100の生業を持つ現代版百姓を目指す、破天荒フリーランスのざき山です。
今日も複業メディア「ウィズパラ」で取り上げたテーマ「生き残るフリーランスはみんなチート級なのか!?何物でもないあなたが廃業せずにフリーランスとして生き残るには?」について紹介していきます。(元記事:https://wizpara.com/2800/)
このメディアをはじめとする媒体やSNSなどで、フリーランスの働き方に関する情報発信をしているとフリーランス志望の方から質問を受けたり、話を聞きたいとお願いされることがあります。
特に若い人のなかでフリーランス志望の人が増えている印象があります。
サラリーマンという働き方に疑問やアレルギーを持っており、自由で自らの裁量でお金を稼げるフリーランスという働き方を早期に実現したいという思いが強いようです。
じぶんとしては、さまざまなメディアを通じてフリーランスという働き方がいかに素晴らしいかを力説してきましたが、決して甘いものではないという現実もお伝えしてきたつもりです。
皆さんはフリーランスの廃業率をご存じでしょうか。
さまざまなデータ・情報元で若干のばらつきはありますが、
フリーランスの廃業率は、継続年数に応じて次のように推移します。
◆1年以内に廃業するフリーランスは約30%
◆3年以内に廃業するフリーランスは約60%
◆10年間フリーランスとして活動できるのは約10%
仮に25歳でフリーランスになった人が100人いたとしたら、90人は35歳でフリーランスを廃業して、会社員に戻ったり誰かの扶養に入ったりしているというのが現実です。
要はほとんどの人はフリーランスで生涯ご飯を食べ続けるのをあきらめるということです。
ちなみに自分はフリーランスになってからすでに16年が経過していますが、それはじぶんが優秀だったというよりもかなり運に助けられたと感じています。
そして今後、何年フリーランスという働き方を続けていけるか私もまったくわかりません、一寸先は闇です。
一体、どうしてこうも多くのフリーランスが廃業してしまうのか、そして廃業せずにフリーランスを続けられる人はどういう人なのか、今回はそれをテーマにして徹底的に解説していきたいと思います。
多くのフリーランスがたった数年で廃業してしまうのはなぜなのか?
ブラック企業・搾取・ラットレース・社畜などサラリーマンに対するネガティブな印象を抱く人から、フリーランスのような働き方への憧れを抱く人は年々増えています。
そして実際、多くの人がフリーランス(中にはマイクロ法人化)として独立することを選び、そしてその多くが短期間で廃業を余儀なくされています。
それは一体なぜなのか、長年フリーランス業界に身を置いていると、否が応でも実情が見えてきます。
独立前の謎の自信からくる甘い見通し
フリーランスとして独立する若い人から話を聞くと、そんなことでフリーランスとしてやっていけるのか疑問に感じるケースが多々あります。
特にスキルも習熟されているわけでもないのに、ブログやアフィリエイト、Youtubeなどで生計を立てるつもりだとか・・・
中にはFXや株式のデイトレードなどで生計を立てたいなどという、それは仕事ではなく投機なのではというリスキーな人もちらほら。
その甘い見立てをするほとんどの人が巷のインフルエンサーに影響されているようです。
まぁ実際に仕事として経験してみて失敗すること自体は悪い事ではなく、むしろある程度の回数失敗を繰り返すのは成功の必須の要件とも言えます。
とはいえ、独立前の甘すぎる見立ては、どう考えても勉強不足と言え、独立してもソッコー廃業するのは目に見えています。
フリーランスの働き方は意外にブラック!?理想と現実のギャップ
フリーランスとして独立したい人の多くはサラリーマンとして勤めるブラック企業にて疲弊している人が多く、自由で裁量のある働き方を手に入れたいという願望が根底にあります。
かくいう自分もその一人です。
しかし、フリーランスとしての働き方は必ずしも自由で裁量があってブラック企業とは真逆の素晴らしい一面だけではありません。
すべては自己責任の世界・・・理想の働き方が実現できるかは人それぞれです。
多くの人が仕事を獲得して、安定して収益をあげることに苦労し、条件の悪い仕事を獲らざる得ず、就労条件はどんどん悪化していきます。
これをセルフブラック企業化とも言います。
そして低賃金長時間労働で働きつづけると、読書やリスキリングなどの自己投資もおろそかになり、貧すれば鈍するを地で行くじり貧フリーランスが誕生します。
