こんにちは、KiZUKAIの野口です。
みなさんの会社では、日々の業務をどのように進められていますか?
- 「目的が曖昧なまま進行し、結果として中途半端に終わってしまう」
- 「他部門間での業務は、視点や目的のズレが原因で円滑に進まない」
- 「複数人で行う業務では、担当範囲が不明確で抜け漏れが発生しがち」
――これらは多くの企業が抱える課題ではないでしょうか。KiZUKAIでは、そんな仕事の「もやもや」を解消し、組織全体の生産性と成長を飛躍的に高める独自の「プロジェクト文化」を確立しました。
本記事では、プロジェクト文化の仕組みや効果、そして働くメンバーにもたらす変革について、プロジェクトシート運用の中心的な役割を担うメンバーへのインタビュー形式で深掘りしていきます。
目次
なぜ「プロジェクト文化」が生まれたのか?その根底にあるKiZUKAIのコアバリュー
成果を最大化する「プロジェクトシート」の全貌と具体的な運用ノウハウ
「プロジェクトシート」がもたらす明確な目標設定と役割分担
「アグリーボタン」が、プロジェクトのブレを防ぐ
職種・役職問わず、全社員が担う、PM(プロジェクトマネージャー)の役割とは
未来を見据える「プロジェクト文化」がもたらす永続的な価値
最後に
なぜ「プロジェクト文化」が生まれたのか?その根底にあるKiZUKAIのコアバリュー
インタビュアー:本日はよろしくお願いします!まず、プロジェクト文化の発端となった「プロジェクトシート」の導入に至った経緯を教えてください。
安藤:KiZUKAIのコアバリューには、「目的ドリブン」が掲げられており、仕事を単なるタスクとして捉えるのではなく、常に「目的」から考えることを重視しています。
しかし、業務が複雑になるにつれて、当初の目的や作業の優先順位が時間とともに曖昧になり、業務が迷走するケースが増えてきました。また、「誰がどの作業を担当しているのか?」「今どの段階まで進んでいるのか?」といった情報が共有されず、担当範囲が不明確になるという課題も浮上していました。
これらの問題を解決するために、KiZUKAIでは、「一つひとつの仕事を明確に区切り、確実に完了させる」というアプローチを取り入れることにしました。クライアント向けのコンサルティングプロジェクトのように、目的と成果を明確に定義し、指針をぶらさず業務を進める方法を全社的に適用することを目指したのです。
成果を最大化する「プロジェクトシート」の全貌と具体的な運用ノウハウ
インタビュアー:プロジェクトシートの具体的な運用方法を含め、KiZUKAIが実践するプロジェクト文化について詳しく教えてください。
安藤:KiZUKAIでは、すべてのメンバーがルーティンワークとは別に「プロジェクト単位」で業務を進めています。この文化の中心にあるのが、プロジェクト進捗をリアルタイムで可視化する「ダッシュボード」と、詳細を管理する「プロジェクトシート」です。
ダッシュボードは会社の「歴史そのもの」といえる存在です。現在進行中のプロジェクトだけでなく、過去に完了した300を超えるプロジェクトも記録されており、ノウハウが蓄積されています。このデータベースは、組織全体の知識基盤となり、新しいプロジェクトを推進する際の強力な参考資料となっています。
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KiZUKAIが実際に運用している「全社PJダッシュボード」
「プロジェクトシート」がもたらす明確な目標設定と役割分担
安藤:プロジェクトシートは、プロジェクトを成功に導くために以下の5つの要素で構成されています。
- 背景・課題(なぜこのプロジェクトを行うのか?) プロジェクト開始のきっかけとなる課題や背景を明確に記載します。「なぜこの話が上がったのか」を原点に立ち返ることで、議論のブレを防ぎます。
- 目的(何を達成するのか?) このプロジェクトで達成すべき具体的な目標です。目的が曖昧なままだとプロジェクトは前に進まないため、関係者間で目的をしっかり合意することが重要です。
- アウトプット(どのような成果を生み出すのか?) プロジェクトで作成する成果物や結果を具体的に定義します。目的と同様に、アウトプットの明確化はプロジェクト推進の鍵です。
- キーマイルストーン(いつまでに何をやるのか?) プロジェクトの進行を段階的に示す中間目標です。背景課題や目的、アウトプットは原則として固定されますが、マイルストーンは状況に応じて柔軟に修正可能です。
- 役割(誰が何を担うのか?) プロジェクトにおける各メンバーの役割を明確にします。プロジェクトマネージャー(PM)がこのシートを作成し、プロジェクト推進の責任者となります。
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KiZUKAIが実際に運用している「プロジェクトシート」
「アグリーボタン」が、プロジェクトのブレを防ぐ
安藤:プロジェクト文化の鍵となるのが、「アグリーボタン」です。このボタンが押されていないプロジェクトは決してスタートしません。
PMが作成したプロジェクトシートに記載された背景、目的、アウトプットなどの内容が上長によって「承認」された場合にのみ、アグリーボタンが押されます。このプロセスにより、プロジェクトの方向性や範囲が明確になり、目的のブレやスコープの拡大を防ぐことができます。
アグリーボタンを押してもらうことで、PMは明確な指針を持ってプロジェクトを進められるようになり、上長もプロジェクトの進捗を把握しやすくなります。この仕組みが、プロジェクトの効率的かつ確実な遂行を支える重要な役割を果たしています。
職種・役職問わず、全社員が担う、PM(プロジェクトマネージャー)の役割とは
インタビュアー:プロジェクトを進める中で、PMの役割が非常に重要ですね。PMの役割をどのように捉えていますか?
