17年にわたる大手総合化学メーカーでの研究職を経て、バックオフィスの変革コンサルタントへと転身した濵中さん。現在はCS(カスタマーサクセス)部門のマネジメント職を務め、メンバーのキャリアアップと組織全体の成長を両立させる組織づくりも担っています。
Wewillに入社するまで、経理はほぼ未経験だったという濵中さん。アソシエイト業務からスタートし、どのようにスキルを開発してきたのでしょうか。本インタビューでは、プロジェクトマネジメントへの想い、チームづくりで工夫していることなど、濵中さんがコンサルタントや部門責任者としてはたらく上での「リアルな声」を聞きました。
プロフィール|総合化学メーカーで17年の研究職を経てWewillへ。未経験から会計・簿記を学び、PMO責任者として活躍。傾聴力と高いコミュニケーション能力を生かし、メンバーのキャリアアップと組織成長を牽引する。2024年発足のCSサポート室初代室長として、型なき組織づくりに奮闘中。
研究職からコンサルタントへ、ほぼ未経験から始まった“第二のキャリア”
――濵中さんは、日本を代表する総合化学メーカーの研究職として計17年勤務したのち、Wewillへ入社しました。キャリアチェンジのきっかけはどのようなものでしたか?
濵中:私は、新卒で総合化学メーカーに入社し、合成繊維の研究職としてキャリアをスタートしました。糸を製造する前の原料の段階から機能性やコスト効率を高める研究や、糸を紡ぐ段階における工法開発など、自社繊維製品の競争力に直結するような緻密な業務に携わっていました。
世界初の素材開発にも関わり、やりがいを感じていましたが、体調を崩してしまい一時休職することに。復帰後、研究所内における総務の仕事を担当することになったのですが、そのときバックオフィスの仕事にもおもしろさを感じるようになりました。
――具体的には、どんな点ですか?
濵中:たとえば、特命を受けて研究所の居室のリニューアルプロジェクトを主導したり、実験に使う試薬の管理をデジタル化するプロジェクトを担当したり。予算も相応に割かれるような、わりと大きなプロジェクトを担当させてもらいました。
その中に、今につながるプロジェクトもいくつかあって、全社的にオンラインストレージが導入された際、ワークフロー機能を構築して申請手続きまでデジタル化したことがありました。当時、研究所内の稟議が紙で回っていたので、これをデジタル化できたら楽だなと。業務プロセスを整理して仕組みを構築したところ好評で、ITシステムの部門から直々に「作り方を教えてほしい」と依頼をもらったりしました。
そのように、業務を改善することがとても好きで、総務の仕事に大きな達成感を得ていたんです。ただ同時に、バックオフィスの業務で社内の評価を得る難しさにもぶつかりました。間接部門であるからこそ、成果を出しても査定が一定以上にならないという現実がありました。
濵中:そんなとき、かねてから友人だったWewill代表の杉浦さんが、SNSでWewillの新メンバーを募集していまして。「興味があります!」とコメントしたところ、その日の夜にカジュアルミーティングを設定してもらいました。その中で、杉浦さんがWewillを立ち上げた背景を聞き、バックオフィス部門の価値を高めるというビジョンにはとても共感しましたね。
Wewillの経営を通じて地域や社会にも貢献していきたい、という杉浦さんの夢にも心を動かされ……結局、3時間くらい聞き入ってしまったのですが(笑)。そして、Wewillのメンバーと話す機会を得たとき、つねに学びつづけ「どうすれば業務をもっとよくし、お客さまに価値を提供できるか」と考えるカルチャーを肌身に感じました。それは、私が求めていた環境そのもので、入社の決め手になりました。
――Wewillに入社後は、どのようなキャリアを歩んできましたか?
濵中:実は、経理業務はほぼ未経験で、簿記資格も持っていなかったので、入社後はとにかく勉強と実践で忙しくしていました。最初はアソシエイト業務からスタートし、お客さまのバックオフィス業務をサポートしながら、実務への理解を深めていましたね。
ただ、入社して1カ月も経つと、お客さま先の会計ソフトの導入も担当するように。私が主担当としてプロジェクトを推進するわけですから、ミスは許されません。準備に多くの時間を費やし、社内にも知見を求めながら、会計ソフトの導入支援だけでも通算50社ほどを担当しました。
毎日が本当に忙しかったですが、入社から約1年という短期間のうちにバックオフィス業務の一連の流れを覚えられたことは今につながっています。プロジェクトマネジメントの基礎もしっかりと身につけることができました。その後は、PMやコンサルタントなど、組織の成長に合わせて自身の役割を変化させています。
メンバーのキャリア目標とスキルアップを支援するCS部の組織づくりを
――現在はどんな業務を行っているのでしょうか?