そうなればいつ廃業になってもおかしくないという存在になります。
仕事の獲得でつまずき、スキルを有効利用するところまでいかない
要は本業のメインスキルだけでは、どうにもならない世界だということです。
まずはなるべく条件のいい仕事を獲得しなければなりませんし、そのためには営業やマーケティング、広報、セルフブランディングなどの知識・スキルが必要になります。
メインスキルだけでなく、これらの知識・スキルを幅広く獲得しているフリーランスでなければ、すぐに廃業を余儀なくされるでしょう。
フリーランスは多くのトラブルにすべてひとりで対処しなければならない
フリーランスは多くのトラブルにすべてひとりで対処しなければなりません。
納期遅れや報酬の支払い遅れ、責任の所在のすれ違いなどクライアントとのトラブル、運転資金のショート、訴訟などに巻き込まれたり、病気な事故に巻き込まれ仕事が出来ない状態に追い込まれたり・・・これらを自分一人の責任で対応しなければなりません。
サラリーマンであれば会社全体で対応する話であり、個人がひとりでしょい込む必要はありません。
フリーランスの圧倒的な孤独感・・・心細さが半端ないわけです。
本業で稼ぎまくっていれば話は違いますが、本業での稼ぎもままならないということであれば、廃業を選択する人の気持ちもわかりますよね。
生き残っているフリーランスの条件とは?
生き残っているフリーランスの条件とは・・・超絶スキルを持っている人でありません。
いくつか条件がありますが、まずはマネーリテラシー・経営・法律・営業・歴史・心理学など、幅広い知識をバランスよく学べている人です。
一芸(本業のスキル)が突出していたとしても、他の幅広い知識・リテラシーを備えていなければ、それは攻撃力に全振りしている状態で、長年廃業せずにフリーランスを続けるという意味では非常に危ういと言わざるを得ません。
一時、成功(多くの収入を稼いだ)をおさめたとしても、必ず大きな落とし穴に足元をすくわれる時が来ます。
それは一時的な成功から気が多くなり、ハイリスクな投資に手を出したり、多角化経営に乗り出したり、高額な事務所や住居を構え固定費を大幅に増加させたり、自己顕示欲をセーブできなくなり、出費がかさんでいったり・・・。
そして成功者にむらがる、いわゆる招かれざる人たちから標的にされたり・・・。
本業のスキル一本では、到底、自分の身を守ることはできなさそうです。
プログラミングやデザインスキル、マーケティングスキル、各種ツールの使い方などを磨くのは必須の要件であるのは間違いないですが、それよりも前述のマネーリテラシー・経営・法律・営業・歴史・心理学・流行りの犯罪から身を守る術などへの深い理解が不可欠なんです。
逆を言うと一見、突出したスキルが無く、大きな収入に結びついていなかったとしても、広範囲な知恵を獲得している人はしぶとくフリーランスとして生き残ることができます。
廃業せずにフリーランスとして生き続けるためには?
もう15年以上もフリーランス界隈に身を置いていると、生き残るフリーランスと去っていくフリーランスの特徴がこれでもかというほど見えてきます。
スキルがあるのは大前提だが、平均レベルに達していればOK
フリーランスで稼げるようになるということは決して甘い事ではありません。
少なくともスキルの獲得に数年を費やし、試行錯誤の末、多くの苦労と失敗と引き換えにようやく稼げるようになります。
そういう意味では、スキルが無くても稼げるなどということは一切ありません。
社会のニーズを満たせる水準のスキルを身に付けるのはあたりまえというか、必須の要件です。
ただ、スキルが人並みよりさらに高くなれば、廃業から遠のくかというとそれは話が違います。
廃業せずに長くフリーランスを続けるという意味では、本業のスキルがいかに高度かよりも他のプラスアルファが必要だということです。
仕事の獲得にはスキルを磨くことよりもマーケティング・広報・営業の本を読む
本業のメインスキル、例えばデザイナーであればデザインスキル、プログラマーであればプログラミングスキル、マーケターであればマーケティングスキル・・・これらが高ければ高いほど仕事が舞い込むかというとそんなことはありません。
専門スキルが圧倒的に高くても仕事にありつけない人を山のように見てきました。