安藤:PMはプロジェクトの立ち上げから完遂までを推進するリーダーであり、会社の縦軸・横軸を超えてプロジェクトを動かす要です。
PMの仕事は「段取り」に尽きるといっても過言ではありません。計画を立て、それを期日内に達成するためのアクションを明確にする力が求められます。この仕組みによって、個々の仕事に対する意識が大きく変わりました。職種や役職を問わず、全社員がPMとしての経験を積むことで、組織全体として「思考力」や「実行力」が鍛えられていると感じます。
インタビュアー:私もいくつかのプロジェクトでPMを担当しましたが、プロジェクトシートがあることで、最初の一歩がとても明確になったと感じています。物事を始めるときには、背景、目的、アウトプットの整理からまず始める「型」が身について、動き出しがスムーズになりました。
安藤:その感覚、よく分かります。私自身もクライアント向けのコンサルプロジェクトでPM経験はありましたが、KiZUKAIでのプロジェクトシート運用を通じて、全社的なプロジェクトでより多くの経験を積むことができました。それにより、以前よりもプロジェクトの立ち上げやPMとしての進行力が培われたと感じます。
インタビュアー:それにしても、KiZUKAIではプロジェクト数が非常に多いですよね。
安藤:はい。KiZUKAIでは、メンバー全員が常時平均3〜4件のプロジェクトを同時に進行しています。過去1年間で300件以上のプロジェクトが立ち上がっており、これはメンバーが自ら課題を見つけ、解決に向けて積極的に行動してきた証です。また、プロジェクトの種類も幅広く、トップダウンで降りてくるものだけではありません。メンバーが自ら「これをやりたい」と提案し、議論を経てプロジェクト化されるボトムアップの文化も定着しつつあります。
インタビュアー:それだけの数のプロジェクトがあると、全体の進捗管理や責任の所在も重要になりますね。
安藤:その通りです。このプロジェクト文化は単なる業務管理の仕組みではなく、組織全体に「責任感」と「完遂力」を根付かせる強力な基盤として機能しています。一度立ち上がったプロジェクトは、PMが責任を持ち、完遂されるまで存在し続けます。状況の変化等でペンディングとなる場合も上長の承認が必要です。これにより、「いつの間にか消えてしまう仕事」や「責任の所在が不明確な業務」を徹底的になくし、全てのタスクが確実に成果に繋がる仕組みを実現しています。
未来を見据える「プロジェクト文化」がもたらす永続的な価値
インタビュアー:KiZUKAIでは各プロジェクト内においても生成AIを活用する場面が非常に多いですよね。既にAIが一部の業務を置き換えつつありますが、こうした状況をどのように捉えていますか?
安藤:そうですね。生成AIの進化が目まぐるしく、1週間ごとに新しい可能性が生まれている感覚です。その中で、人間が担うべき役割は大きくシフトしています。AIがタスクを代替できるからこそ、私たちが本当に取り組むべきは「考える力」や「計画する力」、そして「期限内にやりきる実行力」だと考えています。これらはプロジェクト文化が自然に鍛える要素であり、AI時代にこそ必要とされる能力です。
インタビュアー:確かにAIがどんどん進化する中で、目的設定や意思決定の重要性は増している気がします。プロジェクト文化がそれを支えているというのは面白いですね。
安藤:まさに、プロジェクト文化の核にある「背景を考える」「目的を明確にする」といったプロセスは、まさに人間にしかできない部分です。これを日常業務の中で繰り返すことで、社員一人ひとりが段取り力を磨き、最適な仕事の進め方を自然に身につけています。
インタビュアー:PM力がAI活用力も伸ばしているということですね。具体的に、プロジェクトシートを活用することで社員や組織にどのような変化が見られましたか?
安藤:一番大きいのは、プロジェクト文化が、会社全体の仕組みとして機能していることです。プロジェクトシートには、KiZUKAIの理念や戦略がすべて詰まっています。営業、開発、人事など、部門を超えて共通のフォーマットで業務を進めることで、透明性が高まり、組織全体が一体感を持って進化しています。
インタビュアー:確かに、プロジェクトシートが浸透することで、組織全体の業務スキルが上がったように感じますね。
安藤:そうですね。この文化は、社員の成長と組織の強化を同時に実現していると考えます。社員が課題解決や意思決定をリードする経験を積むことで、未来のビジネス環境にも対応できる柔軟で強い組織が生まれます。KiZUKAIのプロジェクト文化は、単なる業務ツールではなく、まさに「生きる仕組み」として永続的な価値を生み出しています。
最後に
インタビュー記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました。 今回の記事を通じて、KiZUKAIが実践する「プロジェクト文化」や、その中で培われる経験やスキルについて興味を持っていただけたなら幸いです。
KiZUKAIは、「最先端のデータ活用で企業のDXを革新する」というミッションの実現に向け、仲間を募集しています。 少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお話ししましょう!