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【創業ストーリー】株式会社BYDが「探究のデパート」になるまでー様々な偶然と奇跡が積み重なって今があるー

はじめに

「探究のデパート」株式会社BYDです。

今回は、弊社が手がける様々な探究コンテンツをはじめ、教育事業を届ける上で大切にしている想いなどについて、弊社代表の井上創太へインタビューしました。


教育に関わりたい方をはじめ、学生に探究授業を届けてみたい方、教育の課題解決に興味のある方など、教育に興味のある方全てに見ていただきたい内容になっております。

是非最後までご覧ください。

(取材・執筆=新井悠斗)


▲代表取締役社長 井上創太


ーーBYDの事業内容について教えてください。

主な事業は、学校への出張授業ですね。主に中学校、高校に対して探究学習のコンテンツを提供しています。

コンテンツには、自分について探究する自己探究、探究の基礎を身につける基礎力講座、アントレプレナーシップ講座、デジタル探究など様々なものがあるのですが、その中でも特に力を入れているのがアントレプレナーシップ講座とデジタル探究なんです。


アントレプレナーシップ講座では、課題解決思考を身につけるプロジェクトベースドラーニングの他に、LOTTEさんとコラボした商品開発ワークショップ、花王さんとコラボした新しい洗剤を考える理科探究などを制作・提供しています。


▲「花王」様 理科探究の様子


▲「LOTTE」様 商品開発ワークショップの様子


デジタル探究は出張授業の中でも人気なコンテンツで、ドローン操縦、VR視聴、映像制作、アプリ開発、Web3、メタバースなどのICT技術に触れて、自分たちで何かを作ってみることを通してデジタルを駆使する力を身につける講座を提供しています。


これらの出張授業は単発のものから、学期ごとの実施、通年での実施など幅広い実施方法でたくさんの学校に提供しています。


▲VRを使った授業の様子


2つ目が、教材開発事業ですね。

出張授業でつかう教材をはじめ、LOTTEさんや花王さんのような企業さんとコラボをして教材を開発することもあります。

我々の教材開発の強みは、ドローンやVR、お菓子や洗剤などの企業製品を学習体験やワークとして面白いものに変えていけることと、映像教材を制作していることです。


映像教材制作では、起業について学ぶ全30回の映像教材や、落語で学ぶコミュニケーション講座などを各分野のスペシャリストと組んで開発してきました。各分野のスペシャリストと共同で教材開発ができる点も、我々の強みになっています。


▲映像教材の一例


3つ目が、法人向けのコンサルティング事業ですね。

教育事業部を作りたい、新しい教材を開発したい、教育業界でのマーケティング戦略など、企業さんが持つ教育分野での課題を解決していくために我々が伴走させていただいております。


コンサルティング事業は今後、学校へも拡大していきたいと思っています。

授業を提供するだけに留まらず、学校としてどうブランディングしていくのか、多くの生徒を集めるにはどうしたらいいのかといった、学校が持つ課題に伴走することにも力を入れていきたいです。


ーー多岐にわたる教育事業を展開されていますね。BYDが教育事業を届ける上で大切にしていることはありますか?

BYDは「Don't be shy, Let's try!」をモットーに掲げ、挑戦者であることを非常に大切にしています。

事業展開がここまで多岐に渡っているのは、「とりあえずやってみる」の精神で挑戦と失敗を積み重ねてきたからなんです。

▲BYDのモットー「Don't be shy, Let's try!」


また、「チルドレンファースト」もすごく大切にしています。

弊社の事業は、保護者の方、学校の先生方との協力が不可欠です。しかし、保護者を喜ばせること、学校を喜ばせることを優先し過ぎて、目の前の子供が楽しそうじゃないのは違うと思うんです。保護者、学校の本当の願いは、目の前の子供たちを幸せにすること。それによって、自分たちも幸せになることだと思っています。

なので教育というのは子どもたちにとってどれだけためになるか、楽しいか、面白いか、ワクワクするかといったことをファーストに置くことが大切で、その上で学校の先生方や、保護者の方にも満足いただけるようなサービスを提供したいなと思っています。


ーーBYDは、ドローン、VR、アントレ、LOTTEとの商品開発、花王との理科探究など様々なプログラムを提供しています。それらのプログラムの中で生徒にどのようなことを学んでほしいと思っていますか?

