「オフィスで1日中パソコンに向かう生活は、自分には合わない」。そう感じてITの世界を飛び出し、たどり着いたのは、毎日違う現場で、違う仲間と、ひとつの建物を作り上げていく電気工事の仕事。その挑戦の先にあったのは、経営者としての苦悩と、そこから得た「なんとかなるさ」という力強い信念でした。
今回は、弊社代表取締役である吉野川裕之のキャリアストーリーを深掘りします。
💡プロフィール
吉野川 裕之(よしのがわ ひろゆき) 株式会社明電社 代表取締役。幼少期から車やバイクといった「モノづくり」に興味を持つ。高校卒業後、ITの時代が来ると感じて情報処理の専門学校に進学するも、1日中デスクワークをする働き方が合わず、半年で退学。建設業界へ飛び込み、29歳で個人事業主として独立、30歳で法人化。現在、創業23期目を迎える。
🚚 同じ場所じゃないから、面白い。建設現場に惹かれた原点
「昔から、モノづくりが好きだったんですよ」。 吉野川のキャリアにおける原点は、車やバイクといった「動くモノ」でした。高校を卒業する頃、バブルがはじけた後とはいえ、まだ景気が良かった時代。将来を考えたときに「毎日同じ場所で同じような仕事を続けるのは、自分には合わないかもしれない」という漠然とした不安を感じたそうです。
「これからはITの時代が来る」。 そんな直感から、情報処理の専門学校へ進学。しかし、想像していた世界とは全く違いました。 「1日中パソコンの前にいるのは無理だなと思って(笑)。」 ITの未来を信じて選んだ道でしたが、デスクワーク中心の働き方は、吉野川にとって、馴染めないものでした。そして、半年で専門学校を中退。再び、自身の心に従い、活気あふれる建設業界へと足を踏み入れます。
電気工事の道を選んだのは、「建物も立派なモノづくりだ」という情熱からでした。そしてなにより、様々な現場を渡り歩き、常に新しい刺激がある建設現場の仕事が、飽きっぽい自分に合っていると感じたのです。毎日違う場所で、違うメンバーと働くこと。「同じ場所じゃないから、面白い」。このシンプルな理由が、吉野川を電気工事の道へと導きました。
⚡️ 孤独と向き合った10年。社長になって初めて知った「血の気が引く」瞬間
20代前半にはすでに「いつか自分で事業を立ち上げたい」という気持ちが芽生えていました。そして29歳で個人事業主として独立し、30歳で法人化。会社を経営する中で、吉野川が直面したのは、想像を絶する困難でした。
特に苦労したのは「お金」の問題。創業から10年間は、日々の資金繰りに頭を悩ませる日々が続いたと言います。 「ある日、夜中に1人で帳簿を見ていたとき、ふと『あれ、今月の支払いが足りないんじゃないか?』って気づいたんです。その瞬間、サッと血の気が引くと分かりました。本当に体が寒くなるような感覚で…。言葉で聞くのと実際に体験するのとでは、重みが全然違う。社長の孤独ってこういうことなんだなって」。
社員には心配をかけまいと、見栄を張って「大丈夫」と言うしかなかったあの日の記憶。その苦い経験は、吉野川の血肉となり、経営者としての「肝」を据えさせてくれたといいます。 「当時はもう、嫌なことばかり思い出しますね(笑)。でも、そういう経験を何回か経ると『まあ、なんとかなる』って思えるようになるんですよ。社員が急にいなくなったり、取引で失敗したり、色々なことはありました。でも、なんとか乗り越えてこれたから、もう、大抵のことは動じなくなりましたね」。
この「なんとかなるさ」という揺るぎない信念こそ、吉野川が10年間という長い時間と引き換えに手に入れた、何物にも代えがたい財産です。若い社員が抱え込みがちな悩みも、「自分で乗り越えなきゃ壁は破れない」と、温かい目で見守ります。その背景には、自らが身を削ってでも乗り越えてきた、生々しいまでのリアルな経験があるのです。
🛠️ 若手が活躍する自由な環境。成長を促す「お任せ」のスタイル
社員の平均年齢は30代前半と、活気に満ちた若い組織です。しかし、吉野川は若い世代との価値観の違いを正直に語ります。 「今の若い子は、良くも悪くも大人しいというか、ガツガツしていない。でも、真面目に仕事に取り組む子がすごく多いですね。彼らには、私が若い頃に経験したような過酷な働き方を強いる気はないんです。正直、私とは感覚が違いすぎるから、あまり口出ししないようにしています(笑)。その代わり、社員の裁量を尊重し、現場を任せるようにしています」。
吉野川が信頼を置く若手社員の筆頭が、中途入社で30代前半ながら部長を務める片山。ベテランの部長陣と共に、明電社の自由な社風と社員の成長を支えています。
会社としてのルールよりも、現場や取引先のルールを優先し、1人ひとりの「やりたい」を尊重する。この「お任せ」のスタイルが、明電社の社員を成長させています。若いうちから責任ある仕事を任されることで、大きなやりがいを感じ、自律的にキャリアを築いていくことが可能です。
🏢 創業23年目の挑戦。次のステージへ向かう「仲間」を募集中!
「会社をもっと大きくして、安定させたい」。
これが、創業23年目を迎える明電社の、現在の目標です。これまで培ってきた技術と信頼を基盤に、今後は官公庁の案件比率を高め、事業の安定化を図っていきたいと考えています。公共性の高いインフラを支える電気工事業の社会的地位向上にも貢献したい。単なる工事請負業者に留まらず、電気設備工事を通じて社会全体への貢献を目指しています。
そのために、吉野川が今最も求めているのは「同じ夢を追いかける仲間」です。
「うちは、経験やスキルよりも人柄を重視します。ガツガツしていない今の若い世代でも、真面目にコツコツと、言われたことをきちんとこなせる人であれば、必ず成長できる環境です。もちろん、困ったときには頼りになる先輩や上司が、しっかりとフォローしてくれます。私も、若いうちから『自分でやってみたい』という気持ちを大切にしてきました。その気持ちを、今の若い人たちにも持ってもらいたいんです」。
明電社は、未経験からでも安心して飛び込める温かい社風と、あなたの「やってみたい」を応援してくれる自由な環境があります。あなたの情熱を、私たちと一緒にカタチにしていきませんか?