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SES業界の過去と現在、そして未来 ~変革する労働環境とエンジニアの可能性~

SES業界の過去と現在、そして未来 ~変革する労働環境とエンジニアの可能性~

IT業界の中で長い歴史を持つSES(システムエンジニアリングサービス)業界。過去には「3K(きつい、帰れない、給料が安い)」というイメージで語られることが多かった業界ですが、近年の変化は目覚ましいものがあります。本記事では、SES業界の「これまで」と「これから」に焦点を当て、その歴史や課題、そして今後の可能性について考察します。


SES業界の誕生と広がり

SES業界が日本で注目を集めるようになったのは、1990年代のITバブル期。この時期、日本企業はIT技術を活用した業務効率化や新規ビジネスの立ち上げに積極的に取り組んでいました。しかし、急激な需要の高まりに対してITエンジニアの供給が追いつかず、大量のエンジニアを短期間で確保する必要性が生じました。

そこで注目されたのが、SESという雇用形態です。SESは、エンジニアを特定のプロジェクトに派遣し、クライアント先で業務を行う形態を指します。企業にとっては人件費の削減やプロジェクト単位での柔軟な人員確保が可能となり、エンジニアにとっても幅広い経験が積めるといった利点がありました。しかし、このモデルには同時に多くの課題も存在しました。


かつてのSES業界における課題

1. 労働環境の過酷さ

SESエンジニアは「IT土方」と揶揄されることもあるほど、過酷な労働環境に置かれることが少なくありませんでした。案件ごとにクライアント先での勤務が必要なため、長時間労働や勤務地の過度な変更を余儀なくされることもありました。また、クライアント企業の指示で業務を行うため、自社とのつながりが希薄になることも少なくありませんでした。

2. 契約の不透明性

SESエンジニアが抱える大きな不満の一つが、契約内容の不透明性でした。自分が参画している案件の単価が分からず、会社がどの程度の利益を得ているのか不明なケースがほとんど。これにより、「自分の価値が適切に評価されていないのではないか」という不安がエンジニアに広がっていました。

3. キャリアの選択肢の狭さ

従来型のSES企業では、エンジニアが案件を選ぶ権利がなく、企業側から一方的に案件を割り当てられることが一般的でした。そのため、エンジニア自身が描くキャリアビジョンと、実際の業務内容がかけ離れることが多々ありました。


フリーランス増加という流れ

こうした課題を背景に、SES業界のエンジニアの一部はフリーランスという選択肢を選び始めました。フリーランスは、自分で案件を選び、報酬も自身で交渉できるという自由な働き方を実現します。近年では、20万人以上のエンジニアがフリーランスとして活動しており、SESエンジニアの2~3割を占めるまでになっています。

フリーランスのメリットとデメリット

メリット:

  • 案件選択の自由
  • 自分のスキルに見合った報酬が得られる
  • 仕事量を自身で調整できる

デメリット:

  • 福利厚生がない
  • 待機期間中の収入がゼロ
  • 自己責任での営業活動が必要

フリーランスの増加は、SES業界が抱える課題を浮き彫りにしましたが、同時に新たな変革の兆しを生むきっかけにもなりました。


SES業界の進化:「新SES企業」の登場

近年、SES業界は急速な変化を遂げています。その中でも注目されているのが「新SES企業」の登場です。この新しい形態のSES企業は、エンジニアの満足度を高めるために、以下のような特徴を持っています。

新SES企業の特徴

  1. 透明性のある契約案件単価や控除項目を公開し、エンジニアが納得感を持って働ける仕組みを整えています。
  2. 案件選択の自由エンジニア自身が参画する案件を選べる仕組みを採用。これにより、キャリアビジョンに沿った働き方が可能になりました。
  3. 高還元率企業利益を抑え、その分をエンジニアに還元する仕組みを採用。年収が50~200万円アップする事例も珍しくありません。
  4. 待機期間中の給与保証案件がない期間でも最低限の給与を保証することで、エンジニアが次の案件を焦らず選べる環境を提供しています。


SES業界の未来と課題

「新SES企業」の登場により、SES業界はエンジニアにとってより魅力的な選択肢へと進化しています。しかし、まだ解決すべき課題も多く残されています。

1. 還元率の透明性

各企業が異なる計算方法を採用しているため、求職者にとって「どの会社が本当に高還元なのか」が分かりにくい状況が続いています。

2. 財務状況の適正開示

一部の企業では、採用を目的に無理をして高還元率を提示しているケースもあります。こうした状況は、業界全体の安定性を損なうリスクをはらんでいます。

3. 持続可能なモデルの構築

新SES企業が増加する中で、競争が激化しすぎると利益率が下がり、企業の持続可能性に影響を与える可能性があります。



SES業界の変革を支える要素

SES業界がさらに進化し、エンジニアにとって魅力的な業界となるためには、以下の要素が重要です。

  1. エンジニアの声を反映した制度設計エンジニアが働きやすい環境を整えることが、企業の成長にもつながります。
  2. 業界全体の連携還元率の計算基準の統一や情報の適正開示を進めるためには、業界全体の協力が不可欠です。
  3. 新技術への対応力クラウド、AI、DevOpsなど、新しい技術への対応力が企業の競争力を左右します。



まとめ:SES業界のこれから

SES業界は、その歴史の中で多くの課題に直面してきましたが、新しい形態の企業の登場により、エンジニアの労働環境は大きく改善されています。「透明性」「自由度」「安定性」の3つを両立する新しい働き方が広がる中で、SES業界はフリーランスや正社員と並ぶ、魅力的な選択肢として進化を続けています。

エンジニアとしてキャリアを考える際、過去の課題だけでなく、現在の進化や未来の可能性に目を向けることが重要です。そして、SES業界の変革に寄り添いながら、自身に最適な働き方を模索していくことが、これからの時代に求められる姿勢と言えるでしょう。


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