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目に見えない「記憶」を見える存在に
記憶の面白いポイントは、目に見えないというところ。それこそがビジネスチャンスにもなっていると感じます。
例えば塾・予備校業界では、生徒に記憶して欲しいと思っていることはたくさんある反面、その子の脳みその中、つまり記憶状態は全く見えないという制約条件の元で指導を行わなければなりません。指導者は、授業や指導をしても、結局その子が覚えられたか、ということが全く分からない中で、生徒の成績向上にコミットする必要があります。
我々はMonoxerを通じてその記憶状態を可視化します。
Monoxerの特徴は、学習者に最適な状態かつ最短距離で記憶をしてもらうことにあります。その記憶のプロセスから、指導者がその学習者の記憶状況を把握できるようにもなっています。
従来であれば、指導者が学習者の覚えた内容を確認するには、テストで再度アウトプットしてもらう必要がありました。Monoxerがあれば、学習者が記憶するプロセス自体を利用して、指導者が知識の定着度を知ることができるので無駄がありません。
実際にMonoxerを活用し始めた教育現場でもそういった効率化に価値を感じていただいています。
さらに、長期的にMonoxerを使用する中では記憶の一元管理 *1が「記憶を見る」上で役立ちます。3年間塾に通っている生徒がいよいよ受験を間近にした時、記憶するべき英単語3,000語の定着度を塾で確認することは時間の制約からもあり不可能でした。Monoxerでは記憶が一元管理されている為、指導者も生徒も受験に必要な3,000語の記憶度を一瞬で知ることが可能になるのです。その結果、生徒それぞれが本当に必要としている指導を行うことができるようになります。
「記憶」を見せることが出来たなら
現代社会の受験や就職などにおいては、人の記憶を確認するためだけの本質的には無意味なテストに膨大な時間と労力が割かれています。
たしかに、能力や技能を支える存在として記憶は欠かせない存在です。けれども、本当に必要なのは知識を習得していることやその知識を今後活かして行けることであって、それをテストすることではありません。
Monoxerでの記憶がスタンダードになり、記憶を見せられることが当たり前になれば、記憶を確認する為だけに存在するテストは不要になり、本質的に確認するべき事項により多くの時間を割くことが可能になると考えています。
例えば、採用活動を行う企業では、候補者が業務に必要な知識を習得しているかどうかを、一瞬で正確に確認できるようになります。さらに、必要な知識をまとめて公開することで、Monoxer上でその知識を持った適切な候補者を集めることもできます。結果として、企業側は採用のリスクを大きく減らすことができ、求職者側は希望の企業・業界に行くために必要な情報を記憶するという求職活動が可能になります。
Monoxerは一人一人に必要な記憶の定着を日々サポートするのと同時に、社会全体に向けて受験や就職等のシーンに存在する不要なコストを解消できる存在になっていきたいと考えています。
「記憶に適した情報」の流通を目指して
受験や就職、教養の為など、なにかを覚えたいときには書籍を使うという人が多いと思います。書籍は、内容の順序が整理されており、何かを理解する・物語を楽しむ等の行為には適しています。その一方で、我々は数百年前から存在するこの書籍というフォーマットは、覚える行為には適していないと考えています。
何かを覚える為には、繰り返しの接触・繰り返し解く(一度忘れて思い出す)ということが欠かせません。しかし、書籍は情報の粒度が粗く、内容・順序がこれまでに知っていることや書籍から得たい情報によらず固定されています。そのため、これら記憶するための行為を書籍で行うことは非効率です。
私自身も学生時代、重要個所を赤シートで隠す・暗記カードに写す・蛍光ペンでなぞる・何度も音読する等、書籍の内容を記憶する為に様々な取り組みを行いましたが決して効率的なものではありませんでした。
優れたコンテンツは世の中にたくさん存在していますが、それらの多くは、このように覚えるのに不向きな書籍という形で流通しています。
この問題を解決する為に、Monoxerでは、記憶しやすいフォーマットでコンテンツを売買できるマーケットプレイスと既存のコンテンツをAIが記憶しやすいフォーマットに変換してくれる機能を整備しています。
これらと記憶をサポートするMonoxerの機能性を活用することで、誰でも簡単に記憶できる形でコンテンツを販売・入手できるようになります。例えば、私が自分の小学校の卒業文集を、ほとんど手間をかけずに、多くの人に配布し記憶してもらうことができるようになるのです。記憶したい人がいるかはわかりませんが(笑)
このように、英単語のような皆が学習するものだけでなく、もっとニッチな領域でも記憶のための良質なコンテンツが流通するようになれば、人類の可能性をさらに広げることができるはずです。
我々は、記憶は人類の知的成長と豊かさの根源だと考えています。記憶は全ての人が関わる大事なことであるにも関わらず、手付かずで、効率化の余地が大きい領域です。その効率化の余地の大きさが、記憶のビジネスチャンスだと言えるのではないでしょうか。