組織が成長し、新たな部署が立ち上がるプロセスの中では、社内の体制やメンバー同士の関わり方も少しずつ形を変えていきます。特に、変化のスピードが速いWEB広告やSNS運用の業界においては、過去の仕事の進め方に固執せず、現場の課題に合わせて組織の環境を柔軟にアップデートしていくことが求められます。
植田幸嗣へのインタビュー3部作の締めくくりとなる今回は、2022年に入社した彼がこの4年間で実感してきた、Litsの組織としての変遷に焦点を当てます。
入社当時に彼が直面していた部署間の壁と、それをどのように対話によって変革してきたのか。そして、現在のチーム運営において彼が実践しているコミュニケーションの工夫や、これから新しく入社する仲間に求める「継続力」というマインドの本質について、事実に基づいたリアルな姿を語ってもらいました。
運用と制作の壁を取り除く。定期的なミーティングによって改善した業務フロー
現在のメディア事業部では、チーム同士が密に連携して実務を進めていますが、僕が入社した2022年当時は、今とは大きく異なる組織環境でした。
当時、僕は広告出稿用の動画制作チームに所属していたのですが、社内のコミュニケーションは必要最低限の業務的な会話にとどまっており、そもそも他部署のメンバーと深く話す機会自体がほとんどありませんでした。特に、広告の数値を管理する運用チームと、動画を作る制作チームとの間には明確な壁が存在していました。「一緒に仕事をしているはずなのに、全く違う空間の人たち」という印象を抱くほど、お互いの距離が遠かったのです。
そうした環境の中では、実務の上でもやりづらさを感じることが多々ありました。当時は、運用チームから一方的に依頼を受けて制作をするという形が基本だったため、こちらから「これは少し違うのではないか」と思っていることがあっても、上司や他部署に対してなかなか意見を伝えられない状況だったのです。自分たちが意図を持ってクリエイティブを作っても、向こうの一方的な意見だけを取り入れていては、本当に良いものを作ることはできませんし、業務としての効率も悪いと感じていました。
この状況を変えるきっかけとなったのは、同じ制作チームのメンバーとの対話でした。ある時、思い切って蓋を開けて話をしてみたら、実は周りのメンバーも僕と全く同じような課題感を抱えていることが分かったのです。「ここは違うよね」という思いを初めてチーム内で共有できた瞬間は、当時の僕にとって大きな救いでした。
そこから、組織のやり取りを変えるための具体的な行動を起こしていきました。制作と運用の間にある壁を取り除くために、お互いが頻繁にミーティングを行う場を提案し、制作全員と運用全員が集まる合同ミーティングなどを定期的に設けるようにしたのです。お互いの意見を直接擦り合わせ、双方向でコミュニケーションが取れるフローへと変えたことで、部署間の関係性は大幅に改善されました。
イヤホン作業の中でも対話を絶やさない。オンラインチャットとランチの工夫
過去にそうしたやりづらさを経験してきたからこそ、直近1年ほどで自分が新しくSNS運用の部署を立ち上げてリーダーになった時、何よりも大切にしようと決めたのが「メンバーが何でも話せる環境づくり」でした。
現在、僕のチームでは一般社員2名と派遣の方1名が実際に手を動かして動画制作を行っていますが、彼らは日々、相当な数のクリエイティブを作ってくれています。動画制作という業務の特性上、作業中はみんなイヤホンをしながら集中して画面に向かうことになるため、どうしても対面で声を掛け合う機会が少なくなってしまいます。
ただイヤホンをして黙々と手を動かし、業務連絡のためだけの会話に終始していると、組織としての風通しが悪くなるだけでなく、クリエイティブに必要な新しい発想も生まれにくくなってしまうというのが、僕の考えです。
そこで、日々の実務の中に自然な対話を生み出すための工夫を取り入れました。具体的には、業務連絡用として普段使っているChatworkの中に、それとは別にすごくカジュアルなグループチャットを作成したのです。その中では業務の堅苦しい話は抜きにして、日常の何気ない会話や雑談を気兼ねなく交わしていい場所にしています。「今日のお昼ご飯は何にする?」といったようなフランクなやり取りをオンライン上で日常的に行えるようにすることで、イヤホンをしていても孤立感を生まない環境を作っています。