普段学んでいることや知識が、『知恵』に変わっていく瞬間を体験をしてほしいなと思っています。

頭の中にある知識が、社会や目の前にいる人の役に立つかもしれない、こんなこともできるかもしれないと考えた瞬間に、その知識は知恵に変わると私たちは考えています。

なので、生徒たちが学校生活で得た経験や学びをアウトプットして、知識を知恵に変える機会をすごく大切にしています。


また、学んでいることと、社会との繋がりを作り出すことも大切にしています。

「なんで数学や国語を学ぶんだろう?」を、「このプログラムを作るために構数学のこの単元を勉強しなきゃいけないんだな」「面白いプレゼンテーションや発表資料を作るためには言葉を洗練しなきゃいけないから、国語はこういう時に使うんだ」という気づきに変えていってほしい。

普段何気なく勉強している数学や国語が、実は世の中では様々な使い方ができること、自らの人生をワクワクさせるものなんだということに僕らは出会ってほしいなと思っています。

株式会社BYDの過去

ーー株式会社BYDとして、教育事業をやろうと思ったきっかけは何ですか?

僕は元々予備校のチューターとして働いていました。

子どもたちがどんどん成長していく姿や、一生懸命頑張っている姿。それに自分が携われることに喜びと感動を覚えて、「教育って面白いな」と感じるようになっていったことが一番初めのきっかけですね。


▲予備校でチューターをしていた頃の井上


ただそれと同時に、葛藤やもやもやも感じていました。

予備校での偏差値偏重型教育に対して、ものすごく違和感を覚えたからです。

学習やテストの点数が高いからいい、低いからダメなことは全然ないと思っているし、受験勉強も絶対しなきゃいけないものでもないはずなのに、なぜかそれらばかりが重要視されてしまう。


一方で、勉強は苦手なんだけれども手先が器用で素晴らしい服を作れる人も、料理が得意で町で一番のラーメンを作れる人も、スポーツが得意でメジャーリーグで活躍できる人もいる。

であれば、勉強以外に何か一つでもできることややりたいことが見つかって、そこに向かって走っていくような教育があってもいいんじゃないかなと思って。

一人一人が、夢中になれることや個性を見つけて、それに向かって走り出すような教育を自分で作りたいなと思っていました。


加えて、社会に出てから求められることと、学校の中で学べることに大きなズレがあるなと感じていたこともきっかけの1つです。

社会に出てから必要になることは、マークシートを塗りつぶすことじゃなくて、人とコミュニケーションをとることや、深く考えること、自分について考えることなんじゃないか。

そう気づいた時に、当たり前にそれらを学ぶプログラムがあってもいいんじゃないか、そういったプログラムを世の中に広げてみたいと思ったところから、会社を作っていきました。


創業に至るまで、学生団体として活動していた時期やボランティアで学校に行ってた時期もあるのですが、教育業界がもっとこうなったらいいのになという想いと、協力してくれる人や応援してくれる人たちが後押ししてくれて起業できました。

▲学生団体で活動していた頃の井上


ーー株式会社BYDは、スクール事業創業からスタートしています。その時代から、『探究のデパート』として成長した現在までにどのようなストーリーがあったのでしょうか?

