消防設備の点検や建物管理を手がける株式会社テックビルケア。国内で着実な成長を続ける同社ですが、いま代表の茶橋昭夫氏が見据えているのは「海外市場」への進出です。
なぜ、地域に根ざした防災・メンテナンス企業が世界へ目を向けるのか。一昨年から始まったインド、そしてベトナムへの現地視察で見えてきた現地のリアルと、今後の具体的な展望について、代表の茶橋に根掘り葉掘り語ってもらいました。
テックビルケアが描く「ワクワクする未来」の全貌をお届けします。
茶橋昭夫 / 代表取締役
関西大学卒業後、新卒では家業であるテックビルケアではなく、IT企業に入社。プログラミングスキルをつけながらツール開発に従事。その後、二社にて業務用エアコンメンテナンスや消防設備点検に従事した後、2008年にテックビルケアに入社。2019年に代表取締役に就任。
1. 安定した国内事業にとどまらない。なぜ今、「海外展開」なのか?
テックビルケアが海外展開を構想し始めたきっかけは、「新卒採用のスタート」です。会社に新しい風を吹き込む若手メンバーを迎えるにあたり、「この会社を未来永劫続くもの(ゴーイング・コンサーン)にしたい」という強い使命感が芽生えました。
海外展開への思いに至った3つの背景
- 「ゴーイング・コンサーン」への強い思い: 会社を自身の代だけで終わらせず、次世代、さらにその先へと持続的に成長・発展させていくため。
- 日本の市場縮小への危機感: 人口減少と労働力不足が確実視される日本国内の市場(内需)だけでは、長期的な成長を描くのが難しいため。
- 「未開拓市場」への探求心: すでに整地された成熟国へ行くよりも、これからインフラが整っていく熱気あふれる「未開拓の地」に飛び込むことにワクワクする代表自身の性格。
会社を持続させるために私が残せるものは何か。それは、新卒採用ができるような魅力ある会社にすることと、海外市場に足掛けをしておくことだと思いました。
そこから、将来性のある東南アジアや南アジアのインド、ベトナム、タイといった国々を想定し、実際にインドとベトナムへ足を運んで視察を行ってみました。色々と可能性を探っている段階ですが、まずはしっかりと足掛けとなる海外拠点をどこか1つ決めたいと考えています。
2. インド:圧倒的なエネルギーと見えてきた課題
一昨年と昨年の2回にわたり、約1週間の現地視察を行ったのはインド。事前の準備や現地での環境は、日本でのビジネスとは全く異なるものでした。
インド市場(バンガロール)の実態と発見
- 環境: 過ごしやすい気候と高い治安基準を備えたIT拠点。
- 現状: 圧倒的な人口増加を背景に、強烈な内需による建設ラッシュが進行中。
- 課題: 新しい建物を建てる一方、「建物を維持管理・メンテナンスする」という意識はまだ発展途上。
- 展望: 消防直接ではなく、日本らしさを活かした高品質なサービス業での展開を模索。
インド視察のリアル
事前に現地に住む日本人の方を探し、その方が現地の企業に次々とアポを取って1週間のスケジュールを組んでくれました。インドは入国するだけでも厳格なビザが必要で、渡航前には専門クリニックで何本もの感染症予防ワクチンを打ちました。
「インド=暑くてカレー」という漠然としたイメージを持ちがちですが、南部のバンガロールは非常に快適でした。「インドのシリコンバレー」と呼ばれているだけあって、世界中のテック企業が集積していて、夜間に女性が一人で歩けるほど治安も良いんです。何よりすごいのは、人口増加に伴う圧倒的な内需の勢い。国全体がまさに「高度経済成長期」のイケイケドンドンな熱量に包まれていました。
ただ、現地で分かったのは、次々と新しい建物が建設されている一方で、まだ「建物を維持管理・メンテナンスしていく」という概念やニーズ自体があまり存在しないということ。そのため、日本の消防点検ビジネスをそのまま持ち込むのは、現時点では時期尚早だと感じています。しかし市場のポテンシャルは絶大です。防災分野に限らず、日本らしさを活かした質の高いサービス業などで参入できれば、大きなチャンスがあると考えています。
3. ベトナム:防災事業展開への「確かな光」
インドに続き、直近で約1週間の視察に訪れたベトナム。お国柄ならではの熱気に圧倒されつつも、ビジネス上の明確な勝機が見えてきました。
ベトナム市場での手応えと戦略
- 法規制: 日本の消防法にあたる法律や、点検・査察の概念がすでに定着している。
- ブランド力: 「高品質な日本式製品・サービス」に対する厚い信頼が存在する。
- 戦略: 安易な価格競争を避け、富裕層・ハイエンド市場へフォーカスした展開。
