株式会社ParaWorksさんが運営する複業メディア「ウィズパラ」に、複業Tips記事を寄稿している山崎レモンサワーこと、山崎岳史です。
フリーランスとして独立して12年が経ち13年目に突入しましたが、世間・業界の動向/変化のスピードは日に日に早まっています。
昔、通じていたスキルは今では無用の長物になり、当時ドル箱だったビジネスモデルは新たに登場したプラットフォームや技術革新により今ではほとんど稼げなくなった・・・
たとえば、SEOサービスやFlash制作、CSSハックなどの当時活躍していたスキルがいまは通じなくなっています。新しいスキルを日々獲得していかなくては、Web系フリーランスは務まらないようです。
2021年になり、今以上に変化へのアンテナをはり、今後の動向変化に適応して立ち振る舞わなければ、いつビジネスが立ち行かなくなるかわかりません。
まさに進化論のチャールズ・ダーウィンの言った
「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。」
の世の中ですね。
今日はフリーランスとしての仕事の現場や、普段生活していく中で、最近、強く感じているネット界隈の動向の変化から、今後の予測、そしてこれからの自分の行動指針を掲げたいと思います。
はじめに結論から言うと、これからのフリーランスや副業(複業)をしていく人たちに大事なのはめちゃくちゃ小さい単発の商いを複数、しかも素早く手を付けられるようにすること。
ちなみにこの概念は「ギグ・エコノミー」と言います。
ギグエコノミー(Gig Economy)は、インターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方や、
それによって成り立つ経済形態のことをいいます。
これは、2015年頃から米国のメディアで頻繁に使われるようになった用語で、
ネット仲介で配車サービスの運転手になったり、ネット経由で企業からデザインやサイト制作、
コンテンツ制作、便利屋サービスなどを受注したりというように、非正規労働で一回一回仕事を
請け負う就業形態の広がりを指します。
一般にギグエコノミーは、個人の働き方が多様化した一つの形態であり、
仕事の仲介業者(プラットフォーム提供者)は、専門能力を有する人間が特定の組織に
縛られることなく仕事を見つけるのを容易にすると同時に、発注側のコスト引下げにも
役立つと主張しています。その一方で、受注者側には、働き方に自由があるものの、
安定した待遇や労働者保護の仕組みなどで問題があると主張する人も多いです。
また、専門能力の優劣により、収入面や受注面において大きな格差も生じています。
「ギグ(gig)」とは、元々はジャズやロックなどで、それほど親しいわけではない
ミュージシャン同士が、音合わせを兼ねて、その場限りの演奏(単発ライブ)を試しに
やってみることを意味し、それが転用されて「単発の仕事」という意味で広く
使われるようになったそうです。
引用元:ギグエコノミー
ギグ・エコノミーの発祥はやはり、アメリカで配車サービスのUBER(ウーバー)や便利屋サービスTaskRabbit(タスクラビット)、宿泊施設仲介のAirbnb(エアビーアンドビー)などが有名です。
自分はこの「ギグ・エコノミー」という用語を知る前から、100の生業を持つ現代版百姓を目指すと公言していました。
最近、この「ギグ・エコノミー」というワードの露出が急激に増えた事で確信に変わりました。
この働き方がなぜ安定するのか、なぜ幸福度が高いのか、なぜ今がこの働き方を後押しする時代なのかというのを述べていきたいと思います。
その前に、最近のネット界隈の動向についてお話する必要があります。
最近、特に感じているネット界隈の動向
その.1検索エンジンマーケティングの難易度急上昇
検索エンジンを最適化する事によって行うマーケティング、SEOやリスティング広告でのアクセス収集が急激に難易度が上がってきているのをヒシヒシと感じています。
自分の中で理由はつきとめていて、
検索トラフィックの減少
これはネット上に発生している情報量(競合)が日に日に増えているのに加え、問題解決を希望する検索者の情報収集の選択肢がGoogleの検索エンジン一択ではなくなってきたということです。
特に最近顕著なのが、問題解決を希望する人が情報を仕入れるプラットフォームとしてYoutubeの台頭です。
