈やイメージするものががブレる用語は認識齟齬が生じる原因だと考えているので、新JDからは削除しました。個人的に組織におけるUXに対するスタンスはデザイン組織のつくりかたに書かれている以下の整理がしっくりきています。

ユーザーエクスペリエンスはデザインだけでなく、エンジニアリング(技術面の性能はユーザーエクスペリエンスに多大な影響を及ぼす)、マーケティング(期待にどう対処するかはユーザーエクスペリエンスに影響する)、顧客ケア(対応いかんによって質の悪いエクスペリエンスもよいものになり得る)など、数多くの部門の貢献が結果となって表れたものだ。

新JDの目的では、estieのデザイナーは顧客・ユーザーをハッピーにするプロダクトを作る存在であるということを意識しました。

現在のメイン事業である商業用不動産特化のSaaS「estie pro」の導入判断や決裁をいただく「顧客」と、日々プロダクトを使用する「ユーザー」どちらにも満足いただきたいという思いが新JDの目的に込められています。

また、estieのデザイナーは本質的な価値を提供するために顧客・ユーザー視点で思考し続ける存在でありたいという考えも目的に表れています。
例えば、KPIを達成することに偏重しすぎた末に最適とは言い難いアプローチ(例えば突然発動するWeb to Appやモーダル表示、大量のPush通知等)が採用されそうになるケースが今後あるかもしれません。その際に、デザイナーは顧客・ユーザー視点に立ち返って、疑問を呈する存在でありたいと思っています。
もちろんKPIへのコミットを軽んじているわけではなく、顧客・ユーザーを主語にプロダクトの在り方を考えて事業成長していこうぜ!それでKPI達成しようぜ!って感じです。
estieのプロダクト開発スタイル的に心配していることは今現在何もないのですが、今後も顧客・ユーザーに寄り添う最後の砦としてデザイナーが機能することを目指しています。

振る舞いの設計意図

振る舞いは以下の3つのポイントを意識して定めました。

その1:estieのデザイナーにはUX5段階モデルの全てが横断的に求められる

旧JDから引き続きUX5段階モデル(参考:こちら)のスキル定義を参考にしています。

旧JDを作った当時は「戦略・要件・構造・骨格・表層」の5レイヤーそれぞれで求められるアウトプットを作ることができるデザイナーが必要だと感じていたのでそれが表れているのですが、それは1年ちょっと経過した今も変わっていません。

さらに言えば会社としてマルチプロダクト戦略を実行していくなかで、5つのレイヤー全てを実行できるデザイナーの必要性はますます高まっていると考えています。したがって、引き続きデザイナーJDの設計はUX5段階モデルの考え方を踏襲しています。

マルチプロダクト戦略については以下の記事をご覧ください。

その2:estieのデザイナーにはコトを前に進める力が求められる

estieのデザイナーはデザインの力で事業や組織を牽引する存在でありたいという思いから、UX5段階モデルに内包されるスキルに加え、ファシリテーション力や言語化力(事業側面)、チームビルディング力や成長支援(組織側面)を内包する「進める力」が求められると定めました。

これは、明確にデザインの力で組織と事業の成長を実現するんだという意思を含めるためです。一方でこの考え方に他のデザイナーからどのような反応が返ってくるか実はドキドキしていたのですが、聞いてみたところ、ええやん・そりゃそうだろって感じの空気で自分が逆に圧倒されました(笑)

その3:キャリアの志向によって異なるJDを用意する

旧JDではキャリアパスによって異なる振る舞いを定めていませんでした。

冒頭で記載した通り、せっかく作るなら息の長いJDをと考えていたので、新JDでは、レベルの途中からプレイヤーとマネージャーで異なる振る舞いが求められるように変更しました。
具体的には、プレイヤーとして「事業を」進める力を伸ばしていくのか、マネージャーとして「組織を」進める力を伸ばしていくのか選択できるようにしました。

プレイヤーとマネージャーで全く別のJDを用意している会社もあるとは思いますが、新たな試みは小さく始めようの精神で、まずは1つのJD内で分岐する形式を採用しました。

余談ですが、estieではプレイヤーとマネージャーは役割の差でしかないと捉えているので2つの関係性に上下はありません。

旧JDで浮き彫りとなった問題点の対応

先述した旧JDの問題点3つのうち、振る舞いに関する問題は「レベルの連続性が見えづらいこと」と「抽象的であること」の2つでした。

そこで、JDで規定する振る舞いに加え、その振る舞いに求められるスキルが対応する表を作りました。

振る舞いに書かれているestieのJD軸を最も上位の概念に置き、その軸をUX5段階モデルの5要素とestieのデザイナーならではで求められる要素で分類し、さらにそれに紐づく具体的なスキルを定義することにしました。

レベルごとに規定されている3つの振る舞いにestieの軸を設けることでレベルに連続性をもたせ、その軸に具体的なスキルを対応させることで抽象的すぎる問題にも対応しました。

こちらの対応表は社内での評価と市場での評価が乖離するのを避けるため、極力estie独自定義とならないように意識しました。
ただ、商業用不動産特化のSaaSを作るデザイナーとしてプロダクトの方向性や仕様を正しく描くためにはドメイン知識は必要不可欠です。したがって、業界・業務理解を「戦略」に分類し、必要なスキルとして定義しました。

また、estieのデザイナーは全員がコードを書いており、中にはフロントエンド開発の領域までカバーする者も在籍しています。estieではデザイナーがデザインツールでUIを定義するだけでなく、それをブラウザで正しく表現することまで責任を持っています。現時点ではそのような思想のもと全員が動いているのでマークアップ・スタイリングを「表層」に、フロントエンド実装を「骨格」にマッピングしています。こちらも世間一般的なスキルの対応とは異なるestieならではの特徴的な点かと思います。

最後に

新たなJDを作り始めてみたら想像以上に大変でした。改訂前後で他社の評価制度をいくつか聞いてみたのですが、なかには外部のアドバイザーを招いて設計しているケースもありました。それくらい重要で大変なことなのだと思います。

今回は3名のデザイナーに協力してもらいながら総力戦で仕上げました。柔軟に見直しをかけていくつもりですが、一旦は良いものができたのではないかと安心しています。

このようにestieのデザイナーとして設計するものは多岐に渡ります。チーム立ち上がり初期だからこそ経験できることに溢れており、それを一緒にデザインしていく仲間を募集しています。

カジュアルなお話からでも是非お気軽にご連絡ください!お待ちしております!!

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