屋根工事の分野で“日本一”の評価を得る、南富士の『総合外装事業部』—。
若くして現場の最前線を担う 船橋 証智氏 に、異色のキャリアチェンジから現在の挑戦、そして未来への目標について伺いました。
Q1. 大学では情報学を学び、当初は新聞記者志望だったと聞きました。なぜ建築の外装事業を選ばれたのですか?
A1. 就職活動の時期に「“衣食住”の中で将来性のある仕事は何か」と自分なりに考えたんです。新聞や出版は魅力的な世界ですが、将来的に厳しい状況になるのではと感じました。そこで「“住まい”は人間が生きる限りなくならない分野」だと思い、建築に関心を持つようになりました。外装事業は担い手が少なく、逆に言えば伸びしろが大きい。ここで自分の力を試したいと感じました。数ある企業の中から南富士を選んだのは、ただ工事をする会社ではなく、“人づくり”にも真剣に取り組んでいたからです。面接で浅井常務に会った時、受け入れてくださる雰囲気に安心し、この会社でなら自分を試せると思いました。
Q2. 現在はどんな業務を担当されていますか?
A2. 八王子営業所で新築の屋根や樋(とい)を中心に施工・管理しています。業務の基本は【工程・原価・品質・安全】の4大管理です。単なるデスクワークではなく、私が所属する大卒総合施工チームは実際に現場に立ち、職人さんやお客様と直接やりとりをしながら信頼を築いていきます。例えば、猛暑の中での施工では、作業のスピードと安全の両立が求められます。現場を円滑に回すには、作業手順を明確にするだけでなく、職人さんの体調やモチベーションにも気を配らなければなりません。現場に立つと、机上では学べない“人間力”が鍛えられると実感しますね。
Q3. 入社してから成長を強く感じた経験はありますか?
A3. 一番は、壁にぶつかっても逃げずに向き合えた経験です。建築業は計画通りにいかないことが多いんです。材料が届かない、天候不良で工程が遅れる、職人さんが急に来られなくなる…。そういう時にどう立て直すかで、自分の力が試されます。最初は何度も失敗しましたが、そのたびに「じゃあ次はどう工夫するか」と考えるクセが身につきました。現場は厳しいけれど、その分、自分の変化が実感できる。小さな達成を積み重ねることで、『人として成長している』と感じられるのが一番のやりがいです。
Q4. 入社3年目で所長を経験されたそうですが、若くして管理職を任されたプレッシャーは?
A4. 正直、不安は大きかったです。まだ自分自身も学んでいる最中でしたから。営業所の運営や売上管理、人の配置など、現場とは違う視点が求められました。4名体制の営業所を任された後、立て直しが必要な小規模営業所に異動し、“盛り上げ役”を任されたこともありました。最初は『自分で大丈夫だろうか』と悩みましたが、仲間と一緒に少しずつ成果を積み上げ、営業所が活気を取り戻した時は本当に嬉しかったです。この経験で、「人を動かすリーダーの責任」を肌で感じました。
Q5. 現場監督として大切にしている信念は何ですか?
A5. 【現場に関わる人が全員、安全に帰宅できること】です。どんなに素晴らしい施工をしても、事故が起きてしまったら意味がありません。安全帯の確認一つ、ヘルメットの着用一つ、細かいことを徹底することが、家族の元へ無事に帰ることにつながります。もう一つは【信頼関係】です。現場は人と人とのつながりで成り立っています。職人さんが気持ちよく働ける環境をつくれば、必ず良い仕事につながります。私は監督ですが、指示を出すだけではなく、横に並んで一緒に動く姿勢を大事にしています。
Q6. 建築業界の課題をどのように見ていますか?
A6. 大きな課題は人材不足と高齢化です。屋根工事の現場は特に高齢の職人さんが多く、次の世代へ技術をつなげられる人が不足しています。熟練の技を“盗む”チャンスがあるうちに自分が学び、それを若い世代に伝える“橋渡し”役になりたいと考えています。また、業界のイメージを変えることも必要だと思います。建築は“きつい・危ない”という印象を持たれがちですが、本当は“社会を支える誇りある仕事”です。その魅力を発信していくことも、私たちの世代の役割だと感じています。
Q7. 今後の目標、そして目指す姿を教えてください。
A7. まずは自分自身の施工力をもっと高めたい。そして、職人さんの技術を伝承する仕組みを作ることが目標です。南富士の『ルーフマイスター』という人材育成プロジェクトの活動を支えながら、未来に技術と文化を残すことに貢献したいと思っています。将来的には“現場と人をつなぐ存在”になりたい。職人さんの声を経営に届けたり、若手が挑戦できる場を作ったりする役割を担っていきたいです。単なる現場監督ではなく、“人を育てる監督”を目指しています。
Q8. 最後に、これから建築業界を目指す若者へメッセージをお願いします。
A8. 建築の現場は決して楽ではありません。体力的にも精神的にも大変なことが多いです。でも、その分、自分を大きく成長させてくれる場所でした。挑戦する気持ちがあれば、必ず学びがありますし、支えてくれる仲間もいます。“挑戦を力に変えられる人”にとって、南富士は無限の可能性を秘めているなと感じています!ぜひ恐れずに飛び込んでほしいです。一緒に未来をつくっていきましょう!!
◆Profile
船橋 証智(ふなばし あきとし)
青森県平内町出身。当時は新聞記者になりたくて情報学を学んでいたが、「手に職をつけたい」という思いから2022年4月に南富士株式会社へ入社。1年目~3年目までは現場をメインで担当し、3年目から所長に就任。趣味は読書で、月10~20冊小説を読んでいる。