医療者の誇りと患者の希望をつなぐ—カルテ入力より人と向き合う時間を取り戻す挑戦
「患者を診るより書類を書く医師」という矛盾「先生にもう少しこちらを見て話を聞いてほしい」誰もがたいていの医師に対してこう思うでしょう。僕自身が医療機関を受診したときも、ほぼ例外なくもっとこちらを見て対話してほしいと思います。患者さんの目を見るよりも、画面に向かってタイピングする時間のほうが長い——。 私が医師として働く中で、この違和感は日に日に強くなっていきました。でも、医師を含む医療者も、もっと患者さんに向き合いたいのです。そのために医療職を志したからです。でも、人でなくてもできる膨大な雑務、——カルテ入力、FAXでのやり取り、紹介状作成、電話での問い合わせ…——本来、患者さんのケアに...