- RA/CA
- プロダクトマネージャー
- イベント運営
- Other occupations (6)
- Development
- Business
- Other
エンタメプラットフォームカンパニー新CEOインタビュー
2025年8月、オリグレスの組織は新たなフェーズへ。社内カンパニー制への移行に伴い、「ファンアクティビティカンパニー」と「エンタメプラットフォームカンパニー」が発足します。「レジャパス」などリアルとデジタルを横断する体験を創出する「エンタメプラットフォームカンパニー」の新CEOには、髙島峻さんが就任。
エネルギー業界やWebマーケティングの現場を経て、2025年6月にオリグレスにジョインした髙島さんは、多様な業界で培った知見とエンタメへの揺るぎない情熱を胸に、今どのようなビジョンを描いているのでしょうか。新生カンパニーの未来を形づくる、そのビジョンを紐解きます。
——まずは、簡単に自己紹介をお願いできますか?
髙島: 東北大学大学院を卒業後、住友重機械工業で火力発電所の設計や新卒採用に携わっていました。仕事自体にはやりがいを感じていましたが、徐々にもっとユーザーに近いBtoC領域で価値を提供したいという思いが強くなり、転職を決意しました。
その後はWebマーケティングの世界へ飛び込み、Web制作やECサイト運営を中心にキャリアを積みました。複数の企業でマネージャーを務めながら、売上の拡大や組織づくりにも取り組み、ありがたいことに良い出会いにも恵まれて、一定の成果を出すことができたと感じています。
そして35歳を迎えたとき、改めて自分のキャリアを見つめ直す機会がありました。そこで気づいたのが、「なくても生きていけるけれど、人の人生を豊かにしてくれるもの」に惹かれている自分の気持ちです。それがまさに、エンターテインメントでした。オリグレスには、これまでの自分の経験を活かせる余地がありそうだと感じ、この2025年6月に参画しました。
——髙島さんがこの度CEOに就任されたエンタメプラットフォームカンパニーですが、簡単にどのようなカンパニーなのか教えていただけますか?
エンタメプラットフォームカンパニーは、「レジャパス」などの自社プロダクトを通じて、ユーザーの皆さまにエンターテインメントや感動体験を届けることをミッションとするカンパニーです。オリグレスグループの中でも、エンドユーザーとの接点がもっとも多い組織として、新たな価値を生み出していく役割を担っています。
——この度、エンタメプラットフォームカンパニーのCEOに就任されました。今の率直な思いをお聞かせください。
髙島: ワクワクとドキドキが半々と言いたいところですが、正直なところ、ワクワク2割、ドキドキ8割ですね(笑)。これまでに経験したことのないレイヤーの仕事なので、不安のほうが大きいというのが本音です。ただ、もともと上のポジションを担いたいという思いも持っていたので、想定より少し早くチャンスが巡ってきたと前向きに捉えるようにしています。
任命されてからは、自分でも驚くほど当事者意識が高まったのを感じています。「カンパニーCEO」という役職は、役割分担を明確にするための仕組みの一部だとは思いますが、それでも任される権限の範囲が広がる分、チームや会社に与える影響も大きくなるということは日々強く意識するようになりました。
まだまだ緊張感はありますが、昔から「一定の不安は、成長に必要な前向きなエネルギー」だと思っているので、ネガティブな不安に飲まれないように、しっかりとマインドを整えながら取り組んでいきたいです。
——新カンパニーとして、現状想定される課題はありますか?
髙島: 入社後にキャッチアップを進める中で、前身のチームが抱えていた状況にいくつかの課題を感じました。日々のタスクには一生懸命に取り組んでいるものの、なかなか結果に結びつかず、プラスアルファの取り組みにまでリソースを割けない。そうした状態が続くことで、負のスパイラルに陥ってしまっていた印象です。
最初は業務量や効率性の問題かとも思ったのですが、メンバーへのヒアリングを重ねていく中で、根本的な課題は「指揮系統の不在」にあると感じるようになりました。誰が全体を見渡し、進むべき方向を示し、意思決定をするのかが曖昧なために、チームが本来のポテンシャルを発揮しきれない状況でした。
まずはこの指揮系統の整備と、メンバー一人ひとりの役割を明確にすることから始めたいと考えています。そのうえで今後の主な課題としては、業務の優先順位づけや属人化の解消、目標とタスクの連動性の強化、さらにはエンジニアサイドとビジネスサイドの連携強化などが挙げられます。すべてを一気に変えるのは難しいですが、まずは足元から着実に立て直していくことを大切にしたいと思っています。
俯瞰・逆算・構造化。3つの強みで挑む、組織変革のフロントライン
——髙島さんのこれまでのご経験から培われた強みと、それをエンタメプラットフォームカンパニーでどのように活かしていきたいか。そして、このカンパニーをどのような場所にしていきたいか、髙島さんのビジョンをお聞かせいただけますか?
