エンジニアとして約20年間、同じ配属先で設計開発の業務を担ってきた八木さん。防衛関連装置という精密かつ高い専門性を要する分野で、基板設計や動作評価といった重要な業務を通じてスキルを磨き続けてきました。

「派遣エンジニアはキャリアの継続性に不安がある」というイメージがある一方で、八木さんはあえてこの働き方を選択することによってキャリアの可能性を広げています。

OSTechで経験できる仕事はどのようなものなのでしょうか？八木さんご自身の経験を振り返りながら、設計開発の業務やOSTechで働く魅力についてお話をうかがいました。

八木さん / GL（グループリーダー）/ 機電事業本部・南関東エリア・横浜支店

大学で電気工学を専攻。2002年に新卒でエンジニア派遣業界に入り、大手総合電機メーカーで防衛関連装置の設計開発を担当。同配属先で20年間、設計から評価まで一貫して業務に携わり、スキルを磨く。2010年にOSTechへ転職。「派遣エンジニアが定年まで働ける会社を作る」という理念に共感し、現在も活躍中。

派遣エンジニアながら、20年近く“同じ場所”で設計開発を担当

──まず、八木さんのこれまでのご経歴について教えてください。

大学では電気工学を専攻していました。学生時代から技術系の仕事に興味があり、将来は、ばく然とものづくりに携わりたいと考えていました。ただ、私が就職活動をしていた当時は就職難の時代。希望する職に就くのは、簡単なことではありませんでした。

そんな中で見つけたのが、派遣エンジニアという働き方です。 一つの企業に縛られず、さまざまなバックグラウンドを持つ方と働く中で、多種多様な経験とスキルが身につくと考え、興味を持ちました。

新卒では無事にエンジニア派遣の会社に入社し、総合電機メーカーに配属されました。そこでは、防衛関連装置の設計開発を担当。OSTechに転職後も同じ配属先で長期的に働き続けました。防衛関連という特性上、具体的な仕事内容はお伝えできませんが、多くの経験を積み、着実にスキルを伸ばしてきました。

昨年、担当プロジェクトが変わるまで、約20年間同じお客さまのもとで同じ仲間とともに働いてきました。

──20年間、同じ配属先で働き続けるのは、珍しいケースですよね。

派遣エンジニアというと、どうしても短期間でさまざまな現場を経験するイメージがありますよね。でも、エンジニア本人の希望や実力次第で、私のように長期間同じ配属先で働けるパターンもあるんです。

長く働く中で、お客さまからも強く信頼していただけるようになり、責任あるポジションを任されることが増えていきました。

──2010年に2社目となるOSTechに転職されました。どのようなきっかけで入社されたのでしょうか？

同じ派遣先にいたOSTechのエンジニアが「派遣エンジニアが定年まで安心して働ける会社を作りたい」と話していたのを耳にし、興味を持ちました。当時は「雇用が安定しづらい」イメージが強くあり、「安心・安定」といったキーワードに強く共感したことを覚えています。

実際入社してみても、OSTechでは長期的なキャリア形成を支援する研修制度や環境が整っていて、派遣エンジニアとしての可能性を広げられていると実感できます。

設計開発の仕事と業務の流れ

──長年担当されてきた、設計開発の仕事はどのような内容でしたか？

主に装置の動作や機能を支えるためのエレキ部分（電気的・電子的な要素）の設計開発を担当してきました。業務内容としては、基板設計、部品選定、回路図作成、動作評価などがあります。

防衛関連装置なので、具体的な装置の内容については守秘義務の関係でオープンにできませんが、安全を支える技術を通じて暮らしの安心を守る役割を担っています。全体の仕様書をもとに、設計の方向性を決め、ハードウェアとしての形を作り上げる仕事です。個別の基板だけでなく装置全体の動作を見据えて設計を進める必要があるため、設計に関する深い知見や仕様の理解が重要となります。

──業務の流れについて教えてください。

まず、最初の段階ではお客さまから提示された仕様書に基づき、全体の設計方針を固めます。仕様書を細かく読み込み、装置がどのような機能を満たすべきか理解したうえで、「どの部分にどのような基板が必要か」という構想を膨らませます。この段階では、基板設計だけでなく、使用する部品の選定やコスト、製造可能性も考慮しています。

