つい最近、大学院1年生で就活中の子と話していると、こんなことを言っていました。
「自己分析はちゃんとやったはずなのに、
ESや面接で話しているうちに、
どこの会社に入りたいのか分からなくなってしまうんです。」
この状態に陥ってしまう学生さんは、実はとても多いと感じています。
そしてそれは、能力不足でも、準備不足でもありません。
多くの場合、「判断軸の作り方」を少し間違えているだけです。
なぜ、就活が進むほどブレてしまうのか
就活が始まると、私たちは無意識のうちに
「正解っぽい答え」を探し始めます。
・この業界が今は人気
・この志望動機は通りやすそう
・こう答えた方が評価される気がする
そうやって情報を集め、言葉を整えれば整えるほど、
自分の中の基準が外側に引っ張られていきます。
その結果、
・会社ごとに志望動機が変わる
・話しているうちに話がズレる
・面接後に「何を言ったか分からなくなる」
そんな“ブレ”が生まれてしまいます。
多くの人がやっている「判断軸の勘違い」
就活でよくある勘違いは、
判断軸=条件や希望だと思ってしまうことです。
・成長できる環境
・裁量がある
・若手から活躍できる
・安定している
これらはすべて「大事な要素」ではありますが、
判断軸そのものではありません。
なぜなら、
同じ言葉でも、人によって意味がまったく違うからです。
「成長できる環境」と聞いて、
・厳しいフィードバックを受けたい人
・自分のペースで試行錯誤したい人
では、合う環境はまったく異なります。
判断軸は「価値観」からしか生まれない
判断軸の正体は、
「自分はどんな状態のときに満たされ、力を発揮しやすいか」
という価値観です。
ここが整理されていないまま就活をすると、
どんなに情報を集めても、選択に納得感が持てません。
また、入った後に「なんか思ってたのと違う・・・」となりやすいです。
逆に、価値観が言語化できている人は、
・志望動機が一貫する
・質問への回答がブレない
・会社ごとの違和感に早く気づける
という状態になります。
判断軸をつくるためのシンプルな問い
判断軸をつくるために、
いきなり業界や会社から考える必要はありません。
まずは、こんな問いを自分に投げてみてください。
- どんなときに「楽しい」「満たされている」と感じてきたか
- 自分がこれまで「やりきった」と感じたのはどんな時か
- 評価されたことより、自分が納得できた経験は何か
過去の経験を振り返るときは、
「結果」ではなく「感情」に注目するのがポイントです。
そこに、あなたの価値観のヒントがあります。
就活は「選ばれる」より「ズレない」ことが大事
就活というと、どうしても
「どうすれば受かるか」に意識が向きがちです。
でも、人事として多くの学生と話してきて感じるのは、
後悔が少ないのは、“ズレなかった選択”をした人だということです。
評価される答えよりも、
自分の判断軸に基づいた選択。
それが結果的に、
面接でも一番“伝わる”状態をつくります。
最後に
この内容を書きながら、自分自身のことを振り返ると、
就活中は”周りに向いてると言われたから”という理由だけで、
他の選択肢を見ずに営業職しか考えていませんでした。
そして、もっとこのことを早く知りたかったなと思っています。
もし今、
「就活が進むほど分からなくなってきた」
「選択に自信が持てない」
と感じているなら、
それは立ち止まるタイミングなのかもしれません。
新しい自分を作る必要はありません。
もともと自分の中にあった基準を、もう一度整理する。
それだけで、就活の景色は大きく変わります。