株式会社インバウンドプラットフォーム 総務人事部長 joshua さん
「お客様に提供したい安心や尊重を、まずは社内で実践する。 社員が自分の仕事に誇りを持ち、仲間を信頼し、安心して意見を言える環境があってこそ、良いサービスが生まれます。」
株式会社インバウンドプラットフォーム(以下、IPC)では、約90名の社員が働き、そのうち約4割が外国にルーツを持っている。多様なバックグラウンドを持つメンバーが活躍する組織の裏側で、どのように総務人事としての役割を確立し、どのようなカルチャーを育んでいくのか。日本とアメリカの両方にルーツを持つ総務人事部長に、「組織開発のリアル」と「見据える未来」を聞いてみた。
#01 | The Catalyst — 組織づくりの原点
「何もない土地に道をつくる。未完成の組織だからこそ、面白さを感じた」
―― これまで金融・不動産・自動車など様々な業界で人事マネジャーを経験されてきた中で、IPCで総務人事部門を統括し、組織づくりに向き合う「原動力」や「入社の決め手」は何だったのでしょうか?
「私は昔から、すでに完成された仕組みをただ運用するよりも、組織の成長フェーズに合わせて自ら仕組みをアップデートしていく仕事が好きなんです。少し大げさに言えば、きれいに整備された道を歩くよりも、事業の拡大に合わせて新しい道を切り拓き、強固な建物を建てていく方がワクワクするタイプで(笑)。
IPCは上場を果たし、事業が多角化していく中で、人事制度や組織体制も次のステージへ進化させる必要がありました。
『大変そうだな』ではなく『これは面白そうだな』と。上場企業に求められるガバナンスと、ベンチャー企業としての柔軟性を両立させながら多国籍な組織を創る。これまでの経験を生かしつつ、新しい挑戦ができる環境だと感じたのが入社の大きな決め手でした。
また、私自身は日本とアメリカの両方にルーツがあります。これまではルーツを意識しながら働いてきた部分もありましたが、IPCでは面接の時から特別視するわけでも無視するわけでもなく、『それもその人の一部ですよね』と自然に受け入れてもらえました。 偏見を持たれたり、必要以上に特別扱いされたりすることがなかったのです。 日本企業らしい『周囲への配慮』や『チームワーク』を大切にしながらも、国籍やルーツではなく『その人が何ができるか』を見てくれる。この会社に転職し、自分のルーツを尊重してくれる仲間と働けることを、とても幸せに感じています。 だからこそ、日本人の方にも外国にルーツを持つ方にも、自分らしく安心して働ける会社をつくりたいと考えています。」
#02 | Redefining the Role — 「人事部長」の確立と、一人ひとりに寄り添うサポート
「『日本の会社に合わせて』で終わらせない。不安を取り除くきめ細やかな体制づくり」
―― 管理部の中に総務・人事を担うポジション自体はありましたが、上場するまでIPCには「人事部長」というポジションがありませんでしたよね。そもそも「人事部長が何をする人なのか」、役割をどのように定義し、組織をアップデートしてきたのでしょうか?
「会社が急成長していく中で、『事業と組織の両方を支えること』こそが、私たち総務人事部の役割だと再定義しました。 ただ人を採用して終わりではなく、総務、法務、情報システムなど、会社と社員を支える管理部門全般を横断的に統括し、入社後の教育、人事評価、福利厚生、働きやすい職場づくりまで一貫してデザインする。 それが私の考える人事部長の役割です。
その役割を確立していく中で、特に注力してきたのが多様なメンバーが定着するためのサポートでした。 たとえば当社の特徴でもある外国人採用においては、採用して入社してもらえば終わりではありません。 日本の税金、社会保険、給与明細、年末調整、就業規則などは、外国籍の方にとって理解しにくい場合があります。 そのため、必要に応じて分かりやすく説明し、不安を残さないようにしています。 また、外国籍の社員が入社した場合、必要に応じて、同じ母国語を話せる社員にも協力してもらっています。 日本語だけでは伝わりにくい細かなニュアンスや、仕事上の悩みなどを母国語で確認できるようにするためです。 外国人社員に対して、単に『日本の会社に合わせてください』と求めるのではなく、会社側も分かりやすく伝える努力をする。 それが当社の外国人雇用に対する基本的な考え方です。」
―― 働きやすさの面でも、1時間単位の有給休暇などを導入されていますが、これも「働きやすい職場づくり」という役割に基づいた制度設計なのでしょうか?
「おっしゃる通りです。私自身も、家庭と仕事を両立する大変さを理解しています。 子どもが急に発熱したり、親の通院に付き添う必要があったり、このようなことは誰にでも起こり得ます。 制度が存在していても、実際には取得しにくい雰囲気がある会社もあります。 仕事を続けるために毎回1日休まなければならない制度では、かえって利用しにくくなってしまいます。 だからこそ、当社では制度を設けるだけではなく、生活の実態に合った制度にすることで、必要なときに実際に利用できる環境をつくることを大切にしています。」
#03 | Paradigm Shift — 評価制度の革新
「マネジャーか専門家か。優秀な人材のキャリアを止めないための決断」
―― 2026年10月から導入された新・人事評価制度について、なぜ「プロフェッショナルコース」を新設しようと考えたのでしょうか?
