業界や規模感が異なる会社への転職は、多くの方にとって変化への期待と不安が入り混じる選択かもしれません。
今回は、アイディア株式会社の経営を陰で支えるCFO補佐の廣瀬にインタビュー。30年間勤めたメガバンクからITスタートアップへ転職した大きなキャリアチェンジの背景には、どのような想いがあったのでしょうか。実際に働いて感じていることや今後の展望について迫りました。
■プロフィール
CFO補佐:廣瀬 信之
大学卒業後、メガバンクへ入社。約30年間銀行・証券連携業務に従事し、2022年6月アイディアへ入社。バックオフィス体制の構築を中心にファイナンス対応などを担当。
セカンドキャリアは、新天地で自分の腕を試したかった
——はじめに、廣瀬さんの経歴について教えてください
大学卒業後メガバンクに入行し、都内や地方の営業支店で十数年勤務しました。その後、系列の証券会社に出向し、公開引受部でIPO支援業務を数年間経験しました。以降は、銀行の本部で銀行・証券連携業務を中心に、IPO展望企業へのアドバイス業務などに従事していました。
2022年6月にアイディアへ入社を決め、現在はCFO補佐として主に「管理部門」の運営を担っています。
——金融一筋のキャリアから転職を決断した経緯を教えてもらえますか?
転職を考えたのは、年齢が50代になりセカンドキャリアについてそろそろ選択すべき時期が来ていたことがきっかけです。銀行の関連会社で働くことを選ぶ人も多い中、私は「異なる環境で自分の腕を試してみたい」という自分の強い気持ちに気付いたんです。
それと同時に、経営者へアドバイスをする立場である銀行員から、自身が事業者側に立って会社経営に携わりたいとも思うようにもなりました。
海事産業は未経験の業界でしたし、多少なりとも不安はありました。しかし、何事もやってみないとわからないし、迷うなら飛び込んだほうがいい。これまで様々な業界を見てきた経験を活かすことで自分自身も成長させられると考え、入社を決意しました。
今は、船ってこれほど奥深いのか、と思いながら、業界への理解を深めています。
「敷かれたレール」はなく「自らレールを創造する」面白さ
——数ある会社の中でアイディアに入社した理由を教えてください
まずは、事業の柱が確立していることです。長年、様々なITやDXの会社と関わってきましたが、その中でもとりわけアイディアの事業基盤の強さには魅力を感じました。
次に、海事産業の市場規模や業界が抱える課題を調べていく中で、事業の成長余地の大きさを確信したことです。近年、海事産業のDX化は国策としても進められていますし、難易度が高い社会課題の解決に挑戦してみたいと思いました。
更に選考過程で、代表の下川部やアイディアで働く社員と話す機会を設けてもらい、どのような人がどのような環境で働いているのかを深く知ることができました。
最後の決め手は、そこで働く「人」でしたね。純粋にこの人たちと一緒に働きたいと思いました。
——転職の決断についてご家族や周りの方の反応はいかがでしたか
ありがたいことに、家族からの反対はありませんでした。
銀行員時代の同僚や後輩は予想外だったようですが、私がIPO支援に携わっていたことを知っている人からは「どこへ行ってもやっていけるよ」とエールをもらいましたね。
また、学生時代の友人などは大変驚いていましたし、50代で新しい環境へチャレンジすることに対しては「すごい」と言ってもらえることもありました。
総じて前向きな反応が多かったです。
——会社規模も業界も異なる組織で働いてみて、感じることはありましたか
「敷かれたレール」の上を走るのではなく「自らレールを創っていく」ことに楽しさを感じています。大企業はルールも役割分担も明確でしたが、ここでは良くも悪くも「正解」や「型」がまだありません。
確かな答えがない中で悩みつつも、仕組みを構築する上での考え方をゼロベースで作れることにやりがいを感じながら取り組んでいます。
また、入社前の私は海事産業の知識を持ち合わせていませんでしたが、アイディアには入社後にキャッチアップできる体制が整っていました。
今活躍している社員も入社後に勉強しながら業界の知識を身に付けた方が多く、業界未経験の方も安心して挑戦していただける環境だと思います。
海事産業の理解を深めると、様々な立場のプレイヤーが数多くいらっしゃり、奥が深いと感じています。
事業のスピーディーな成長を支える縁の下の力持ち
——現在の業務内容について教えてください
事業や組織の更なる成長に必要となる、仕組みの構築や改善が主な業務です。
また、事業経営に付随する会計管理や運用、情報セキュリティ管理も担っています。CFOの鈴木さんと相談しつつ、ある程度自由に仕事をさせてもらっていますね。
これまでのアイディアの課題として、事業全体のコストや利益は見えるものの、プロジェクトや部門単位では可視化されていないという現状がありました。
この課題を解決するには、プロジェクトや部門ごとの指標を持つこと、そしてその判断基準となる数字をチェックしながら業務改善や利益向上を図る仕組みづくりが必要になります。現在は、個々の工数管理や原価管理の体制づくりを進めている最中です。
こういった場面では特に、銀行員時代に培ったファイナンスのバックグラウンドが役立っていると実感しています。プロジェクトごとの数字を管理したり、投資効率をチェックしたりなど、更に進化を重ねて、事業を創る当事者として会社経営により携わっていきたいです。
——ご自身が仕事をする上で大切にしていることはありますか
私のミッションの一つに「アイディアで働くメンバー全員が働きやすい環境を整備すること」があります。ある一定の仕組みやルールは必要であるものの、スタートアップの命であるスピード感を損なわないよう意識しています。
時に「管理の体制づくり」はエンジニアや営業の足枷になることがありますが、メンバーそれぞれの声を聞きながら仕組みに落とし込むようにしています。
人生の舵を取った先で出会った海事産業のDXへの想い
——今後の展望や取り組みたいことについて教えてください
世界で見ても日本は海事業界の中心になれるポテンシャルがあり、なるべきだと考えています。しかし昔と比べると、日本の海事産業は十分な存在感を示せずにいます。
日本が世界No1となる時代を創れるよう、我々が先陣をきって業界の技術革新に貢献し、社会インフラの担い手となりたいです。
自身の業務においては、経営基盤を固めることが会社の更なる成長に直結すると考えています。一つひとつ自分がやるべきことを地道に実行し、裏方ながら会社の成長を加速させられる存在でありたいです。
——最後に、アイディアに興味をもってくださっている方へメッセージをお願いします
ゼロからイチを創り上げることに喜びを感じられる方は、思う存分に力を発揮できる環境だと思います。自ら課題を見出し、情報収集して実行するといった自走力を求められますが、その分目標を達成した時の満足感は大きく、自己成長を感じる瞬間です。
前職時代を振り返ると、つい目先の仕事の忙しさに囚われて、自分の人生や将来ありたい姿について、長い間真剣に考えていなかった気がします。
私の場合はセカンドキャリアが一つのきっかけとなりましたが、様々な局面で「自分は将来どうなりたいのか」「どのように自己成長したいのか」と真摯に自分と向き合うことは、人生の舵を取るために大変重要なことです。
自分がどのような人生を歩みたいのかを考え、その延長線上でアイディアを選んでもらえると嬉しいですね。
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