次に進めるのが、具体的な設計作業です。CADソフトを活用して回路図を作成し、それをもとに基板メーカーへ基板の発注を行います。

ただし、単に設計データを作成するだけではありません。設計中には、部品間の相性や負荷ｘ分散、発熱の問題など、多岐にわたる要素を検証する必要があります。また、使用する部品が入手可能かどうか、あるいは製造工程で不具合が発生しないかの確認も欠かせません。特に防衛関連装置では、高い正確性と信頼性が求められるため、事前検証に多くの時間を割いていました。

基板が完成したら、次に行うのが動作評価です。単体評価では、基板単体が仕様通りに動作するかを確認します。ここでは、電流電圧の測定や、信号の伝達具合、動作速度など、さまざまな観点から詳細なチェックを行います。

その後、装置全体に組み込まれた状態での動作確認が必要です。この段階では、他の基板や部品、システムとの連携が正しく機能するか、さらに装置全体が意図した性能を発揮するかどうかを入念にテストします。

設計補助業務から徐々にステップアップを重ね、成長してきた

──どのようなときに仕事のやりがいやおもしろさを感じていますか？

自分が設計した基板が仕様通りに動作し、装置全体が問題なく稼働したときには、大きな達成感があります。また、長く同じお客さま先で信頼していただき、「次の業務も任せたい」と言われると、さらにがんばろうと思えていました。

また、基本的に開発は個人戦ではなくチーム戦。チーム全体で協力してトラブルや難しいフェーズを乗り越え、成功を共有できることもやりがいを感じます。

──高い専門スキルが求められる仕事ですが、特に難しかった点はどこでしょうか？

やはり、防衛関連装置の設計開発という特性上、非常に高い精度が求められることが難しい点です。単純な動作だけでなく、信号のタイミングや誤差許容値など、細かな部分まで考慮しなければなりません。

また、使用する部品についても、高い耐久性や信頼性が必要です。そのため、一般的な部品ではなく、特注品を使用することも多く、部品メーカーと綿密なやり取りを重ねる必要があります。

さらに、完成品がどんな環境下においても使用できる必要があるため、環境試験や耐久試験を含めた評価も重要です。たとえば、極端な温度変化や振動の中で基板が正しく動作するか、異常が発生した場合のリカバリーが可能か、といった点を確認します。こうした追加の検証作業が必要となるため、通常の開発プロセス以上に時間と労力がかかります。

──八木さんご自身はどのようにスキルアップされてきましたか？

配属当初は、上長の指示に従って書類修正や部品調査などの設計補助業務を担当していました。少しずつ仕事を覚える中で、一つの基板設計を任されるようになり、上長のフィードバックを受けながら設計スキルを磨いていきます。徐々に設計から評価まで一貫して担当できるようになり、責任と充実感を覚えながら、実務経験を通して成長してきました。

──未経験の方が同じような業務に挑戦することは可能でしょうか？

未経験者でも評価業務など下流工程からスタートすれば、少しずつスキルを積み重ねていけると思います。評価業務を通じて装置の動作原理を理解し、その知識を設計に活かすことで、上流工程に進むことも十分可能です。本人の意思さえあれば、設計や開発に挑戦できるサポート体制がOSTechにはありますから。

キャリアの選択肢はエンジニアの数だけある

──派遣エンジニアとして、OSTechで働く魅力とは何でしょうか？

OSTechの魅力は、研修制度が充実しており、未経験者でも安心して成長できる環境があることです。昇給や昇格の基準が明確で努力が正当に評価されていると感じています。

また、私のように同じ配属先で働き続ける道もあれば、さまざまな案件を経験して多角的なスキルを身につける道もある。スペシャリストを目指す選択肢もあれば、マネジメント職としてチームをまとめることもできる。個々に合わせたさまざまなキャリアパスに寄り添ってくれるところが良い点だと思います。

──どのようなエンジニアであれば、OSTechで活躍できると思いますか？

素直に仕事に向き合い、前向きに取り組める方が活躍している印象があります。人の話をしっかり聞き、チームワークを大切にできることも重要ですね。

お互いにコミュニケーションを取りながら成長していける方に入社してもらえたらうれしいです。

──最後に、求職者の方へのメッセージをお願いします。

派遣エンジニアという働き方に不安を感じている方もいるかもしれませんが、OSTechなら安心してキャリアを築けます。

スキルアップを目指したい方、長期的なキャリア形成を望む方にとって、OSTechは最適な環境です。ぜひ、私たちと一緒にチャレンジしてみませんか？

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