確かに動画で得られる情報量はテキストがメインのブログやWebサイトに比べ、段違いに多く、短時間でよりわかりやすい情報が得られるのですから、ある意味当然とも言えます。
検索エンジンがプル型のプラットフォームなのに対し、SNSのようなプッシュ型のプラットフォームから得られる情報で情報収集的には満足してしまっているという側面もあるかと思います。
Googleの意図
検索エンジンと言えば、Googleの専売特許、独占フィールドで、アルゴリズムは完全なるブラックボックス。
Googleも公共公益団体ではなく、営利団体の為、そのアルゴリズムは社会貢献ではなく、Google(アルファベット)の利益がもっとも高くなるようにアップデートが繰り返されるということです。
(もちろん社会に有益でなければ、淘汰されるので、公益性も考慮されているとは思いますが・・)
ただ、頻繁に起こっている大型のアルゴリズムアップデートを味わえば味わうほど、検索エンジンを攻略し、利益を上げようとする事業者からいかにお金を吸い上げるかを徹底しているという意図を感じざるを得ません。
こちらの記事にも、SEOが難しくなっている内容が凝縮されているので是非ご覧になってみてください。
「グーグルがオーガニック検索トラフィックを減らしている!? いまSEO担当者は何ができるのか?」
ちなみに検索エンジンは勝者総取りプラットフォームなので、検索エンジンの重要性が低下する事は、弱者である個人には追い風です。
その.2Youtuber急増!重要度急上昇の動画マーケティング
最近、自分も調べ物をする際、検索エンジンではなく、はじめからYoutubeで調べ物をするケースも増えてきました。
リアルタイムな情報や、地域性の高いローカルな情報を調べる時はTwitterやInstagramで検索する事も多くなってきました。
また、今まで自己投資の中で多くのウェイトを占めていた、読書ですが、この情報源が急激な勢いで動画(Youtube)に置き換わっています。
ベストセラーの名著を読むにしても、今ではYoutubeで超絶わかりやすくイラスト付きで要約してくれている動画が山ほどヒットします。
お金がかからない&読書に掛かる多くの時間を省き、得られる情報はより多く、わかりやすいとしたら、動画に流れるのは当然の流れにもなります。
そして、いったん火が付いたYoutuberの収支報告を見ると、これが儲かること儲かること。
今までは力のあるメディアや会社や組織の力を借りてしか、世間に影響力を構築できなかった個人が、一昔前の有名人と同じようなポジションに誰しもなりえる時代となりました。
Webでの集客にしてもテキストや画像ベース媒体から動画媒体でのマーケティングに急速に舵を切り始めているのが最近の動向です。
とはいえ、動画媒体もYoutube独占なので、動画でのマーケティングも結局はネット界の「神」であるGoogleの定めたルールに従い、そのルールもバンバン変遷していく事が予想されます。
ただ、その.1、その.2で挙げたGoogle検索エンジン、Youtubeは、先行者優位の恩恵にあずかる先駆開拓者や、個人でも生まれ持っての華や特殊技能と圧倒的アウトプット量、ハイクォリティコンテンツを持つ一部の「強者」のツールとなっています。
そして、このあと、挙げるプラットフォームはわたしを含め世間の大多数を占める「弱者」である個人のツールの台頭です。
その.3マッチングプラットフォームの乱立・隆盛
Google検索エンジンと動画プラットフォームYoutube周辺のマーケティング動向をお話いたしましたが、ここにきて第3のマーケティング選択肢、とくに我々個人や中小企業のビジネスと相性がいい、ニーズマッチングプラットフォームが登場してきました。
特にここでピックアップしたいのが個人対個人のマッチングプラットフォーム
- 自分のスキルを売り出せる「ココナラ」
- 個人の時間を売り買いできる「タイムチケット」
- 自分の執筆作品、イラスト、写真、情報などを気軽にマネタイズできる「note」
- レッスン系、スキルシェアのコミュニティ「ストアカ」
- ハンドメイド雑貨、小物を売る「minne」
- 商品だけでなくスキルや作品なんでも売れる「BASE」
- 地域の同士で仕事のお願いや物の売り買い、メンバーの募集ができる「ジモティ」
