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個人と会社とのクロスを探し続ける【CPO就任インタビュー】


新たにTech JapanのCPO(Chief Product Officer)に就任したDeb Kumar Mondal(デブ・クマール・モンダル)。Tech Japanに入社して以来、Tech Japan Hub、Tech Japan Labなど各サービスのプロジェクトマネジメントを担当してきました。今回は、そんな彼のCPO着任の経緯と、プロダクト責任者として、CXOの一人として見据える今後のビジョンを、代表の西山直隆との対談でお伝えします。

共通の問題意識からTech Japanに参画

ー最初に、お二人の出会いについて教えてください。

Deb:実は、私自身がTech Japanのサービスを使ったことがきっかけです。当時私は大手コンサルティング会社で、いろいろな企業のDXを推進していました。しかし、その企業ではプロジェクトを最初から最後までみることが難しく、一気通貫して担当したいという思いから、転職活動をしていたのです。

また、インドで就職活動中の大学の後輩から、日本企業の情報が出てこないと相談を受けていました。日本企業は自社の情報がある程度インドの学生に届いていると思って採用活動をしているようでしたが、実際はうまく届いていなかったのです。日本企業とインドの学生との間にギャップがあることを知り、なんとかできないかとも考えていました。

そんな時に出会ったのが直さん(代表の西山)でした。Tech Japanから紹介を受けた企業の面接を受けるとき、同席してくれていたのです。お話してみて、直さんもインドの人材と日本企業との間に問題を感じていると知りました。インドの方々が日本の情報を十分に得られていない一方で、日本企業もどこからインドの人材を採用すればいいのかわからない現状がありました。同じ問題意識があるとわかって、話が盛り上がりました。そこから、これらの問題を解決するためのプロダクトを一緒に作り始めたのです。

西山:Debさんの面接の受け答えを見ているうちに、うちに来てもらった方がいいのではと思っていました。なんというか…ビビッと来たんですよね。芯が通っていると思いました。たくさんの候補者を見ているので、話を聞いていると心から言っているかどうかわかるんです。それに、転職先を決めてから辞める人が多い中で、Debさんはすでに退職を決め、自分のやりたいことができる企業を探していました。行動の面でも一貫性があって、清々しく感じました。

たまたまDebさんの受ける予定だった面接がなくなったので、大阪まで会いに行ったんです。土日だったのでTシャツに短パンのラフな格好で言ったら、Debさんはスーツにネクタイで。大丈夫かなと焦りました(笑)。

Deb:見た目では判断してないですよ(笑)。直さんもインドの人々とたくさん話をしていて、インドと日本とのギャップを理解していると感じました。実際にどこまでやれるか心配はありましたが、プロダクトを作り始めてみたらどんどん物事が決まっていきました。言葉にしにくいですが、最初に共通の出口をイメージできた感覚があったのです。インドと日本の橋渡しができるサービスを作り、サステナブルに展開できると思いました。

Deb Kumar Mondal
<プロフィール>
1994年インド ドゥルガプル生まれ。インド工科大学ムンバイ機械工学科を卒業し2016年、日本企業に就職。大手企業の研究開発エンジニアやマネジメント及び戦略コンサルタントを経て、Tech Japanに参画。Tech Japan Hub /Tech Japan Labのプロジェクトマネジメントの責任者として従事。2023年1月、CPO就任。

手書きのCPO名刺、その裏にあった想い

ーそこから共にサービスを作り上げてきたんですね。今回、DebさんがCPOに就任することになった経緯を教えてください。

西山:DebさんがTech Japanにとって大切で必要な人材だということ、今後プロダクトがより重要になるということ。この2つの掛け算で決めました。Debさんの成長のためには、もっと責任を持って意思決定していけると良いだろうなと思っていて。それができる環境を作りたいと考えていて、CPOをお願いすることにしたのです。

Deb:最初にCPOについてお話をいただいたのも、大阪でご飯を食べている夜でした(笑)。手作りのCPOの名刺をいただいたんですよね。

西山:大阪に向かうバスの中でずっと考えていて、“これだ”と思って。正式な名刺は作っていなかったので、僕の名刺の名前の部分を消して、「CPO Deb」と書いて持って行きました。

Deb:名刺をいただいて、どうですか?と聞かれて、嬉しかったです。私には明確にやりたいことがありました。日本企業は困っている、インドの方々は情報がない。両者に橋渡しをして、世界中に展開していきたいと思っていたのです。それを実現しやすくする環境を作るための役割をもらったと感じました。なので、今もずっと嬉しいです。

▲大阪で実際に手渡した名刺

ーCPO着任後の変化はありますか。

西山:良い意味でガラッと変わった感覚はないんじゃないですかね。DebさんはこれまでもTech Japan Hub やTech Japan Labを責任者としてマネジメントしてきました。周りから見ても、なるべくしてなったという感じだと思います。

Deb:これから入社してくる人たち、インドの後輩たちにとっては、CPOという肩書きには大きな意味があると思います。例えばインドの後輩たちは、先輩が日本企業でどこまでいっているか見えると、自分も活躍できる場所があるんだと思えるでしょう。リーダーの第一の仕事は、他のリーダーを育てることです。そういう意味では、他のメンバーたちの背中を押しやすくなったのではないかと思います。

▲出会った頃の二人(今と変わらない!)