髙島:直近の課題として指揮系統の確立が重要なテーマだと考えていますが、そのうえで私が目指したいのは、タスクの優先順位付けや目標から逆算したマネジメントによって、プロジェクト全体がよりスムーズに、かつ正しい方向に進んでいける組織づくりです。
そのために、これまでの経験で培ってきた強みが3つあります。
まず1つ目は、「今やっていること」の意味を問い直す、俯瞰的な視点です。日々の業務に追われていると、目の前のタスクに没頭しがちですが、私は一度立ち止まり、「この作業は誰のために、何の目的で行っているのか?」という問いを持つようにしています。この視点をチーム全体で共有できれば、業務の意義や優先順位が明確になり、プロジェクトの軸もブレにくくなると感じています。
2つ目は、目標から逆算するマネジメントです。限られたリソースで成果を出すには、すべてを完璧にこなすのではなく、「何を優先するか」の判断が不可欠です。そのためには、まずゴールを明確にし、そこから必要なタスクや人材配置を逆算していく。道筋をチームで共有しながら、取捨選択を繰り返すことで、確実に目標に近づいていける体制を整えたいと考えています。
3つ目は、情報の整理と構造化です。今は情報過多の時代とも言えますが、その中で重要なのは、必要な情報を見極めて整理し、意味ある形に落とし込む力です。私はまず情報を広く集めたうえで、構造的に整理し、わかりやすく伝えることを意識しています。これが結果として、意思決定の質とスピードを高めてくれると実感しています。
こうした強みを活かしながら、エンタメプラットフォームカンパニーを当事者意識と目的意識にあふれた組織に育てていきたいと思っています。私たちは「レジャパス」のような自社プロダクトを通じて、エンドユーザーに直接価値を届ける立場にあります。だからこそ、メンバー一人ひとりが「自分の行動がユーザー体験に直結している」という意識を持てるような環境をつくりたいですね。
さらに、エンジニアサイドとビジネスサイドの連携も重要です。プロダクト思考とビジネス思考は、ときに対立構造に見えることもありますが、私は「どちらかが正しい」ではなく、「どちらも必要な視点」だと考えています。ユーザーに選ばれ続けるプロダクトを、持続可能な形で提供していくには、両者の視点を行き来しながら意思決定できるチームが不可欠です。そんな多様な視点が有機的に交わるカンパニーをつくっていきたいですね。
自らつくり、自ら育てる。プロダクトが導くエンタメ事業の中核へ
——オリグレスグループの中で、エンタメプラットフォームカンパニーに期待される役割をどのように捉えており、チームを導いていきたいとお考えですか?
髙島:「プラットフォーム」という言葉には幅広い意味がありますが、その中で私自身は、「つなぐ」というキーワードを軸に捉えています。
たとえば、「レジャパス」はユーザーとレジャー施設をつなぐ存在ですし、メディアであればユーザー・情報・地域をつなぐ役割があります。そう考えると、エンタメプラットフォームカンパニーが手がけるすべての事業はすべて「つなぐ」というテーマで共通していて、何かと何かの間に立ち、橋渡しをする存在であることが、グループ内における本質的な役割だと感じています。
また、「レジャパス」はオリグレスにとって初の自社プロダクトであり、現在展開している複数の事業の基盤ともなっているサービスです。このプロダクトを着実に成長させていくことは、他の事業にも良い波及効果を生み出します。だからこそ、ここにしっかりと向き合う責任と意義は非常に大きいと思っています。
そして、私たちが担当するのは基本的に自分たちでつくって、自分たちで育てていくプロダクトです。だからこそ、単に良いものをつくるだけでなく、事業としても成功させることが求められます。つまり、プロダクト思考とビジネス思考をバランスよく持つチームであることがとても重要だと考えています。
「つなぐ」という存在であり続けるためにも、ユーザーの体験にしっかりと向き合いながら、同時に事業としての価値を創出していけるようなチームを、みんなと一緒につくっていきたいです。
——最後に、カンパニーCEOとして、読者にメッセージをお願いいたします。
髙島:エンタメプラットフォームカンパニーは、まだ立ち上がったばかりの新しい組織です。模索と挑戦の連続ではありますが、関わってくださる皆さまに価値ある体験をお届けできるよう、チーム一丸となって日々前進しています。
メンバーにとっても、新しい体制の中で戸惑いや不安を感じることはあると思います。でも、そうした感情はごく自然なこと。だからこそ、臆せず、前向きに取り組んでもらえたらうれしいです。ポジションにとらわれることなく、自分の考えやアイデアを積極的に出してほしい。そして、チームの一員として主体的に関わってくれることを期待しています。
今はまだ発展途上のフェーズではありますが、だからこそ柔軟に変化しながら、確かな手応えを感じつつ前進しています。これからのエンタメプラットフォームカンパニーの挑戦に、どうぞご期待ください。