弊社は今年で10期目になりますが、5期目まではスクール事業をメイン事業として運営していました。

スクールは主に大学生向けで、社会に出てから必要な力と大学まで学べることに差があることから、社会に出て必要な力を大学生のうちに学ぶためのスクールでした。

▲スクール事業の様子


これまでに何百人ものスクール受講生がいたんですけれども、大きな利益を生み出すことはできませんでした。加えて、僕らの力不足で集客もうまくいってなくて、苦しい経営環境にありました。

スクールの授業内容や育てた学生たちに対して僕らは誇りを持ってるし、周りからもいいことやってるねってすごく言われたんですけど、稼げないことが大きな壁となって、事業を撤退させようと思っていたのが2019年でした。


ちょうどそのタイミングで、コロナがやってきて。我々のスクール事業は小さな会議室にたくさんの学生を集めていたので3密の固まりだったんですよね(笑)。


撤退せざるを得ない状況になったので、スクール事業から撤退したのですが、それと同時に学校向けの探究学習プログラムを撤退前から徐々にやっていて、撤退前後は年間のプログラムを高校でやっていました。


ただこれも本当にお金にならなくて。

埼玉の公立高校で、年間を通して10回授業したんですよ。それでもらえたのが、1万円と数百円だったんですよね。

▲この頃の学校における出張授業の様子


僕はその1学年300人に対して探究プログラムを体張って届けて、そのプログラムに約100人の大人を呼んでやったけど、1年でもらえたのは1万円。公立の学校からお金もらうのってこんなにも難しいのか。こんなにもお金にならないのか。自分がやっていたのは、ビジネスじゃなかったな。と、帰り道にふっと涙が出てきて。


スクールはコロナでできないし、大学生になって弊社スクールのような場所に来れる学生もすごく稀。であれば中学校や高校の段階から自分について考えたり、社会に出るためのスキルを身につける必要があるから、そこで授業をやるべきだと思っていたけど、それはお金にならないことも知っていて、大きなモヤモヤを抱えていました。


ーー転機を迎えたのはいつ頃だったのでしょうか?

コロナがやってきてから少しした後に、ドローンとVRを扱ってる会社と出会った時ですね。「ドローンかVRを使った教育のプログラムをやらないか」と声をかけてもらいました。


この頃は、修学旅行ができなくなったり学校が面白い教育を求めるようになったり、学校がソーシャルになってSNSを使う先生が増え出した頃だったので、VRやドローンを使った授業が学校にどんどん広がっていって。

▲ドローンを使った授業の様子


決して多いとは言えない報酬の中で、何十校もの中学校高校で授業をやってきた経験と、スクール事業で培ったコンテンツがあったので、コンテンツ力にはとにかく自信があった。

その自信のある僕らと、ドローンやVRの面白さ、楽しさを組み合わせて、様々な学校に授業しにいきました。その結果、「BYDコンテンツって面白いねすごいね」と言ってもらえることも増えて、弊社のコンテンツがどんどん広がっていきました。


協業したいと言ってくださる企業さんが増えたり、メタバースやWeb3、アントレプレナーシップのコンテンツもやるようになったり、大学生向けのスクール事業を高校生や中学生向けにもできるようになったり、花王さんやLOTTEさんとも出会ったり。

できることがどんどん増えていった結果、コンテンツが山のようにあって、しかも新たなものをいくらでも生み出せるので、探究のデパートと呼ばれるまでに成長できたのだと思います。

▲EDIX(教育総合展)におけるBYDのブース


様々な偶然と奇跡が積み重なって今の状態がありますが、最後一言でまとめるのであれば、「やり続けてきた」からだなと思っています。諦めなかったから今の自分たちがあって、やり続けたことの積み重ねが今を作ってくれている。


これと同じことを、会社1年目2年目ではできない。10年という積み重ねがあったからこそ、今のデパートになったのではと強く感じています。


未来のBYDの仲間へ

ーーこれまでに、BYDで一緒に仕事をしてきた仲間はどんな人たちでしたか?


