2024年1月に設立されたサイバーコム株式会社の「TAKUMI室」。社長直轄の組織として、高度な技術資格を持つスペシャリストが集い、生成AIなどの先端技術の研究開発と新規ビジネス創出に取り組む本部署は、今や会社の未来を担う中核的存在となっています。
今回は、TAKUMI室で活躍する兒島主任(2019年中途入社)と永塚リーダー(2021年新卒入社)に、組織の実態や取り組み、そしてエンジニアとしての成長について話を伺いました。
TAKUMI室とは - スペシャリストが集う特別な場所
――TAKUMI室の概要と現在の体制について教えてください。
兒島: TAKUMI室は会社が定めたスペシャリスト認定制度と連動していて、ある一定の条件を満たした人だけが入れる組織です。会社が必要とする技術スキルとして定めた高度資格を持っているメンバーが集まっています。現在は20名近くのメンバーがいますね。
TAKUMI室のメンバーは社内でスペシャリストとして認定されたエンジニアで、会社の戦略的なビジネスを推進するエンジンになるとともに、企業価値の向上を担っています。例えば、AWSやGoogle Cloudといったクラウドサービスの認定資格を持つメンバーが、その知識を活用して新しいビジネスを模索し、会社として責任を持ちながらビジネスを推進しています。
撮影場所: WeWork 共用エリア
永塚: メンバーは20代前半から40代まで幅広く、新卒で入った人もいれば、中途入社の方もいます。みんな何かしらの技術に対する深い専門性を持っていて、そのスキルを活かして会社の未来につながる取り組みをしています。
撮影場所: WeWork 共用エリア
――TAKUMI室のメンバー構成について、現在はどのような技術バックグラウンドの方が多いのでしょうか?
兒島: 現状ではAWS関連のエンジニアが多いですね。これはサイバーコムの受託開発ビジネスの中でAWSに携わる案件が多かったということが背景にあると思います。
ただ、最近はGoogle CloudやSalesforceなど、他のクラウドサービスやプラットフォームに精通したスペシャリストも増えてきています。また、技術とは少し離れますが、グローバルビジネスを推進していく上で英語力も重要だと考えています。
生成AIから社内製品の外販まで - 具体的な取り組み
――現在TAKUMI室で取り組んでいる生成AI関連の研究開発や新規事業について教えてください。
兒島: 私の場合は「ChatTAKUMI™ 」というサービスを開発しました。AWSの技術を駆使して構築した生成AI搭載のチャットツールで、最初は社内利用目的でしたが、外販サービスとして提供するようになり、多くのお問い合わせをいただいています。
現在は、ChatTAKUMI™の改善と新機能の開発を継続しています。さらに、技術発信として外部のセミナーやAWSユーザーコミュニティのイベントなどで登壇も行っています。会社の認知度向上や新しいビジネスにつながればという思いで取り組んでいます。
永塚: 私もAWSのスペシャリストとして認定を受けていますが、TAKUMI室に入ってからより深くAWSに触れるようになりました。特に今はエンジニア向けの生成AIの調査研究を担当しています。まだ外販には至っていませんが、社内での活用方法を模索中です。
また、高校生や学生向けにITに興味を持ってもらえるよう、AIやクラウド開発について伝える活動も行っています。
昨今はITの普及に伴って小・中・高校でプログラミングや情報に関する授業が必修となっています。学校教育では座学で学ぶことが多く、社会に出て活用できる実践的な授業といったものは、まだまだ不足している状況と捉えています。
そこでIT技術を専門に取り扱っている弊社が、中学生や高校生に向けて学校教育を補完できるような授業の場を提供できないか、といったところからスタートしています。
現在はAWSをはじめとするクラウド技術や生成AIの技術などのトレンド技術を題材に、横浜本社にて不定期ではございますがイベントを開催しています。
――ChatTAKUMI™が外販されるようになり、お問い合わせも多いということですが、率直な感想を聞かせてください。
兒島:多くの方に反応をいただいて嬉しいですね。外販ではサービス品質を担保する必要があるので、検証や試験を重ねてリリースしました。生成AI技術の進化は非常に速いので、さらなるバージョンアップも考えており、まだまだ伸びしろがあるサービスだと感じています。
――2023年に社長が新しく就任されましたが、会社の雰囲気や方針に変化はありましたか?