音楽やイラスト、動画に特化したらさらに色々なプラットフォームが誕生しています。
ちなみに自分でもココナラやジモティー、note、タイムチケットなどのプラットフォームを実際に利用していますが、結構自分でもびっくりするくらいに仕事を獲得できたり、商品が売れたり、人が集まったりします。
検索エンジンやSNSで、仕事を獲得したりモノを売ったり、人を集めたりするより、現時点容易でハードルが低い印象を受けます。
これらプラットフォームの登場が、個人が100の生業を持つ現代版百姓、「ギグ・エコノミー」で生きるために強烈な追い風となっています。
これからの時代「ギグ・エコノミー」をフリーランス・副業サラリーマンに特に推奨する理由
結論:なぜおススメするか
仕事は人生において割り当てる時間の大部分を占めます。
この仕事の働き方が、人生の幸福度の最重要事項であることは、疑いようがないと思います。
そして、収入の多寡ではなく、幸福度の高い働き方を自ら選択・設計できる時代が来たのです。
ちなみに下記は自分の仕事(行動)の指針です。
下記の指針に基づいて仕事を創出・選択しています。
・成功≠幸福・・・成功ではなく幸せを目指す
・他人と競争しない
・承認欲求の奴隷にならない
・お金より自由な時間と健康
・仕事は楽しく得意な事
という点を掲げています。
そして、上記の価値観とドンピシャにマッチしている働き方が「ギグ・エコノミー」なんです。
「ギグ・エコノミー」の働き方を取り入れてみると
対企業ではなく対個人ビジネスにシフト
もちろんこれらのプラットフォームを企業として活用しているケースも多いのですが、大半は個人になります。
そして個人相手のビジネスなので、扱う商品やサービスの単価は低くなりますが、当然多くの個人とつながることになり、特定顧客への依存が減ります。
クライアントワークをしている個人フリーランスなどで特に多いのが、特定のクライアントや代理店一社から売り上げの大半をもらっている状況。
これは非常にリスキーです。その一社から切られたら売り上げが次の日からゼロなわけですから。
そいういう意味では、自由を求めせっかくフリーランスとなってはみたものの契約を打ち切られるリスクを抱えた派遣社員と大して変わりません。
あえて1回の取引の金額を減らし、取引する個人の数を増やすことによって、安定度は増します。
アイディアしだいでなんでも仕事になることは競争を回避する事になる
超ありがちでベタベタな商品やサービスを打ち出すと、いきなり熾烈な競争が繰り広げられ、価格競争に追い込まれて疲弊の一途はたどります。
例えば、ブームだからと言って今からタピオカミルクティー屋を開くようなものです。
あきらかな供給過剰だし、ブーム化したものというのは一気に陳腐化するので、今ではほとんどのお店が閑古鳥です。
誰しもサービスとして打ち出していないものを、これらプラットフォームに掲載する事によって、競争なく、日本各地の小さいニーズにささる可能性があります。
例えば、「レンタルおじさん」「何もせずだだ一緒に過ごす」のような誰が頼むんだこんなサービスのような、意味不明なサービスが意外にヒットしています。
これらプラットフォームはようはアイディアしだいで、競争なく仕事ができる機会を作ってくれているのです。
競争が激しくなってくれば、また新しく大喜利感覚で新しいサービスを打ってだす。
言うほど簡単な事ではありません。
ただ今はひとつのスキルを身につけたら一生安泰な時代ではありません。
日本の全員、右へならえの均一的な教育で、変化やオリジナリティのある仕事を創出するスキルを体得する事はできません。みんな苦手です。
そんな教育を受けてないわけですから、当然です。
サラリーマンという仕事が普及する前は日本人は百の生業を持つ百姓という働き方が一般だったんです。
はじめはできなくてもまず行動を起こして、試行錯誤を繰り返せば、変化しつづけるのは誰でもできる事なんです。
歳をとっても関係ない
歳をとれば、もともと持っているスキルや知識は風化し、体力も衰え、世の中の変化に察知するのも鈍感になっていきます。
競争の原理の中で生きるのであれば、早々に離脱する事は免れないでしょう。
ただ、この「ギグ・エコノミー」では、競争をしないという事を選択する事が出来ます。
むしろ歳をとった事がアドバンテージになる仕事やニーズを創出する事ができます。