逆に専門スキルが突出していなくても、むしろつたないレベルであっても、多くの仕事が舞い込み大儲けしているフリーランスも多く見てきました。
その差は、やはりマーケティング・広報・営業スキルです。
ここでいうマーケティングスキルは、マーケターとしてのマーケティングスキルではなく、自分の仕事をアピールして仕事を受注するためのマーケティングスキルです。
むしろ本業のメインスキルが無くても、マーケティングスキルや広報スキル・営業スキルさえあれば多くの仕事を獲得することが出来ます。
本業の案件がさばけなくても下請けに仕事を発注すれば、食べていくことができます。
フリーランスの多くが本業のメインスキルのみにこだわり、ひたすらこのスキルを高めることのみに執着する傾向がありますが、フリーランスで稼ぎ長く活動をするためには、より広範囲なスキルをバランスよく身に付ける必要があります。
つまり本業のメインスキルはほどほどに、マーケティングや広報・営業の名著を数多く読むことが重要なのです。
マネーリテラシーを徹底的に磨く
どれだけ、成功をおさめても、マネーリテラシーが無いばかりに途端に破産に追い込まれた成功者は多いですよね。
大金を稼いだNBAのプロ選手も引退後すぐに破産してしまう人が多く、選手たちの60%が現役引退後5年以内に破産すると言われていますし、マイケルジャクソンも小室さんも大きな成功をおさめても人生転落してますよね。
人は一度上げた生活レベルは落とせないですし、成功を収めるとその名誉を長く維持しようと、次の成功のために無謀な投資に手を出したり・・・。
要はどんなに成功をおさめたり、お金を稼いだとしても、マネーリテラシーがいびつだとすぐに破産してしまうということです。
マネーリテラシーと言えばこの人のリベラルアーツ大学の両学長は、お金に関しては「貯める力」「稼ぐ力」「守る力」「増やす力」「使う力」をバランスよく身に付ける必要があると説いています。
ひとつでも欠けると、お金に関する悩みが大きくなる可能性が高くなります。
破産した成功者たちは、「稼ぐ力」が突出していただけで、他の力がまったく無い状態だったということです。
逆に言うと成功者として大金を稼がなくとも、われわれフリーランスは「貯める力」「稼ぐ力」「守る力」「増やす力」「使う力」をバランスよく身に付けられれば、廃業から遠ざかれるということです。
見栄と自己顕示欲に打ち勝ち固定費や無駄な出費を徹底的に抑える
前述のお金に関する5つの力の中でももっとも大事なのが「貯める力」だと思います。
そしてこの「貯める力」を具体的に表現すれば、いかに固定費や無駄な出費を抑えられるかという力になります。
正直、固定費が少なく生きていける人は無敵です。
いかに稼げるかよりも、大事かもしれません。
極端な話、固定費がゼロであれば、そもそも働かなくても生きていけるわけですから。
逆に固定費が無限に上がっていけば、いくら稼いでもキリが無く、ふとしたきっかけですぐに破産に追い込まれるわけです。
固定費や無駄な出費を抑えるには、賢い消費をすることも大事ですが、何より見栄と自己顕示欲に打ち勝つことが重要です。
歴史や心理学、行動経済学・身を守るための犯罪手法などを学び守備力を高める
ひとつのスキルをとことん高める職人タイプの人、嫌いではないですが・・・ひとつのことだけに没頭していてもバランスが悪くなる一方です。
働く時間は、意図的に上限を設け、空いた時間でじぶんの知恵を磨くために幅広いジャンルの読書にあてることをおススメします。
結局、世の中で搾取されたり落とし穴に足をすくわれて人生転落する人は、幅広い知恵がない人です。
歴史や心理学、行動経済学など、幅広い知識を身に付けることで、人生の危機を回避することができるようになります。
最終的にモノを言うのは健康であることと圧倒的な体力
フリーランスで一番大事なもの、強いてひとつ挙げるとすれば、それは健康(体力)です。
元気があればなんでもできるとはアントニオ猪木さんのお言葉ですが、一見、バカみたいな言葉ですが、じつにそのとおり・・核心をついてますよね。
つまり健康の維持、体力の増進は、フリーランスがもっとも気を付けるべき事項と言えるわけです。
お金のために健康を阻害するような仕事は本末転倒なので絶対にしてはなりませんし、健康や体力を棄損するような娯楽・嗜好品も極力避けましょう。
フリーランスを廃業せずに続けるコツはいかに難しい最新のスキル追いかけるかということではなく、もっと意外にシンプルなのかもしれませんね。