「これまでの制度では、キャリアアップを考えたときに、部下を持つマネジャーを目指すことが中心になりがちでした。しかし、優秀な社員が全員、マネジメントを希望しているわけではありません。人を育てたり、組織を管理したりすることが得意な方もいれば、営業、マーケティング、システム、財務、法務、カスタマーサポートなど、特定の分野で専門性を高め、その領域で大きな価値を生み出したい方もいます。
『部下を持たなければ給与が上がらない』『管理職にならなければキャリアが止まる』という会社にはしたくありません。そこで新制度では、マネジャーとして組織を率いる道と、専門家として価値を高める『プロフェッショナルコース』の両方を、正式なキャリアとして位置づけました。社員一人ひとりが、自分の強みや志向に合った道を選び、長く成長していける仕組みにしたいと考えています。
もう一つ、今回の評価制度で大きく変えたのが、AIの活用です。
当社には11か国のバックグラウンドを持つメンバーが在籍しています。新しい仕組みでは、社員が自分の使いやすい言語でAIに相談しながら、目標設定の考え方を整理したり、自分の役割やレベルに合った目標の難易度を確認したり、目標をより具体的な表現にブラッシュアップしたりできるようにしています。
これまで目標設定は、どうしても本人の文章力や日本語力、あるいは上長の経験によって、その具体性や難易度に差が生まれやすい部分がありました。そこにAIをサポート役として入れることで、国籍や言語に左右されにくく、誰もが同じ基準を意識しながら目標を設定できる環境をつくっています。
また評価する側についても、評価基準や期待される行動をAIで確認できる仕組みを取り入れることで、上長ごとの評価基準のばらつきを抑え、より一貫性と納得感のある評価につなげていきます。もちろん、AIが人事評価そのものを決めるわけではありません。最終的に人を見るのは人です。ただ、その判断をできる限り公平で透明なものにするために、AIを活用する。キャリアの選択肢を増やすことと、評価の公平性を高めること。その両方を進めることで、国籍や職種に関係なく、一人ひとりが自分の力を発揮し、正当に評価される会社にしていきたいと思っています。」
#04 | Philosophy & Culture — 仕事の流儀と社内カルチャー
「相手へのリスペクトと、間に合うように準備すること」
―― joshua さんご自身が、人事部長として仕事をする上で大切にしているポリシーや信条はありますか?
「大きく二つあります。一つは『間に合うように準備すること』。期限直前になって慌てるのではなく、問題が起きてから対応するのではなく、問題が起きないように先回りする。管理部門として非常に大切なことだと思っています。
もう一つは『相手をリスペクトすること』です。これが仕事をするうえで一番基本にしている考え方ですね。 役職が上だから偉いわけでも、日本の企業だから日本人の考えが正しい、というわけでもありません。年齢、国籍、役職、考え方が違っても、まず相手を一人の人として尊重する。 意見がぶつかったときでも『この人はなぜそう考えているんだろう』と一度考えてみる。 IPCのように多国籍のメンバーが働いている会社では、特に重要なことだと思います。 仕事なので厳しい判断をしなければならないこともありますが、意見を否定することと、その人自身を否定することは全く違います。これは立場が上になればなるほど忘れてはいけないと思っています。」
―― その「相手へのリスペクト」というポリシーは、組織全体のカルチャーにも深く反映されているんですね。採用トップページでも『相手への敬意が最大の共通言語』と掲げていますが、多国籍なメンバーがお互いを理解し、尊重し合えるように、社内では具体的にどのような交流の場を設けているのか教えてください。
「年に2回、会社の方向性や目標を共有するキックオフミーティングを開催し、その後には懇親会を行っています。 さまざまな言語が飛び交い、普段は接点の少ない社員同士が交流する機会になっていますね。 また、ボウリング大会や夏祭りなど日本の文化にちなんだイベントも企画してきました。 今後は、当社に在籍する社員の母国にちなんだ企画(各国の料理を楽しむパーティーなど)も増やしたいと考えています。 多国籍な社員がいることを単に会社の数字として紹介するのではなく、お互いの文化を知り、楽しめる機会につなげていきたいと思っています。」
#05 | Synergy for the Future — 次なる組織の進化へ
「未完成だからこそ面白い。異業種の経験を生かし、共に会社を創る」
―― 今後、事業を拡大していくにあたり、教育やオンボーディングの面ではどのような強化を考えていますか?
「異業種から転職してきた優秀な方が、『業界経験がないから』という理由で力を発揮できないのは、会社にとっても大きな損失です。 業界知識や会社理解は入社後に身につけることができます。 そのため、今後は所属部署だけに教育を任せるのではなく、各部門を巻き込んだ研修や情報共有の仕組みを整えます。 また、社内で使用するITツールやコンプライアンスなど、入社時に必要な知識を整理し、誰が入社しても一定水準の説明を受けられる体制をつくります。 私たちも、採用した以上は『本人が努力してください』だけで終わらせず、教育やフォローの仕組みを整えていきます。 会社と社員の双方が努力し、一緒に成長していく関係が理想です。」
―― 最後に、応募を検討している方へメッセージをお願いします。
「当社はさらなる飛躍を目指す変革期にあります。そのため、単に既存のマニュアルや枠組みをこなすだけでなく、答えのない課題に対しても自らリサーチし、周囲を巻き込みながら、新たな基準を丁寧に形にしていく力が求められます。完成された組織の歯車になるのではなく、これからの会社を一緒に創り上げる仕事です。自分の仕事の幅を広げたい方、専門性を高めたい方、新しい事業や仕組みづくりに挑戦したい、など、チャレンジできる環境を求めている方にとって、大きな成長機会があります。 国籍やルーツにかかわらず、お互いを尊重し、助け合いながら、一人ひとりが力を発揮できる会社をつくる。 そして、社員が会社とともに成長し、『この会社で働いている』と誇りを持って言える組織をつくり続ける。 それが、私たち総務人事部の目標です。 少しでも当社に興味を持っていただけたら、ぜひ採用情報をご覧ください。」