HR Techでベストマッチングを実現する

ー今後のビジョンを教えてください。

Deb:まずは、今つくっているプロダクトにおいて、より良いマッチングを実現したいです。プロダクトには、インド⼯科⼤学などの優秀なインド人学生と日本企業とをマッチングするプラットフォームTech Japan Hub、インド高度 IT・デジタル⼈材のデーターベースから最適な人材と日本企業とマッチングをするTech Japan Labなどがありますが、今よりもさらにベストなマッチングを目指せるはずです。例えば、企業がどんな人材を探しているのかより短い時間で把握できるようにしたり、最適なマッチングができているか測る仕組みをつくったりして、企業と候補者のベストマッチングを生み出していきたいですね。

私の考えるマッチングがうまくいった状態とは、朝「これをやりたい」という気持ちで仕事ができることです。締め切りが迫っているから「やらなくてはいけない」のではなく、自ら「やりたい」と思えること。そういう人が入ってくると会社側もマイクロマネジメントをする必要が無くなります。同じ方向に向かって進める良いチーム、良い会社になっていきます。CXOの一員としても、Tech Japanからそんな人材を広げていけるようになりたいと思っています。

西山:「国籍や性別等に関係なく、誰もが最高に輝ける社会を」が私たちが掲げるミッションです。今言ってもらったことが全てですね。我々も、そんな組織になりたいです。

ー「自らやりたいと思って働けることがマッチングがうまくいった状態」という話がありました。最初はやりたいと思っていても、続かないこともありますよね。すぐに合わなかったとならないために、何が重要でしょうか。

Deb:人間ですから、モチベーションの上下はありますよね。私は、短期のモチベーションではなく、長期で考えることが大事だと思っています。長期で考えたときに、最終的に何を実現したいのか。そこがブレなければ、たとえモチベーションが落ちることがあっても続けていけるでしょう。

西山:私は、経済学者で米コーネル大学教授のロバート・フランク氏の、「地位財」と「非地位財」という考え方を大事にしています。お金やモノなどの、他人との比較によって満足を得られる財が地位財。健康や自由、愛情など、他人との比較とは関係なく満足が得られる財が非地位財と定義されています。働く上では、例えば地位財の給料だけに固執するとモチベーションが続かない。非地位財の、これをしたいという内側から出てくるモチベーションが必要だと感じます。ただこれはバランスで、目標があってもお金がなければ続けられない。どちらをどれくらい必要とするかは、ライフスタイルや個人の成長度合いでも変わってきます。だからこそ、その都度その人が求めているものを把握して、会社として個人の意志とのクロスを見つける作業が大事だと感じています。

ー個人と意志と会社の目的とのクロスですね。今回のDebさんのCPO就任はまさに、本人の意志と会社の必要とするものが重なった結果だと感じます。お二人はベストマッチングを生むためのクロスを、どうやって見つけていますか。

Deb:日々のコミュニケーションですね。こちら側からの会社全体の動き、情報のシェアと、メンバーからの意見のシェアを大事にしています。それがどれくらいマッチしているのか見ていますね。

西山:スキルとカルチャー、それぞれのフィット度を見ています。スキルマッチは、まず採用の要件を満たしているか。カルチャーは定量化が難しいので、対話を重ねて合っているかどうか確認していきます。スキルは業務委託などでも対応できることを考えると、強いて言えばカルチャーの方が重要ですかね。とはいえ、目標を達成できないと前に進めません。カルチャーを優先する場合は、スキルを上げるために何ができるか一緒に考えていきます。

ーカルチャーのお話がありましたが、Tech Japanのカルチャーにフィットする人材とは?

西山:バリューに明記している部分を持っている方が合うと思います。まず「Respect & Appreciation」。上下関係ではなく、誰もが対等にリスペクトと感謝を持っていること。それから、「Fail Fast & Learning Agility」「Responsibility & Result」。時間をかけて100点を取るよりも、早く挑戦して失敗から学び、活かしていくサイクルを回せる人が良いと思います。受け身ではなく、常に自分からトライし、成果を出していくことを大事にしています。

Deb:特に、全員をリスペクトすることは大切ですね。一人では問題を解決できないので、さまざまな人とコラボレーションする必要があります。必要な時にはきちんとHelpを求め、それに応えていく。お互い助け合いながら、全員で成長していける組織だと思います。

ーありがとうございます。最後に、今後、お互いへ期待することを教えてください。まず西山さん、いかがですか。

西山:Tech Japanが人材紹介会社ではなく、プロダクトを持ったHR Techの会社だという認知を広げられるかどうかが今後の一つの壁だと考えています。PRやマーケティングに頼らなくても、経営者の口コミで広がるような圧倒的なプロダクトをつくっていきたい。Debさんにはそこを担ってもらうことになるので、一緒にその壁を突破していくことを期待しています。

ーDebさんから西山さんへもお願いします。

Deb:私は直さんの特徴である、ミッションファーストで経営できるところを尊敬しています。企業には、売り上げ、数字を最重視して追っているところもありますが、まずビジョンがあって、その上で売り上げや数字を達成しているところもあります。Tech Japanは後者で、はっきりと長期のゴールが決まっている。すると、想いを同じくする良い人たちが集まってきてくれるんです。企業なのでもちろん売り上げも重要ですが、今後もミッションを第一にするところは、変わらないでいてほしいと思っています。

西山:そうですね。「誰もが最高に輝ける社会を」というミッションを実現するには、いろいろな方法があります。今はインドと日本のマッチングプラットフォームからスタートしていますが、今後は別の国にも展開するかもしれませんし、さまざまな新しいプロダクトも必要になるはず。この先はそれも模索しながら、一緒に作り上げていきたいですね。

Deb:はい。今後Tech Japanに新しく入ってくれる人たちは、いろいろなアイデアを持っているのではないかと思っています。今のマッチングプラットフォームに加えて、一緒に新しい道を作っていきたいです。

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