ベトナム視察のリアル
ベトナムの交通事情は、誰も車線を守らずバイクが入り乱れる慢性的な大渋滞で、非常にカオスな状態でした。ただ、ビジネス面で見ると、日本の消防法にあたる法律がすでに整備されていて、定期的な査察や点検の仕組みが存在していたんです。「あ、ここはちゃんと点検の文化があるぞ」と、防災事業を展開する上での光が見えました。
さらに「日本の製品やサービスは値段が高いけれど品質が良い」という絶対的な信頼も確立されています。ですので、広く浅く展開して安売りや価格競争に走るのではなく、富裕層やハイエンドな施設をターゲットに絞り、日本流の高品質なサービスを提供していく戦略が非常に有効だと感じました。
4. インドとベトナムの比較まとめ
視察を通じて見えてきた両国の市場特性の違いは以下の通りです。今後はインド、ベトナムに加えて、非常に面白い国だと感じているタイへの視察も含め、三つ巴で進出先の検討を進めていく予定です。
5. 3年以内の拠点設立。M&Aやアライアンスで挑む
視察を重ね、構想は徐々に具体的な計画へとシフトしています。掲げているタイムラインは「3年以内」。この期間内に、海外へ向けた確固たるベース(足掛け)を作ることを目標としています。
具体的な進出ロードマップ
- 時期: スピード感を持って、3年以内に現地拠点を設立。
- 手法: 単独進出ではなく、現地企業とのM&A(買収)や業務提携(アライアンス)を活用。
- 強み: 日本が誇る世界トップクラスの防災技術を輸出・融合させる。
ダラダラと時間をかけるわけにはいかないので、3年以内には現地に足がかりを築き、拠点を確保したいと考えています。ただ、防災ビジネスは現地のライセンスや許認可のハードルが高いため、日本の外資企業が単独で参入するのは容易ではありません。
そのため、ゼロから現地法人を立ち上げるのではなく、現地の防災企業とのM&A(買収)や、アライアンス(業務提携)を組んで展開していく手法を想定しています。日本のトップクラスの防災技術を展開できれば、海外の企業にとっても非常に魅力的なビジネスになるはずです。
もちろん、ドローンを活用した点検なども考えていますが、海外では軍による規制が厳しく、簡単には飛ばせないという壁もあります。ただ、現地に行かなければ分からないこうしたリアルな障壁を知ること自体が、事業展開への重要な第一歩なんです。
6. ワクワクする未来を、全メンバーと共に
この海外展開は、決して経営層だけのプロジェクトではありません。テックビルケアで働く全メンバーにとって、キャリアの選択肢を大きく広げるワクワクする未来へと繋がっています。
社員にとっての新たなチャンス
- 出張ベースでの海外プロジェクト参加:海外拠点が確立されれば、日本の社員が1週間ほどの出張で現地のプロジェクトに関わる機会が生まれる可能性があります。
- 企業間交流による刺激:海外企業のスタッフを日本に招くなど、企業間交流が活発化。日本にいながらにしてワールドワイドな視点を持てる環境へと進化していきます。
海外拠点ができることで、社員が1週間ほどの出張ベースで現地に行き、現地のスタッフと一緒に働く機会を作りたいですね。また、提携した海外企業のスタッフを日本に招いて研修を行うなど、企業間交流も生まれるかもしれません。社内で自然と英語が飛び交うような、ちょっとワールドワイドな会社になったら面白いじゃないですか。
もちろん、入社する社員全員が強制的に海外へ行く必要はありません(笑)。「絶対に行きたくない」というのも自由です。ただ、「この会社は国内にとどまらず、外に向けて常に挑戦しているんだ」という夢や未来を感じてもらえたら嬉しいですね。
私たちのこうした姿勢にワクワクし、「こんな面白い会社に入りたい」と共感してくれる仲間と一緒に、これからの新しいテックビルケアを作っていきたいと思っています。
7. 求職者へ向けたメッセージ
テックビルケアは、国内の安定した事業基盤にあぐらをかくことなく、外に向けてさまざまなチャレンジをしている会社です。「海外展開ができる」という当社のビジョンを知り、この会社には夢と未来があるんだなとワクワクしてもらえたら最高です。
実際に海外へ行く・行かないは別としても、私たちが挑戦する姿勢に惹かれ、「こんな面白い会社に入りたい!」と思ってくれるような熱意ある方とお会いできることを、心から楽しみにしています。
安定と挑戦が同居するこの場所で、あなたも一緒にワクワクする未来を創りませんか?
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