また、お互いの親睦を深めるためのコミュニケーションの形についても、チームのメンバーの意見を丁寧に尊重するようにしています。僕自身は、仕事終わりにみんなで飲みに行くような形でもどちらでも良かったのですが、今のチームのメンバーは「夜はあまり自分の時間を使いたくない」という希望を持っています。
それならば、無理に夜の場を設定するのではなく、別の形で対話の機会を作ればいい。そう判断して、現在はチーム内での「ランチ」でのコミュニケーションに力を入れています。
メンバーそれぞれの私生活のスタンスを崩さない範囲で、気さくに話ができる空間を維持することを、リーダーとして常に意識しています。
真面目さと息抜きのメリハリ。成果を出し続けるために必要な「継続力」
このようにコミュニケーションを円滑に整える一方で、チームとして確実に成果を追いかけるための「仕組み化」も並行して進めています。
僕が管理の面で一番意識しているのは、案件の最新の状態をいつでも全員がすぐに見られるように可視化しておくことです。
実務においては、ダッシュボードツールを導入し、動いている案件の進捗やデータを一覧で確認できるようにしています。クリエイティブを作ってくれているチームのメンバーはもちろん、クライアントにとっても最新の数値をすぐに共有・確認できる環境を整えることで、実務における無駄な確認コストを省き、スムーズに業務が進むようにしています。
このように、案件の状態を誰もがすぐに確認できる仕組みや、チームでノウハウを共有し合える土台を会社側で整えているからこそ、僕たちは新しく入社する方に対して、最初から高い専門性やスキルを求めているわけではありません。知識やスキルといったものは、Litsに入った後に実務をやっていけば確実に覚えられるものだからです。
そうした、後からでも学べる環境があるからこそ、入社する方に何よりも大切にしてほしいと考えているマインドがあります。
それは、特別なセンスではなく、「継続する力」です。
WEB業界やクリエイティブの仕事と聞くと、華やかな感性が必要だと思われがちですが、僕のこれまでの経験から言えば、一つの物事に実直に、継続してちゃんと取り組みさえすれば、どのような人でも必ず結果は出せると思っています。だからこそ、まずは地道に継続していく力を伸ばしてほしいのです。
ただし、最初から最後まで100%の力で無理をして走り続けようとしても、絶対に長くは続きません。大切なのは、真面目に取り組むべき時にはしっかりと集中し、力を抜くべき時には適度に息を抜くという、仕事の中での「メリハリ」をつけることです。
新しく入ってきた人が、途中でくじけることなく実務を続けていけるよう、そのための正しい方向性を示し、しっかりと背後からサポートしていくことが、現在の僕の役割だと思っています。周囲の環境を言い訳にせず、自分に一番合った継続の方法をLitsという環境の中で見つけていってほしいですね。
【編集後記】Lits人事・広報より
入社当時のやりづらかった環境をそのままにせず、自らの提案と対話によって、部署の垣根を超えたワンチームの組織へと変革してきた植田。彼が率いる現在のSNS運用チームは、お互いのプライベートを尊重しつつも、業務時間内ではチャットやランチを通じてフラットに意見を言い合える、非常に風通しの良い環境が築かれています。
過去と現在を比較して、会社全体としても、役職や年齢に関係なく誰もが意見を開示できる「開けた空気感」が確実に強くなっていると、彼は確かな実感を込めて語ってくれました。
業務に必要なロジックやデータ分析の手法は、入社後に先輩たちが丁寧に並走しながら教えていきます。
私たちが新しい仲間に求めるのは、一時的な器用さではなく、日々の実務にメリハリを持って向き合い、コツコツと積み重ねていこうとする姿勢です。
「これまでの環境を変えて、一歩ずつ着実に力をつけていきたい」「フラットに対話ができるチームで、自分の役割を広げてみたい」という想いを持った方からのご応募を、私たちは心からお待ちしています。