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再現する「熱狂」の作り方。取締役COO加藤が語る、コミュニティがマーケティングの常識を変える未来

「迷ったら、辛い方を選ぶと成長できる」――。この信条を胸に、常に成長市場の最前線を走り続けてきたのが、株式会社SHINSEKAI Technologies取締役COOの加藤です。サイバーエージェントで数々の実績を上げ、海外拠点の立ち上げや、その後創業した台湾法人を通じて越境EC事業のグロースを牽引してきた加藤が次に見出したのは、「コミュニティ」が持つ熱狂的なパワーでした。

今回は取締役COOの加藤に、キャリアを貫く哲学から、web3の世界で得た確信、そして「購買の連鎖」を生み出す事業戦略のすべてについて、話を聞きました。

株式会社SHINSEKAI Technologies 
取締役COO 
加藤 貴一


「迷ったら辛い方を選ぶ」―最速の成長を追求したキャリアの原点

──はじめに、加藤さんのこれまでのキャリアについて教えてください。取締役COOという立場から、どのような経験をされてきたのでしょうか?

新卒でサイバーエージェントに入社しました。20代の頃から「30代で経営者になる」という目標があり、そのために最も成長できる環境を求めた結果です。当時、私が会社選びで軸にしていたのは、「産業が伸びているか」「会社自体が伸びているか」「人が魅力的か」という3点でした。

サイバーエージェントには、配属される部署や子会社を自分で選べる制度があったのですが、その中でも私は子会社のCyberZを選びました。当時からコミットメントの強さで知られる挑戦的な環境でしたが、まだ小規模で未成熟な組織だったからこそ、自分自身が事業に与えられるインパクトが大きく、最も成長機会を得られると考えたからです。私の信条として「迷ったら辛い方を選ぶと成長できる」というものがあり、常に自分を厳しい環境に置くことを意識してきました。

入社1年目は、後発で参入したモバイル広告代理店事業だったため、とにかくがむしゃらに働く日々で非常に苦労しました。しかし、幸運だったのは、その直後にスマートフォンの波が到来したことです。会社としていち早くその市場に舵を切ったことで一気にブルーオーシャンとなり、急成長する環境に身を置くことができました。その中で私も1年目でプレイヤー、2年目でリーダー、3年目でマネージャーとスピード感を持って昇格し、3年目にはサンフランシスコ支社の立ち上げメンバーにも抜擢されました。この経験を通じて、市場の成長を捉え、事業を急拡大させるダイナミズムを肌で学びました。

なぜ今、「コミュニティ」なのか?web3の世界で見た熱狂の正体

──その後、越境EC事業などを経験され、2022年にシンセカイテクノロジーズへジョインされます。どのような経緯があったのでしょうか?

サイバーエージェント退職後は、訪日インバウンドのマーケティング事業を手掛けた後に、越境EC事業にピボットし、台湾法人の立ち上げを代表として行い、事業を大きく成長させることができました。しかし、事業が安定する中で「新たな挑戦をしたい」という想いが強くなり、当時注目していたのが「web3」や「NFT」の世界です。

実は、社長の大社とはサイバーエージェント時代からの仲なんです。私がいたCyberZに大社が内定者バイトとして配属され、私が初めての上司になったのが最初の出会いです。その後も時々連絡は取っていたのですが、前職で化粧品のマーケティングを担当していた際に当時TikTokマーケティングのTORIHADA社を経営していた大社に相談したところ、コミュニティを扱う会社を立ち上げる話を聞きました。

その時、私は様々なweb3プロジェクトに触れる中で、成功の鍵は「熱狂的なコミュニティ」の存在だと確信していました。ファンが自発的にプロジェクトを応援し、新しいファンを呼び込む。その熱狂こそが、プロジェクトの価値を高めている、と。大社が始めようとしている事業が、まさに私が可能性を感じていた「コミュニティ」を軸にしたものだったので、「これはすごいチャンスだ」と、一緒に挑戦することを決めたんです。


スタートアップの羅針盤となる「優先順位のすり合わせ」

──取締役COOとして、スタートアップであるシンセカイテクノロジーズを運営する上で、特に意識されていることはありますか?

