「JPデジタルでのプロジェクトマネジメントは難易度が高い」と話す神谷さん。プロジェクトマネジャー(以下PjM)として10年近い経験を持つ神谷さんがなぜそう感じるのか、話を聞いてみました。
「伸びしろ」を求めて初めての転職
――まずは神谷さんの経歴を教えてください。
神谷 新卒で入社したエンターテイメント関連の会社の放送技術部門で、10年ほど放送設備や放送衛星・地上設備の調達、保守・運用に従事しました。その後、IT部門に異動して社内基幹業務システムの開発・保守・運用に10年ほど携わりました。その間に顧客管理システム刷新、新サービス立ち上げなどさまざまなプロジェクトに参画しています。プロジェクトマネジャーとしてのキャリアは、独り立ちしてから8年か9年くらいだと思います。
その後、転職して2025年にJPデジタルに入社しました。
――転職を考えるきっかけは、何かあったのでしょうか?
神谷 大きな理由としては、前職でやれることをやりつくした感覚になったことです。このまま続けても、役職やスキル、経験の伸びしろが見えてきていたこともあり、転職を思い立ちました。
JPデジタルは、未知の業界でかつ、プロジェクトを横断的にみるPMOに挑戦できることもあり、挑戦したいと感じて興味を持ちました。
JPデジタルのプロジェクトマネジメントは、正直かなり難しい
――現在の仕事内容を教えてください。
神谷 日本郵政グループのDX施策である、郵便局アプリ、ゆうID、ゆうゆうポイントなどのプロダクト開発を横断的に見るPMOを担当しています。
特徴としては、自社で開発しているプロダクトのプロジェクトマネジメントをしながら、納品先であるグループ会社の業務部門のステークホルダーマネジメントを同時に行うことです。
JPデジタルは日本郵政グループのDX推進を担う子会社という立ち位置なので、受託事業でありながら、発注側であるグループ会社の業務に深く携わり、開発の上流工程にも関わることになります。
――入社理由に挙げていた「伸びしろ」は感じていますか?
神谷 すごく感じています。実際、入社してみると思っていた以上に大変で、JPデジタルのプロジェクトマネジメントは非常に難易度が高いと感じています。
難易度が高いと感じる理由のひとつは、複数のプロダクトを横断的に見ないといけないところです。普通、複数のプロダクトを掛け持ちするというと、それぞれが小粒なものを想像すると思うんですが、JPデジタルでは郵便局アプリ、ゆうID、ゆうゆうポイント、などひとつひとつの規模が大きく、影響範囲も広いです。プロダクトごとに工程の長さも進め方もそれぞれ異なる中で、整合性をとりながら同時にリリースしなければいけないという制約もあります。
そういったなかで、大きなトラブルや遅延もなく、継続的にリリースを重ねられている点が評価されて、「PMOアワード2025」で優秀賞をいただくことができました。
また、プロダクトが増えれば増えるほど関係者も増え、調整しないといけない事項も増えていきます。日本郵政グループ内の横の調整も必要になってきますし、会社をまたがる関係者の承認・合意を得る必要があります。
こういったステークホルダーマネジメントは、一般的には開発側のPjMではなくコンサルタントが担うものかと思いますが、JPデジタルはまだ規模が小さいこともあり、PjMが担っています。
開発側のプロジェクトマネジメントと事業会社のステークホルダーマネジメント、両方を担うのは難しさもありますが、両方ができるようになればどこへ行っても通用する力を身につけられると思います。
目立たない、褒められない、それでもこの仕事が嫌いじゃない
――ここまでのお話を聞いていると、本当に難易度が高く大変な仕事だと感じます。それでも神谷さんが続けられる理由は何でしょうか?