濵中:私の役割は、大きく分けて2つあります。まず、個々のプロジェクトを横断して統括的に進捗を支援するPMO(Project Management Office)の責任者としての役割ですね。メンバー一人ひとりの適性や志向を理解し、最適なプロジェクトにアサインすることで、モチベーションを維持しながら高い成果を上げられる体制を整えようとしています。
そして、もう一つの役割は、CS部のアカウントマネージャー兼コンサルタントです。おもに会計ソフトやワークフローシステムの移行支援を入り口として、現在も12社のお客さま先を支援しています。実務については、アソシエイトのメンバーに担当してもらうことが多いので、私はメンバーのサポート役としてプロジェクト推進に注力。お客さまとの打合せや業務設計などを担当し、お客さまの課題に対して最適なソリューションを提供することがミッションです。
――入社後、アソシエイト業務を通じてPM/コンサルタントへとステップアップ。今ではPMOの責任者も務めているのですね。濵中さんが組織づくりや現業で大切にしていることは何でしょうか?
濵中:もっとも重視しているのは、Wewillでの仕事を通じて、CS部の一人ひとりがキャリア目標を達成できる組織をつくることです。プロジェクトにメンバーをアサインする際は、メンバーとの個別面談を通じて、それぞれが目指すキャリア像や得たいスキルをヒアリングします。そのうえで「そうした将来像だとここまでのスキルアップが必要だから、この案件に加わってみますか?」といった具合に、プロジェクトや業務を提案するようにしています。
なりたいキャリアに向かって“必要なピース”を一緒に見出し、うまくなじめるまでサポートしていくのがPMOの役割ですね。Wewillでの仕事がメンバーのキャリアや自己実現にとって意味のあるものになるように、全力でサポートしたいと思っています。
――なぜ、そこまでメンバーのキャリア像を重視するのでしょうか?
濵中:これは私たちが “We” willである点にも関わりますが、メンバー一人ひとりの成長が、会社の成長にもつながるためですね。
Wewillでは、ジョブディスクリプションや給与テーブルも社員に共有されていて、自分が目指したいキャリアを設計することができます。「将来は税理士に挑戦したい」「プロジェクトマネジメントを習得したい」など、明確なイメージを持って入社しているメンバーも多くいます。それぞれの目標達成をサポートし、各自がプロとして自立できる環境を実現することは、Wewillの事業成長にも欠かせません。
――濵中さん自身としても、実際に入社してみてキャリアアップは叶っていますか?
濵中:はい。キャリアアップの機会、給与、やりがいなど、すべての面で期待以上でした。入社してから今まで2年半という短期間ですが、自らの腕を磨いた分がきちんと人事評価に反映されています。大きな組織では得ることが難しいような成長カーブだと思います。
また、業務においても日々やりがいを実感しています。前職の研究職では、製品の最終ユーザーと直接関わる機会はほぼありませんでしたが、今はお客さまと密にコミュニケーションを取りながら課題解決に貢献できます。スキルの観点でも、今ではスタートアップのバックオフィスを立ち上げてほしいという依頼をいただいたら、自信を持って対応できるほどになりました。
上場を目標に会社の急成長を支えるマネジメント人材へ
CS部の一部メンバーとWewillの “W” ポーズ!
――CS部のプロジェクトマネージャーやコンサルタントには、どんな人が向いていると思いますか?
濵中:個人的には「プロアクティブな姿勢でお客さまの本当の希望を叶えられる人」に尽きるかなと思っています。お客さまの話をよく聞き、「本当に求めていることは何か」を考え抜き、一歩踏み込んだ提案ができること。言葉の背景にある真の目的や課題を捉えるコミュニケーション力は欠かせません。
スキル面としては、PMBOK(読み方:ピンボック、Project Management Body of Knowledge)をある程度理解している方だと、入社後スムーズに業務に順応できると思います。PMBOKは、プロジェクトの完遂に必要な観点や手法が体系化されたガイドラインで、案件に応じて複数のスキルを使い分けます。
私は、がむしゃらにプロジェクトを進める中で、あるときふと「自分の進め方はPMBOKそのものだな」と気付いたのですが(笑)。入社時に知っていたら、プロジェクトの進め方が俯瞰でき、スキル習得ももっと早かったかもしれないと思っています。
――最後に、今後の目標を教えてください。
濵中:まずは、CS部のサポート体制を確立すること。個々のメンバーが自分のキャリア目標を持ちつつ、効率よく業務に取り組めるような仕組みを構築することが目標ですね。
その上で、組織が大きくなっていく中で、「独立自尊」のカルチャーを受け継ぎながら持続可能な成長サイクルを構築することも私のミッションです。そして、いつかWewillの上場に立ち会い「私も会社の成長を支えた1人です」と言える日を迎えたいと思います。
私は、前職での休職をきっかけに自分の人生を見つめ直し、自分の感覚を頼りにWewillという新しい環境を見つけました。実務を通じてPMとして自立でき、いまはメンバーの成長を応援するマネジメントの役割も担っています。
ですが、そんな私も最初はほぼ未経験からのスタートだったんです。はじめて税理士のみなさんと喋るときは、すごくドキドキしたのを覚えています(笑)。2年半、実務に向き合うことで、今のポジションまで成長できたということ。いま、Wewillでがんばっているメンバーも、みんなそうやってキャリアアップしてきていると思います。
そうして爆発的に成長できるのも、メンバーそれぞれの「独立自尊」を重んじるWewillのカルチャーがあるおかげです。Wewillという場と仲間に出会い、私のキャリアの第二フェーズも予想以上の発展を遂げました。バックオフィスのプロという武器を身に付けたい方は、ぜひWewillまでお気軽にコンタクトいただけたらと思います。