「優先順位をしっかりとすり合わせる」こと。これに尽きると思っています。スタートアップは、ヒト、モノ、カネといったリソースが限られています。その中で最速で進んでいくためには、チーム全員が同じ方向を向き、何から手をつけるべきかを明確にすることが不可欠です。

例えば、社長は2年後、3年後を見据えて未来への種まきを考えている一方で、事業部長は目の前の事業計画の達成に責任を持っています。未来のための検証と、現在の目標達成。この二つは時に相反することがあり、リソースの配分でコンフリクトが起きやすい。

私の役割は、そのギャップを埋めるブリッジ役になることだと考えています。未来への挑戦という重要なミッションと、足元の事業計画を達成するという責任。このバランスをうまく取りながら、チーム全体の優先順位を丁寧にすり合わせ、意思決定をしていく。それが、会社を正しい方向に導く羅針盤になると信じています。



マーケティングの革命は「N対N」から始まる。熱狂が生み出す「購買の連鎖」

──現在のマーケティングが抱える課題と、コミュニティがもたらす変化について教えてください。

従来のXやInstagramといったSNSは、インフルエンサーや企業が情報を発信し、それにユーザーが反応するという「1対N」の関係性が基本です。誰もが見られるオープンな環境であるがゆえに、実は本音のコメントは付きづらく、深いコミュニケーションは限定的になりがちです。

一方で、私たちが創るコミュニティは、ユーザー同士が活発に会話する「N対N」の関係性が生まれる場所です。クローズドな環境だからこそ心理的安全性が担保され、「この場所なら本音で話せる」という空気が醸成されます。

この環境が、マーケティングにおいて絶大な効果を発揮します。例えばインフルエンサーコミュニティの中で企業タイアップを実施すると、購入前には「どの色がおすすめ?」といった期待感を高めるUGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)が、購入後には「買いました!すごく良いです」といったリアルな使用感や満足度が共有される。このUGCの連続性が、「みんなが良いと言うなら、私も買ってみよう」という『購買の連鎖』を生み出すのです。これは単なる宣伝ではなく、信頼できる仲間からの「口コミ」が連鎖していく現象であり、これまでのインフルエンサーマーケティングにはなかった全く新しい価値だと確信しています。

戦略から実行までをワンストップで。『MURA(ムーラ)コミュニティ』が提供する独自の価値

──コミュニティ運営において、シンセカイテクノロジーズならではの強みはどこにあるのでしょうか。

私たちの最大の強みは、コミュニティの戦略立案から実際の運営、データ分析までをワンストップで支援できる点です。多くの企業がプラットフォーム(SaaS)の提供に留まる中、私たちはDiscordの運用支援から事業をスタートした背景もあり、いかにしてコミュニティで「成果を出すか」という点に徹底的にコミットしてきました。KPI設計からUGCの創出、活性化まで、クライアントの事業成果に繋げる伴走支援が、他社にはない価値だと自負しています。

また、LINEミニアプリ上でコミュニティを開設できることも独自の強みです。多くの企業が、友だち登録はしてもらったものの、一斉配信しかできずにいるLINE公式アカウントの活用に課題を抱えています。私たちは、そのLINE上で「N対N」のコミュニケーションが可能な環境を提供できるため、クライアントが持つ既存資産を最大化させることが可能です。



未来のメンバーに期待することは?「創って、作って、売る」気概で、新しい市場を切り拓く

──最後に、この記事を読んでくれているであろう未来のメンバーに向けて、メッセージをお願いします。

私たちは今、「コミュニティ」という新しい産業を創り出そうとしている、非常にチャレンジングなフェーズにいます。まだルールも正解もない未開の領域です。だからこそ、私たちが未来の仲間に期待するのは、「自ら考え、枠を越えて挑戦する姿勢」です。

決められた仕事をこなすのではなく、「会社にとって今これが課題ではないか」「もっとこうすれば良くなるはずだ」と自ら課題を見つけ、解決のために動いていける人と一緒に働きたいです。私の好きな言葉に「創って、作って、売る」というのがあるのですが、まさにそれを体現してほしいです。クライアントやユーザーの声に真摯に耳を傾け、得られたフィードバックを元に最速でプロダクトやサービスを改善していく。指示を待つのではなく、このサイクルを自律的に回せる、そんな気概を持った仲間を求めています。

私たちの挑戦はまだ始まったばかりです。短期的には、このインフルエンサーマーケティングを代替するような新しいコミュニティマーケティング手法を確立し、中長期的には「コミュニティコマース」という産業のリーディングカンパニーになることを目指しています。そしてその先には、日本発のコミュニティビジネスの成功事例を創り、グローバルに挑戦したいという大きな夢もあります。

私たちの挑戦はまだ始まったばかりです。決められた道を歩くのではなく、困難な挑戦を成長の糧とできる方にとって、最高の環境がここにはあります。この記事を読んで私たちのビジョンに共感してくれたなら、ぜひ一度お話ししましょう。この挑戦の最前線で、あなたと会える日を心待ちにしています。


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