創業したての頃は、大学時代の友達も多くて本当に若かったですね(笑)。

この頃はスクール事業をやっていましたが、スクール事業は講師がすごく面白くて。


NHKの元アナウンサーの方、マイクロソフトのパワーポイント部門で何年間もMVPを取られている方、演劇のプロの方のような、一流の講師が一流の授業をしてくれていたので、それを僕もずっと横で見ていて。学ぶことや刺激がたくさんあったのはすごく良かったなと思います。


学校向けにドローンやVRの授業をやっていた時期は、ファシリテーターが多かったですね。みんな教えるのが上手くて、バイタリティーもあって、そのおかげでクオリティの高いものを学校に提供できていたチームだったので、本当にいいチームでした。


今は、副業の社会人メンバーやデザイナーといった専門性のあるメンバーをはじめ、大学生のインターンメンバーも入れて一緒にお仕事しています。加えて、クライアントさんも本当にいい方達で、非常に想いがあってかつ仕事ができる方たちで。今も昔も、一緒に働いてる方全てに恵まれているなと思います。

▲仕事でご一緒している皆さま


ーーBYDのチームにジョインしてほしい人、一緒に仕事をしていきたい人はどんな人でしょうか?

最も大事にしたいのはロイヤリティですね。

BYDを好きになってくれる人や、一緒に大きくしていきたいと思ってくれる人を最優先して採用していきたいなと思っています。


人柄でいえば、愛嬌があって、コミュニケーション能力がある人と一緒に仕事をしていきたいですね。BYDでは、子どもたちと話してもらうことが多いので、愛嬌やコミュニケーション能力がすごく重要になってきます。


加えて、当事者意識や成長意欲もすごく大切だと思っています。

BYDは小さな会社なので、1人1人が当事者意識を持って自分の役割を全うすることがより求められる会社なんですよね。

なので当事者意識も大切ですし、成長意欲も同じくらい大切です。

1人1人の成長が会社の成長になりやすい会社なので、「プレゼンテーション能力をもっと高めよう」「営業力をもっと高めよう」といった意識を持って成長することが重要になってきます。そう言った力を持った人と一緒に仕事をしていきたいなと思っています。


ーー最後に、BYDの今後の展望について聞かせてください!

「探究と言えばBYD」と言ってもらえることを目指して頑張っていきたいですね。

「面白い探究コンテンツを持ってる会社だな」「BYDに頼めば面白いことやってくれるぞ」と言ってくださる方々が増えるととても良いなと。


また教育コンサルティング会社として、様々な学校や企業の教育的な課題を解決できる会社にもしていきたいですね。

学校で言えば、コンテンツを提供するだけに留まらずに、募集の手伝いや、進路指導のお手伝い、学校の働き方改革のお手伝いなどの様々な課題を解決していきたい。

それを、「BYDがいれば解決できる」と言ってもらえるような会社にしていきたいなと思っています。


その先に、まずは教育に関わる人が幸せになって、子どもたちも幸せになっていくことを目指していきたい。

課題解決をする力が強くなればなるほど、高いレベルの教育を世の中に生み出せるんじゃないかなと考えていて、その高いレベルの教育というのが、志高い人や優秀な人を生み出すきっかけになるのではないかと思っています。

教育コンサルティング会社として、教育業界の幅広い課題を解決できる会社として、どんどん大きくしていきたいなと思っています。


ーーBYDがこれからの教育業界にどんな未来をつくっていくのか、とても楽しみです。インタビューありがとうございました!


終わりに

教育コンサルティング会社として、様々な探究コンテンツを提供したり、教育業界の幅広い課題を解決する株式会社BYD。

5年間のスクール事業と数え切れないほどの出張授業の経験が、ドローンやVR、果てはLOTTEのお菓子や花王の洗剤のような様々な物と結びつき、「探究のデパート」として多くの学校や企業さまと共に多くのコンテンツを提供しております。


この記事を読んで、BYDと一緒にお仕事したい!と思ってくださった方がもしいれば、是非下記ページよりご連絡ください。お会いできることを、楽しみにしております!


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編集後記

執筆を担当しました新井です。BYDと井上さんの歩み、感涙でした。

案件もバンバン取ってくるし、星の数かなと思うほど様々な学校に探究を届けている井上さんが、10年の間にあれほど苦労してきたのかと思うと、とても頭があげられません。

そんなBYDと井上さんの素晴らしい物語の数々を今後もお届けしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします!


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