兒島:社長が変わってからは会社の推進力のギアが変わったような感覚がありますね。生成AIの登場で世の中が大きく変わる中、新井社長は新しい技術のキャッチアップやビジネス創出を積極的に推進しています。TAKUMI室の設立もその一環です。
――そんな変革期にTAKUMI室が生まれたわけですね。
永塚: 私たちも、目の前の技術だけでなく、5年後、10年後の技術はどうなっているのかということを考えていかなければならないという使命感を持っています。特に私は東北出身なので、ITを通じて東北を盛り上げていきたいという思いもあり、このTAKUMI室での活動にはとても意義を感じています。
新規事業開発のプロセス - アイデアから事業化へ
――新規事業の開発プロセスや、アイデアから事業化までの流れについて教えてください。
兒島: TAKUMI室では2週間に1回、社長との定例ミーティングがあり、エンジニアとして「こういった技術が今後絶対必要になってくる」といったことを率直に社長に伝えています。
社長も経営者として「これがビジネスにできるのか」「もっと判断材料が必要だ」といった視点でディスカッションしてくださいます。ChatTAKUMI™に関しては、生成AIの活用が話題になり始めたタイミングで、「まずは社内ツールとしてプロトタイプを作りたい」という私たちの提案から始まりました。
――社長との定例ミーティングでは、かなり率直に意見交換されるんですね。
兒島:社長との打ち合わせというと、資料をいっぱい作って緊張して臨むものですが、TAKUMI室の定例ミーティングは全然違います。箇条書きのアジェンダをベースに、口頭で意見を交換できる打ち合わせで自身の意見をガツンと言える環境です。社長は非常に気さくな方なので、そういった率直な意見交換ができる環境があります。
永塚: 社長はしっかりと話を聞いてくださる方なんです。社長から「こういうのがいいんじゃない?」という提案をいただいて、「なるほど」と思って検討してみたり。少しずつ慣れていくなかで、自分なりの着地点を見つけて発言できるようになってきました。
社長直轄組織ならではの視点 - 技術とビジネスの融合
――新卒4年目でTAKUMI室に配属され、社長直轄組織で働く中で得られた経験について教えてください。
永塚: 社長と直接やり取りする中で経営者目線を意識するようになりました。以前は顧客要件に応える立場でしたが、今は自分の裁量で先端技術を追求できます。最新技術を学ぶ中で「これはビジネスに活かせそう」とアイデアが浮かび、それを考えるのが楽しいですね。
――兒島さんは中途入社からTAKUMI室メンバーとして活躍されていますよね。これまでの経緯を教えてください。
兒島: 私は埼玉出身で、結婚を機に仙台に来ました。サイバーコムを選んだ決め手は、人事の方や会社の雰囲気を感じて「風通しのいい会社だな」と思ったことです。
入社後はAWSを使った受託開発プロジェクトに長く携わっていました。受託開発では技術は身につきますが、「サイバーコムに何か還元できるものはないか」とモヤモヤしていました。そんな中でTAKUMI室が立ち上がり、私はすでに認定資格を持っていたので、「挑戦してみよう」と飛び込みました。
TAKUMI室に入ってから変わったのは、外部の技術コミュニティへの関わり方です。以前は勉強して知識を得るだけでしたが、今は登壇する側になり、いろんな方と交流するなかでフィードバックをもらうことが自分の成長につながっています。また、企業の枠を超えたエンジニア同士のつながりができ、それが今後のビジネスにもつながればと思っています。
――海外の技術イベントにも参加されていると伺いました。
永塚: はい、昨年末にラスベガスで開催されたイベント「AWS re:Invent 2024」に参加しました。4日間みっちりと最新技術のインプットや情報交換ができ、非常に刺激的な経験でした。英語でのコミュニケーションに苦戦しながらも、現地の熱量を感じることができました。
――そういった最新情報は社内でも共有されるのですか?
永塚: もちろんです。海外や国内のイベントで得た情報は、社内の勉強会や資料共有を通じて広めています。エンジニアではない本社のメンバーも「こういうことができるんだ」と興味を持ってくれていますね。皆さん、非常に熱心に聞いてくれます。
TAKUMI室メンバーの評価と専門性
――TAKUMI室メンバーの評価はどのように行われていますか?