神谷 そもそもプロジェクトマネジメントという仕事自体が、大変で面倒なものだと思っています。複数のステークホルダーの間に立ち、想像力を働かせながら異なる意見を調整してものごとを前に進めていく。プロジェクトがうまくいっているときにはスポットライトは当たらず、うまくいっていないときには責任を引き受ける。ときには嫌われ役を引き受けることもあります。
そんな大変な仕事ではあるんですが、この仕事が嫌いじゃないんです。
プロジェクト関係者みんなをとりまとめて、目指すべき方向へ押し上げていく。元々の性格として前に出るタイプではないというのもありますが、サーバントリーダーシップ的なこの役割が、わたしには合っていますし、自分の能力が発揮できると感じています。
――なかには、ステークホルダーマネジメントで行う「調整」や「合意形成」などを面倒だと感じる方もいると思うのですが、神谷さんはどう捉えていますか?
神谷 調整や合意形成をすることでものごとが前に進む、という感覚があるので、あまり苦にはなりません。次に進むためのハードルというか、クリアすべきステップだと捉えています。それに、関係者の合意を形成することは、開発したものを安心して使ってもらえる確からしさを証明するためのひとつのプロセスなので、必要なことだと思っています。
おそらく、調整業務を面倒に感じる人は、「本来の意思決定プロセスはこうあるべきだ」のように理想を持っているからなんだと思います。
理想はもちろん大事なのですが、こだわりすぎるとうまくいきません。それよりも現実を見て、どうすれば前に進められるかを考えるほうが建設的です。プロジェクトが大きくなればなるほど、多くの関係者が納得できる合意形成は重要になってきますし、どの会社に行っても求められることだと思います。
困難を乗り越えた先に感じるやりがいと成長
――神谷さんは、仕事をしていてどんなことにやりがいを感じますか?
神谷 わたしの手がけた仕事が、社会的に大きなインパクトを及ぼすことです。
前職で扱っていたサービスも数百万ユーザーと大規模なものでしたが、JPデジタルでは国内に住むすべての人が関わる規模です。それも、郵便や銀行、保険など生活に欠かせないサービスに影響を与えていることに、やりがいを感じています。
それに、難易度の高いプロジェクトマネジメントを経験することで自身を成長させられると感じます。
――プロジェクトマネジメント経験の長い神谷さんでも、新たに成長を感じられるんですか?
神谷 はい。正直、JPデジタルに入社してからの1年でかなり成長できたと思います。
入社当初に比べると、自分の仕事を俯瞰して見られるようになりましたし、チームを導きながら指示を出し、効率的に成果を出すことができるようになってきました。
PjMとしての業務の幅も広がっていて、前職ではレビュアー側としてしか携わらなかった統合テストなどの後工程の仕事を、今では主導する側に回っています。PMOとして複数プロジェクトを横断してみることも含めて、スキルや経験の幅が広がっている実感があります。
内製化にマネジメント強化、まだまだやりたいことはたくさんある
――今、組織として感じている課題を教えてください。
神谷 正直に言うと、プロジェクトマネジメントを完全に内製でまかなえておらず、外部のコンサルティング会社に頼っている部分があります。本来であれば、こういったコアな領域は社員が担うべきだと思っていて、内製化を進めたい、というのが今の一番の課題です。
また、わたし自身がPjM部の部長とPjM課の課長、QA管理課のマネジメントを兼任していることも課題です。PjM課にマネジメントの階層をもう1つ増やして、PjM課をリードしてくれる方がいたほうがいいのですが、現状ではわたしが直接マネジメントしている状況です。
自身でプロジェクトを担当しながら、チームマネジメントを担ってくださる方に入社いただければ、マネジメントの課題も解決し、プロジェクトマネジメントというコア業務の内製化も進むので、いっしょに働いてくれる仲間を探しています。
――入社される方にとっては、どんなメリットがありそうですか?
神谷 PjMとしてレベルアップできる環境・経験を提供できると思います。
SIer出身の方にとっては事業会社サイドの経験を、事業会社出身の方にとっては受託サイドの経験を、分業が進んでいる会社出身の方にとっては幅広い業務範囲を、単体のプロジェクトマネジメントをされていた方にとっては複数プロジェクトを横断的にみる経験を、など、何かしら新しい経験・スキルを身につけられる環境です。
そうしてPjMとしてのキャリアを深めながら、社会的にインパクトのある事業に携わることは大きな意義があると思いますので、興味のある方とはぜひお話ししたいです。