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ストローの向こうのサステナビリティ

ひとむかし前 (4-5年前)、消費の傾向といえば
節約志向 安全志向 本物志向 健康志向
などが巷では言われていました。

現在は、withコロナ文脈での「内食志向」や、9月頃にコロナ特需がいったん落ち着いてから再びの「節約志向」はもちろん顕著な流れですが、個人的に注目しているのはやはり「エシカル志向」です。

ものを選ぶときに、商品自体の品質・機能、そして
「経済性 (高いか安いか)」「安全性 (安全かどうか)」「健康性 (健康的かどうか)」といったモノサシに加えて、さらに「社会性」や「倫理性」(環境や地域社会に配慮されているかどうか) とかそういったものが加わってきています。

「エシカル消費」(ethical = 倫理的) は数年前から言われていることではありますが、自分自身が買い物するときにも、明確に購買の意思決定に影響するレベルでそういう判断基準が出てきたなーということに気づき始めました。
(年のせいかもしれないですねえ)

例えば、UberEats でオーダーして、ゴリゴリに過剰なプラ素材の容器やカテラリーで毎回運んで来られると、ちょっと毎回この店で注文するのは、なんだか地球を傷めているようで気がひけるな、とか。

ストローが脱プラし、レジ袋が有料になったこの1年、ペットボトルを毎日買ってた人たちが、マイ水筒を持ち歩くようになる、というように消費行動は変わっています。エコカーの販売台数は年々右肩上がりです。

このことは、当然ながらF&Pの商品企画・店舗運営・マーケティングにも大きな影響を及ぼします。

今年の初め頃の運営会議では、「価格が同等であれば、包材は厚めに派手な方が良いのではないか」なんていう意見がまだ出ていました。
でも今の流れは確実に逆で、「過剰包装を忌み嫌う」層の人がこの1年でも目に見えて増えているはずです。
まず質素で、エシカルな素材で、なおかつファッショナブルな包装が、継続的に利用するブランドとしては評価されると考えられます。

Sustainable (=持続可能な) という言葉をよく聞くようになりましたが、この言葉は2013年のF&P1号店がオープンした時、すでにガイド(=F&Pのスタッフ)のマニュアルには載っていました。
店頭に陳列する物販商品の選定基準ではフェアトレードマークやオーガニック認証のあるものを積極採用していたり (ちなみに当時はほとんどのお客さんには伝わっていなかったと思います)、ビーガンメニューの提供もこの頃から始まっていました。
紙ストローに至っては、2013年時点では日本ではまだ流通していなかったので、海外のメーカーと交渉してテスト用サンプルを日本に取り寄せたりしていました。


なお紙ストローは、「日本の食品衛生法に対応していない」「濡れるとすぐ溶けて誤飲の原因となる」などの理由でF&Pでは当時不採用となっています。
その後、日本で大手メーカーが紙ストローを商品化したのは2019年秋のこと。
スタバさんが紙ストロー、タリーズさんがバイオマスストローへの切り替えをしたのはつい2020年1月のことです。

2020年を振り返ると、年初から半ばにかけて一気にプラストローを悪者扱いする風潮が高まったなーという感じで、6月・7月頃にはすかいらーく系列のファミレスさんやワタミ、塚田農場などの居酒屋さんでもプラストロー廃止がニュースになっていました。

F&Pとしては、2019年秋頃から店内利用では完全にステンレス製ストローへの切り替えをおこなったものの、テイクアウトのついてはいろんな理由でまだテスト中段階になっています。

紙: リッチなスムージーは粘性が強く、口径の合うものがない
竹: コスト面、耐性、口径が合わない
草: コスト面、耐性、口径が合わない
さとうきび: コスト面と調達ルートを調整する必要がある


F&Pでは、スムージーを飲むときの味 (味覚情報) はもちろん、ストローをスムージーに挿した時の外観 (視覚情報) や、ストローに唇を触れた時の触感・飲みごこち (触覚情報) まで「顧客体験の一部」としてブランド設計しているため、「脱プラならなんでもいいから急げ」というわけにはいかず、なかなかすぐ代替判断できる選択肢が見つかっていません。もちろんコストの問題も大きいです。

ただF&Pが目指すブランドの方向性としては、たとえ意識高い系と言われようと今後も長期的に持続可能な開発指標を持ち、やはりこの「エシカル志向」に沿ったものを追求していきます。
日本ではなぜかストローだけが着目される風潮がありますが、もっと高い視点でサステナビリティを定義していきます。

さて現在、F&P内部では若手メンバーを中心にサステイナブルPJが立ち上がっています。近いうちにF&Pのショップでもその取り組みが見られるようになることでしょう。もちろんこのプロジェクトでは、ストローだけに特化して検討を行っているわけではありません。若手の活躍に期待しましょう。

【このような記事を、note で連載しています】
https://note.com/fandp_jp/m/mca649bdd5409

【現在クラウドファンディングに初挑戦中です】
https://camp-fire.jp/projects/view/344928

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