兒島: 研究開発が中心なので、明確な評価指標を設けるのは難しいですが結果だけでなくプロセスも含めて評価されています。さらに、「スペシャリスト認定制度」があり、「シニアエキスパート」「エキスパート」「シニアマスター」といったランクがあります。私たちは「エキスパート」に認定されていて、技術スキルを高めることで上位ランクも目指せます。
興味深いのはTAKUMI室長が指示を意図的に出さないことです。各自の知見を最大限に発揮するため、制限をかけない考え方なんです。室長は相談役や調整役となっており、メンバーは自分のやりたい技術やビジネスを自由に追求できる環境があります。
技術への情熱と成長の実感
――TAKUMI室での成長を感じた経験や、今後実現したいビジョンについて教えてください。
兒島: これまで受託開発がメインだったところから、研究開発や新規サービスの立ち上げという全く違う経験ができたことで大きな成長を感じています。エンジニアとしてのスキルアップはもちろん、社長との対話や営業との連携を通じて、エンジニア目線だけでなく経営や市場ニーズといった多角的な視点を得られました。
今後実現したいのは、エンジニアとして発言力を持ち、会社の方向性に関わっていくことです。技術の進歩に追いつきながら新しい市場や技術分野のスキルを身につけ、経営者をサポートできる立場になりたいと考えています。
永塚: 私も社長とコミュニケーションを取る中で、ビジネス感覚が身についてきたと感じています。単に技術的に優れているだけでなく、どうビジネスにつなげるかという思考が得られるようになりました。
将来的には社内外問わず、より多くの人に影響を与えられる存在になりたいです。特に学生などにも技術の魅力を伝えていける人材を目指しています。また、自分一人でできることには限界があるので、チームや組織として大きなことができるよう貢献したいですね。
求める人材像 - 多様な技術を愛するエンジニア
――TAKUMI室やサイバーコムに興味を持つエンジニアへのメッセージをお願いします。
兒島: 私が転職活動をするなら、今のTAKUMI室は間違いなく「面白そうだな」と思えるところです。特に「この技術が好き」「これをやっていきたい」という強い想いを持った方に来ていただけると嬉しいですね。
これはAWSやクラウドに限った話ではありません。Google CloudやSalesforce、生成AI、機械学習など、何か「これを極めたい」という技術的な情熱を持った方であれば大歓迎です。また、グローバルビジネスに関心があり、技術と英語の両方で貢献したいという方も求めています。
永塚: TAKUMI室は会社の5年後、10年後の未来を切り開いていくことを期待されています。技術で未来を変えたいという思いを持った方、楽しみながら働きたいという方に入社していただけたら嬉しいです。
TAKUMI室のエンジニアはみんな何かしらの技術が大好きで、「技術オタク」的な人も多いです。そういう仲間と一緒に新しいことができたら素晴らしいと思います。特に地方にいるエンジニアの方々にとっても、地元で最先端の技術に携われる場として魅力的な環境だと思います。
撮影場所: WeWork 共用エリア
編集後記
兒島さんと永塚さんのインタビューからは、技術への純粋な情熱と挑戦する喜びが伝わってきました。特に印象的だったのは、「2週間に1回は社長とのミーティングがあり、エンジニアとして率直に意見を言える」という風通しの良さです。
また、ChatTAKUMI™が社内ツールから外販製品へと発展した事例は、TAKUMI室がアイデアを形にし、ビジネスにつなげる力を持っていることを示しています。
社長交代をきっかけに「ギアが変わった」サイバーコムは、まさに変革期を迎えており、新しい技術やビジネスモデルへの挑戦に前向きな姿勢が感じられます。
もし最先端技術に携わりながら新規事業開発にも挑戦したいエンジニアなら、サイバーコムのTAKUMI室は魅力的な選択肢となるでしょう。
以下のような方は、ぜひサイバーコムへの応募をご検討ください
- スペシャリストとして専門性を極めたい方
- 主体性を持って新しいことに挑戦したい方
- 技術の力でビジネスを創出したい方
サイバーコムで、あなたの技術力と人間力を存分に発揮してみませんか?